2015/03/16

大企業病(メタボの逆襲)

今年も人間ドックを受診してきました。今年も明らかに“病気”だ!と断定されて治療が必要なものは見つからなかったものの、検査結果の数値的にはギリギリ境界値のものが増えてきました。若い頃から不健康な生活を続けてきたツケですね、これは。ヤバい!(^^;

この先、長く孫と遊ぶためにも、健康でい続けないといけません。暴飲暴食は避け、極力規則正しい生活を送るようにしないといけない…って、思います。

先日、息子夫婦と横浜の山下公園に出掛けたのですが、1歳半になる孫娘が歩く歩く(@_@) 歩けるようになったのが嬉しくてたまらないらしく、抱っこもベビーカーも嫌がり、1人でどこまでも歩いていきます。パパやママが手を繋ごうとしても、その手を振り切り、1人で歩きます。しかも速い。短い脚をせわしなく交互に動かし、大人とほとんど変わらない速度でチョコマカチョコマカ歩いていきます。そのうち走り出すのではないか…と思えるくらい(^o^;)。さすがに時々ポテッと前のめりになって転ぶのですが、両手を上手に使ってガードするので、顔面からドォーン!とはなりません。なので、転んでも泣きません。照れくさそうな顔をしてすぐに立ち上がり、手をパンパンして、ニッコリ(^^)。また歩き出します。自分が興味をひいたものがある方向に歩いていくので、どこに行くのかはまったく予測不能。一瞬も目が離せません(@_@)

そんな感じで氷川丸のところから赤レンガ倉庫にかけて、ゆうに2kmは1人で歩いたでしょうか。それも往復。ふだん歩き慣れていないせいか、こちらが疲れてしまうくらいです(^^;

下記の写真の1枚は、途中で鳩さんに「こんにちはぁ~」をやっているところです。これがチョォ~可愛い! 犬さんに興味があるようで、歩いていても犬さんを見つけると、すぐに犬さんのほうに近づいていきます。


diary

diary (2)


ジジ馬鹿をさせていただきますと、こりゃあお祖父ちゃんとしては妙に期待してしまいますがな(^.^) この生まれつきの脚力と心肺能力の高さは凄い! しかも、頑張り屋さん。もしかしたら将来は女子マラソン日本代表? 少なくとも小学校の運動会の徒競走で“ブッチギリ”を見せて、ジイジを楽しませてくれるかもしれません。そんな孫と長く遊ぶためにも、健康でなくてはいけないな…と思ったしだいです。正直、孫の存在は私にとって大きなモジベーションになっています。

今年の人間ドックでも指摘を受けました。“メタボ”、メタボリック・シンドロームとの指摘です。身長172cmで、体重75kg、メタボらしくて、医師からは10kgの減量を言い渡されています。見苦しく腹がポッコリと出ているわけでもなく、銭湯や温泉に言っても私よりメタボの人は大勢いらっしゃるようにお見受けするのですが、医師に言わせると、私の場合は全身にくまなく脂肪が付いているようで、特に内臓まわりがヤバいとのこと。

確かに6年前に前の会社を卒業する直前は、自分自身でもこれはヤバい!(>_<)と自覚するほど太ってはいたのですが(当時は83kgもありました)、その後、意識して減量に努め、ここ3年ほどはずっと75kg前後を維持しているのですが、それでも“メタボ”らしいのです。以前より食べる量は減らしていますし、お酒を飲む機会も減っています。週末は定期的にウォーキングをやっているのですが、この75kg前後から体重はなかなか減りません。それでも、医師からは「さらに10kg減量するように」という非情なご指摘。どうすりゃあいいの(^_^;)?

