2015/11/09

インドネシアの火山がまたまた噴火(@_@)

先週(11月4日)、こういうニュースが流れていました。

『バリ島の国際空港 火山噴火の影響で閉鎖』

リゾート地として知られるインドネシアのバリ島にある国際空港が、近くの島の火山が噴火した影響で閉鎖されていて、日本人を含む大勢の外国人観光客が足止めされるなど影響が出ています。

インドネシアの運輸当局によりますと、バリ島の東に位置するロンボク島で標高3,700メートル余りのリンジャニ山が先月25日に噴火し、その後も断続的な噴火を繰り返していて、火山灰が上空に広がっています。この影響で、リンジャニ山から西におよそ150キロ離れたバリ島のデンパサールの国際空港は、日本時間の3日午後8時半から閉鎖されていて、航空機の離着陸ができなくなっています。バリ島はリゾート地として人気が高いとあって、空港では4日も、日本人を含む大勢の外国人観光客が足止めされ、電光掲示板を確認したり、航空会社の関係者に問い合わせたりする姿が見られました。

運輸当局は、空港の閉鎖が5日の午前中まで続くという見通しを示していますが、火山灰の影響によっては、再開までにさらに時間がかかるおそれもあるとしています。バリ島の国際空港は、ことし7月にも別の火山が噴火して火山灰が上空に広がったため1日半にわたって閉鎖され、国内線と国際線合わせて270便以上が欠航するなど、たびたび火山の影響を受けています。
(NHKニュース&スポーツ 11/04 14:51)



インドネシアで大規模な火山噴火が発生ですか…。それも“あの”ロンボク島の火山で…(@_@) インドネシアのロンボク島の火山と聞いて、私は思わず「エッ!?」と反応し、テレビの画面を見つめてしまいました。

リンジャニ山は、インドネシア中部の小スンダ列島のロンボク島にある火山で、インドネシアで3番目に高い山で、ロンボク島最高峰の山です。面積は全島の約1/3を占め、高さは日本の最高峰である富士山より50メートル低い3,726メートル。地図で形を見ると、私が9月に訪れた利尻島の利尻山を一回りも二回りも規模を大きくしたような火山です。このロンボク島にはかつてサマラス火山と言うリンジャニ山よりも高い(推定4,200メートル)火山があって、1257年に巨大噴火を起こし世界の気候に大きな影響を与えたのではないかと報告されています。サマラス火山は1257年に起きた巨大噴火によって山の形が大きく変わり、いまではリンジャニ山の東側に巨大なカルデラ(窪地)が残るだけとなっています。そのロンボク島で起きた火山噴火です。注目せざるを得ません。

火山の噴火には「水蒸気爆発」、「マグマ水蒸気爆発」「マグマ噴火」の3種類に大別され、地表近くまで地底のマグマがどの程度、上がってきたかによって分けられます。「水蒸気爆発」というのは、マグマがわりと地下水面近くに留まって、地下水を間接的に熱して、それが高温高圧になって爆発するものです。噴火の中では比較的小規模です。2014年の御嶽山の噴火や箱根で想定された火山噴火がこれです。しかし、マグマと水が直接接するところまでマグマが上がってくると、「マグマ水蒸気爆発」というのが起きて、これの方が「水蒸気爆発」よりも大規模な噴火となります。今年(2015年)噴火して今も活動中の口永良部島の噴火がそうではないか…と推定されています。そして、マグマが直接噴火するのが「マグマ噴火」です。これは国内では桜島や浅間山、海外ではハワイやエトナ山などが有名で、大規模な噴火になりがちです。このうちの「マグマ噴火」の中でも通常の「マグマ噴火」よりもはるかに巨大で、地形を大規模に変えてしまうほどの破局的な噴火のことを「カルデラ噴火」と言います。

日本での一番最近に発生した「カルデラ噴火」は、今から7,300年ほど前、鹿児島県の薩摩半島にある鬼界カルデラが出来た時の噴火だと言われています。この鬼界カルデラの噴火では、縄文時代の日本列島全体を火山灰が覆い、特に九州をはじめとした西日本一帯は一時、壊滅状態にまで追い込まれたと言われています(縄文時代の遺跡が東日本から北日本に分布しているのは、この鬼界カルデラの噴火が大きく関係していると考えられています)。

