2014/09/22

巨大災害 ~MEGA DISASTER~ 地球大変動の衝撃(第3集)

NHKスペシャル『巨大災害 ~MEGA DISASTER~』、9月20日(土)21時から放送された第3集は『巨大地震 ~見えてきた脅威のメカニズム~』がテーマでした。

このところインドネシアや日本、南米のチリなどで相次いで巨大地震が発生しています。今年に入ってからも、北太平洋のアリューシャン列島沖や南太平洋のニュージーランド沖でかなり規模の大きな地震が発生しました。

『おちゃめ日記』グローバルの視点

また、今月に入ってからも9月16日の午後0時28分頃、茨城県南部を震源としたマグニチュード5.6(震源の深さ約50km)と推定される地震が発生し、栃木県南部、群馬県南部、埼玉県北部では震度5弱の大きな揺れがありました。首都圏で死者・行方不明者14万人以上という日本の災害史上最大の未曽有の被害を出した関東大震災から91年。こちらのほうも気になるところです。

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この地球を揺るがすほどの膨大なエネルギーはどのようにして生まれるのか。今、世界の科学者達は人工的に発生させた地震波のデータを解析することによって、地下の構造をあたかもレントゲン写真のように可視化することができる最新技術『地震波トモグラフィー』を使って、地震発生のメカニズムの解明に迫ろうとしています。番組ではその取り組みを中心に取り上げました。

その結果、現在、日本列島周辺で巨大地震の発生が最も危惧される南海トラフ付近(四国から東海地方にかけての太平洋の海底)では、地下の構造データの解析から、膨大なエネルギーを蓄積している領域が2箇所あることが分かってきたそうです。番組ではその調査の様子や解析結果を取り上げていましたが、「かなりヤバイぞ。被害の程度を減じたり、円滑な避難を行わせるための対策を急がないといけないな」…と思わせてくれるものでした。

この南海トラフは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートという地球の表面を覆う14個の大きな大陸プレート(岩盤)のうちの2つの境界面にできた海溝のことです。3年前の東日本大震災を引き起こした超巨大な東北地方太平洋沖地震も、太平洋プレートと北米プレートの境界面である日本海溝付近を震源として発生しました。巨大な地震のほとんどは、この大陸プレートの境界面にある海溝付近を震源として発生しているので、“海溝型地震”と呼ばれます。

この調査では、南海トラフ付近で膨大なエネルギーを蓄積している領域が2箇所あることが分かっただけで、その膨大なエネルギーの放出による超巨大地震がいつ発生するかていう地震の“予知”まではまだまだ至っていないのですが、上記の対策を加速させるには十分な根拠になりうると私は思います。

また、世界の観測史上最大のマグニチュード9.5の超巨大地震が発生した南米のチリでは、そのマグニチュード9.5よりも規模の大きな地震が起きる可能性があることが、『地震波トモグラフィー』を使った調査により指摘され始めているとのことです。このチリ付近は南米大陸の太平洋岸に沿ってナスカプレートと南米プレートという2つの大陸プレートの接合面があるところで、大陸プレートの沈み込む角度が小さいため、大陸プレートの接合面の面積が広く、より大きなエネルギーが蓄積されやすいので超巨大地震が発生しやすいのだとか。この大陸プレートの沈み込む角度が小さいのは南海トラフも同様らしく、心配になります。

さらに、『地震波トモグラフィー』を用いて「巨大地震を引き起こす大陸プレートの活動が何故起きるのか?」という地球の根源的なシステムの謎にも答えを出そうとしていることの取り組みについても紹介されました。

日本列島の地下600km付近には地球最大のプレートの残骸の塊が横たわり、その塊が地球内部に下降流となって落下している様子が既に調査によって捉えられています。この下降流が地球規模のマントル対流を引き起こし、大陸プレートを動かす原動力の一つになっていることが、最新の解析結果から明らかになってきたのだとか。人類の科学技術はここまで来たのか…という驚きとともな、「地球も生き物なんだ」ということを改めて気づかせてくれました。

地球内部の大循環システムの鍵を握っていることが分かってきた日本列島の地下。なんと言っても日本列島付近では、地球の表面を覆う14の大陸プレートのうち、太平洋プレート、北米プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレートという4つのプレートの接合面があるわけで、地球内部の大循環システムの鍵を握っていることというのもよく分かります。

番組では、最新技術『地震波トモグラフィー』が解き明かし始めた地球内部の挙動から、巨大地震の発生メカニズムを読み解いていくのですが、非常に興味深かったです。

巨大地震の発生メカニズムを読み解くのは、国家レベルで取り組まないといけない仕事であり、あくまでも“理学”の世界の話です。私達民間気象情報会社は直接関与する機会もないのが残念なところですが、私達民間気象情報会社には迫り来るリスクの情報をちゃんと世の中にお伝えし、それによる被害を最小限にするという大きな使命があります。

こうした科学技術の進歩と歩調を合わせて、迫り来るリスクに関する情報の提供の仕方について、一生懸命に考えていかないといけない…と思っています。

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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越智正昭

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