2014/06/16

ひまわりが見た富士山の冠雪と雲海 

関東地方は、梅雨入り後1週間ほど雨が続いたが、週末からは晴天が広がっている。今年の梅雨は、極端な天気変化が表れている。原因は日本付近の偏西風の流れが大きく蛇行したことにある。これからも天気変化のリズムが遅くなることがありそうである。

富士山
さて、6月15日8時の衛星画像では、関東地方から東海地方にかけては雲一つなく晴上っている。この中に富士山の頂上がポツンと白く写し出されている(この画像は少し濃淡を強調表示した)。富士山はまだ、雪帽子をかぶっていることを示している。 他にも、北アルプスの山々も頂上部分は雪が見られる。

富士山に関連して、こんな現象を見つけた。3か月ほど前の3月4日のことである。富士山周辺に下層雲が広がり、その雲の上に頭を出した富士山を衛星画像で捉えていたので紹介する。

朝8時から10時迄の4枚の画像を示すが、矢印で示した先の白い点が富士山である。富士山を囲むように、関東地方西部から山梨県・静岡県東部にかけて広がる明灰色の表面がのっぺりした雲が層雲である。この雲の頂上は低く富士山頂から見れば眼下に雲海が広がっている状況である。

画像を時間順に追って見ていただきたい。東南東からの陽の光が富士山に当り、東南東側が白く輝き、西北西側は陰となって黒くなっている。8時より、8時30分の画像の方が雲が白く見えるのは太陽高度が上がり、日差しが強まったためである。この日差しの強まりによって、富士山周辺を覆っていた下層の層雲系の雲が消えており、10時には関東地方はすっかり晴上った。

富士山_2

最初に示した画像と、この画像も比較してみてほしい。この3か月で富士山頂の雪が次第に減っており、中部山岳部の山々の積雪はほとんどなくなっている。