2015/04/07

“Re-START”…イシモ、現役続行!

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この『おちゃめ日記』において、昨年12月17日に「日本スーパーバンタム級タイトルマッチ」と題して香川県高松市出身の“イシモ”こと、プロボクサーの石本康隆選手(帝拳ジム所属)のことを紹介させていただきました。

おちゃめ日記:日本スーパーバンタム級タイトルマッチ

その石本康隆選手ですが、昨年5月31日にマカオで行われたIBF(国際ボクシング連盟)スーパーバンタム級世界チャンピョンへの挑戦者決定戦、また同じく昨年12月6日に東京後楽園ホールで行われたスーパーバンタム級の日本タイトルマッチに相次いで破れ、33歳という年齢もあり、このまま現役を引退してしまうのではないか…と大いに心配していたのですが、嬉しいことに現役続行を決め、再び世界チャンピョンに向けて“Re-START(リ・スタート)”をきってくれました。

その石本康隆選手の復帰戦(?)が4月4日(土)、東京後楽園ホールで行われたので、もちろん私も応援に行ってきました。

会場の後楽園ホールに隣接する東京ドームでは、この日、プロ野球の公式戦、「憎っくき読売ジャイアンツ」対「我等が阪神タイガース」の伝統の一戦(今シーズン第2戦)があり、東京メトロの後楽園駅からはこの試合を観戦に訪れる大勢の観客の波が続いていました。もう既に両チームのレプリカユニフォームやハッピを纏った観客も大勢いて、私も縦縞の阪神タイガースの戦闘服(レプリカユニフォームやハッピ)を纏ってこの人達の群れに混じって東京ドームのほうに観戦に行きたいという衝動に駆られましたが、今日の応援の対象は、プロボクシング、石本康隆選手です。東京ドームに向かって、「(この試合、先発予定の)岩田、頼むぞ! 頑張れ!」と小さく声をかけ、東京ドームの隣に建つ“格闘技の聖地”後楽園ホールに向け、通路を下りていきました。

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今回も香川県東京事務所を中心とした石本応援団の皆様方とご一緒させていただきました。中にはこの石本選手の応援のためだけに、地元香川県から飛行機を使って上京してきたという熱心なファンの方が何人もいらっしゃって、石本ファンの数の多さと根強さを実感します。皆さん口々に「イシモが現役を続行してくれて、本当によかった。あれで引退したら、生涯、悔いが残る」とおっしゃっています。私もそれには大いに同意です。

今回私は、高校時代のクラスメイトであるイッカク君(愛称)と、高校の2年後輩で地元選出のI参議院議員の政策担当秘書・T君の2人を誘っての観戦でした。本当は「遠く地元香川県から出てきて東京で世界の頂点を目指して頑張っている若者を応援しようぜ!」とI議員本人を誘ったのですが、あいにく統一地方選挙が公示されちゃったので、地元の候補の応援を優先しないといけないとのことで(そりゃあそうだ!(^.^) )、議員の“名代”として政策担当秘書クンが観戦に来てくれました。この2人ともプロボクシングを生で観戦するのは初めてのことだそうで、ちょっと先輩面をして、いろいろと説明しちゃいました。とは言え、私もプロボクシングを生で観戦するのはこれが3回目です(笑)。東京香川県人会の場で石本康隆選手と知り合い、是非に…と誘われて応援に来てからのことです。

エレベータを使わずに階段を歩いてビル5階の後楽園ホールに…。この階段の左右の壁という壁にはプロボクシングやプロレス、女子プロレス、総合格闘技等々、様々な格闘技のファンの書いた落書きがそのまま残されていて、このアングラっぽくて“怪しげな”雰囲気が、“格闘技の聖地”らしさを醸し出しています。

今回は運よくリングにすぐ近いリングサイドの席が取れたので、迫力ある試合が楽しめます。リングまでの距離は10メートルほどでしょうか。パンチの当たる音が直に聞こえてくるくらいの距離です。

この日のメインイベントは日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦、日本ライトフライ級チャンピョンでWBC世界同級8位の木村悠選手(帝拳ジム所属)の3度目の防衛戦で、対戦相手は日本同級5位の山口隼人選手。

石本康隆選手はそのタイトルマッチの1試合前に行われるセミファイナルで、スーパーバンタム級ノンタイトル8回戦をヨネクラジム所属の試合巧者なベテラン、宇津見義広選手と戦います。

この日の試合はこの他に7試合。全9試合が組まれています。前座の4回戦の試合が4試合、中堅どころの6回戦の試合が2試合、日本ランカー上位(10位以内)の選手が戦う8回戦の試合が2試合、そしてメインイベント10回戦です。

