2015/10/30

ノーベル医学生理学賞&物理学賞

早いもので10月も30日となり、来週には11月に入ります。「もぅ~い~くつ寝ると…♪」って歌が現実味を帯びてきましたね。事業年度としても第3四半期も1ヶ月が過ぎて、今年度も残り5ヶ月。経営者としてはさすがに焦りを覚え始めます(^_^;)

10月から11月にかけては衣替えのシーズンですが、11月1日には、天気図が衣替えして、多くの新聞に載る天気図が、夏用から冬用に変わります。夏用と冬用の天気図の主な違いは、天気図に載るエリアが微妙に違うということです。夏用の天気図では、南の海上の表示エリアを広くとっています。これは、南の海上で台風が多く発生するためで、台風に関する情報を出来るだけ多く載せるためです。一方、冬用の天気図では、中国大陸からシベリア大陸の表示エリアを広くとっています。これからの季節は、大陸から冷たい高気圧が張り出す“冬型の気圧配置”の日が多くなるので、寒さや雪の原因となる大陸の高気圧の状態を知るうえで、北側(大陸側)を広くしたほうがなにかと都合がよいからです。また、南海上の台風も、冬の間はほとんど発生しなくなりますからね。その他、天気記号の凡例も一部で変わり、雷マークの紹介がなくなって、雪マークの紹介にかわります。

10月は、世の中が明るくなるようなニュースが幾つかありました。残念ながら一次リーグで敗退はしたものの、ラグビーワールドカップで初の3勝を挙げた日本代表チームの大活躍もありましたが、忘れてならないのがノーベル賞。今年も日本人がノーベル賞を受賞しました。

まず、10月5日に北里大学の大村智特別栄誉教授がフィラリア等の寄生虫による病気の治療薬を開発したことなどが評価されて医学・生理学賞の受賞が決まり、翌10月6日には素粒子ニュートリノに質量があることを発見した東京大宇宙線研究所の梶田隆章教授が物理学賞を受賞したことの報道が流れ、2日連続の偉大な賞の決定という連日の快挙の報に、日本列島中が沸き返りました。

このお二人の残されてきた業績につきましては、私が改めてご紹介するまでもないことなので、申し訳ありませんが、ここではバッサリ省略させていただきます。で、ここからは私の感想です。

このお二人の科学者の経歴を振り返ると、ある共通点があるように思います。それは、お二人とも地方の国立大学の出身だということです。そして、梶田教授の研究を支えたのも静岡県浜松市にあるローカルの有力企業「浜松ホトニクス」。地方出身者としては何だか地方が熱くなってきている感じがして、嬉しくなってきています。

梶田教授は埼玉県東松山市の農家に3人兄弟の長男としてお生まれになりました。「鉄腕アトム」のお茶の水博士に惹かれ、幼い頃から物理学者に憧れていたということのようです。埼玉県立川越高校を経て、地元の国立大学である埼玉大学理学部で物理学を専攻。埼玉大学をご卒業後、東京大学の大学院に進まれ、そこで門を叩いたのが、2002年にノーベル物理学賞を受賞した東京大学の小柴昌俊特別栄誉教授の研究室でした。その小柴教授の研究室でニュートリノの観測施設「カミオカンデ」の計画を知り、その研究に没頭。その後、ニュートリノに質量があることを発見した岐阜県飛騨市の同施設「スーパーカミオカンデ」に近い富山市に自宅を移すほど、のめり込んでいったのだそうです。

埼玉大学と言えば、私が住む埼玉県さいたま市にある国立大学で、私も2005年から2010年までの6年間、梶田教授が学ばれた理学部ではありませんが、その隣の建物の工学部電気・電子工学科と情報工学科で非常勤講師を務めさせていただいた、強い思い入れのある大学です。あのケヤキ並木の連なる狭いキャンパス(失礼)で学ばれたのですね。

梶田教授は埼玉大学在学中、勉学のほかに弓道部の副将としてご活躍なさったとお聞きしていますが、確かにキャンパスの西のはずれに弓道場があり、時々、袴姿の弓道部員が練習に行くためにキャンパス内を歩いている姿を見掛けました。梶田教授もそんな弓道部員のお一人だったわけですね。

6年間も教壇に立たせていただいて、学生さんに“単位”まで出させていただいていた思い入れの強い埼玉大学の出身者の中から、世界的に最も権威のあるノーベル賞受賞者が出たということが、私にはとても嬉しく、学部は違えど、その大学で教壇に立たせていただいたことを誇りに思います。

