2016/12/20

TO THE NEXT STAGE

11月25日(金)から27日(日)の3日間、千葉県市原市のゼットエー・オリプリスタジアムで開催されたサッカー全国地域チャンピオンズリーグ決勝ラウンドにおいて圧倒的な強さを発揮して見事3連勝で優勝を果たし、来季、1カテゴリー上の全国リーグである日本フットボールリーグ(JFL)昇格を決めたFC今治の「祝昇会」が12月11日(日)に地元愛媛県今治市の今治国際ホテルで開催され、私も弊社ハレックスを代表して出席してきました。今シーズンのFC今治の目標は唯一つ、JFL昇格。そのJFL昇格を目指してこの1年、監督を筆頭に選手、コーチ、スタッフが一丸となって頑張ってきたわけです。その目標を果たし、喜びやいかばかりかと思います。

祝・FC今治、悲願のJFL昇格なる!

祝昇会会場の入り口には地元今治市のファンの皆さんがFC今治のJFL昇格を祈念して千羽鶴で作った球団フラッグが飾られていました。この千羽鶴の球団フラッグ、全国地域チャンピオンズリーグの決勝ラウンドの試合でもベンチに飾られていました。本当によくできています。

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また、FC今治が今シーズン獲得した3つの優勝カップが展示されていました。四国リーグ、全国地域チャンピオンズリーグ、そして右手の1番大きいものはSVホルンカップのトロフィーです。「SV ホルン」は現役のサッカー日本代表選手でイタリア・セリエAのACミランに所属する本田圭佑選手が実質的にオーナーを務めるオーストリアのサッカークラブです。日本のサッカーを本気で強くしたいと考えている2人、SVホルンの実質オーナー・本田圭佑選手とFC今治の岡田武史オーナーがそれぞれのチームを率いてオーストリアでガチンコで対戦した試合がSVホルンカップでした。

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会場に入ると岡田武史オーナーをはじめ、矢野将文社長や吉武博文監督、コーチ、選手の皆さんに並んで出迎えていただきました。岡田武史オーナーからは「わざわざ東京からいらしていただけたのですか?」と声をかけていただきました。「ええ、決勝ラウンドの試合もスタジアムで観戦させていただきましたよ。これまで悲願だったJFL昇格を達成された喜びを一緒に味わわせていただきたくて、居ても立っても居られず、やって来ました」(^。^)

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『必昇(必ずJFLに昇格する)』を目標に今年1年間を必死になって戦ってきて、その目標をめでたく達成したわけです。並んで出迎えていただいた皆さんのお顔はその達成感と喜びで輝いておられましたね。

この日の祝昇会はFC今治のスポンサー企業、支援持株会、後援会等の人達が一堂に集まって、一緒にJFL昇格の喜びを分かち合おうという趣旨で開催されたもので、会場には私がザッと見積もっても300名を超えようかという大勢の方々がお集まりでした。で、前述のように弊社ハレックスも錚々たるスポンサー企業の末席に加えていただいている関係で、私もハレックス社を代表して参加してきました。

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祝昇会はこの1年間激闘を戦い抜き、JFL昇格という栄誉を勝ち取った選手、コーチ、監督、そして岡田武史オーナー1人ずつの紹介で始まり、まずは吉武博文監督からJFL昇格と今年のシーズンを振り返っての報告、次いで、菅良二今治市長をはじめとした来賓挨拶、アドバイザリーボードメンバーを代表しての田坂広志多摩大学大学院教授(社会起業家フォーラム代表、元内閣官房参与:今治市出身)の挨拶(ビデオレター)があって、鏡開きと昇格の美酒での乾杯。その後は、選手、監督、コーチを囲んでの宴会に移りました。

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選手はめいめいサイン入りの自分の写真を配っていました。これは大変な人気で、瞬く間になくなっていたようですが、私は運良くこれくらいゲットできました(^-^)v