その“メタボ”に関連して……。

会社のことを“法人”といいます。法律の上で人と見なす…という意味ですが、会社も人、すなわち生き物である以上、病気になります。そして病気にかかった会社は徐々に体力が低下し、思うように活動できなくなります。その結果、業績の悪化→リストラ→事業規模の縮小→さらなる業績の悪化…という悪循環にはまりこみ、重症の場合は再起不能にもなりかねません。

会社も人と同じように図体(ズウタイ)がデカクなると、いろいろ余計な贅肉や脂肪が付いてきて、メタボリック・シンドローム、すなわち、各種の成人病に陥りやすくなります。いわゆる「大企業病」と言われる厄介な病気です。

大企業は安定性があり、組織も強固に設計・運用されていますが、それが逆に「大企業病」の原因にもなっています。よく指摘されるのは、官僚主義の蔓延です。官僚主義と言うのは、簡単に言ってしまえばお役所仕事と言うことですが、具体的には次のような症状が目に見えて現れるようになります。

●前例踏襲が優先され、冒険・挑戦をしない

●あらかじめ設計された枠からはみ出ることを認めない

●組織の維持が目的化してしまい、仕事・情報の囲い込みや、派閥の形成が頻繁に行われるようになる

●組織が肥大化することにより、意思決定のための手続きばかりが増えて、スピーディーな決定が行われなくなる

●組織内に階層が増えて、情報がなかなか正しく伝わらなくなる。特に、悪い情報ほど上(経営陣)に伝わらなくなる

●組織の一部で問題が生じていても、見て見ぬふりが横行する

さらに、分野別や事業本部別の独立採算制を採っていたり、成果主義を導入していたりすると、分野間や事業本部間の連携が粗雑になり、仕事の囲み込みや押し付け合いが起き、協力態勢が取れないといった問題が生じるようになります。そのため、どこの部門が担当すべきかハッキリとしない仕事はどこもやろうとはしなくなってしまいます。

これは野球にたとえると、三遊間に飛んだゴロの打球であっても、サードもショートストップも手を出さないような状態と言えますが、それじゃあどうやっても試合に勝てるはずがありません。

このような病気にかかっている会社では、内部にいると、仕事の範囲が狭く限定されてしまい、社員の皆さんもそれこそタコツボの中で仕事をさせられがちになります。

また、部門間の人事交流も少なくなるので、会社全体を見渡すような広い視野も身につけられません。結果的に社員の士気も、さらにはその価値さえも下がり、その会社のそのタコツボのような狭い風土の中でしか働けないような社員ばかりになってしまいます。

それでも、「居場所があるからいいじゃん。どこが悪いんだ?」と思われる人もいらっしゃるかもしれません。しかし、会社だってそれほど無能ではありません。必ずや思いきった改革を断行して問題や課題を根本から解決しようとしてきます。その時、抵抗勢力、すなわち邪魔者となるのは、概してそのタコツボの中で暮らすことに安穏としている人達です。その邪魔者は必ずや排除の方向に力は加わります。そうなると、そういう人は不幸です。世の中を見回してみても、どこにも居場所はなくなっていますからね。

大企業病は会社の仕組みに起因して発生している部分があることは事実です。しかし、その病巣は実は社員一人一人の心の中に巣食っています。ですから、なおさら厄介なんです。会社の仕組みは、単に大企業病を表面化するきっかけを与えているに過ぎないと、私は思います。

あなたの身の回りはいかがですか? いつの間にやら、大企業病が日常の思考や行動の中に蔓延してはいないでしょうか? そして、それを“自責”ではなく、“他責”のせいにして諦めているようなところはないでしょうか? 特に、自分はそうではないと思っているあなた! それが一番危険なんです。メタボリック・シンドロームも自分ではなかなか気づかないし、指摘されたとしても簡単には認めたくないものです。病巣は自分が気づかないうちに広がり、自覚症状が出て気がついた時には、もはや手の施しようもない手遅れの状態になっていることがほとんどです。メタボの私が言うから、間違いないことです、はい(^^)d

ちなみに、世界最強なのは“俊敏なデブ”、“鍛えられたデブ”なのではないだろうか…と私は思っています。大相撲の関取がそうだし、プロレスラーだって相当にガタイはデカイです。しかしながら、彼らはやたらに強いです。何度となくマットに叩きつけられても叩きつけられても、なかなかギブアップしません。100kgを超す肉体がロープ最上段からリングの場外に向かってダイブ(跳ぶ)ことだってします。

