2014/07/22

マレーシア航空のこと

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日本時間7月18日朝のテレビニュースで、『マレーシア航空機、撃墜』という報道を目にした時、本当に驚きました。民間航空機であるマレーシア航空機が“墜落”ではなくて“撃墜”だなんて、いったいなにがあったんだぁ!? (@_@)

墜落したのはオランダのアムステルダムにあるスキポール国際空港を出発し、マレーシアのクアラルンプール国際空港に向かっていたマレーシア航空のボーイング777型機。同機は、日本時間17日午後11時15分頃、ロシアとの国境からおよそ50km離れたウクライナ東部に墜落しました。同機には乳幼児3人を含む乗客283人、乗員15人の合わせて298人が搭乗していて、全員が死亡した模様です。

ウクライナは現在、ウクライナ政府軍と親ロシア派の武装集団との間で激しい武力闘争(内戦)が行われていて、今回のマレーシア航空機の墜落についてウクライナのポロシェンコ大統領は、「テロリストが民間の旅客機を撃墜した」と述べ、親ロシア派の武装集団が撃墜したものだと強く非難しました。また、ウクライナ内務省の高官は武装集団は旧ソビエト製の地対空ミサイルを使って旅客機を撃墜したと述べました。一方、ウクライナ東部の親ロシア派は、「我々は上空10kmを飛ぶ航空機を撃墜できる武器を持っていない。ウクライナ軍が撃墜したものだ」と述べ、双方の主張が真っ向から対立している状態で、ミサイル攻撃による撃墜は間違いのないことのようですが、どちらがやったことなのかについてははっきりしていません。

その朝のニュースでも、現地からの映像で、機体がバラバラになって広範囲に散乱し、黒焦げになっている悲惨な現場の様子が映し出されていました。その映像を観た限りでも、素人目にもこれがただの墜落事故ではないということが解ります。

犠牲者とご家族の方々に心から哀悼の意を表します。合掌…………………。

いっさいの武器を搭載しておらず、一般の民間人ばかりを載せた民間航空機が“撃墜”されるなんて、絶対にあってはならないことで、墜落の真の原因が早急に究明されることがまずは求められますね。そのうえで仮に撃墜されたということであれば(まず間違いなく撃墜なのでしょうが)、攻撃した側は(たとえそれが誤射という過失によるものであったとしても)国際社会から強い非難を浴びることになるのは当然のことであって、これでもって国際情勢に極めて大きな変化をもたらすことにもなります。

ミサイルを発射した本人はまさかこれほどのことになろうとは微塵も思わず、発射のボタンを押したのではないか…と思われますが、とにかく、とんでもない“事件”が起きてしまいました。

それにしても、撃墜されたのがまたまたマレーシア航空機ですか…。マレーシア航空機と言えば、4ヶ月前の今年3月8日、マレーシアのクアラルンプール国際空港から中国の北京国際空港に向かっていたマレーシア航空のボーイング777型機が、離陸から50分後に南シナ海の上空で突然消息を絶つという事件も発生しました。消息を絶ってから4ヶ月以上が経ったのですが、今も依然として行方が分かっていません。なんら緊急信号を発信しないままレーダーから機影が消えて、連絡もつかなくなったということですし、ミステリー事件のようになってしまっていて、今は多くの人々の記憶からも忘れ去られようとさえしています。

この消息不明機の捜索にあたっては、機影が消えた周辺海域のみならず、搭載燃料から割り出した飛行可能な距離ギリギリにまで捜索範囲を広げ、マレーシア国だけでなく周辺諸国や、中国、アメリカ、オーストラリア、日本など多くの国の救難機関や軍隊を動員しての懸命の捜索にも関わらず、飛行機が着陸や墜落した形跡がいまだ何一つ見つかっていません。

マレーシア航空の旅客機の捜索にあたっては、消息を絶って間もなく、米国の衛星写真会社デジタルグローブ社が自社が所有する2つの人工衛星で撮影した捜索が行われている海域一帯の最新の高解像度の衛星写真を専用のWebサイト上に公開し、写真の中に機体の一部などが写っていないか調べてほしいと、世界中のネットユーザーに協力を呼びかけました。

インターネットを通じて不特定多数の人から情報を求めるこうした手法は『クラウドソーシング』と呼ばれ、デジタルグローブ社では昨年11月に台風30号がフィリピンを直撃した際にも、被害の実態を把握するために衛星写真を公開し、24時間で数千人が協力したという実績があります。

その報道を目にして、私も防災に関わる者の1人として経験しておこうと思い、また、後述のようにマレーシア航空さんとのご縁もありましたことから、そのWebサイトの公開後10日間ほど、帰宅後の夜中の2時間ほどの時間で捜索活動に協力させていただきました。

あまりに広い捜索エリアでしたので、このようにインターネットを通じて世界中の不特定多数の人の目で探してもらうという手法が有効なのかもしれないな…と実感しました。消息を絶ったあたりや陸地に近い海域は既にマレーシア軍やベトナム軍等の艦船や飛行機がくまなく捜索をしているだろうと判断し、私が主に捜索したのは消息を絶ったのとはマレー半島を挟んで反対側のインド洋上でしたが、残念ながらなにもそれらしいものは発見できませんでした。

