2015/02/02

大人の修学旅行2015 in 土佐の一本釣り(その2)

翌日(1月11日)、午前7時過ぎに実家を出ました。さすがに関東地方より経度的に西にあるので、午前7時と言っても夜が明けた直後って感じでまだ薄暗く(関東地方とは1時間ほど夜明けが遅い感じがします)、空を見上げると一面の雲が立ち込めています。テレビの天気予報を見ると、この日の西日本は北から寒気が流れ込んでくる影響で、日本海に面した山陰地方では雪。四国の瀬戸内海側の地方もその寒気の影響を受けて曇りがちの天気のようですが、屏風のように立ちはだかった四国山地はその寒気の流入すらも防いでくれてるようで、四国の太平洋側の高知県は晴れマークになっています。「よしっ!o(^o^)o」

今年86歳になる母には門のところで私の姿が見えなくなるまで見送られ、また、今年88歳になる父は、毎朝日課にしている散歩のコースをわざわざ変更して、散歩がてらと称して自宅近くの伊予鉄道(伊予鉄)横河原線の北久米駅まで見送りに来てくれました。ありがたいことです。「ごめんね。またゆっくり帰ってくるからね」…って思いを込めて父と母に手を振り、伊予鉄道3000系の高浜行き電車(元京王電鉄井の頭線を走っていた首都圏在住の方にはお馴染みの車両です)に乗り込みました。

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松山市駅を経て15分弱の乗車時間で大手町駅に到着。この大手町駅は付近にダイヤモンドクロスという伊予鉄の郊外電車の線路と、同じく伊予鉄の路面電車の線路が直角に交わる(すなわち、路面電車が踏切で郊外電車の通過を待つ)ところが日本で唯一あることで鉄道マニアの間ではそれなりに有名な駅なのですが、伊予鉄の郊外電車の線では、JR松山駅の最寄り駅でもあります。

大手町で伊予鉄の郊外電車を降りて、5分も歩くと、JR松山駅に着きます。このJR松山駅、愛媛県の県庁所在地・松山市の玄関駅としては意外なほど小さな駅舎です。市内中心部からもちょっと離れたところに位置しているのに加え、新幹線も乗り入れておらず、新幹線接続駅である岡山駅との間も特急を使っても所要時間約3時間と距離があるので、東京や大阪、名古屋といった大都市との人の移動は飛行機に流れがちで、対岸の広島に行くには船を利用するので(高速艇で約1時間で広島に行けます)、本州にあるこれらの都市へ移動に鉄道を利用する人の数はあまり多くありません。さらに、四国島内の移動も近年の高速道路網の整備で自家用車や高速バスに流れて鉄道利用者が減少の一途を辿っていることも大きな要因になっていると思います。

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こうした状況に対抗するため、運行するJR四国も手をこまねいているわけではなく、このところ観光路線化を中心にいろいろな施策を打ってきています。特にお得な各種割引切符の充実ぶりはJRグループ各社の中でも随一であると言っても過言ではないと思います。今回、私が買い求めたのもそんな割引切符の「四万十・宇和海フリーきっぷ」です。この「四万十・宇和海フリーきっぷ」は、JR線(宇和島~若井間:予土線)の普通列車、土佐くろしお鉄道線(宿毛~中村~窪川間)の特急列車及び普通列車自由席、宇和島自動車線(宇和島~宿毛間)の路線バスを自由に乗り降りできるという優れものの切符です。特にそのフリー区間に加えて、フリー区間の両端に松山駅から高知駅までの特急自由席が乗車できる片道タイプの切符も用意されていて、今回はその片道タイプの「四万十・宇和海フリーきっぷ」を利用しました。帰りは高知空港から飛行機で東京に戻ることにしていますので、まさに私の今回の旅行のために用意していただいてるような切符で、これを使わない手はありません。これで4,940円。メチャメチャお買い得な切符です。

私が乗る松山始発の予讃線、宇和島行き8時08分発の特急「宇和海5号」は既に跨線橋を渡った先の3番線ホームに入っていました。JR予讃線の宇和島方面は途中の伊予市までしか電化されていないので、特急「宇和海5号」に使用される車両は2000系ディーゼル特急車両。それもJR四国の看板列車『アンパンマン列車』です。ちなみに、1番線ホームに停車している岡山行きの「しおかぜ10号」も『アンパンマン列車』です。

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このJR四国の2000系ディーゼル特急列車は、非電化区間が多いJR四国向けに、さらには急勾配で四国山脈を越えて高知に行く土讃線の速度向上を目的として特別に開発された車両で、高出力のディーゼルエンジンを搭載し、急カーブが連続するJR四国の路線でも高速で走行が出来るように振り子制御式になっているので、カーブに差し掛かるたびに右に左に大きく傾きます。