デカイこと、太っていること自体はたいして問題ではない…と私は思っています。動きが俊敏でシャープであればいいんです。そうであれば、太っていること、デカイことは、反対に大きな“武器”になります。“俊敏なデブ”、“鍛えられたデブ”になればいいんです。それは会社組織だって同じことです。

“俊敏なデブ”、“鍛えられたデブ”は無敵です。

しかし、なかなか簡単にはそうはいきませんよね。

以上は、大企業と呼ばれる会社に30年以上勤務した私の経験からの言葉です。

いっぽうで弊社ハレックスは社員数が100名にも満たない中小企業です。中小企業が大企業に互して戦うには、そうした大企業が苦手としていることをやればいいだけのです。

中小企業が大企業と同じことをやっても、厳しい市場環境の中で生き残っていくことは容易なことではありません。財政的にも人材的にも大企業に遥かに劣る中小企業が厳しい市場で生き残っていくためには、それぞれの企業が“核”となる独自の“提供価値”というものを持たないといけません。

他社が真似をすることが容易ではないような技術やサービスなどが、その独自の“提供価値”というものの代表例です。東京都大田区や大阪府東大阪市の中小の製造業の方々が厳しい景気の中でもなんとか頑張っておられるのは、大企業が持ち合わせない独自の技術を持っているからです。その技術の多くは職人さんの長年の経験とその経験から身に付けた勘によるもので、技術開発が進み工作機械の工作精度が昔に比べて飛躍的に高度になったと言っても、まだまだその職人さんの経験と勘には及ばないから、大変な状況ではありながらも、とりあえず今はなんとか生き残れているわけです。(その核となる技術が人に依存するものであるため、技術の次世代への伝承が現在大きな問題になっているとは言われていますが…)

中小企業が厳しい市場で生き残っていくための“提供価値”は、単に独自の技術を持つことだけではありません。大企業の弱点を突けばいいだけのことです。大企業は豊富な資金力や人材力を持っていますが、その反面、組織全体の規模が大きく、意思決定の速度が遅くなりがちで、機動性に欠けて、時代の変化、技術の変化、世の中のニーズの変化に対する対応力という面では致命的な弱点を持ちます。

「この世に生き残る生き物は、大きなものでも、力が強いものでも、頭のいいものでもなく、それは唯一“変化に対応できた生き物”だけである」…というのは有名なイギリスの自然科学者チャールズ・ロバート・ダーウィンが著書『進化論』の中で述べた言葉です。その言葉からすると、グローバル化が進み、世の中のニーズが激変しようとしているこれからの世の中は、規模の大小に関わらず経営者にとってその手腕が試される時代になっていると思っています。こうした時代だからこそ、中小企業はその“機動性の良さ”が大きな武器となりうると言うわけです。

いずれにせよ、急激に変化している時代の変化や市場(マーケット)のニーズの変化、技術の変化に合わせて、自社の事業の定義を書き換えていくこと、それも変化の兆しを捉えて、どこよりも機敏に…。これが、今、大企業、中小企業を問わず企業経営に求められていることである…と私は認識しています。


【追記】
先日、プロレスラーの天龍源一郎選手が現役引退を発表しました。現在65歳。あのジャイアント馬場さんやアントニオ猪木さんにもフォール勝ちしたこともある昭和のプロレスを支えてきた名レスラーでした。元大相撲の力士で、最高位は前頭筆頭。新聞によると、現在の身長は189cmで、体重は120kg。“俊敏なデブ”、“鍛えられたデブ”は無敵である…を証明したようなレスラーでした。格闘技という過激なスポーツの世界で、65歳まで50年以上も現役を続けてこられたということはたいへんなことです。本当にお疲れさまでした。

執筆者

株式会社ハレックス前代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
前代表取締役社長

越智正昭

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