生のボクシング観戦3回目の私が偉そうに言うのもなんですが、ボクシングは前座の試合から観戦するに限ります。徐々に自らの(観戦)眼を慣らしておくって意味もありますが、将来、日本チャンピョンや世界チャンピョンになるかもしれない前途有望な若い選手を発掘する…って楽しみもあります。

この日、組まれた試合はどれも見処十分の試合で、最初のスーパーバンタム級4回戦だけが判定に持ち込まれたものの、結果として残りの8試合はレフリーストップやドクターストップによるテクニカルノックアウト(TKO)により勝負の決着がつきました。最初の試合も判定に持ち込まれましたが、両者、パンチにより目の上を切って流血するという壮絶な試合で、判定でも決着がつかずにドロー(引き分け)。とにかく、最初から迫力のあるたいへん面白い試合ばかりでした。

特に目を引いたのが4試合目のスーパーフライ級4回戦、東日本新人王予選に出場した梶颯選手(帝拳ジム所属)。この試合が2試合目の17歳。とにかく強い! 17歳と言ってもアマチュア戦歴が豊富なようで、基礎がしっかり出来ている感じで、対戦相手をまったく寄せ付けません。結局1ラウンド1分30秒ほどでダウンを奪ったところでレフリーストップのテクニカルノックアウト(TKO)勝ち。自身は一発もパンチを喰らっていないので、ケロッとした顔で勝ち名乗りを受けていました。強さが際立っています。まだ17歳という年齢を考えると、まだまだ伸びると思われますので、近い将来、世界チャンピョンになるかもしれません。要注目の選手です。

もう一人が中量級であるスーパーウェルター級の鳴海友基選手。青森県弘前市出身、帝拳ジム所属の24歳です。今日の試合がプロデビュー戦なのですが、拓殖大学の出身でアマチュアでの豊富な戦歴があるので、デビュー戦にしていきなり6回戦です。リングアナウンサーの紹介によると、学生時代はミドル級で、あのロンドンオリンピック・ミドル級金メダリストの村田諒大選手のライバルの1人でした。この鳴海友基選手も、アマチュア経験が豊富なので、基礎がシッカリ出来ている感じで、立ち姿が美しいです。結局第2ラウンド2分ちょっと過ぎに2度のダウンを奪い、レフリーストップのテクニカルノックアウト(TKO)勝ち。あの村田諒大選手のライバルの1人だったというだけあって、パンチ力は半端じゃあないです。この鳴海選手も今後要注目の選手です。

その後も、前述のように、レフリーストップやドクターストップによるテクニカルノックアウト(TKO)の試合が続き、いつも以上に試合は早いペースで進んでいきます。そして、いよいよセミファイナル。我らが石本康隆選手の試合です。

香川県からもやって来た石本応援団の方々が作る幟(応援旗)の列の中をテーマ曲に乗って石本選手が入場してきました。さすがにちょっと緊張気味に見受けられました。このところ世界タイトルマッチへの挑戦者決定戦や日本タイトルマッチで2連敗し、14ヶ月ぶりの勝利を目指してのリングだけに緊張もあるでしょう。

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対戦相手はヨネクラジム所属の宇津見義広選手。東京都荒川区出身で31歳。これまで20戦して12勝(7KO)5敗3分。一癖も二癖もありそうなベテラン選手です。変則タイプのボクサーだそうで、年齢的に、彼も元世界ランカーの石本選手を倒して、日本タイトルマッチへの挑戦権を得る最後のきっかけにしたいところなので、必死なのが伝わってきます。

リングアナウンサーによる両選手の紹介の後、カーンというゴングの音が会場内にコダマして試合開始。第1ラウンド試合開始早々から、両選手、激しいパンチの応酬です。石本選手は類い稀な動体視力を活かして、本来は“打たせないで打つ”というアウトボクサータイプの選手です。足を使いながらも機を見たら一気に畳み掛けるボクサーファイターでもあり、観ていて非常に綺麗なボクシングをする選手なのですが、この日の試合はちょっと違っていました。

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対戦相手の宇津見義広選手は変則タイプのボクサーだと応援団の方から聞いてはいたのですが、まさにその通りでした。接近戦を得意としているのかすぐにクリンチに持ち込もうとするので石本選手はかなりやりづらそうでした。接近戦が多く、クリンチのシーンばかりが目立ちます。クリンチとは格闘技の立ち技状態において、相手の体に抱きついたり体の一部を掴んで相手の動きや攻撃を止める技術のことですが、ボクシングにおけるクリンチは、相手の連打から逃げる場合や、体力回復を計る目的で使われることが多々あります。クリンチ自体は反則行為ではないのですが、試合の見栄えが悪くなったり、観客にとって試合を退屈な物に変えてしまうとされ、これを多用するとレフリーから注意を受けたり、消極的姿勢と判断され減点されることがあります。また、これを多用したり、相手の腕を脇で固定するような行為をすると「ホールディング」の反則を取られることがあります。実際、この試合も両選手にレフリーから何度も注意が与えられ、1点ずつの減点も出されました。