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私はJFL昇格を決めた千葉県市原市で開催された全国地域チャンピオンズリーグの決勝ラウンドの試合を、2試合、スタジアムで観戦したものですから、その試合で活躍した選手を中心に多くの選手の皆さんとお話しをさせていただきました。皆、ナイスガイばかりで、話していてもメチャメチャ楽しく、元気を分けて貰った気がします。この2年間、FC今治を応援してきて、本当によかったと思いました。

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お楽しみ抽選会ではアドバイザリーボードメンバーの方々が次々に壇上に上がられてクジを引かれたのですが、その中にはこういう方も…。著名なアーティストの日比野克彦さんです。FC今治では、その企業理念やミッションステートを実現するため、サッカーや今治にとどまることなく、アドバイザリーメンバーの経験に基づいた深い知見と幅広い見識を取締役会に提供することで、フレキシブルでダイナミックな成長の実現とコーポレート・ガバナンスの向上を目的としてアドバイザリーボードを設けていて、多士済々な顔ぶれの方々がアドバイザリーボードメンバーに名前を連ねられていらっしゃいます。これは本当に凄いことです。

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弊社ハレックスとFC今治の最初の繋がりは今から約2年前の2015年の1月上旬のことでした(すなわち、岡田武史さんがオーナーになられて間もない頃でした)。FC今治で岡田オーナーを補佐して企業経営面を担当しておられた矢野将文取締役(現・取締役社長)から突然ご連絡を受け、お会いしたのが最初でした。矢野取締役は私が愛媛新聞の会員制経済サイト『E4(いーよん)』に連載しているコラム『晴れ時々ちょっと横道』を読んで、私が今治市に所縁がある(本籍地が今治市朝倉)ことを知り、訪ねて来ていただいたのでした。私はその場で初めて今治市にJリーグ入りを目指そうとしているサッカーチームがあり、そのチームのオーナーにあの岡田武史さんが就任したということを知りました。愛媛県今治市と言えば、私の本籍地があるところです。数ある候補地の中で、あの岡田武史さんが私の本籍地である今治の地を選んでいただいたということで、私はメチャメチャ嬉しかったですね(^o^)v

ですが、弊社ハレックスがFC今治のスポンサー企業の1社に加えていただいたのは、なにも社長の私の本籍地が愛媛県今治市だからというだけではありません。なにより岡田武史オーナーが掲げられておられるビジョンに大いに共感を覚えたからです。

FC今治のオーナーの岡田武史さん(愛称:岡ちゃん)は私と同じ1956年の生まれで、現在還暦を迎えた60歳(学年的には岡田さんのほうが1つ下)です。岡田武史さんの経歴につきましては私が改めて紹介するまでもありませんが、1997年、ワールドカップ(W杯)フランス大会のアジア最終予選で加茂周監督が更迭されたことに伴い、急遽指揮官に就任。同予選突破を果たして、日本代表を初のワールドカップ出場に導きました。1998年に行われた本大会では3戦全敗に終わったものの、翌1999年にはコンサドーレ札幌の監督に就任し、2年目でJ2優勝を果たし、J1昇格を果たしました。2003年には横浜F・マリノスの監督に就任し、就任1年目からJ1連覇を達成しました。また、2010年に開催されたW杯南アフリカ大会で日本代表監督に復帰。日本代表が国外で開催された大会では初めてグループリーグを突破して決勝トーナメントに進出した時の代表監督でもあります。現在は公益財団法人日本サッカー協会(JFA)の副会長も務められておられます。

そのような日本サッカー界の“至宝”と言ってもいい岡田武史さんが、次のチャレンジの場として選んだのがクラブチームの経営で、そのチームというのがFC今治だったわけです。岡田武史さんは2014年11月、FC今治の運営会社である『株式会社今治.夢スポーツ』の株式の51%を取得し、オーナー経営者に就任されました。なぜ岡田武史さんがFC今治のオーナーになったのかをはじめ、岡田武史さんの思いや目指していること等については、FC今治のHPに詳しく書かれていますので、是非そちらをご覧ください。

