2014/07/23

関東地方の梅雨明け

関東地方は7月22日に梅雨明けが発表された。平年の梅雨明けが21日だから、平年並みの季節変化が起こっていると言えるが、いつもと少し様子が違う所もあるように思える。

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梅雨明けとなった22日9時の地上天気図では、東海上から日本の南に張り出した太平洋高気圧が勢力を増して、東日本から西日本を覆って夏本番を迎えたように見える。

一方、衛星画像(可視画像)を見ると、関東地方は雲のない高気圧の中心に位置しており、今日梅雨明けが発表されたとは思えない形である。もう少し周囲の状況を見ることにする。2日前に関東南部に激しい雷雨や局所的に猛烈な雨を降らせた低気圧が東海上に進み、この低気圧の東側から小笠原諸島の北に延びる雲の帯が見られ、さらにその先は、弱まりながら奄美諸島の北に延びている。地上天気図では南海上から日本付近を覆う太平洋高気圧が強まったように見えるが、実は、このように南側の太平洋高気圧の本体と日本付近を覆う高気圧に分かれている。これが今後の天気にどう影響が出るか判らないが、台風第10号の動きに関係して、日本付近の上空がどう変化していくか注視したい。

なお、サハリンの北にある低気圧から延びる前線が沿海州沿いに南西に延びており、東北や北陸地方の梅雨明けに待ったをかけた形である。

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今年の梅雨明けがちょっと変わっているといったが、「普段はどうなのだ」と言われそうだ。
そこで、最近数年の関東地方が梅雨明けした日の衛星画像(可視画像)を並べてみる。画像には梅雨明けの主役である太平洋高気圧と梅雨前線の雲の帯がわかるよう名前を付けた。
一般的に梅雨明けは太平洋高気圧が勢力を増し、梅雨前線を北に押し上げるか、前線の活動が弱まっていくタイプがある。太平洋高気圧の勢力拡大による梅雨明けでは、その地方の北に活発な梅雨前線がはっきりと見えている。

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2013年の梅雨明けでは、梅雨前線は北陸沿岸から九州の北に延びている状況で、その南の太平洋高気圧は南海上を中国華南方面まで張り出し強い様子が判る。一気に夏到来の様相である。しかし、2012年の様子は、今年と同じように太平洋高気圧は2つに分裂しているようにも見える。一つは九州の西に中心があり、もう一つは小笠原の南東海上に顔見せている。

2011年は、関東平野にかかっていた前線が弱まった形であけているが、西日本方面では太平洋高気圧の強まりによって梅雨明けとなった。2010年も太平洋高気圧の強まりによって梅雨明けだが、この北への強まりの後押ししたのが、南海上を西進した熱帯低気圧の雲といえそうだ。
2009年も太平洋高気圧の強まりによって梅雨明けとなった形である。2008年は伊豆諸島の活発な雨雲が見られるが、この後は東に移動し、太平洋高気圧の勢力かに入った形である。
その年その年によって様々な形で梅雨が明けていることが判る。
ことわざに「梅雨明け10日」というのがあるが、今年の梅雨明け後はどのように推移するだろうか。