それにしても、宇宙からここまで鮮明に地上のことが見えているんですね。防災には有効かもしれませんが、正直これにはゾォ~~ッ!(-_-;)…っとしました。

旅客機が発信する位置や高度等の情報(飛行機の外の気温や気流に関する情報も含まれたりもする)は、ACARS(Automatic Communications Addressing and Reporting System)と呼ばれる空地ディジタル通信網(データリンクシステム)を介して絶えず自動的に飛行機から地上へ、また、飛行ルートの指示や着陸空港の状態等の必要な運航情報をARINCの通信網を介して地上から飛行機側へ提供されるようになっています。この飛行機と地上との情報のやり取りは衛星通信を含む無線通信系を介して行われます。地上のACARS無線局には通信処理システムが置かれていて、そこで電文形式のフォーマット変換が行われて、各航空会社等のコンピュータシステムとの情報のやり取りを直接可能にしています。

私は前の会社にいた時、一時期、このACARS無線局の通信処理システムの開発に関わっていたこともあるので、このあたりの仕組みについては少しは詳しいのですが、この通信が突然途絶えたというのも不思議です。通常ではとても考えにくいことです。

とにかく、このマレーシア航空機の消息不明事件は謎だらけのままです。早く消えた機体が見つかり、消息を断った原因が判明することを祈るだけです。

実は、マレーシアと言うと、今から20年前の平成6年に、私が初めて海外出張に訪れた国がマレーシアでした。その時の案件は、今回の撃墜事故でマレーシア航空のボーイング777型機が向かっていた、そして3月に起きた消息不明事故では消息を断った同じくマレーシア航空のボーイング777型機が離陸したマレーシアの首都クアラルンプールの近郊にあるクアラルンプール国際空港(KLIA)の旅客案内システムの受注活動でした。

海外案件の初挑戦にしてはかなり頑張ってみたのですが、残念ながら入札で中国系企業コンソーシアムに僅かな差で破れ失注しちゃいましたが、その時に私が前にいたNTTデータが組ませていただいたコンソーシアムの代表企業が、実はマレーシア航空さんでした。

なので、当時打ち合わせ等で20回近く訪れたマレーシア出張で使用したエアラインは基本的にマレーシア航空の便でした(コンソーシアムの仲間だということで、当時はまだ若輩者だった私にもシートを無償でワングレード上げていただいたこともありました)。当時のマレーシア航空はボーイング747型機が1日2便、クアラルンプールと成田空港の間を結んでいました(うち1便は成田空港を経由して米国のサンフランシスコまで行く便でした。さらに週に2便、ボルネオ島のコタキナバル経由の便もありました)。

報道でも流れているように、マレーシア航空はマレーシアのナショナルフラッグキャリア、元は国営企業だった航空会社で(日本で言うと、JALさんのような会社です)、私が当時、検討作業や提案書作成作業、マレーシア政府へのプレゼンテーション等でご一緒させていただいたマレーシア航空の幹部や社員の皆さんはマレーシア国のエリートばかりで(マレー人だけでなくインド系や中国系のマレーシア人の方もいらっしゃいました)、ほとんどが米国や旧宗主国である英国への留学経験を持つ素晴らしい方々ばかりでした。英国人やオーストラリア人の社員の方もいらっしゃって、もちろん英語はふつうの日常会話でも使われていて、英語が苦手だった私なんぞ恥ずかしい思いばかりしていました。なので、マレーシア航空はなかなかの会社だと思いましたし、今も私はそう思っています。機体整備の子会社も保有していて、日本をはじめ海外のエアラインからも機体の整備を請け負っているということでした。

というわけで、マレーシア航空さんとお付き合いがあった記念としてマレーシア航空の飛行機のミニチュアモデルは大小あわせて5機保有しています。冒頭に載せた写真はその中の1機で、今回撃墜され、また3月に消息不明になったボーイング777型機です。(ボーイング777型機は日本でもJALやANAが国際線・国内線ともに主力機材として使用している非常に完成度の高い素晴らしい機体で、私は好きです。)

こういうご縁があったので、3月にマレーシア航空のボーイング777型機が消息を断ったというニュースを聞いた時から、私はその当時ご一緒した方々のことを思い出し、まるで他人事とは思えず、心穏やかではない日々をずっと過ごしていました。

そこに飛び込んできたのが今回の“撃墜”という事故。そのあまりにもショッキングなニュースを最初に耳にした時、マレーシア航空機ということで、実は3月のあのマレーシア航空機の消息不明事件は撃墜だったのだ…という報道だと一瞬勘違いしたくらいでした。それがまた新たなマレーシア航空を襲った災難だということが分かり、ホント驚いていると同時に、強いショックを受けています。

マレーシア航空は、近年、同じクアラルンプール国際空港を拠点とするエアアジアをはじめとしたLCC(格安航空会社)の急激な台頭で非常に厳しい経営状態を強いられている…という情報をたびたび耳にしていました。特に消息不明事件のあった3月以降は最悪の経営状況のようで、社員の賃金削減や大規模なリストラを断行。今回の撃墜事故も燃料コスト削減のために、あえて(最短ルートである)ウクライナ上空を通る危険なコースを選択せざるを得なかったから起こったのではないか…と推察されます。なので、マレーシア航空の今後の動向を、私は非常に危惧し、気にしています。

マレーシア航空の社長をはじめとした幹部、社員の多くはマレー人。マレー人は敬虔なイスラム教徒(穏健なスンニー派が主体)。社内には各階にプレイング・ルームという特別な祈りの部屋があり、会議中であっても決められた時間になるとイスラム教徒の方々は「ここでしばらくブレイクだ」と言って会議室を出ていかれ、そのプレイングルームに籠って神に祈りを捧げていました。会議室や事務室の天井にもメッカの方向に向かって矢印が描かれていて、会議室や事務室の中でメッカの方角を向いて熱心に祈りを捧げている方もいらっしゃいました。

そうしたマレーシア航空の方々にアラーのご加護があらんことを、心からお祈りいたします………。

頑張れ MAS(マレーシア航空)!!

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
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越智正昭

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