FC今治公式サイト

これをご覧になるとお分かりいただけると思いますが、岡田武史オーナー率いるFC今治は2025年にはJ1で常時優勝争いをするチームとなり、ACL(アジア・チャンピオン・リーグ)で優勝を目指す…という成績面での目標とともに、『OKADA METHOD』により、育成からトップチームまで一貫した哲学・プレースタイル・方法論に則った独自のメソッド(方法論)を創り、普及させるという極めて明確なビジョンを掲げています。

『OKADA METHOD』とは、W杯で世界の名だたる強豪国のチームを相手に戦った経験が豊富な岡田武史オーナーが、日本人(アジア人)が世界で勝つためには、日本人の強みである組織力を最大化するために、育成からトップチームまで一貫した「型」を意識し、その上でサッカー道における『守破離』を体得・実践していけるようなチーム作りが不可欠である…という結論に至り、提唱されたチーム作りの新しい考え方のことです。キーとなる言葉は『守破離』。この『守破離』とは、武道や芸能などの世界で、修業における段階について示したものです。「守」とは、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につけるということで、最初の段階ですべきことです。「破」は、その次の段階で、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる最終段階のことです。『OKADA METHOD』ではこの『守破離』の考え方のもと、チームの「型」を作り上げながらも、選手個々には時として創造的にその「型」を破り離れていくことを求めています。それを実現するためには、個々の選手には身体能力もさることながら、理解力と判断力、それもボールが停まることなく動き回るサッカーですから、一瞬のうちでの理解と判断を求める…という高いレベルでの考える能力が求められます。

この『守破離』は、なにも武道や芸能の世界だけでなく、どんな世界にでも通用し、応用できる考え方です。

「経営とは、変転する市場や顧客のニーズを見定めて、事業の定義を書き換えること(すなわち、会社を作り変えること)である」…これは私の経営哲学のようなものです。私は代表取締役社長として弊社ハレックスの経営に携わらせていただいて14年になりますが、崖っぷち会社の再建から始まるその経験の中で学んだ最大のことがこれで、今も常にこのことばかりを考えているようなところがあります。この考え方のもと、ここ8年ほど変わらず私が唱えている弊社の事業運営方針はたった一言、『メタモルフォーゼ』です。

『メタモルフォーゼ』とは生物学における変態・変身のこと、すなわち、キャベツの葉っぱに必死にしがみついてキャベツばかりを食べていた青虫が、そこで食べた栄養を糧にいったん蛹(サナギ)に姿を変え、蛹の殻の中で淡々と次なる成長のための準備を行い、最後は羽化して蝶に姿を変え、大空に羽ばたいていくということです。この間で姿形はまったく変わり、大きくもなりますが、変わらないものが1つだけあって、それがDNA。会社経営でいうと、会社設立の時に定めた設立趣旨、企業理念がこれに当てはまります。この設立趣旨や企業理念に賛同していただいて株主の皆さんは資本金を出資していただいているわけですから、これだけは絶対に変えてはならないことだと私は思っています(それを逸脱することをやる時は、別の会社を立ち上げないといけません)。で、それ以外に関しては基本的に全て変えていいのです。世の中の現在あるサービスや製品は、概ね10年前のシーズとニーズで形成されたようなもので、現在のシーズとニーズで実現しようとすると、同じ目的を果たすものであっても全く別の形のサービスや製品になると私は思っています(これが“イノベーション”といわれるものではないか…と、私は思っています)。変えてはいけないものを見定めて、それ以外はドンドン捨てて、時代に合わせて姿を変えていけばいいのです。それを先導するのが経営者の役割というわけです。

岡田武史オーナーが仰っておられる『守破離』と私の経営哲学である『メタモルフォーゼ』は、サッカーと気象情報提供という事業のフィールドが異なるだけで、ほとんど同じことを言っていると思い、最初にFC今治のビジョンの説明をお聞きした時に、この岡田武史オーナーが唱えておられる『守破離』という言葉に大いに共感を覚えました。弊社ハレックスもFC今治と同様、今は弱小の中小企業かもしれませんが、夢は大きく、気象情報提供の分野でこれまでにないサービスを提供して、まずは日本国内で事業の基盤をしっかりと作り、ゆくゆくはその実績をベースに世界進出をも目指していきたいと思っていて、『メタモルフォーゼ』のスローガンのもとにそのための事業の大変革を行っているところですので、FC今治と接点を持つことで、間違いなくとてもいい刺激をいただける筈だと確信しました。

