気象予報士の資格を取る「気象予報士通信講座」
第30回(平成20年度第1回)気象予報士試験合格者による体験談
合格体験記
当社に寄せられた最新の合格体験談を、随時、追加して記載します。
- (1) H.K さん(会社員)
- (2) H.W さん(大学生)
- (3) T.K さん
- (4) 荒木康彦 さん
- (5) 村田泰久 さん(農林業)
- (6) E.H さん
- (7) 山地俊郎 さん(会社役員)
- (8) M.A さん(公務員)
- (9) T.I さん(高校教員)
- (10) Y.H さん(会社員)
- (11) K.S さん(会社員)
- (12) 匿名さん
- (13) S.F さん(会社員)
(1)H.K さん(会社員)による体験談:
気象予報士を目指される方の参考になればと思い、私の勉強方を紹介いたします。
私が主に利用したのはハレックスの気象予報士総合講座と自分で購入した問題集の2つです。基本的にはハレックスの通信教育をメインに市販の問題集はあくまで補助的な位置づけでした。気象予報士の分野は私にとって全くの専門外であったため、通信教育の問題を解く際は非常に苦労し、通信添削の点数も良いものではありませんでした。しかし、返送された回答に書かれたアドバイスをよく読み、間違えた点はテキスト等を参考によく復習するプロセスを繰り返した事が合格につながったのだと思います。この際、分からない点や試験において気をつけるべき点をまとめたノートのようなものに作成しておくと良いと思います。気象予報士の試験当日もテキストを直前に読み返すよりは自分用のノートを読み返した方が重要なポイントを手短に復習できるからです。
通信教育を終えた後は、市販の問題集をとにかく沢山解く勉強を行いました。やはり、合格への一番の近道は問題の量をこなすことだと思います。都内の大型書店の資格試験コーナーに行けば十分な量の問題集が売っていますし、地方在住の方でもネット書店で購入できますので不利にはならないと思います。
参考までに私が解いた問題の量は学科試験で約300問、実技試験で約50問です。問題集は合計で8冊購入しました。問題を解く中で間違えた点についてはその都度ノートにまとめ、疑問に思った箇所はハレックスの通信教育のテキスト等で詳しく調べ、しばらく後に再度その問題を解くことが力をつけるのにつながったのだと思います。
私もそうですが仕事をしているとなかなか勉強の時間が取れません。ですが、学科試験の選択式の問題であれば通勤電車の中でも問題を解くことが出来ますので平日は、通勤途中に学科試験の勉強、休日は家で実技試験の勉強と使い分けるのもひとつの方法だと思います。また、学科試験の内容と実技試験の内容がともにリンクする部分も多く、どちらか一方のみの勉強を続けても高得点は難しいと思います。初めは分からないことだらけですが部分合格を目指さずに学科、実技の両方をバランスよく勉強していくことが必要です。 以上、次回の試験で気象予報士の合格を目指す受験生の皆さんの参考になれば幸いです。
(2)H.W さん(大学生)による体験談:
私の気象予報士への挑戦は、2年前から始まりました。その時は、まだ試験の内容や気象学の知識が少なく、学科の過去問題集を勉強して「学科が受かればいいや。」くらいの気持ちで受けました。しかし、結果は学科の両方共、不合格で本格的に勉強しないと受からないなと思いました。
そこで、当時の私には少し高額だったのですが自分への決意のつもりでハレックスの総合講座を受講することにしました。しかし、教材が届いた頃は勉強したいのですがその後、大学の方が忙しくなり、なかなか進めることが出来ないまま、第28回目の試験を迎えました。当然、結果は惨敗たるもので学科の一つも合格することが出来ませんでした。
