2015/05/29

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル写真1

レ・ミゼラブル写真2
レ・ミゼラブル写真3

レ・ミゼラブル写真4


先日、娘と有楽町の帝国劇場で公演中のミュージカル『レ・ミゼラブル(Les Miserables)』を観劇してきました。恥ずかしながら、私、ミュージカルを観劇したのはこの年齢になるまでなかったことで、生まれて初めてのことでした(^^;。まもなく還暦を迎える年齢になって、これまでとは少し“見ている世界”を変えてみよう…と思い立ち、これまで“食わず嫌い(?)”のようなところがあって自分自身で勝手にハードルを設けて距離を置いていたような世界を覗いてみようと思ったわけです。せっかくこの時代に日本の首都東京及びその近郊で暮らしているので、いろいろな世界を経験できる筈で、経験しないと“もったいない”と思いましたから(^.^)

この思いから、娘からの招待もあって1月には『歌舞伎』を初めて観劇に行ったのですが、今度は『ミュージカル』でした。今回も娘からお誘いを受けたので二つ返事でOK(^^)d。父娘での観劇でした。娘はこれまで「ライオンキング」をはじめ劇団四季のミュージカル等を何度も観劇しているとのことで、なかなかのミュージカル通のようなところがあり、その娘の“解説付き”でのミュージカル初観劇でした。

皆さんよくご存知のように、ミュージカル『レ・ミゼラブル』はヴィクトル・ユーゴーが1862年に執筆したロマン主義フランス文学の大河小説を原作としています。1本のパンを盗んだために19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの生涯を描いた作品で、作品ではナポレオン1世没落直後の1815年からルイ18世・シャルル10世の復古王政時代、七月革命後のルイ・フィリップ王の七月王政時代の最中の1833年までの18年間の出来事が描かれています。さらに随所でフランス革命、ナポレオンの第一帝政時代と百日天下、二月革命とその後勃発した六月暴動の回想・記憶が挿入されています。なので、その当時のフランスを取り巻く社会情勢や民衆の生活も、物語の背景として描かれているので、娘からはまずそのあたりのことを理解しておかないと物語の“あらすじ”は解らないよ(^^)d…とのアドバイスを受け、事前に娘からそのあたりのレクチャーを受けました(^^;

その事前レクチャーでは、2012年に公開された映画『レ・ミゼラブル』のDVDを観させられました(^^; ちなみに、この映画『レ・ミゼラブル』はミュージカルを映画化したもので、主演のジャン・バルジャンを演じたのはヒュー・ジャックマン。助演のジャベール役はラッセル・クロウが演じていました。娘からはこの映画版を観ながらいろいろと時代背景等を教えて貰っていたので、当日は舞台にも比較的すんなりと入っていけました。おおよそのあらすじが分かっていないと、なかなか楽しめませんから。

『レ・ミゼラブル』とは「悲惨な人々」「哀れな人々」を意味するフランス語で、日本では『ああ無情』の題名で翻訳されています。冒頭の銀の燭台のエピソードの部分だけが抜粋されて、小学生向けに道徳の教科書に掲載されたり、児童向けの書籍になったりしていて、私もそこの部分だけは知っていたのですが、実は『レ・ミゼラブル』はその後のジャン・ヴァルジャンの生涯を描いた大河小説で、ミュージカルでも銀の燭台のエピソードは出てくるものの、冒頭のほんの1シーンに過ぎず、その後の部分のほうが大部分なので、この娘からの事前のレクチャーは大変に役に立ちました。なるほどなるほど(^.^)

このヴィクトル・ユーゴーの小説を原作としたミュージカル『レ・ミゼラブル』は、1980年にフランスのパリで上演され、その後、それを改訂する形で、1985年にイギリスのロンドンで初演されました。1987年より海外に進出し、今では世界各国に広がりを見せ、各国の言語に翻訳されて上演され、絶大な人気を博しています。

日本での上演は海外進出初年度の1987年のことです。1987年6月11日、東宝により帝国劇場で上演されたのが初演です。イギリス(ロンドン)、アメリカ(二ューヨーク)に次いで世界で3番目、同作品初の非英語圏での上演となりました。その後断続的に公演は行われており、2005年5月24日から29日には、国内での上演回数が2,000回に達したことを記念して「2,000回達成スペシャル公演」が行われたほか、2007年には「(日本公演)20周年記念公演」が行われました。初演からもう既に28年が経過していて、上演回数も4,000回に近いのではないでしょうか? 東京以外にも名古屋、大阪、仙台、札幌、福岡と上演都市が広がっているので、既にご覧になった方も多いのではないでしょうか。なので、ここで私がご紹介するのも恥ずかしいのですが…(^^;