また、医学・生理学賞を受賞された北里大学の大村智特別栄誉教授は、故郷の山梨大学学芸学部(現教育学部)の出身です。さらには、昨年、青色発光ダイオードの開発で物理学賞を受賞した米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授も、徳島大学工学部の出身ということで、このところのノーベル賞受賞者には地方の国立大学で学んだ方が多いのが、広島大学という地方の国立大学出身者である私には嬉しく思います。

実際、地方の国立大学は入学試験の難易度からみると、東京大学を頂点とする旧帝国大学や私立の有名大学には劣るのですが、お勉強ができるのと、研究者として優秀なのかということには必ずしも強い相関関係はないということを証明してくれているようで、嬉しい限りです。

これはあくまでも私の勝手な想像ですので、なんとも言えませんが、比較的ノビノビした雰囲気の地元の国立大でじっくりと学び、そういう中で研究者になりたいという自分の進路についての強い意思と、渇望感にも似た深い探究心を“熟成”し、その後、東京大学や京都大学といった旧帝国大学、私立の有名大学等の大学院で師と仰いで学びたいと思う先生の門を直接叩いて研究を重ねる…というのが、これからの時代はいいのかもしれません。これからの時代は、研究者にも従来の常識に囚われない発想の転換力と、創造力が求められるようになるでしょうから。

まぁ~、地方もなかなか捨てたもんじゃないってことです、はい。


【追記1】
さすがにノーベル賞を受賞されるような先生の言葉には、その道を極められた方々特有の奥が深いものがあります。今回、ノーベル賞を受賞されたお二人の先生も、受賞のインタビューで素晴らしいコメントを述べられました。その幾つかをご紹介します。

大村智特別栄誉教授

「学生時代に熱中したスキーから、人の真似をやったら、それを超えることはできないことを学び、研究にもその精神で取り組んできた」

「若い研究者には、失敗を恐れず、失敗を繰り返してやりたいことをやれ…と伝えたい」

梶田隆章教授

「宇宙の物質の起源を解明できるのでないかという大きな期待が出てきています。宇宙にまつわる不思議や疑問を解き明かしていくのは素朴な喜びです」

「私達が住む宇宙は、まだまだ分からないことがたくさんあります。そのような大きい問題というのは、1日とか2日とかいう短い間の研究で解決できるものではなく、たくさんの人が興味を持って、長い年月をかけて解き明かしていくものです。そのような宇宙の謎解きに、若い人には、ぜひ参加してもらいたい」

……なるほどぉ~。素晴らしい!


【追記2】
この時期、ノーベル賞以上に私が楽しみにしているのが、ノーベル賞のパロディー版である『イグ・ノーベル賞』。イグノーベル賞は世界最高の学術賞であるノーベル賞と「恥ずかしい、不名誉な」(Ignoble)を掛けた造語で、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞として、1991年、アメリカの科学雑誌『Annals of Improbable Research』の編集者、マーク・エイブラハムズの発案によって創設されました。受賞者には日本人も多く、昨年の「バナナの皮の滑りやすさを実験で証明」した北里大学の馬渕清資教授など、このところ過去8年連続で日本人が受賞していることから、果たして今年も日本人受賞者が出るのか…と、私は秘かに注目していました。

(おちゃめ日記:イグ・ノーベル賞

その今年の『イグ・ノーベル賞』の授賞式が日本時間9月18日に米国ハーバード大学のサンダーズ・シアターで開催されました。

今年度、イグノーベル賞を受賞したのは、以下の10の研究成果等です。
【物理学賞】 哺乳類の排尿時間は体の大きさにかかわらず最大21秒前後であることを発見
【文学賞】  「はぁ?」に相当する感嘆詞があらゆる言語に存在する事実の発見
【化学賞】  半熟卵の化学的レシピの確立
【経営学賞】 ビジネスリーダーの多くは幼少期にリスクを取ることを好むという事実の解明
【経済学賞】 賄賂を拒否した警官にボーナスを支給することにしたバンコク警察
【医学賞】  熱烈なキスなどがカップルの活動にどのような生物学的影響があるかを解明
【数学賞】  近世モロッコの君主が800人以上の子供をつくったとされる史実を数理解析で検証
【生物学賞】 ニワトリに人工的しっぽをつけると恐竜のような歩き方になることを発見
【診断医学賞】急性虫垂炎は道路の凸凹で痛みを感じるかどうかで診断できることを発見
【生理学賞】 ミツバチに刺されるとどの部位が最も痛いのかを解明

このうち「熱烈なキスなどがカップルの活動にどのような生物学的影響があるかを解明」で医学賞を受賞したのは大阪の開業医・木俣肇さん。スロバキアチームとの共同受賞であり、これで日本人の受賞は9年連続となりました。これも快挙です! 素晴らしい!

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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越智正昭

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