2016/03/11

東日本大震災からまる5年

今日は3月11日、あの東日本大震災から今日でまる5年が経過しました。まる5年の節目ということで、このところ連日のように新聞やテレビの報道番組等では様々な角度から東日本大震災をテーマにした特別な報道が流れています。

それら報道を観る限り、被災地の復旧・復興、及び町作りはいまだ途半ばのようです。道路や鉄道といった交通網や公共施設などインフラ面の復旧は比較的早く進んでいるようですが、例えば、仮設住宅に住む方々の住まいの移行に関しては、徐々に進んではいるものの、残念ながら十分なものであるとは言えないようです。

復興庁の発表によりますと、避難者の数は東日本大震災発生直後の約47万人からは約6割減少してはいるものの、5年が経過した今でもなお、全国で17万4千人強(2016年2月12日現在)の被災者の方が不自由な避難生活を余儀なくされています。しかしながら、被災地では災害公営住宅の建設や、集団で移転する高台の住宅地の造成が遅れているようです。現在もプレハブの仮設住宅で生活している被災者の方は、岩手、宮城、福島の3つの県を中心に5万9千人(2016年1月末現在)いらっしゃるとも言われていますが、最も長い人は8年間も不自由な仮説住宅に暮らす可能性が出てきたというようなことが報道で流れていました。

復興はなにも住宅の確保だけではありません。もちろん新たな街づくりによる地域復興の大前提として、住民が安心して暮らせる住宅の再建は重要なことです。しかし、なんとか暮らすことができても、生活の糧となる収入源が確保できなくては、とてもとても地域復興は前へ進みません。

産業や生業の再生に関しては、まず鉱工業の生産に関しては概ね震災前の水準程度に回復はしているものの、農業に関しては津波により被災した農地(約21,480ha)のうち営農再開が可能になった農地の面積の割合は約74%、業務再開を希望する824の水産加工施設のうち再開ができた施設の割合は約85%にとどまっています(2016年1月現在)。近年、日本を訪れる外国人観光客が急増していて、外国人宿泊者数は全国平均では2010年と比べて約162%増となっていますが、東北3県では震災前の2010年比で65%と減少したままの状況になっています。このあたりが急務となっている現状のようです。

このように被災地の復興はまだまだ途半ばってところです。5年という1つの節目を迎えますが、これからも頑張っていただきたいと思っています。私もできるだけ東北地方の産品を購入したり、観光に訪れるなどの応援をさせていただきたいと思っています。

東日本大震災からの復興を目的として設置された行政機関である復興庁のHPにも、震災5周年特設ホームページ『復興5年ポータルサイト』がオープンされました。ここを見ますと、このような「住まい・インフラの復旧・復興」の現状と課題、「産業・生業の再生」の現状と課題、「原子力災害からの復興・再生」の現状と課題が俯瞰的に分かりやすくまとまっていますので、是非一度ご覧になることをお薦めします。

http://www.reconstruction.go.jp/5year/ (復興庁『復興5年ポータルサイト』)

巨大地震とそれに伴う津波による被害があまりにも大きかったこともあり、ともすれば東日本大震災の陰に隠れがちですが、東日本大震災からのこの5年間を振り返ってみても、日本列島は火山噴火や大雨による土砂災害、河川氾濫、台風の襲来…など、大きな自然災害が毎年のように次から次へと襲い、そのつど幾多の尊い命が奪われてきました。私達はこのことも忘れてはなりません。

私がこの『おちゃめ日記』の場で何度も書かせていただいていることですが、私達が住む日本列島は、世界中見回してみても他に例を見ないというくらい自然災害が多発する極めて特殊な土地柄、“災害列島”であると言えます。

モンスーン気候帯の北限に位置するこの列島は、大陸のシベリア高気圧と太平洋高気圧の影響で、北からの寒気と南からの暖気が列島付近の上空でぶつかり合うことから、日本列島の気温や降雨は時々刻々と言ってもいいくらい激しく変化をし続けています。おまけに偏西風の関係から台風の進路にあたり、毎年のように大型の台風が接近・上陸してきます。

また、日本列島付近では、地球の表面を覆う大きな大陸プレートが幾つも境界面を接しており、見えない地下ではこの大陸プレート間での押し合い引き合いがずっと起きています。このため、世界で発生する大地震の約20%はこの日本列島付近で発生し、活火山の約10%が日本列島とその周辺に位置しています。

このため、こうした自然の脅威の来襲から人々の生命と財産を守るための『防災』に関しては、随分と前からいろいろと議論がなされてきましたし、様々な対策もとられてきました。

しかしながら、今もなお大きな自然の脅威が来襲してくるたびに、大きな被害が出たり、尊い命が犠牲になっています。このことは『防災』に関して、まだまだやるべきことがたくさん残されているということを意味しています。

私は、私達民間気象情報会社も含めて、気象に関わる者の使命は、圧倒的破壊力を持つ自然の脅威の来襲から、人々の生命と財産をお守りするための情報を提供することにあると考えています。先ほど『防災』に関して、まだまだやるべきことがたくさん残されていると書きましたが、それは私達民間気象情報会社についても同じようにあてはまります。

日本列島の位置を変えることができない以上、“災害列島”日本では、今後も甚大な被害をもたらす自然災害が次々と繰り返し発生することが十分に予想されています。東日本大震災からまる5年を経過した今日3月11日、改めて前述の「気象に関わる者の使命」について考えているところです。


【追記】
弊社は、私に加えて元気象庁予報課長の市澤先生と元陸上自衛隊陸将補の清水顧問の3人で掲載中のこの『志事人ブログ』で、折に触れて『防災』についての弊社の考え方について様々に述べさせていただいておりますので、是非それらを一度お読みください。

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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越智正昭

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