2015/09/28

北のカナリアたちに逢いに最北限の島へ(その2)

定刻の14時00分ほぼちょうどに利尻空港に到着。利尻空港の滑走路長は1,800メートルとジェット機が離着陸する空港としては短いので、着陸した飛行機はブレーキングのための強いGがかかり、座席に座っているとかなり前のめりになるような感じで停止します。また、利尻空港は小さな空港なので、ボーディングブリッジのような設備はなく、乗客はタラップを使って地上に降りて、ターミナルビルに向かいます(久々の経験なので、これにも大満足です)。振り返ると目の前に雄大な利尻富士の姿が見え、息を飲みます。思わずカメラを構えちゃいました(これは私だけでなく、ほとんどの乗客がカメラを構えていました)。こんな風景が楽しめる空港なんて、他にありません。乗り物好きの私にとっては、この光景が見られただけでも「来てよかった」と心から思えるほどでした。

利尻空港0

利尻空港1
利尻空港2




空港で各自預けていた荷物を受け取り、路線バスで鴛泊(おしどまり)フェリーターミナルに向かいました。全員、リュック姿で、山登りに行く一団だな…って感じです。

鴛泊フェリーターミナルからは稚内や礼文島に向かうフェリーが出ている利尻島の交通の要衝で、小型機が1日2便しか飛んでこない利尻空港と比べ、利用客が圧倒的に多いので、ターミナルビルの周囲には何軒かの食堂やお土産物屋、レンタカーショップ等があります(利尻空港の周囲には、なぁ~んにもなく、草原の中に滑走路と小さな空港ビルがあるだけの実に殺風景な空港です)。

フェリーターミナルのほうが圧倒的に利用客が多いとは書きましたが、利尻島(鴛泊港)からは稚内行きが1日3往復、礼文島行きが1日2往復だけなので、旅客総数はさほど多いというだけではありません。冬期はこれが稚内行きが1日2往復、礼文島行きが1日1往復に減便され、天候次第で欠航となる日も多々あるとのことです。この北の最果ての島は、まさに、行けそうでなかなか行けないところです(^^)d

鴛泊フェリーターミナル前にあるレンタカーショップでレンタカー(ダイハツTANTO)を借り、今回の旅行の宿泊地となる利尻島ファミリーキャンプ場「ゆ~に」に向かいました。キャンプ場は鴛泊フェリーターミナルからさほど距離が離れていないところにあり、嬉しいことにすぐ近くには利尻富士温泉と言う温泉施設もあります。日本人にとって旅には温泉が付き物のようなところがあって、これは嬉しいところです。しかも、今回宿泊するのはバンガロー。さすがにテントとはいかなかったものの、これは私達夫婦にとってはかなりワイルドで初の経験なので、嬉しかったです(私達夫婦がいなかったら、おそらく山の会の連中はテント泊まりだったのではないか…と思います。ちょっと気をつかわせてしまいました)。

キャンプ場には既に10以上のテントが張られていました。さすがに自然豊かな利尻島です。皆さん、利尻山登山やトレッキング目的でいらっしゃってる方々なので、ワイルドです(おそらく、このキャンプ場で一番軟弱なのは私達夫婦でしょう)。中には大阪の和泉ナンバーの自動車で来られている壮年夫婦もいらっしゃいます。おそらく定年退職したので、ご夫婦でクルマを運転して日本中を旅していらっしゃるのではないでしょうか。水飲み場で奥様が手洗いで洗濯をなさっています。妻の叔父が奥さんと2人でこのご夫婦のよう愛車で日本中を旅したことを思い出し、妻に「こういう旅には憧れるところはあるけど、我々2人には無理だよね」と問い掛けると、「無理無理、無理に決まってるじゃん!」という答えがすぐに返ってきました。そうだよな…。

キャンプ場1

キャンプ場2
キャンプ場3




キャンプ場に到着して荷を下ろしたら、この日の夕食の準備に取りかかりました。この日の夕食はバーベキュー。さっそく食材の買い出し部隊と火おこし部隊の二手に分かれて作業開始。私は伊藤課長代理、青柳社員と3人で火おこし部隊。炭火で行うバーベキューの火おこしなんて、子供達がまだ小さかった頃、埼玉県日高市にある入間川河川敷で行った家族でのデイキャンプのバーベキュー以来の久し振りのことだったので、若干不安が脳裏をよぎります。実は、その時は、なかなか上手く炭に火がつかなくて苦労し、家族から「へったくそ!」の大ブーイングを浴びたのでした。ですが、あれから20年以上経過し、着火材という大変に便利なものもできてきました。一発で火がつき、徐々に炭を増やして火力を高めていきます。よしっ! 赤々と燃える暖炉の火を見ているとアウトドアの気分が段々と高まっていきます。目の前には利尻山(利尻富士)の雄大な山系が至近距離が広がっています。なかなかいい感じです。

