2015/03/23

第3回 国連防災世界会議in仙台

国連(United Nations)に加盟する193の国や地域の代表が参加して、今後、各国が取り組むべき防災や減災対策の指針について話し合う、国連の第3回防災世界会議(World Conference on Disaster Risk Reduction)が
14日から宮城県の仙台市で始まりました。主催は国連の国際防災戦略事務局(UNISDR: United Nations International Strategy for Disaster Reduction)です。

内閣府HP
第3回国連防災世界会議仙台開催実行委員会HP

地震や津波、大雨等の自然災害に対する防災について、世界各国からを各国の首脳級も参加して議論する10年に一度の世界的なイベントということで、弊社ハレックスもNTTグループ唯一の気象情報会社ということで、NTTグループの一員として、国連世界防災会議の関連事業として仙台市の「夢メッセみやぎ」で開催された「防災産業展in仙台」に出展させていただきました。そういうことで、私も2日目の15日(日)に会場に顔を出してきました。

国連防災世界会議はおよそ10年ごとに開かれ、3回目の今回は、防災対策への関心の高まりから、初めて首脳級の会合となり、186の国と地域が参加して、14日(土)から4年前の東日本大震災の被災地である宮城県の仙台市で始まりました。

14日に行われた開会式には、天皇皇后両陛下をはじめ、各国の首脳級や閣僚級など1,000人余りが出席し、この中で国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は「私たちは東日本大震災から4年が経った被災地に集った。ここで扱うのは、世界の人々が現実に直面している問題で、交渉を通じて、人々の要望に応えなければならない」と述べ会議への強い期待を示しました。

また、安倍晋三総理大臣は開催国代表として演説し、東日本大震災への各国からの支援に感謝の意を述べたうえで、発展途上国などの防災・減災対策の充実に向けて、今後4年間で、総額40億ドルの協力を実施するほか、各国の防災や災害後の復興を担う人材を合わせて4万人育成するなどとした日本の貢献策「仙台防災協力イニシアティブ」を発表しました。

さらに、安倍首相はこの演説の中で、東日本大震災の経験を踏まえ、「日本の知見と技術を生かして国際社会に貢献したい」とアピール。各国が防災を政策の優先課題とし、投資を拡大する「防災の主流化」を提唱しました。ソフト面として防災に関わる法令整備や人材育成、ハード面として防災インフラの整備を挙げ、国際的な協力では、長期的な視点に立った投資、▽被害の再発を防ぐ「よりよい復興」、▽地方自治体・企業・民間団体との連携等の重視を訴えました。さらに、災害弱者への配慮も強調し、女性や子ども、高齢者、障害者らが防災の取り組みに加わることの重要性も指摘しました。

会議では各国の代表による意見の表明が行われ、発展途上国からは防災対策への継続的な支援を求める意見が相次ぎました。……と報道されていました。

おりしも、この防災世界会議が開催される前日の13日には、南太平洋に浮かぶ多数の島々からなる小国バヌアツ(人口約26万人)を大型のサイクロン『パム(Pam)』が直撃し、40人以上の死者が出ているとの報道が流れていました。首都ポートビラで停電や断水が続き、離島との通信も遮断された状態で、さらに被害が広がる可能性もあるとのことです。隣国のニュージーランドのユニセフは、「太平洋史上、最悪の気象災害となる可能性がある」との声明を発表したとの報道もありました。

国連防災世界会議にはそのバヌアツのロンズデール大統領も出席していて、大統領は「サイクロンが、一夜にして何年にもわたる開発の成果を消し去り、人々を貧困におとしめた。災害の被害を軽減する方法を見つけてほしい」と述べ各国に継続的な支援を訴えたそうです。

(以上、NHKニュース&スポーツ(2015.3.14)等から引用)

そうなんですよね、今も世界のどこかでは圧倒的な破壊力を有する様々な自然の脅威の来襲を受け、助けを求めている人々がいらっしゃるわけなんですよね。

国連が20年前にこのことに着目して防災世界会議をはじめ、20年目にあたる今回の第3回から各国の首脳級の方々が集まって各国が取り組むべき防災や減災対策の指針について話し合う大々的な会議に格上げしたということは、自然災害が世界の平和を考えるにあたって、無視できない極めて大きな問題になっているということなんですよね。