1989年に試作車が完成し、1990年から量産車が導入されました。考えてみれば導入から25年が経過し、すっかりJR四国の顔とも言える車両になりました。最高時速は120km/h。この車両や電化区間の高松(岡山)~松山間で使用される同じく振り子制御式の特急用電車8000系車両の導入により、JR四国の列車の所要時間は随分と短くなりました。1997年からは高徳線(高松~徳島間)向けに最高速度130km/h運転を目的としてさらに高出力のディーゼルエンジンを搭載した改良型であるN2000系ディーゼル特急列車が導入されていますが、今もJR四国の代表車両と言えば、この2000系ディーゼル特急列車です。

最近は各鉄道会社で車体を様々にラッピングさせた車両が走るようになりましたが、看板の特急列車の車体に最初にラッピングを施したのがJR四国ではないでしょうか。それが『アンパンマン列車』。

幼い子供達に人気のアニメ「それいけ! アンパンマン」の作者として有名な高知県出身の漫画家・やなせたかしさんにちなんで2000年に土讃線に『アンパンマン列車1号(ブルー)』が登場し、世間をアッ!と驚かせました。『アンパンマン列車』には、このほか「ドキンちゃん号」や「食パンマン号」、「ばいきんまん号」もあります。その後、『アンパンマン列車』はリニューアルを繰り返しながら徐々に数を増殖し、現在ではJR四国の2000系ディーゼル特急車両の半数近くが『アンパンマン列車』のラッピングを施されて運用されています。現在は2012年に投入されたその4代目です。

この『アンパンマン列車』、車体外装は全面にアニメ「それいけ! アンパンマン」に登場する各種のキャラクターが描かれているほか、車両内部の内装にもキャラクターが描かれています。おまけに車内放送のチャイムもアンパンマン・マーチ(^-^)v 聴いているだけで元気になれます(笑) かつてはアンパンマン(戸田恵子さん)の声で車内放送が流されていました。 IMG_0421

この、やなせたかしさんが描くアニメ「それいけ! アンパンマン」の凄いところは、小さな子供達の心を一瞬でグッと鷲掴みにしてしまうところ。我が家の1歳4ヶ月になった孫娘もアンパンマンが大好きで、私のところにアンパンマンの絵本を持ってきては「パンパンパン(本人はアンパンマンと言っているつもりらしい)」と言いながら、オジイチャンの私に各キャラクターを指さして教えてくれます。孫娘がこの『アンパンマン列車』を見たら、大興奮して大喜びすることでしょう。いつか『アンパンマン列車』に乗せに連れてきたいな…と思っています。

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その私にとってお馴染みになっている「それいけ! アンパンマン」の様々なキャラクターが車体いっぱいに描かれた『アンパンマン列車』特急宇和海5号は県都松山市を離れ愛媛県を西南方向に進みます。特急列車と言っても、編成は短い3両編成です(鉄道模型にピッタリです)。高出力のディーゼルエンジンを搭載しているため、軽快なエンジン音が車内に響きます。かつてのディーゼルカーのような腹の底に響くような重低音のエンジン音は聞こえません。

松山を出て宇和島に向かう予讃線は海岸線沿いではなく内陸部を進みます。1986年、向井原駅~伊予大洲駅間について内子経由の新線が完成し、これまで伊予灘(海)に面した伊予長浜駅経由の従来線で運転されていた特急・急行列車は、内子線を含めた内子駅経由の短絡ルートに変更され所要時間が一気に短縮されました。新線と言っても、非電化単線ですが、軌条(線路)の規格を向上させたり、高出力の2000系ディーゼル特急車両を導入したりした成果で、単線区間を運転する列車の表定速度は日本でもトップレベルを誇っています。(ちなみに伊予市駅~ 伊予大洲駅間の海回り区間(旧線)には2014年3月15日から「愛ある伊予灘線」の愛称が新たに付与されて、非常に車窓の景色がいい区間であることから観光路線として大々的に売り出しを図っているようです。)

内子、大洲、八幡浜…と停車していきます。内子は四国山地で採れる木蝋の集積地として古くから栄えた町ですし、大洲は城下町。八幡浜は水揚げ高の多い漁港として知られています。八幡浜駅~ 宇和島駅間は、総じて旧線と同じくらいかそれ以上に険しい道のりが続きます。海岸段丘の上を線路が走っているので、山が両側に迫っていたり最大33‰の急勾配で上がったり下がったりする区間が続きます。

やっと少し開けたところに出てきたな…と思ったら宇和盆地。卯之町(西予市)を過ぎたあたりは米どころの穀倉地帯。行く手の両側には豊かな田園風景が広がります。特急の名称は「宇和海」になっていますが、その名称とは裏腹に車窓からは海はほとんど見えません。下宇和から終点宇和島駅にかけて一気に山から下り降りる途中で、やっとリアス式海岸の宇和海の風景が顔を出し、ここが予讃線の車窓のハイライトとなっています。ちなみに宇和海の対岸は九州の宮崎県です。



……(その3)に続きます。

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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