2014/06/04

北海道で真夏日出現 平成26年5月29日

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まだ5月なのに、北海道で最高気温30度を超える真夏日となったところがある。その中で特に顕著に表れたのがオホーツク海側の地方で、最も高かったのは紋別郡遠軽町東町と生田原の33.7℃であった。共に5月としては、観測史上最高気温であった。

この高温をもたらしたのは、この地方の南にそびえる大雪山を含む山々を越えて乾いた風が吹き降りたためで、網走の最低湿度は17%であった。(天気図参照)

最高気温の発現時に近い13時の北海道東部の気温分布を示す。30℃以上の気温は紋別地方南部から網走地方のほかに旭川周辺にも見られた。網走から少し北の海岸線の観測点では20℃以下で、その差が10℃以上ある。南風の吹きおろしの影響が出ていないためである。

2014052913気温分布

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ところで、この気温分布でオホーツク海側と反対の東部太平洋側では、気温が10℃以下の所があった。ここは、釧路沖に見られる海霧の影響が現れたものである。
この様子をひまわり可視7号の可視画像で示す。釧路沖に見えるうっすらと灰色の部分が、海霧であるが、さほど濃くはないようだ。


気象衛星ひまわり7号は今説明した可視画像(人間の目で見える光の反射を捉えている)のほかにいくつかのセンサーで地球表面の観測を行っている。

最も活用されているのが赤外画像で、テレビの天気予報等で主として使われている画像である。雲があれば雲の温度を、無ければ地上や海上の表面温度を測定し、それを画像にしたものである。地球を取り巻く大気の温度は上空に向かって次第に低くなっている。この性質を使うと、低い空に浮かぶ雲の温度は比較的高温であるが、高い空にたなびく雲の温度は低温となる。また、積乱雲のように鉛直に発達する雲は、衛星からは雲頂部分を見ているので低温となる。

ここでは、地上の最高気温の話であるので、この日の北海道がどのように観測されたか見る。少し範囲を広げて東日本まで含めた画像である。左の画像が最低気温の現れる頃として朝3時の赤外画像で、右の画像が最高気温の現れる頃の14時の赤外画像である。2枚を比較してみると13時画像では陸地の部分が黒くなっている。地表面温度が高くなったことを示している。5月も末となり、日が射すと、地表面が温められていく様子が連続画にすると良くわかる。
なお、北海道の北部に係る線状の白いものは巻雲である。一方、関東地方に白い雲が見られるが、これは雷雲である。

この画像から地表面温度が解るが、そのためには、気温に対応する白黒の濃淡の目盛が必要だが、それを示していないので概観するに留めてほしい。
20140529赤外の気温差