下図は政治、経済、文化をはじめ世界における各界のリーダーたちが連携することにより、世界・地域・産業のアジェンダを形成し、世界情勢の改善に取り組む、独立した国際機関である『世界経済フォーラム(World Economic Forum)』 (ダボス会議で有名です)が今年の1月15日に発表した『グローバルリスクレポート2015(The Global Risks report 2015)』の中に載っている「今後10年間で全世界及び全 産業界に重大な悪影響を及ぼす可能性の高いリスク」の図です。

世界経済フォーラムHP

世界が直面するグローバルリスク(2015)


この図を眺めていただくと、お分かりいただけるように、「水危機」や「気候変動への順応性の失敗」、「異常気象」、「大規模自然災害」、「人為的な環境破壊による大規模災害」が今後発生するであろう可能性の大の部分に並んでいます。

この『グローバルリスクレポート』は毎年発表されていて、今年は10回目です。私はここのところ毎年眺めているのですが、その順位変動を見てみると、このところの地球規模における気候変動の影響から気象や自然に関係するリスクの程度は、年々発生する可能性が高まってきていることに気付きます。すなわち、防災や減災に関する世界の人々の関心は、これまで以上に、また、我々日本人が想像している以上に高まってきているということです。これらを背景にしての今回の国連防災世界会議だということです。

しかも、国連防災世界会議は今回の開催が3回目なのですが、これまでの2回も日本での開催でした。第1回は1994年に横浜市で、また、第2回は2005年に神戸市で開催されました。この神戸市での第2回防災世界会議では、国際的な防災の取り組みの指針「兵庫行動枠組み(HFA)」が策定されました。今回、東日本大震災の被災地・仙台市という防災にとって象徴的な場所で開催される第3回の会議では、2015年以降の新たな国際防災の枠組みを策定するのが目的です。

今回を含め、過去3回とも国連が主催する重要な世界会議が日本で開催されるということは、それだけ防災の分野では日本に対して先導的役割を果たして貰いたいという期待感が大きいことの表れである…と、私は理解しています。日本は過去、次々と襲ってくる幾多の自然の脅威の来襲により何度も甚大な被害を受けたにもかかわらず、それを乗り越え、世界の先進諸国の仲間入りを果たすほどに発展しています。そうした日本での多くの災害から得た教訓や防災技術、ノウハウ等は、必ずや世界の防災力の向上に役立つはずだと思いますし、世界各国もそれを期待していると思っています。

ちなみに、国連の国際防災戦略事務局(UNISDR)によると、2005年から14年までの10年間に、全世界で約70万人の方が災害で死亡し、世界の総人口の24%にあたる約17億人の方がなんらかの形で自然災害の被害を受けられたのだそうです。世界的規模で見ると、主な災害の経済的損失は1兆4千億ドル(約169兆円)にも上るそうです。また、日本の災害件数は62件で世界9位、経済損失は2390億ドル(約29兆円)で、米国、中国に次ぎ世界第3位だったのだそうです。

14日は開会式の後、午後からは本体会合に加えて、政府関係者や防災の専門家、NGOなど5,000人以上が参加してテーマごとに議論する30余りの会合も始まり、初日の14日は主として大雨警報や津波警報などの情報の在り方等が議論されたということのようです。2日目の15日は、本体会合をはじめ、復興や国際協力の在り方について各国の閣僚が話し合うほか、東日本大震災などの巨大災害の教訓をどう生かすかも議論されたそうです。会議は明日3月18日まで開かれ、最終日には各国が連携して取り組むべき具体的な対策を盛り込んだ指針を採択する予定になっています。


【追記1】
仙台市の「夢メッセみやぎ」で開催された「防災産業展in仙台」は内閣府と宮城県、日刊工業新聞社の主催。第3回国連防災世界会議の関連事業として位置付けられ、「伝えよう、未来に教訓と備えを」をテーマに、官民が一体となって防災技術に関する最新情報を発信するものです。インフラ関連企業から自動車メーカーまで160社・団体が出展していて、なかなか大掛かりなイベントでした。エンルギーや情報通信分野、地震などの災害対策、被災者支援、各種防災技術や製品などが展示されていました。また、屋外展示エリアでは特別企画として陸上自衛隊と消防庁、新潟市消防局、習志野市消防本部による東日本大震災時に実際に使用した装備品や特殊車両、ヘリコプター等の展示や、バギーでの人命救助のデモンストレーション等が行われていました。どの展示も非常に興味深かく、今後防災を考える上で、いろいろと参考になりました。