そういう試合だったのですが、そういう中でも石本選手のパンチは確実に宇津見選手をヒットし、宇津見選手は左の目の上を切って出血していました。そういう中、第7ラウンド途中、石本選手の頭が宇津見選手の顔にぶつかり、流血が激しくなって試合ストップ。ボクシングにおける接近戦ではバッティング(頭突き)が時々発生し、頭と顔が当たって相手選手の目蓋を切ることがあります。故意にやったものなら、もちろん反則として取られますが、この場合は偶然のバッティング。リングドクターの診断の結果、これ以上の試合続行は危険と見做して、ドクターストップ。「偶然のバッティングによるドクターストップの場合は、その時点までの審判の判定結果により勝敗を決める」という試合規定に基づき、判定に待ちこまれました。

結果は3人の審判とも68対65の3対0で赤コーナー、石本康隆選手の勝利に終わりました。接近戦ばかりで、これは総合格闘技か?…と思ってしまうほど見栄えの悪いボクシングではありましたが、勝利は勝利です。石本康隆選手、14ヶ月ぶりの勝利を手にすることが出来ました。さすがに内容の悪さを十分に自覚していたのか、勝ち名乗りを受けても、いつもの“ドヤ顔”による勝利のポーズは出なかったですね。

内容はともかく、後のない復帰戦で、なんとか勝ったことで、これで次に(タイトルに)繋がります。よかったよかった。

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メインイベントは日本ライト・フライ級タイトルマッチ、チャンピョン木村悠選手(帝拳ジム所属) 対 挑戦者同級5位の山口隼人選手(TEAM10COUNT所属)の10回戦でした。木村悠選手は千葉県千葉市出身の31歳。昨年2月に日本チャンピョンとなり、この試合が3度目の防衛戦です。元アマチュアの全日本王者の経歴も持ち、現在、脂が乗り切っている感じの選手です。対する挑戦者の山口隼人選手は同級5位の日本ランカーではあるのですが、本来の挑戦者である小野心選手(ワタナベジム所属)が練習中に怪我をしたことで、試合2週間前に危険を申し出、急遽決まったタイトル挑戦でした。こういうこともあり、試合は終始木村悠選手のペースで進み、第8ラウンド終了間際、木村選手の連打が決まったところで、レフリーストップ。木村悠選手がテクニカルノックアウト(TKO)で勝利し、3度目のチャンピョンベルト防衛を果たしました。木村選手は現在31歳。とても基本に忠実と言うか、綺麗なボクシングをする選手で、この勢いで、是非次は世界の頂点を目指して欲しいものです。

その木村選手が勝利者インタビューをしている途中、我々応援席に試合が終わったばかりの石本康隆選手が挨拶に現れました。いつもの試合後とは少し異なり、今日は少し顔が腫れています。パンチを喰らったというよりは、こちらも偶然のバッティングで顔に頭が当たってそこが腫れているのかもしれません。そういう、ある意味、壮絶な試合でしたから。でも、こうして試合後に応援してくれた応援団の方々に挨拶に訪れる…、その律義さが石本康隆選手の素晴らしいところで、応援団を集めるところです。

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全試合観戦後は例によって応援団による打ち上げ。そこにも石本選手は顔を出してくれました。嬉しいです。

石本選手からは「越智社長、会社のブログに前の試合のことを書いてくださって、ありがとうございます。メッチャ詳しくて、ビックリしました」と御礼を言われちゃいました。私は“歩くスポーツ新聞”を自認するスポーツ観戦好きではあるのですが、ボクシングネタを文章に書くのは初めてのことだったのですが、それをプロから褒められて(お世辞でしょうけれど…)嬉しかったですね。

でも、石本選手、読んでくれているんだ。これにはビックリしました。

なので、当初は書く予定はなかったのですが、この試合のことも書くことにしました。石本選手、この一文も読んでくれるかな? もし読んだら、下のコメント欄にちょこっと何か書いてくれたら嬉しいです。

その場で、石本選手からは「今年中にはタイトルを狙うように頑張りますので、これからも応援、よろしくお願いします!」という力強い言葉が聞かれました。それを聞いて、我々応援団からは「おぅ!これからもずっと応援し続けるよ!」

本当に今年中に石本康隆選手が日本タイトルマッチを戦う姿が見てみたいです。

頑張れ!イシモ! 石本康隆選手!

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
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越智正昭

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