今回のミュージカル『レ・ミゼラブル』は有楽町の帝国劇場で4月17日初日、6月1日千穐楽の1ヶ月半に渡る長期の公演で、1日2回の公演だったりするので、各役もトリプルキャスト(3人の俳優さんが交代で演じる)になっています。毎回違った俳優さんの組み合わせで演じられるので、同じ題名の公演でも、俳優さんの組み合わせで雰囲気がガラッと変わります。娘に言わせると、そのあたりが面白いので、同じミュージカルでも何度もリピートで観に行くのだとか。なるほどなるほど。これからは「また行くのか? 前に観たじゃん」…なぁ~んて野暮なことは言わないようにしないといけません。

今回、私達が観劇した公演も、数ある公演の中から、娘が出演予定の俳優さんの組み合わせをもとに選んだという公演でした。娘がイチオシのミュージカル女優さんが昆夏美さん。この昆夏美さんに加え、テレビでタレントや女優としても活躍している森公美子さん、知念里奈さんが出演するということで、初心者の私には最適だろうと、この回を選んだということのようでした。

私達が観劇した回のキャスティングですが、まず主役のジャン・バルジャン。日本で演じられるミュージカル『レ・ミゼラブル』のこの役というと、かつては鹿賀丈史さんと滝田栄さんのお二人が有名で、1987年の初演以来ずっとこのお二人が演じられていました(ミュージカルについて疎い私でも知っているくらいです)。2015年の今回の公演では韓国のミュージカルスター、ヤン・ジュンモさんがジャン・バルジャンを演じました。本当は同じく韓国のキム・ジュンヒョンさんが演じる予定だったのですが、怪我をして来日できなくなったということで急遽の代役としての出演のようですが、なかなかどうして。急遽の代役とは思えない迫力と暖かみのある素晴らしい演技でした。(ただ難を言えば、日本語が上手ではないので、若干歌詞が聞き取りにくいって弱点はありますが、何度もご覧になっているコアなファンの方々にとっては歌詞は十分に頭に入っていらっしゃるようなので、あまりそれは問題にはならない…って感じです)

次にジャン・バルジャンを執拗に追い続ける刑事のジャベール。この役は1987年の初演時にはジャン・バルジャン役を務めた鹿賀丈史さんと滝田栄さんも演じられましたが、その後を受けて演じられた村井国夫さんの当たり役のようなところがありましたが、今回の公演では川口竜也さんが演じました。ジャン・バルジャンとジャベールの対決シーンなど、メチャクチャ迫力があって、このジャベール役は基本的にカッコいい役です。ソロで歌う「星よ(Stars)」なんて、もう鳥肌モンでした。初めて観ましたが、私はこのジャベールがお気に入りになりました。

女優陣では、ますばコゼットの実の母親であるファンテーヌ。1987年の初演では岩崎宏美さんがこの役を演じたそうなのですが、この日の公演では知念里奈さんが演じました。テレビドラマ等で活躍していた知念里奈さん、このところテレビでお顔を見ないと思っていたら、ミュージカルで活躍なさっていたのですね。娘によると、知念里奈さんはこれまで後で紹介するエポニールやコゼットの役も演じ、今回の公演ではファンテーヌを演じることになったのだとか。

続いて健気な少女のエポニーヌ。この役はミュージカル『レ・ミゼラブル』を代表するような歌「On My Own」を歌う役なので、かなりの歌唱力と演技力が必要となります。1987年の初演では島田歌穂さんが演じられ、その後、亡くなった本田美奈子さんの当たり役にもなりました。このあたりはミュージカル初心者の私でも知っているくらいです。この日の公演でこのエポニール役を演じたのは昆夏美さん。前述のように娘が昆夏美さんのファンらしく、彼女の歌う「On My Own」をナマで聴きたいというのが、この日のこの時間の公演を選んだ理由だったそうです。さすがに娘イチオシ、鳥肌が立つくらい上手かったです。ちなみに、エポニールって、後述のあのテナルディエ夫妻の娘なのですね。あの夫婦のもとでこんないい娘が育つなんて…なぁ~んて思っちゃいました。