会期中、「夢メッセみやぎ」の会議棟大ホールにて次の3つのテーマによるフォーラムやシンポジウムが開催されました(されます)。

【15日】 「地方創生に向けたまちづくりフォーラム ~ライブ・ドリアードin防災産業展~」

【16日】 「防災産業シンポジウム ~防災産業の発展と防災力向上に向けて~」

【17日】 「スマートコミュニティ実現支援フォーラムin仙台 ~東北の未来に向けたまちづくり~」

前述のように、弊社ハレックスはNTTグループ唯一の気象情報会社ということで、NTTグループの一員として、「防災産業展in仙台」に出展させていただきました。残念ながら弊社プロダクトの展示までは行えなかったのですが、NTTグループの打ち出した新しい防災コンセプトの中核部分には弊社ハレックスからの提案をそのまま採用していただきました。また、会場でそのコンセプトを説明するプレゼン映像(ビデオ)に関しても、弊社ハレックスがプレゼンシナリオの一部を作成するなど、制作の支援を行わせていただきました。15日もそのビデオが会場内で繰り返し流されていたのですが、私達が想像していたよりもなかなかいい出来に仕上がっていました。



また、NTTレゾナント様等と共同でgooアプリを使用した「防災アプリ」を製作して展示させていただきました。ここでは弊社が独自に開発したオリジナル気象システム『HalexDream!』を活用していただいています。

さらに、16日に大ホールで開催された「防災産業シンポジウム ~防災産業の発展と防災力向上に向けて~」では、NTT持株会社研究企画部門の後藤達也担当部長が「今、企業に求められること」と題するパネルディスカッションのパネラーとして登壇し、このコンセプトについて声高らかにご説明していただきました。

加えて、14日午後に東北大学の川内キャンパスで開催された総務省主催のパブリックフォーラム「防災ICT 技術の活用に向けた国際フォーラム」の場で、NTTデータの山下徹相談役 が、『The Latest Trend of ICT Utilization for Disaster Prevention and Mitigation (Disaster Prevention and Mitigation × ICT)』と題する講演をなさったのですが、その講演の中でも防災におけるNTTデータの取り組みの1つとして、弊社ハレックスの取り組みを幾つか紹介していただきました。山下相談役からは、弊社ハレックスの取り組みに関連した質問がインドからの参加者から寄せられたという嬉しいご報告を直々にお聞きすることができました。

安倍晋三総理大臣が発展途上国などの防災・減災対策の充実に向けて、今後4年間で、総額40億ドルの協力を実施するほか、各国の防災や災害後の復興を担う人材を合わせて4万人育成するなどとした日本の貢献策「仙台防災協力イニシアティブ」を発表したこともあり、さぁて、「株式会社地球防衛軍」ハレックス、世界に向けて、本当に発進です!(^-^)v

まずはNTTグループの防災コンセプト実現に向けて、本腰を入れて取り組みたいと思っています。前述のように、そのコンセプトの中核部分は弊社ハレックスが提案した内容でもあり、実現に向けて責任がありますから。

仙台写真01

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仙台写真03

仙台写真05
仙台写真06

仙台写真07
仙台写真08

仙台写真09



【追記2】
第3回国連防災世界会議の最終日となる明日3月18日には、気象庁主催のパブリック・フォーラム「津波警報と周知啓発活動 ~地域社会の強靭化に向けて~」がTKPガーデンシティ仙台 21階 ホールAで開催されます。
http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/wcdrr_pf.html


【追記3】
このような世界的に極めて重要な国際会議が仙台で開催されているというわりには、巷(特に東京をはじめとした首都圏)の人々の関心がイマイチ薄いように私には感じられてしまうのが、残念なところです。世の中の防災への関心がもうちょっと高まってくれればいいな…と思っています。

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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