世界に目を転じてみると、有史以降幾つかの大規模な「カルデラ噴火」が発生しています。その中でも一番有名なのが1257年の5月から10月の間にこのインドネシアのロンボク島にあるサマラス火山で起きた巨大噴火です。このサマラス火山の噴火はあまりにも巨大なものだったようで、1883年に発生した有名なクラカタウ山(インドネシア)の噴火の8倍、1815年のタンボラ山(同じくインドネシア)の噴火の約2倍の規模だったのではないか…と推定されていて、過去3700年間で最大の火山噴火であると言われています。このサマラス火山の超巨大噴火による噴出物は体積にして40立方kmにのぼり、地上4万3,000メートルにまで達したのち、世界中に降下物となって舞い降りたと考えられています。 実際、この噴火により生じたと思われる硫酸塩や火山灰は、遠くグリーンランドや南極にまで達し、これらの場所にある氷床コアに閉じ込められていることが、氷のサンプル採取で判明されているそうです。

この巨大噴火はインドネシアという赤道付近で発生しましたが、その衝撃は世界全体におよび、世界各地で各種の記録が残されています。大量の溶岩と火山灰を噴出した大噴火によって、成層圏に大量のエアロゾルと塵埃が放出され、成層圏で酸化した二酸化硫黄が作り出す硫酸エアロゾルは、噴火から1年をかけて成層圏をゆっくりと拡散していき、その結果、地球の表面に達する太陽光の量が極端に減少しました。中世ヨーロッパの記録文書を見ると、噴火の翌年と考えられる1258年の夏について、異常に気温が低かったという記述が残っています。「夏のない年」と呼ばれたこの年は農産物が不作で、さらに絶え間ない降雨による洪水で尋常でないくらいの大きな被害がもたらされたようです。一方、噴火直後の冬は西ヨーロッパでは暖冬だったようですが、これは熱帯での火山噴火で大気中の硫黄濃度が上がったためだと考えられています。

第5代皇帝クビライに率いられてユーラシア大陸全土を征服し一大帝国を築き上げたモンゴル帝国も、クビライの死後、後継者争いから内部分裂が相次ぎ、徐々に帝国としての統制力を失っていったのですが、そのモンゴル帝国の安定にトドメを刺したのが、著しい気温低下という異常気象による大飢饉とペストの大流行をはじめとする疫病、さらには自然災害の続発でした。さすがのモンゴル帝国も異常気象の前には手も足も出ず、一気に衰退していったわけです。それが 1200年代後半のこと、まさにこのインドネシアのサマラス山の噴火とタイミングが一致します。

さらに、1300年代にはもう1つ、1315年から5年間ほどの間ニュージーランドのカハロア火山が繰り返し大噴火を起こし、そこから吹き上げられた大量の火山灰によって、1315年から1317年にかけてヨーロッパで著しい気温低下とそれに伴う大飢饉が起きたと記録に残されています。それにより世界各地でそれまで栄華を誇っていた王朝の多くが急激に衰退して倒れる等の大きな歴史的変化が起こりました。これが「1300年イベント」と呼ばれるものです。

巨大災害 ~MEGA DISASTER~ 地球大変動の衝撃(第4集)

世界の火山分布

現在は地球の温暖化ばかりが問題視されていますが、ひとたびこのような火山の巨大噴火が起こると、一転して気候は急激に寒冷化へと向かい、農産物の不作による食糧危機が世界中を襲うことになりそうです。世界の人口がここまで大きくなると、温暖化よりも寒冷化のほうがよっぽど大問題です。しかも、巨大火山の噴火は突然やってきます。温暖化が一転して寒冷化に向かう…、これほど恐ろしいことはありません。高度に発達した文明社会で、ひとたび火山の巨大噴火が起きるといったい何が起きるのか…。考えたくもないですね、はい。

ちょっと心配です。

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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