2015/05/22

家庭菜園…作物の原産地を知ることは農業の基本(^^)d

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前回は、野菜は食べられそうな雑草の中から、人間が長い年月をかけて選別し、品種改良等の試行錯誤を繰り返してきた末に出来上がってきた作物であることから、その野菜の成長に合った環境条件を整えてあげること、これが農業における最大のノウハウであるということを書きました。

このことは、その野菜に適した環境条件(気象条件、土壌条件等)を知るということは、とりもなおさずその原産地の環境を知るということに繋がります。植生は自然に忠実なものですから。なので、あまり資料がなくて、その野菜や花の性質が解らなくても、原産地の気候や風土にあった環境を与えてやりさえすれば、たいていの野菜は元気に育つはずなのです。

現在、日本列島で栽培されている野菜の多くは、実は海外が原産で、その昔、中国や朝鮮半島等を経由して日本に導入されてきたものなのです。その野菜が長い年月を経て日本列島各地の地域ごとの気候風土(気象条件や土壌条件等)にあったように改良され、普及し、日本人の生活に深く根付いてきたわけです。日本原産の野菜というのは、実は種類としては少なく、あってもほとんどが葉菜類やキノコ類で、また品種改良もあまり進んでいません。

例えば、果菜類で言えば日本原産のものは、実はヒシくらいのものなのです。

葉菜類&キノコ類では、アサツキ、アシタバ、ウド、エノキタケ、カンゾウ、キクラゲ、ギボウシ、ギョウジャニンニク、サンショウ、シイタケ、シュンサイ、セリ、ゼンマイ、タラノキ、ツクシ、ツワブキ、ナメコ、ニラ、ハッカ、ハツタケ、ヒラタケ、フキ、ホンシメジ、ミズナ、ミツバ、ミブナ、マツタケ、ミョウガ、ワラビ等々

根菜類では、カタクリ、ハス、ヤマゴボウ、ワサビ等々が日本原産の野菜類ですが、名前を眺めていただくとお分かりいただけるように、今の時代においてはメジャーと呼べるような野菜はほとんどなく、今や日本料理においても脇役の存在のような野菜ばかりです。で、今、スーパーマーケットの食品売り場に並んでいる野菜類の圧倒的大多数は、実は日本列島以外が原産の野菜、すなわち海外原産の野菜なのです。

野菜の栽培の起源は、はるか紀元前に始まります。紀元前2000年より前に、既に、「カブ」や「タマネギ」、「キャベツ」、「スイカ」、「キュウリ」、「トウモロコシ」等がそれぞれの原産地では人の手によって計画的に栽培され、紀元前には「ダイコン」や「ニンジン」、「サツマイモ」、「ニンニク」、「サトイモ」、「セロリ」、「チシャ」、「アスパラガス」、「エンドウ」等も栽培されていました。

野菜が原産地以外へ伝播するのは、古い時代には遅々としたものでしたが、大航海時代の到来とともに飛躍的に早く伝播するようになりました。

例えば、もともとが南米のアンデス山麓が原産と言われている「トウモロコシ」。現在、越智家の家庭菜園でも栽培している「トウモロコシ」ですが、この「トウモロコシ」は元々は南米大陸において紀元前から唯一の主穀として栽培されていた穀物であり、マヤ文明やアステカ文明においてもトウモロコシが大規模に栽培され、両文明の根幹を成していました。南米のアンデス山脈地域においてもトウモロコシは重要な作物であり、インカ帝国では階段状の農地を建設しトウモロコシの大量栽培を行っていたという記録が残っています。

そして、トウモロコシは1492年、スペインの王家に仕えたイタリア人の探検家クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を発見した際、現地のカリブ人が栽培していたトウモロコシを持ち帰ったことでヨーロッパに伝わりました。ほぼ即座に栽培が始まり、1500年にはセビリアにおいて栽培されたことの記録が残っています。伝播は急速で、16世紀(1500年代)の半ばには地中海沿岸一帯に広がり、16世紀末までにはイギリスや東ヨーロッパにも広がってヨーロッパ全土に栽培が拡大しました。ヨーロッパにおいては当初は主として貧困層の食料として受け入れられたのですが、17世紀に入って爆発的に世界の人口が増大していた背景から、それまでの穀物に比べて圧倒的に高いその収穫率は、人々を救う“恵みの作物”として重宝されました。

