2014/09/26

曼珠沙華

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先日、埼玉県日高市にある巾着田(きんちゃくだ)で、一面の“曼珠沙華”が、ちょうど見頃を迎えていると言うテレビ報道がありました。

添付の写真は私の自宅最寄駅JR埼京線の与野本町駅までの通勤路の途中の道路の植え込みの中で見掛けた“曼珠沙華”です。

“曼珠沙華”はヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、球根で繁殖します。日本には、中国から稲作が伝来してきた時に、土と一緒に球根が混入して広まった帰化植物と考えられています。道端などに群生し、9月中旬に赤い花をつけます(中には白い花の曼珠沙華もあるようです)。

生長の仕方は独特で、夏の終わりから秋の初めにかけて、高さ30~50cmの茎が葉のない状態で地上に突然伸びてきて、その先端に5~7個前後の鮮やかな真っ赤な色の花を咲かせます。開花はほんの数日で終わり、後は茎だけになっちゃいます。その後、長さ30~50cmの長い線形の細い葉を出しますが、翌春になるとその葉は枯れてしまい、秋が近づいて花が咲くための茎が突然生えてくるまで、地表には何も生えてきません。

このように、開花期には葉がなく、葉があるときは花がないという不思議な植物です。すなわち、花と葉を同時に見ることはできません。葉のある時には花はなく、反対に、花の咲く時には葉がありません。このことから韓国では「サンチョ(相思華)」と呼ぶらしいです。「花は葉を思い、葉は花を思う」という意味とのことらしいです。

私がこの“曼珠沙華”というなんともミステリアスな響きの花の名前を知ったのは、今からちょうど30年ほど前のこと。あの永遠の歌姫・山口百恵さんが1978年に出した16枚目のアルバム(当時はLPと言いました)のアルバムタイトルに、この“曼珠沙華”という名称が使われたことがきっかけでした。正式なアルバムタイトルは『二十歳の記念碑 曼珠沙華』。タイトル通り、山口百恵さんが二十歳の時の作品です。

もちろん私も買いました。なんと言っても、A面の1曲目は、あの歴史的大ヒット曲「いい日旅立ち」ですからね。山口百恵さんが出したアルバムの中では、一番売れたアルバムの筈です。

そのA面の一番最後には、ズバリ「曼珠沙華」という題名の楽曲が収められていて、この曲はアルバム発売の翌年、1979年に発売されたシングル「美・サイレント」のB面としても収録されました。阿木燿子さんの作詞、 宇崎竜童さんの作曲です。

前述のように、正直なところ、私はその楽曲を聴くまで“曼珠沙華”という花の存在は知りませんでした。漢字を見れば容易に想像がつくとおり、この名称は法華経の中に出てくる梵(サンスクリット)語。その意味は“天上の花”ということだそうで、「おめでたい事が起こる兆しに、この赤い花が天から降ってくる」と経典には書かれているらしいです。

で、梵(サンスクリット)語での発音は 「マンジューシャカ」。山口百恵さんも「マンジュシャゲ」ではなく、確かに「マンジューシャカ」と歌っていました。

で、どんな花なんだろう?って興味を持って調べてみたところ、なんとそれが私も昔からよく知っていた“彼岸花(ヒガンバナ)”だったと知ってビックリ(@_@)。

「なぁ~んだ、曼珠沙華って彼岸花のことなんじゃん(-.-)」って思ったわけなんです。(妻にこの話をしたところ、当時、妻も私と似たようなものだったそうです・笑)

私の田舎などでは、“曼珠沙華”、すなわち“彼岸花”はお墓のそばなどで咲いていることが多く、それゆえ「死人花(しびとばな)」や「地獄花(じごくばな)」、「幽霊花(ゆうれいばな)」などと呼んで、どちらかと言うと不吉であると忌み嫌われるような花だったのです。その先入観があるため、山口百恵さんのこの楽曲を聴いた時は、歌詞の解釈にそうした先入観が働いてしまって、理解不能ではありました。

まぁ~、“彼岸花”は、球根の部分にアルカロイドという有毒物質を大量に含んでいて、間違って食した場合には、吐き気や下痢、ひどい場合には中枢神経の麻痺を起こして死にいたるとまで言われている植物ですから、「綺麗な花には“毒”がある」という危険な感じで、私はこの楽曲の歌詞の意味をずっと解釈していました(笑)。美しい二十歳の若い女性歌手が歌うには、なんとも刺激的と言うか衝撃的な内容の歌詞でしたから。

ちなみに、彼岸花は水田の畦(あぜ)や墓地に多く見られますが、これは水田の畦の場合はネズミ、モグラ、虫など田圃を荒らす動物がその毒を嫌って避けるようにするために、また、墓地の場合は土葬後に死体が動物によって掘り荒されるのを防ぐために意識的に人手によって植えられたためと言われています。彼岸花の名は秋のちょうどお彼岸の頃から開花することに由来すると一般には言われていますが、別の説では、これを食べた後は「彼岸(死)」しかないという物騒な説もあるそうです。

そうした曼珠沙華(彼岸花)ですが、これが何千本と一面に咲き誇ると、それは見事、圧巻の一言です。私も日高市の巾着田の“曼珠沙華”は一昨年に妻と観に行ったことがあるのですが、それはそれは見事でした。だいたい同じくらいの高さの茎の上に花が付いていて、前述のように葉っぱはなし。独特の花弁の形とも相まって、柔らかな真っ赤な絨毯を思わせます。

東京周辺の見どころとしては、この埼玉県日高市の巾着田が日本一の規模の彼岸花群生地として有名です。西武池袋線で池袋から行くと、飯能の二駅先、高麗駅が最寄り駅で、そこから徒歩20分の距離にあります。ここは入間川の支流の高麗川(こまがわ)沿いの水田地帯で、川沿いはまさに一面が赤い絨毯を敷き詰めたように彼岸花に覆われていて圧巻です。花の見頃は9月下旬と言うことで、花の時期としてはもうお終いに近くになっています。東京周辺にお住まいの方、今度の週末、訪れてみてはいかがでしょう。

陽当たりのいい場所(もとは田圃でしょう)に植えてある色とりどりのコスモスもちょうど今が満開、見頃ですよ。


【追記1】
山口百恵さんといえば、さだまさしさんが作詞作曲した『秋桜(コスモス)』という名曲がありました。また、谷村新司さんが作詞作曲した名曲中の名曲『いい日旅立ち』の二番の歌詞の中にも“ススキ”という文字が入っていました。『曼珠沙華』もそうですが、山口百恵さんはイメージ的に“秋”という季節がとてもよく似合う歌い手さんだったように思います。最近は息子さんが俳優として活躍されていて、演技の中で見せる彼のふとした表情に「あぁ、やっぱり百恵さんのお子さんだなぁ~」って思ったりしています(^^;


【追記2】
今朝(26日)、我が家の玄関先で鉢植えにしていた花が大輪の花を咲かせました。ハイビスカスの花とよく似ていますが、ハイビスカスとはまったく別の新種で、『タイタンビカス』と言うのだそうです(ハイビスカスと違い、宿根草です)。“タイタン”の名前に相応しく、ハイビスカスよりも花が一回り大きく、色も深紅で、この時期の花としては圧倒的な存在感があります。ハイビスカスが好きなので、試しに苗を買って育てていたのですが、咲いた花を見てビックリしました。ツボミはあと2つあり、来週前半には2つとも咲きそうです。最近は品種改良が進んで、いろいろと面白い観賞用の植物が出てきていますね(^^)d
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執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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