これが決め手になって、キラ星のごときスポンサー企業の皆さま方の末席に即座に加えていただくことにしました(なので、FC今治のスポンサーに名乗りを上げた企業の中ではかなり早いほうではないかと思っています)。現在はFC今治様向けの弊社オリジナルの詳細なピンポイント気象情報の提供をさせていただいていて、芝生の育成や練習計画の策定、さらには試合における戦術の検討等、幅広くお使いいただいています。弊社オリジナルの気象情報を日本サッカーをより強くするために活用する、いや、この取り組みを通して、サッカーばかりでなく2020年に開催される東京オリンピックを目指してスポーツの世界でもっともっと気象情報を活用させていくことができたら素晴らしいことだな…と今は思っています。なにより、FC今治の運営会社である『株式会社今治.夢スポーツ』の社名にもあるように、“夢”があります。加えて、弊社が会社として応援するサッカーチームが生まれたことで、社員達の間で共通の話題ができ、明るくなったという副次的な効果も表れたと私は分析しています。

とは言え、この『OKADA METHOD』という新しいプロセスの確立をしながら、その上でJFL昇格という結果を残すというのは極めて難しいことで、昨年(2015年)のシーズンは四国リーグを制覇したものの、11月に行われたJFL昇格を賭けた全国地域サッカーリーグ決勝大会(現・全国地域チャンピオンズリーグ)では残念ながら第1次ラウンドで敗退し、涙を呑みました。

このJFL昇格を逃した昨年(2015年)の全国地域サッカーリーグ決勝大会を前にして開催されたスポンサーミーティングの場で、岡田武史オーナーは次のようなことをおっしゃられました。「選手には、成功には〈能力×情熱×考え方〉の掛け算で近づける。能力は簡単に変わらない。でも、情熱や考え方はすぐに変えられる。特に考え方が大切だ。JFLに上がれば人生が変わる。この1カ月で人生を変えたいと願うのなら、毎朝起きたら『俺はJFLに行く』と大きな声を出して自分に誓え。その後、1日の行動のすべてを初戦に勝つためのものとしろ。1分、1秒も無駄にしないと誓え。それができないなら残りの給料は払うから練習に来なくていいという話をした。」

私も『経営のMVP理論』という持論を持っていますので、この「成功には〈能力×情熱×考え方〉の掛け算で近づける」という考え方も大いに共感を覚えました。ちなみに、私の『経営のMVP理論』では最初の“M”はMission(ミッション)、すなわち企業の存在意義や使命を普遍的な形で表した基本的価値観、さらには組織の日々の活動や将来進むべき方向の道標となるもののことです。次の“V”はVision(ビジョン)、すなわちMissionで規定された存在意義に基づき、自分達は将来こうありたいという方向性を定義したもののことです。そして、最後の“P”はPassion(パッション)は言うまでもなく情熱のこと、ビジョンの実現は経営者自らが先頭に立って推進しないと絶対にうまく進まないということを意味します。これらはもちろん〈足し算〉ではなく〈掛け算〉で決まる。〈掛け算〉だからどれか1つでも0やマイナスのものが入れば成功は期待できないという考え方です。これと非常に通じるものがありましたので、この「成功には〈能力×情熱×考え方〉の掛け算で近づける」という考え方にも、私は大いに共感を覚えました。まったくその通りです!