やはり、このような結果になったのは自分の意識が弱かったのだと思い、次の試験ではまず学科の合格だけを目標にして過去問題集を何度も繰り返し解いて、とにかく問題に慣れるようにしました。そして結果、実技は全くといっていい程、手を付けていなかったので不合格でしたが学科の両方は合格し、いよいよ気象予報士まであと一歩という所まできました。そして、そこからハレックスの添削をし始め、期限が残り2ヶ月と言うことで3回しか提出できませんでしたが本格的に集中し、勉強した8月は添削してもらってということではなく、過去問や添削し損なったハレックスの問題をひたすら解く勉強方になりました。8月は毎日7~8時間は勉強していたので本当に辛かったのですが合格だけをイメージして頑張りました。そしていよいよ試験になり今までは実技試験では合格しないだろうとノンプレッシャーでしたが、今回は75分という限られた時間に全力を尽くさなければならないということで終わった後はもう抜け殻状態でした。解答は1週間後に出るのですが今回ばかりは怖くて見られませんでした。
そして、合格通知書は、予定日ではなくその2日前に届いたのでそのハガキを見た瞬間、心拍数は倍になり、緊張して開きました。次の瞬間にはもう親しい友人に電話をしてしまいました。ハレックスの教材を期間までに終わらせることは出来ませんでしたが質問や添削の解説が丁寧であったので自分一人でも進めることができ、ハレックスの皆さんには感謝を申し上げます。
最後に合格までの道のりは長いですが辛抱強く問題にあたり理解していけば、必ず合格します。頑張ってください。
(3)T.K さんによる体験談:
気象については、中学校時代に科学部で天気図を描いたり百葉箱で観測をした経験があり、関心はあったが社会人になってからは別分野の仕事についたので30年近く勉強することがなかった。最近になって環境問題で再び気象について学ぶ必要が出てきたのでどうせ学ぶのなら資格を取ってみたいと「気象予報士」に挑戦することにした。とにかく、試験は過去問からと考え、試験の解説書を購入、勉強してみたが歯が立たず講習会等に参加する余裕もないので通信教育で勉強することにした。
ハレックスの通信教育は、参考書などに挟まっていたハガキ案内で知り、申し込んだ。学科試験は何度か受験するうちに合格出来ていたので実技について主に学習し、参考にさせてもらった。課題はハードだったが講習も受講せずに合格出来たのは通信教育のお陰だったと思う。テスト前は主として課題の復習と過去問の勉強をし、これが役立ったと思っています。合格したと言っても偏微分の方程式がまだ分かったわけではないので今後も勉強しようと思っています。
(4)荒木康彦 さんによる体験談:
気象予報に興味を持ったきっかけは、安斎政雄氏の「新・気象予報の手引き」でした。
たまたま読んだのですが温帯低気圧の発達、ハドレー循環、何もかも新鮮で、面白そうでちょっと勉強してみようかな。どうせ勉強するなら気象予報士にチャレンジしようかな。安易に決めましたが、物理は高校以来30数年ぶり、地学の素養もまるでゼロです。独学で頑張れる自身はありません。ここは実績あるプログラムに頼ろうと、ハレックスの学科講座を申し込みました。
<1回目の試験>
平成19年7月上旬、教材一式が届きました。「はじめての気象予報士試験」を基本テキストに足りない部分はハレックスの独自の教材で補うシステムです。勉強にとれる時間は夜の1~2時間。ほぼ毎日テキストを広げました。ステップアップシートを仕上げては、郵送するのが楽しみでした。8月上旬に学科講座を一通り終え、ここで学科試験の過去問題をパラパラ眺めると根本的な点でまだ理解不足と感じました。このため「一般気象学」を通読することにし、1ヶ月以上かかりましたが基礎的な知識を再確認し、固めるのに役立ちました。
9月中旬よりハレックスの総合講座を始め、学科の知識を深めつつ実技演習問題に取り組みましたがなかなかスイスイとはいきません。ヒントを参考に四苦八苦しながらなんとか書き上げることを繰り返しました。1~2週間で戻ってくる答案は驚くほど懇切丁寧に添削されており、自分の弱点がよく分かりました。
