十勝グランナッツ合同会社(TOKACHI Grand Nuts LLC)の設立と事業支援
-落花生を軸とした地域内バリューチェーン創出と課題解決推進-

2019年7月08日

※本ニュースリリースは株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社NTTデータ北海道、ソントンホールディングス株式会社、生活協同組合コープさっぽろ、帯広信用金庫、株式会社ハレックス、株式会社NTTデータCCSが共同で配信しています。重複して配信されることがありますが、ご了承願います。

十勝グランナッツプロジェクト


十勝グランナッツプロジェクト(代表:田中一郎 北海層帯広市 ※1)は、十勝において落花生を軸とした地域振興事業をより加速化させるため、プロジェクトメンバーを中心に十勝グランナッツ合同会社(LLC ※2)の設立とLLCへの事業支援を行います。LLCは、地域振興事業を広く大きく展開推進するための「課題解決型事業推進会社」として、栽培から加工、流通まで一貫したバリューチェーンを推進するための多くの課題解決と仕組み作りを積極的に行い、2025年には株式会社化を目指します。また、十勝広域での落花生栽培の品質の確保と拡大を図るため、プロジェクトメンバーの十勝めむろ落花生生産者グループ(代表:藤井信二)は発展的に解消し、十勝グランナッツ生産者有限責任事業組合(LLP ※3)を組織しました。
更に、株式会社ハレックス(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤岡浩之)、株式会社NTTデータCCS(本社:東京都品川区、代表取締役社長:笹田和宏)は、LLC設立趣旨に賛同し、ICTを活用したスマート農業共同研究等を通して事業の支援を行います。

※1 十勝グランナッツプロジェクトメンバー :株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社NTTデータ北海道、ニュウテックスラボ、 十勝むむろ落花生生産グループ、エア・ウォーター十勝食品、帯広畜産大学、ソントンホールディングス株式会社、 生活協同組合コープさっぽろ、帯広信用金庫、JA木野、北海道士幌高校、帯広ケア・センター、株式会社ハレックス、株式会社NTTデータCCS
※2 LLC: Limited Liability Company ※3 LLP: Limited Liability Partnership

【背景】
5年前より帯広畜産大学、株式会社NTTデータ経営研究所及び帯広信用金庫で開始した十勝地方における落花生の栽培研究は、2017年8月より“十勝グランナッツプロジェクト”として、生産(栽培)技術の確立を主体に加工事業者、流通事業者などの技術を加え、落花生を軸とした高付加価値農業の実践と地域内バリューチェーンの創出のため課題解決を図り推進して参りました。昨年度は、千葉県で開催された全国落花生協会主催の落花生需給懇談会にて本取り組みを発表し、併せて日本ピーナッツ協会主催の十勝グランナッツプロジェクト十勝圃場視察の実現(全国より約30名の落花生加工会社経営トップが参加)、東京の十勝食材を活用したレストランでの茹で落花生の利用など十勝グランナッツの知名度を上げる取り組みを開始するのと共に、北海道内の店舗にて生落花生の販売を開始するまでに至っております。

【概要】
この度、一定の生産技術の確立(営農標準化)が図れたこと、生産者からの落花生の買い取り、加工委託、販売と実際に商流が発生すること、ブランドの推進、HACCPの導入、解決しなければならない課題がより具体化してきたことなど一層のプロジェクト推進を図る必要があることから、社会的信用も含めた法人格であり且つ有限責任の合同会社(LLC)を設立し推進することにしました。尚、新会社(LLC期間)は地域振興事業を広く大きく展開推進するための「課題解決型事業推進会社」と位置づけ、売上げ利益重視でなく、栽培から加工、流通まで一貫した事業推進をするための多くの課題解決と仕組み作りを重視します。2025年には株式会社化を目指します。

         ・会社名:    十勝グランナッツ合同会社 (TOKACHI Grand Nuts LLC)
         ・会社設立日: 2019年7月8日 
         ・資本金額:   1,080万円
                 株式会社NTTデータ経営研究所 
                 株式会社NTTデータ北海道
                 十勝グランナッツ生産者有限責任事業組合
                 エア・ウォ-タ十勝食品株式会社 
                 田中 一郎(ニュウテックスラボ代表)
                 増田 正二
                 秋本 正博(帯広畜産大学准教授)

        ・代表社員:   田中 一郎
                 ※元帯広畜産大学産学官連携コーディネータ、帯広信用金庫を経てニュウテックスラボ設立。
                      アグリビジネス創出フェアのコーディネータとして活躍し、多数ビジネス推進。