また、私は仕事の成功は単に〈能力〉だけで決まるものではなく、〈立ち位置〉と〈臨む姿勢〉で決まる…ということも社員達に常々言ってきています。これも岡田武史オーナーのおっしゃられる「成功には〈能力×情熱×考え方〉の掛け算で近づける」に通じるものがあります。

昨年(2015年)のシーズンはこの「成功には〈能力×情熱×考え方〉の掛け算で近づける」の部分においてFC今治にはチーム全体として今一つ欠けていた部分があって、JFL昇格を目の前にして最後の最後に涙を呑むという残念な結果に終わってしまったのではないか、そして、今年の同じくJFL昇格を賭けた全国地域チャンピオンズリーグの決勝ラウンドでは、そういう面を克服してメンタル面の切り換えが上手くできたからこそ、優勝し、JFL昇格の切符を手に入れることができたのではないか…と私は思っています。

全国地域チャンピオンズリーグは全国の9つの地域リーグの覇者と10月に行われた全国社会人サッカー選手権大会を勝ち上がってきた上位3チームの合わせて12チームが、来季のJFL昇格の座を賭けて戦う大会です。まず12チームを4チームずつ3組に分けてリーグ戦で戦う第1次ラウンドの各組1位のチームと、各組2位のチームのうち成績最上位の1チームの合わせて4チームがこの決勝ラウンドに進みます。総当たりのリーグ戦で行われるその決勝ラウンドで上位2チームに入れば、来季、JFLに昇格することができます。来季のJFL昇格を目指してこの1年を戦ってきた地域リーグの各チームにとっては総決算、最後の関門と言える大会でした。

四国リーグの覇者としてこの全国地域サッカーチャンピオンズリーグに出場したFC今治は第1次ラウンドを2勝1敗と2位で終えたものの、他の組の2位のチームに得失点差で上回り、辛くも決勝ラウンドに駒を進めてきたのでした。決勝ラウンドに進出してきた他の3チームはと言うと、どのチームも全国社会人サッカー選手権大会を勝ち上がってきたチームで、全国地域サッカーチャンピオンズリーグの第1次ラウンドも3勝0敗の勝ち点9で勝ち抜いてきたチーム。すなわち、このところ負けなしの勢いに乗っているチームばかりです。JFL昇格を勝ち取るためには大変な苦戦が予想される大会でした。第1次ラウンドの第3節が行われたのが11月13日(日)、決勝ラウンドの第1節が行われたのが11月25日(金)、この2週間弱の期間で出来ることといえば、情熱や考え方を変えることくらいしかできません。それが上手くできたからこそ、決勝ラウンドでは3戦全勝の勝ち点9。総得点8、総失点1の得失点差+7というどこからも文句のつけようのない堂々たる結果の優勝で、悲願のJFL昇格に花を添えることができたのだと私は思っています。

特に2試合目のヴィアティン三重戦。このヴィアティン三重は全国社会人サッカー選手権大会を第3位で勝ち上がってきたチームで、第1次ラウンドのA組でFC今治が0対3で完敗したチームです。前日に行われた決勝ラウンドの初戦でも全国社会人サッカー選手権大会を優勝で勝ち上がってきた三菱水島FCを2対1で下し、非常に勢いに乗っていて、決勝ラウンドの優勝候補とまで言われていたチームでした。FC今治はこの強敵・ヴィアティン三重からキッチリ借りを返す3対0の勝利で勝ち点3を奪い、JFL昇格を決めたわけです。この試合、私も会場となった千葉県市原市のゼットエー・オリプリスタジアムに足を運び、スタンドから生で観戦させていただきました。3対0という結果からも類推できるように、ほとんど時間帯でFC今治がボールを支配し、次から次に攻撃を仕掛ける素晴らしい試合ぶりで、スペインリーグ(リーガ・エスパニョーラ)に所属するFCバルセロナやレアル・マドリードのような観ていて楽しくなるサッカーを展開してくれました。これならJFL、いやそのままJリーグに昇格してもそこそこ戦えるのではないか…と期待が膨らむほどでした。

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祝昇会でお会いした吉武博文監督に決勝ラウンド、特にこの2試合目を観戦した感想をお話したところ、「ええ、あの試合はFC今治にとって今シーズンのベストゲームでした」というお返事が即座に返ってきました。「あのような試合が常にできたら、今すぐJリーグに上がってもそこそこ戦えると思いますよ」という私の言葉には満更でもなさそうな顔をして大きく頷いておられました。この2週間弱の間で何があったのか本当は知りたかったのですが、そこまでは教えてはいただけませんでした。きっと、岡田オーナーが昨年と同様、「成功には〈能力×情熱×考え方〉の掛け算で近づける」という話をして、その言葉を選手の皆さんが確実に実践したのだと私は確信に近く思っています。

