2016/06/22

第23回定時株主総会

 6月16日(木)、東京五反田の「スタンダード会議室五反田ソニー通り店」におきまして、株式会社ハレックスの第23回定時株主総会が開催されました。会社設立以来23回目の定時株主総会、私にとっては代表取締役社長に就任してから13回目の定時株主総会です。早いもので、私がこの会社の代表取締役社長に就任してはや13年が経過しました。

前事業年度(2015年度)もお客様の温かいご支持、そしてなにより社員の皆さんの必死の頑張りのおかげで、辛うじてではありますが黒字を計上することが出来ました。これで4期連続の黒字です。ですから今年の株主総会もある程度気持ちに余裕をもって臨めたようなところはあるのですが、そこは株主総会。株主総会は株主総会です。

改めて私が申し上げることでもないのですが、株式会社というものは株主様からお預かりした資本金を元手にして、社長を初めとした経営陣が事業の執行を行っているわけで、1年に一度、資本を出していただいているその株主様に会社の事業の執行状況、と言うより、資本金の運用状況をご報告し、ご承認(信認)を得るのが定時株主総会というものです。ですから、会社を代表する社長としては、さすが1年に1回のこの株主総会の場は緊張してしまいます。

ちなみにハレックス社の株主様は56社様にも及びます。私は筆頭株主であるNTTデータの出身ですが、そのNTTデータの持株比率は41.8%。すなわち筆頭株主のNTTデータ様ですら拒否権しか持ち合わせておりません。NTTデータの連結決算対象のグループ会社ではありますが、株主構成的にはどこの支配的な子会社というわけでもなく、当社は完全な“独立会社”であると言えます。と言うことは、不安定な身分の代表取締役社長ってことですから、そりゃあ余計に緊張もします。

56社の株主様の業種は多岐に渡っており、質問はそのそれぞれの職種の立場から出されることがあり、何を質問されるか分からない部分があります。毎年、株主総会にはそれなりに事前準備をして臨むのですが、何度臨んでもこればっかりは1年に1回のことなので慣れません。さすがに私も前日あたりから緊張しちゃいます。

毎年、事前に送られてくる委任状で、ある程度、どの株主様が総会に出席されるかが分かります。今年は委任状の数が42社分。結局、今年の定時株主総会は例年よりちょっと少なめの11社の株主様に御出席いただきました。

やはり、4期連続で黒字を計上しているということの意味あいは、自分達が思っている以上に大きいな…と壇上の議長席から会場を見渡しながら思いました。幾つかの審議事項があったのですが、会場からそのつど実に絶妙なタイミングで「異議なし!」の声が出るのは、議長を務めさせていただいていて嬉しいものです。2つほど質問をいただいたのですが、30分弱という短い時間でのいわゆる“シャンシャン総会”でした。こういう株主総会を議長として経験すると、企業を黒字にするということはどういうことなのか…を、改めて実感いたします。ホント得難いとぉ~ってもいい経験を積ませていただいております。


 当事業年度におけるわが国経済は、新興国経済の減速の影響などから生産面や輸出の鈍化傾向がみられるものの、緩やかな回復基調を継続しております。また、景気の先行き観も、新興国を中心とした海外景気の下振れ、円高や株価下落などに伴う不安定な金融市場の影響など、景気を押し下げるリスクに留意する必要があるものの、金融環境の緩和や東京オリンピックに向けた関連需要の本格化など受けて、緩やかな拡大基調を維持していくとみられております。このような環境のもと、当社といたしましては、「防災・気象」と「IT」の融合を図り、従来の領域や顧客を堅守しつつ新規サービスを開発し、横展開できるよう事業を推進して参りました。

2015年度の業績を主な事業区分で見ますと、まず気象情報配信事業分野においては、オリジナル気象情報サービスの「HalexDream!」を核としたソリューション提供事業の拡大に注力しており、アラート等のサービスの拡充とともに、降灰・火山関連情報、防水・止水情報等の新たなサービスの追加を図って新規顧客を獲得した結果、前年度の売上高を上回る成果を挙げることができました。

緊急地震速報事業では既存の防災情報送出システムの機能追加の提案や、新規システムの受注活動を展開した結果、前年度の売上を上回ることになりました。

気象予報士請負・派遣事業では、特定の事業者に依存する構造の中で、労働者派遣法、労働法等の改正の影響により、前年度に引き続き売上高は大幅に減少しました。

販売費及び一般管理費については、効率的な事業運営に努めたものの、事業確保のため体制整備等を進めたことから、販売費、管理費、社内システム費ともに前年度に比べ増加しましたが、一方でこうした体質強化が奏功し、より粗利率の高いサービスの拡大を図ることができました。