そんな勉強の合間にはラジオ天気図も描いてみました。また、インターネット上には勉強に役立つ情報がたくさんあります。気象庁のサイトでは、天気予報、週間予報、長期予報、台風情報、気象警報、注意報、アメダスのデータ、気象衛星画像、レーダー画像。それから高層天気図は北海道放送のHPで毎日見ました。その他、世界各地のエマグラムや衛星写真、雲の画像なども簡単に得られます。前線と雲の位置関係など実感できて大変有用でした。
11月上旬に総合講座の実技演習を終え、引き続き過去問に取り組みました。入手できた11回分の問題集を解き進め、学科の問題は昼休み等、時間のあるときに少しずつ。実技は時間の取れる夜に、という具合でした。学科は思ったより早く済んだのでナツメ社の「気象予報士学科試験徹底攻略問題集」とオーム社の「合格の法則気象予報士試験学科編」を追加しました。一方、実技の勉強はどうしても時間がかかるためハレックスの総合講座と過去問を2回ずつ解くにとどまりました。記憶力に乏しいので学科試験の法規など暗記物は1月になってから集中的に勉強し、雨や風の強さの表現とか、霧や凍雨の定義などの細かいこともメモを作って繰り返し読みました。 平成20年1月の第29回が初めての受験。学科試験はもう一度見直すぐらいの余裕があるのです。しかし、実技は時間との戦いでした。実技1・2とも最後の最後まで鉛筆を動かし、解答欄を埋めるのが精一杯でした。結果ですが、学科一般は取れたものの、専門は10問しか出来ず、実技は自己採点で55%程度でした。ところが専門のボーダーラインが10問に下がったため、学科2科目クリアという幸運に恵まれました。学科免除で2回のチャンスが巡ってきたわけです。
<2回目の受験>
夏の試験に向け始動したのは5月でした。前と同じことをやっても駄目だろうと思い、実技対策はハレックスの教材でもある「最新天気予報の技術」の実技問題と東京堂出版の「実技演習例題集」を解くことから始めました。前者はオーソドックスな問題、後者はとにかく書かせる問題ですが頭の整理と論述のトレーニングに良かったと思います。また、前回の試験で自分がエマグラムに弱いことを痛感したため、毎日各地のエマグラムをチェックしながら、ネットで出来た友人に繰り返し教えてもらいました。
7月中旬から再び過去問に取り組みました。今回は自己採点が済んだら、模範解答を丸写しする練習も加えました。この試験には独自の表現方法みたいなものがありますし、自分では同じ意味のことを書いているつもりでも読み手はそう思わないかもしれないと考えたからです。また、学科免除で暗記物が少ないことはロートル受験生にとって大変ありがたかったです。
8月の第30回試験、実技1は5分前に解答を終え、少し余裕がありました。しかし、実技2はSSIで迷ってしまい、またもやギリギリまで鉛筆を動かす羽目に。う~~ん、今度も駄目かも、と思いましたが幸運にも合格通知が届きました。
私のような怠慢な人間が何故、あんなに集中できたのか、今から思えば不思議です。ハレックスの教材の優秀さ、それに気象学の面白さのお陰だと思います。本当にありがとうございました。
(5)村田泰久 さん(農林業)による体験談:
私が気象予報士に興味を持ったのは気象予報制度が始まった平成6年のことですが、試験が余りに難しいということを聞いて敬遠していました。しかし、40歳までに何かの資格を取得しようと決意し、平成18年の5月からかねてから興味のあった気象予報士試験の勉強に取り組んだのです。私は学生の時に地学の勉強をしてなかったので天気のことについては全くの素人でした。ですから最初は誰にでも理解できる簡単なユーキャンの通信講座から始めました。易しく書かれていたテキストですがその内容のレベルの高さには驚きました。自分のような頭の悪い者が理解するには3年はかかるだろうと思い、必死で勉強しました。テキストを5回は読破し、添削課題は平成18年の12月までに終わらせたと思います。そのお陰で天気の基礎は分かったと思います。