また、大航海時代を迎えたヨーロッパ諸国の貿易船によってこの穀物は瞬く間に世界中に広がり、アフリカ大陸には16世紀に、アジアにも16世紀はじめに、そしてアジア東端の日本にも1579年に到達したことが記録に残っています。この伝播は驚くほど急速なもので、1652年にアフリカ南端のケープタウンにオランダ東インド会社がケープ植民地を建設した際には、すでに現地のコイコイ人には陸路により北から伝播したトウモロコシの栽培が広まっていたという驚くべき記録も残っているそうです。

「トウモロコシ」以外のメジャーな野菜類も、海外原産のものがほとんどです。それらを原産地別に分類して列記します。

【中国&東アジア】
〔果菜類〕
アズキ、アブラナ、シロナス、ダイズ
〔葉菜類〕
カラシナ、キク、シソ、タカナ、チンゲンサイ、ネギ、ハクサイ
〔根菜類〕
クワイ、ナガイモ

【インド&熱帯アジア】
〔果菜類〕
キュウリ、シロウリ、トウガン、ヘチマ、ナス、ナタマメ、ニガウリ、ヘチマ、マクワウリ、
〔葉菜類〕
ツルムラサキ、バジル
〔根菜類〕
コンニャク、サトイモ、ハスイモ

【中央アジア&西アジア】
〔果菜類〕
エンドウ、ソラマメ、メロン
〔葉菜類〕
コショウ草、サフラン、ゼニアオイ、ホウレン草
〔根菜類〕
ショウガ、ダイコン、タマネギ、ニンジン、ニンニク

【ヨーロッパ】
〔果菜類〕
コリアンダー、ネットメロン、ワイルドストロベリー
〔葉菜類〕
アスパラガス、イタリアンパセリ、ウインターサボリー、オレガノ、カモミール、カリフラワー、キャベツ、クレソン、ケール、サンチュ、シャロット、シュンギク、スペアミント、セージ、セロリ、タイム、チコリ、チシャ、パセリ、ブロッコリー、ペパーミント、マッシュルーム、ラベンダー、レタス、レモンタイム、ローズマリー
〔根菜類〕
カブ、ゴボウ、ハツカダイコン

【アフリカ】
〔果菜類〕
オクラ、ゴマ、スイカ、ヒョウタン、ユウガオ
〔葉菜類〕
モロヘイヤ

【北アメリカ】
〔果菜類〕
インゲン豆、ズッキーニ

【熱帯アメリカ】
〔果菜類〕
シシトウガラシ、セイヨウカボチャ、トウガラシ、ニホンカボチャ、ハヤトウリ、ピーマン
〔根菜類〕
サツマイモ

【南アメリカ】
〔果菜類〕
イチゴ、トウモロコシ、トマト、ラッカセイ
〔根菜類〕
ジャガイモ……添付の写真は我が家の家庭菜園のジャガイモです。


原産地が分かると、次はその原産地の気候風土を調べ、なるべく原産地に近い環境をちゃんと作り出してやりさえすれば、理論上は野菜は自らの力でグングン成長する筈なんです。

「農業において、“主役”はワシラではなくて、作物自身だ。作物を育てようと思ったらいかん。育つのは作物のほうで、ちゃんとした環境を作り出してやりさえすれば、作物は自分で勝手に育つもんだ。我々はその環境を整備して、作物の成長を手助けしてやるだけのことだ」…とはジェイウイングファームの牧さんの言葉です。う~~ん、深い……( ̄^ ̄)

この言葉、企業等における人財育成にも繋がる言葉ですね(^^)d

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
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越智正昭

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