その結果、当年度における業績は、売上高は前年並みを確保し、営業利益、経常利益は40%増、当期純利益は100%増と、いずれも前事業年度を上回る結果となりました。

2015年度、4期連続で単年度黒字を達成したとは言え、まだまだ油断はならない経営状況が続いています。2015年度も前事業年度に引き続き、既存の気象予報士請負・派遣事業の売上額の大幅な減少があったものの、営業利益率の高い付加価値サービスへの脱皮が徐々に進み、なんとかそういう中でも営業利益、経常利益、当期純利益において、なんとか前事業年度以上の黒字を達成することができました。今後も引き続き、この事業の転換を推進し、各事業の黒字化を確実なものとすることにより、安定的な事業運営を目指し、累積損失を確実に解消させるということを、株主の皆様にお約束させていただきました。

また、これにより、地震や異常気象による自然災害から人命や財産を守るという気象情報会社としての社会的使命を遂行するための活動と、事業の成長とそれによる利益の確保によって、株主、取引先、従業員等のステークホルダーに対しての責任を果たすための活動を両輪として、引き続き事業を推進していきたい…と、社長の大役を務めさせていただいております身としては、心から思っております。

直面する課題と致しましては、近年の労働者派遣法や労働契約法等の改正の影響により、第24期も特定顧客の影響により、気象予報士の派遣事業はさらに激減する見通しであり、加えて通信講座等の関連事業も縮小するなど非常に厳しい事業環境となっており、気象予報士の新たな活躍の場である予報センターを核にした予報士活用事業の創出等、従来の事業の変革が必須となっております。

一方、こうしたポートフォリオの急激な変化の影響を吸収するために、気象情報配信及び緊急地震速報の事業を引き続き重点事業と位置づけ、事業拡大と収益性改善の両立により利益を確保できるよう取り組んで参ります。

具体的には、気象情報配信事業では、従来型の単純な情報提供から、より付加価値の高い気象情報サービスにシフトすべく、オリジナル気象情報サービスの「HalexDream!」をベースに、過去データやアラート機能等について共通化を図りながら新たなサービスを創出し、既存事業の幅出しに加えて、建設や農業などの新規市場も見据えて顧客開拓に積極的に取り組んでおります。

緊急地震速報事業においては、地上波放送局、衛星放送局向け災害情報システムの実績を活かして、放送業界に向けた同システムの横展開を図り、グループ会社との協業等を通じて販路を拡げて事業拡大に取り組んで参ります。

気象予報士事業については、特定の事業者の影響を強く受ける派遣事業に依存する体質から脱却するために、予報センターを核にした新たな予報士活用事業の創出に注力し、同業他社からの受託や防災、農業分野を中心に取り組んでまいる所存です。先ずは受託した気象庁の自治体派遣モデル事業の履行を通じて予報センターの整備を進め、他社との協業により気象予報士の活用機会の拡大に努めて参ります。取組みも緒に就いたばかりで、当該事業の黒字化に向けては道半ばの状況でありますが、予報士事業の変革に向けて確かな手応えを得ております。

今年は役員全員が改選期を迎えたのですが、所属なさっている会社の人事異動の関係で非常勤取締役(社外取締役)の辞任が1名あり、新たに2名の取締役が選任されたほかは、留任が承認されました。また、監査役の交代も承認していただきました。今年の役員交代の目玉はプロパーから初めて取締役(常勤)が選出されたことです。プロパーから役員を出すことは私の社長就任以来の悲願の1つだっただけに、とぉ~っても嬉しかったです。これで社内体制もより一層強化することができます。

ちなみに、私も緊急動議を発動されることなく留任が承認され、また、株主総会後の取締役会で、今期も引き続き私が代表取締役社長に就くことが承認されました。これでハレックス社の社長就任14年目に入ります。お預かりするハレックスという会社も就任1年目と比べて規模が大きくなり、事業の内容も大きく変化を遂げてきました。お取り引きさせていただくお客様も多岐に渡るようになってきていて、責任もますます増してきていることを実感しているところです。

株主様、お客様、そして社員の皆様のご期待に添えますように今後も頑張っていきたい…と、思いも新たにしたところです。

今後とも、引き続き、よろしくお願いいたしますm(__)m

執筆者

株式会社ハレックス前代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
前代表取締役社長

越智正昭

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