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祝昇会の最後の挨拶に立たれた岡田武史オーナーは次のように締めくくられました。

「今から思うと、昨年(2015年)、全国地域サッカーリーグ決勝大会の第1次ラウンドで敗退したことは決して無駄ではなかった気もしてくる。もともと、この難関をくぐり抜けるには2年はかかると見越していたが、オーナー就任1年目でさっとJFLに昇格していたら、落下傘を着けてよそから降りてきたクラブのイメージが濃くなっていたと思う。1年目に挫折したことでサポーターやスポンサー、行政の関係者との昇格に向けた連帯感やエネルギーは逆に強まったように思う。」

祝昇会の冒頭の挨拶でも、FC今治のアドバイザリーボードメンバーの田坂広志多摩大学大学院教授も同様のことをおっしゃられていましたが、私もまったくその通りだと思っています。もし、昨年運よくJFL昇格を果たしていたとしても、チームとしての基盤がほとんど整っていないままでの勢いだけでの昇格だったわけで、もしかしたら1年ですぐに地域リーグへ降格していたかもしれません。FC今治は2025年にはJ1で常時優勝争いをするチームとなり、ACLで優勝を目指すというビジョンを掲げているチームです。JFL昇格は単にそのための最初の大きな関門の1つに過ぎません。JFLに昇格したことで終わりではないのです。スポンサー企業として、この2年間、FC今治を比較的近いところから見守らせていただいてきただけに、本当にチームとして逞しく成長してきたな…ということを実感します。

弊社(私)は岡田武史オーナーの掲げるビジョンに賛同し、FC今治と接点を持つことで、間違いなくとてもいい刺激をいただける筈だと確信したのでスポンサー企業の末席に名前を加ていただいたのは前述の通りなのですが、その判断は決して間違いではなかったと心から嬉しく思っています。この祝昇会に参加して岡田武史オーナーをはじめ、矢野将文社長や吉武博文監督、選手、コーチ、スタッフの皆さん、他のスポンサー企業の皆さん、そして菅良二市長や市議会議員をはじめとした地元今治市の皆さん達と交流させていただき、本当に多くの刺激をいただきました。FC今治は途中の挫折も乗り越え、この2年間でここまで成長してきたわけです。弊社ハレックスもFC今治に負けるわけにはいきません。岡田武史オーナーが目指す『OKADA METHOD』、その根底にあるものは『守破離』と「成功には〈能力×情熱×考え方〉の掛け算で近づける」という考え方。これは私の持論と基本的に同じだということは前述の通りです。次は弊社の番です。越智流『OKADA METHOD』で、弊社ハレックスを次のステージに持っていけるようなしっかりとした事業基盤作りにこれまで以上に邁進していきたいと強く思いました。

そういう意味もあり、祝昇会では岡田武史オーナーをはじめ、矢野将文社長や吉武博文監督、選手、コーチ、スタッフの皆さんには「おめでとうございます」ではなく、「ありがとうございます」という言葉を敢えてかけさせていただきました。ホント、元気と勇気をいただきましたから。

祝昇会の会場では至るところで『TO THE NEXT STAGE』という文字を目にしました。岡田武史オーナーをはじめFC今治の皆さんの視線は、既に次のステージへの関門、Jリーグ昇格に向かっているようです。岡田武史オーナーの言葉によると、チームの補強も着々と進んでいるようですし、現在、今治市高橋ふれあいの丘に建設中のJ3基準に基づく5,000人収容規模の天然芝のサッカー専用スタジアム『今治スタジアム(仮称)』も来年7月には完成するそうです(それまでは西条市ひうち陸上競技場でホームゲームを開催するそうです)。