        ・事業協力会社
         ソントンホールディングス株式会社 
         生活協同組合コープさっぽろ
         帯広信用金庫
         株式会社ハレックス、株式会社NTTデータCCS
         北海道士幌高校、帯広ケア・センター
グランナッツ図1
【LLCの事業目的】
日本の落花生の消費量は9万トンで1割の自給率となっています。比較のために、日本の小豆の消費量は落花生と同規模ですが8割の自給率であることを鑑みると日本産落花生が如何に供給過少にあるかわかります。
自給率が上がらない大きな原因の一つが栽培時の労働工数の多さです。
LLCでは革新的な工数削減に挑戦し解決すべく進めて参ります(別紙参照)。

一方、落花生消費に関し世界に目を向けると、オイル、調味料、副食として大豆の次に食されている豆類として大いに利活用されているにも関わらず、日本での用途は殆どがテーブルナッツとなっています。従い、一人当たりの消費量は米国の1/10と極端に少なく、他の諸国に比べても大きく劣っています。加えて、栄養バランスの良さと、レスベラトロール、レシチンなど機能性食品としての価値も高く、最近、益々注目されている食材であり、日本の高齢化社会に向けた高栄養食品として家庭に届けられる大きなポテンシャルを持っています。
LLCでは、日本産落花生の供給過少に応えることだけに留まらず、大きな可能性をもった食材を大きく開花させるべく取り組んで参ります。

このようにLLCでは、落花生を軸とした地域内バリューチェーンを構築するため、十勝グランナッツプロジェクトにおいて明確化された以下の課題を具体的に克服して参ります。

1.落花生を軸とした十勝の地域振興事業の推進のための課題の克服
   ・十勝の風土に適した落花生栽培方法の確立及び普及
   ・生産された落花生の品質確保並びに加工技術の確立及び展開
   ・十勝落花生の市場競争力の獲得及び浸透
   ・落花生生産を通じた人材育成及び雇用創出
2.生産、加工及び販売の全体最適を考慮した調整・事業推進とそれに基づいた加工・販売
3.知的財産の保護及び積極的な活用
4.情報インフラの整備・推進

グランナッツ図2
【LLCとLLPの役割分担】
十勝広域での落花生栽培の品質の確保と拡大を図るため、十勝めむろ落花生生産者グループ(代表:藤井信二)を発展的に解消し十勝グランナッツ生産者有限責任事業組合(LLP )を2019年5月30日に組織しました。
グランナッツ図3
【各社・各人の役割】
<LLC社員>
株式会社NTTデータ経営研究所
全体戦略、プロジェクトマネジメント、市場競争力の獲得・強化と推進、業務執行社員

株式会社NTTデータ北海道
全体戦略、ICT全体戦略、営農システム、SCMシステムの推進、業務執行社員

十勝グランナッツ有限責任事業組合
全体戦略、営農技術の標準化推進、種圃場の確保、生産者の拡大と推進、業務執行社員

エア・ウォーター十勝食品株式会社
全体戦略、加工前処理技術、レトルト加工技術の確立と推進、業務執行社員

田中一郎(ニュウテックスラボ)
全体戦略を推進、代表社員

増田正二
全体戦略を推進、業務執行社員

秋本正博(帯広畜産大学)
全体戦略、営農技術指導を推進、業務執行社員

<事業協力会社>
ソントンホールディングス株式会社
加工前処理技術、ロースト加工技術を中心とする加工技術全般の推進、品質保証の推進

生活協同組合コープさっぽろ
十勝グランナッツブランドの構築、食卓開発、販売展開の推進

帯広信用金庫
十勝グランナッツLLCへの事業協賛

株式会社ハレックス
気象データ等ビッグデータを活用した降霜予報の実証支援

株式会社NTTデータCCS
AIを活用した落花生の収穫適期予測の実証支援

北海道士幌高校、帯広ケア・センター
営農技術標準化の推進、人材の育成、雇用の創出、新製品の創出

【本件に関するお問い合わせ先】
■ 報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
コーポレート統括本部 広報担当
Tel:03-5213-4016(代)
E-mail : webmaster@nttdata-strategy.com
■ 内容に関するお問い合わせ先     
株式会社NTTデータ経営研究所
ビジネスインキュベーション推進室
熊田 総佳
Tel:03-5213-4260(直通)

【別紙】

【LLCの具体的取り組み例】
(1) 革新的な労働工数削減に向け、栽培に必要な一連の先進農業機械の開発により省力化・効率化を図る。
慣行法に比べ、栽培から収穫後処理までに要する労働時間を大幅に改善する技術開発を行う。
生落花生の未熟莢の選別、生落花生の工業的乾燥アプローチ部分は、LLCメンバーの他に、株式会社ソントンホールディングスなどの技術協力の上実証を進める。
グランナッツ図【別紙】

(2) ICTを活用したスマート農業の実践により、一貫した営農管理、降霜予想、収穫適期予測実現に向け実証を行う。LLCメンバーの他に、株式会社ハレックス、株式会社NTTデータCCSの技術協力の上実証を進める。
グランナッツ図【別紙2】