次はファンテーヌの遺児で、ジャン・バルジャンの養女となるコゼット。これは特に高音部の広い音域が必要となる大変な役です。初演からしばらくの間は斎藤由貴さんもこの役を演じていました。テレビのアイドルからミュージカル女優への転身ということで、当時話題になりました。その後は元宝塚の純名里沙さんや早見優さん、安達祐実さん等もこの役を演じたそうなのですが、この日の公演でこのコゼットの役を磯貝レイナさんが演じました。元アイドルや宝塚の娘役が演じてきたというのは、広い音域が必要となることに加えて、可愛らしさが求められるから。磯貝レイナさんの演技はまさにそんな感じでした。

男優に戻ってマリウス。このマリウス、コゼットと恋仲になる富裕層出身のボンボンみたいな感じの若者で、エポニーヌの一途な想いが分からずにコゼットの元に走ってしまうことから、『レ・ミゼラブル』の中では一種の“敵役”のようなところがあります。1987年の日本での初演からしばらくはこの役を野口五郎さんが演じたそうなので、まぁ~、そんなイメージの役ではありますね。この日の公演では田村良太さんがこの役を演じていました。田村良太さんが演じるマリウスはちょっと好青年みたいな感じを受けたのですが、よくよく考えたら、こいつ、だらしない悪い奴です。私がジャン・バルジャンなら、娘の彼氏としては絶対に認めません(-_-)(笑)

続いて革命の闘志アンジェルラス。これは六月暴動を率いた実在の人物をモデルに描かれた役で、チョイ役のような感じの役ではありますが、髪形といい、服装といい、やたらカッコいい役です。この日の公演では上山竜治さんがこのアンジェルラスを演じました。

最後にご紹介するのはテナルディエ夫妻。エポニールの実父母で、ジャン・バルジャンに引き取られるまではコゼットの養父母。この役はこのミュージカル『レ・ミゼラブル』の中で強烈なスパイスのような重要な役です。下品さを前面に押し出さないとならず、歌唱に加えて踊りも必要となるので、大変に難しい役のようです。1987年の初演以来長くこのテナルディエを演じて当たり役でとしていたのが昨年お亡くなりになった斎藤晴彦さん、テナルディエ夫人を演じて当たり役としていたのは鳳蘭さんでしたが、この日の公演ではKENTAROさんと森公美子さんがこのテナルディエ夫妻を演じました。特に森公美子さん。思いっきり弾けた演技で、下品らしさを強調しちゃっていました。素晴らしい! 後で調べてみると、森公美子さんは1997年以来既に18年間もこの役を演じていて、この日の公演の全出演者中で一番長い出演キャリアをお持ちのようです。なので、もう名人芸のようにこの役を消化している感じで、公演すべてを1人で締めているような圧倒的な存在感を醸し出していました。

で、観終わっての感想ですが、とにかく素晴らしい!の一言でした。途中に25分間の休憩を挟んで約3時間の上演時間なのですが、3時間なんて長さはいっさい感じられず、アッという間にエンディングを迎えた…って感じです。そのくらい惹き込まれる迫力のある舞台でした。そう感じたのは私だけではなかったようで、上演後は客席総立ちのスタンディングオベーション(^o^)(^o^)。私も娘も周囲に促されたわけでもなく、極々自然に立ち上がって拍手を送っていました。

ミュージカルの観劇は初めてのことでしたが、なんでこれまで観に行かなかったんだろう…と、今は後悔しています。また別の作品を観に行きたいと思い、劇場を後にする時に、これから上演される予定のミュージカルのチラシを幾つも貰ってきたほどです。

歌舞伎、ミュージカル…と続いた私の「食わず嫌い」克服シリーズですが、娘からは今度はロックバンドのライヴに行こう…と誘われています。なんでもお気に入りのバンドがあるのだとか(聞いたこともないような名前のバンドですが…)。ロックコンサートなんて1970年代や1980年代には何度か聴きに行ったことがあるのですが、最近のバンドのロックコンサートなんて行ったこともないし、聴きに行こうとも思わなかったのですが、歌舞伎、ミュージカルと新しい世界を続けざまに見させてくれている娘からのせっかくのお誘いなので、「いいよ」って軽く応えちゃいました。翌日、筋肉痛になる心配があるから、週末のコンサートにするね…とのこと。音楽を聴きに行って筋肉痛???? なぁ~んとなく意味は分かりますが…。次はロックバンドのライヴ。これまで以上にハードルは高そうです。

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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越智正昭

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