利尻島は北緯45度10分と高緯度の位置にあるので、まだ9月上旬だというのに、日がかけてくると、寒さを感じます。利尻空港に到着してすぐは日射しも強く、関東地方と比べるとちょっと気温が低いかな…と思えるくらいで、さほど寒いと感じなかったのですが、さすがに夕方になると気温が下がり、冷えてきます。日中は22~23℃あった気温も、夜になると10℃を切るくらいまで一気に下がります。それを見越して厚手のトレーナーを持参してきたのですが、それだけでは足らず、その上に登山用のレインコートを羽織るほどの気温の低さでした。キャンプ場の周囲にはえているナナカマドの木には、真っ赤な実がいっぱいついています。既に紅葉も始まっています。緯度が10度も違うと、季節感はこんなにも違うのですね。日本列島は南北に細長いのだということを肌身で体感しました。いい経験ができています。

買い出し部隊も大量の食材や飲み物を抱えて帰ってきて、17時過ぎからバーベキューを開始しました。こうやって社員の皆さんと火を囲んでバーベキューをやるのは楽しくて、とってもいいものです。テンションが上がり、ついつい酒量も増えてしまいます(^^)d 私が無理に誘ったので、もしかしたら渋々ついてきたのかもしれない妻も、すっかり社員の皆さん達と馴染んで、楽しそうに談笑しています。よかったよかった(^.^)

買い出し部隊に同行した妻によると、野菜や肉は関東地方よりも値段が幾分高いのだとか。北海道だから安いと思っていただけに意外でした。考えてみると、この時期、利尻島では野菜は採れなくて、牛も豚も飼っているようには思えないので、どちらも内地(北海道本土)から船で運んでこないといけません。輸送費もかかるので、そのぶん値段が高くなっているのでしょう。そうした中でも、白ナスやサンマなど、北海道ならではの食材もたらふく食べることができて、大満足でした。

バーベキュー1

バーベキュー2


19時にバーベキューの夕食を終え、後片付けを済ませば、次は温泉です。酔って上機嫌になった7人でワイワイ言いながら、暗くなりかけた林道を歩いてキャンプ場のすぐ近くにある「利尻富士温泉」に行きました。

利尻島にも温泉があります。その名もズバリ「利尻富士温泉」!(^^)d。利尻山(利尻富士)は活火山なので、自然に涌き出た古くからある温泉なのかな…と思ったのですが、残念ながらこの温泉は平成8年(1996年)に地面を1500メートル掘って涌き出してきた比較的新しい温泉のようです。泉質は炭酸水素塩泉で、源泉の温度41.3℃。活火山である利尻富士の麓から涌き出している温泉なので、源泉の温度は41.3℃と、とってもほどよい感じです。おそらく日本最北端の天然温泉なのかもしれません。

宿泊はできませんが、エゾマツ(蝦夷松)の林の中に日帰り専用のこ洒落た温泉保養施設があります。地元では子供から高齢者まで、ほとんどの人がこの「利尻富士温泉」を利用し、漁での疲れや仕事のストレスを取るほか、高齢者は温泉療法をするなど、地域の貴重なコミュニティ施設として温泉を活用しているようです。また、夏の観光シーズンには、私達のように自然を満喫した1日の締めくくりとして温泉を利用する観光客が絶えないようで、この日も多くの利用者が来ていました。

「利尻富士温泉」には露天風呂があるのですが、その露天風呂からはエゾマツの木々の上に利尻富士の山頂付近の山容が見えます。日が落ちてあたりは暗くなっていたのですが、まだ山の形が黒いシルエットで微かに分かります。

利尻富士を眺めながら露天風呂に浸かるのは最高の癒しです。山の会の連中は、翌朝アタックする山の姿を見て、さぞや闘争意欲を掻き立てていることでしょう。

温泉からバンガローへの帰り道、見上げると一面の星空でした。数々の星座はもちろんのこと、天の川まで肉眼でしっかり見てとれます。空気がメチャメチャ澄んでいるからでしょう。妻が「ワァ~!プラネタリウムみたい!」と歓声を上げていましたが、まさにそんな感じです。こんなにはっきりとプラネタリウムではない本物の天の川を見たのはいつ以来のことでしょうか…。子供の頃には四国の松山市でもふつうに見えていたような記憶があるので、50年近く前のことです。今や東京近郊の首都圏では絶対に見ることができないメチャメチャ美しい夜空です。これにも大満足でした。

あまりに綺麗な星空だったので、ずっと星空を眺めていたかったのですが、翌朝(6日)、“登山隊”は朝5時に登山口から登山を開始する予定で、ベースキャンプ要員の私は午前3時半には起きて、その“登山隊”を登山口までレンタカーで搬送(2往復)する必要が役目があるため、この日は早めに就寝しました。木々に囲まれたバンガローの仄かに木の匂いのする清涼な空気を吸いながら、気持ちよくすぐに眠りにつくことができました。

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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越智正昭

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