JFLは全国リーグですので、もちろん関東地方でも試合があります。JFLには現在関東地方に本拠を置くチームが4チームあるので、最低でも4試合は関東地方で試合があります。そのアウエーの4試合には必ず社員ともども観戦に行き、この関東の地で「いまばりぃ~!」と声を限りに自分の本籍地の地名を叫んで応援させていただきます。千葉県市原市で行われた全国地域チャンピオンズリーグの決勝ラウンドで体験させていただきましたが、地元を遠く離れ関東地方で長く暮らしている私達が、その関東の地で「いまばりぃ~!」と声を限りに自分の故郷の地名を叫んで応援できる喜び、これは何ものにも代えがたい喜びです。

2017年のJFLは3月5日(日)に開幕するそうです。初戦はアウエー戦で、ホーム開幕戦はその翌週の3月12日(日)。いよいよJリーグ(J3)昇格に向けての次なる関門、JFLでの戦いが始まります。『TO THE NEXT STAGE』、本当に楽しみです。

頑張れ、FC今治! 株式会社ハレックスはこれからもFC今治を応援します!!


【追記1】
祝昇会では、能島水軍太鼓の勇壮な演奏がありました。能島(のしま)は、瀬戸内海のほぼ中央、今治の沖の今はしまなみ海道で繋がる大島と伯方島との間の宮窪瀬戸に位置する周囲約720m、面積約2.5㎢の小島です。今は誰も住んでいない無人島ですが、中世、村上水軍の一派である能島水軍がこの小島に水軍城(能島城)を設け、このあたり一帯の海域の制海権を掌握していました。作家・城山三郎さんの長編歴史小説『秀吉と武吉』や和田竜さんの長編歴史小説『村上海賊の娘』に描かれていますが、あの豊臣秀吉が最も恐れた武将が、この能島城を本拠に瀬戸内海に君臨した能島水軍の総大将・村上武吉でした。その能島水軍が出陣する際、勇壮な法螺貝を吹き、水軍太鼓を打ち鳴らして勇躍舟出したという伝説があります。それを今に脈々と受け継いでいるのが能島水軍太鼓です。

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この今治市周辺の水軍は、古くは日本の古代史上最大の対外戦争である西暦663年に朝鮮半島の白村江(現在の錦江河口付近)で行われた倭国・百済遺民の連合軍と、唐・新羅連合軍との戦争、いわゆる「白村江の戦い」にも倭国海軍の主力艦隊として今治の港から出陣したと伝えられていて、日本の海だけでなく、倭寇の船や遣隋使船、遣唐使船に乗って、遠く海外の海にまで出掛けて行った、まさに海の民でした。FC今治はその水軍にあやかって「折敷に縮み三文字」という今治周辺の水軍が使用していた紋をモチーフにしたエンブレムを採用しています。ちなみに、この「折敷に縮み三文字」はしまなみ海道の真ん中に位置する大三島にあって、山の神・海の神・戦いの神として歴代の朝廷や武将から尊崇を集めた大山祇神社の社紋であり、越智家の家紋でもあります。

FC今治も、将来は日本を代表するサッカーチームとして、是非、世界を相手に勇敢に戦っていただきたいと、心から願っています。


【追記2】
今治国際ホテルの近くにある今治市役所にもFC今治のJFL昇格を祝福する垂れ幕が掲げられています。

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さすがに日本最大の海事都市・今治市です。今治市役所前に巨大なスクリューのモニュメントが展示されています。直径9メートル、重さ約93トンもあるこの巨大なスクリューは、全長320メートル、総トン数88,089トンのコンテナ運搬船(8,100個積み)用に製造された本物のスクリューです。巨大な6枚の羽はとても綺麗で大迫力です。夜でしたが、街灯に照らされてそこだけ光り輝いていました。

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また、FC今治の祝昇会が開催された今治国際ホテルのロビーには、地元今治市に本社を置き、国内最大(世界第3位)の新造船竣工量を誇る今治造船株式会社が建造した船舶の1/150模型が幾つも展示されています。これは乗り物マニアにはたまりません! FC今治の祝昇会が始まるまで、しっかり楽しませていただきました。

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今治は『造船』と『タオル』と『バリィさん』だけではありません。これからは『FC今治』も忘れてはなりません!

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執筆者

株式会社ハレックス前代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
前代表取締役社長

越智正昭

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