そして平成19年1月に受験した結果、一般知識は合格したのですが後は不合格でした。このとき痛感したことは一般知識・専門知識はまぐれでうかることがあっても実技試験はまぐれで受かることはないと確信したのです。その試験の帰り、ハレックスのチラシを手渡され、実技試験を突破するためにハレックス社の通信講座にかけることにしました。
平成19年の2月から始めて7月には添削課題を済ませ、添削された問題は必ず2回はやり直しました。そして8月の2回目の試験に望んだのですが結果は専門知識のみの合格に終わりこのときも実技試験の厚い壁に阻まれたのです。それからの勉強法は添削課題を繰り返し解くこととハレックスの夏期・冬期の集中講座を何度もやっていくことでした。
平成19年の12月~平成20年1月の試験までは毎日5~6時間勉強しました。それで漸く手応えを掴み始めたのですが3回目の試験ではプレッシャーもあり、時間切れまで焦ってしまい余り書けませんでした。平成20年2月からは過去問の勉強を始め、1題を1週間かけて3回は解き直しました。その甲斐あって4回目で合格できましたが答案用紙は書きはしましたが試験が終わった後は試験の難しさと時間のなさで今回も落ちたと思いました。ところが合格通知を見て嘘ではないかと半信半疑でした。人間は興味を持って努力すれば必ず夢は叶うものだと思い知らされました。私は大学中退した半端者でしたがこんな者でも国家試験を取得できたのは嫁の後押しとハレックス社のお陰だと感謝せずにはおれません。ハレックスの皆様、大変お世話になり有難うございました。
(6)E.H さんによる体験談:
今回、8回目で合格に至りました。勉強の方法は御社の通信講座と過去問題を繰り返し覚えることで対応しました。試験では、学科は出来ても実技で思うように出来ないことがほとんどでした。そこで、一年前ぐらいからインターネットで毎日、天気図を見ることにしました。そのことが天気図に慣れて試験に役立ったと思っています。実技試験で心掛けたことは設問をよく読んで設問の指示通りに素直に解答するようにしました。
(7)山地俊郎 さん(会社役員)による体験談:
小生、昭和23年生まれの団塊の世代です。苦節3年、5回目にしてやっと合格することが出来ました。同世代のご同輩、あるいは仕事をしながら受ける方々のために少しでもお役に立てばと思い、少し長くなりますが体験談を述べたいと思います。
私は、文系(経済学部)で、銀行に30年勤めたあと、取引先の広告会社に転じて現在66年目の会社員です。よく会社の人などから気象予報士受験の動機を聞かれるのですが動機としては二つあり、一つは毎日の生活に何か目標を持ちたかったので子供の頃からの夢であった気象の勉強をするのにこの気象予報士受験は最適であったこと。二つ目は、若い人のようにこの資格を取って仕事を探すというのではなく、年齢から見てもそれはむしろ無理で、会社をリタイアした後、ボランティアでもいいから、気象を通じて地域に貢献したり、子供に自然の大切さを教えたいと思ったからです。
平成17年の夏ごろから勉強を始め、平成18年8月に1回目の受験。1回目で学科の一般と専門両方合格でした。今から思えば、それ自体がまぐれのようなものだったと反省しています。その後の実技がなかなか受かりません。平成19年の冬も夏も合格できずついに学科免除期間がなくなってしまいました。再び、一般からやり直して分かったのですが本当の意味で学科が理解できていなかったことを痛感しました。平成20年の1月の試験では、一般が落ちて専門だけかろうじて受かりました。そして8月の試験で合格できたのですが今回は一般が全問正解で実技も今までになく手応えといいますか自信がありました。やはり学科が十分にわかってはじめて実技がわかる、言い換えれば、学科が十分に理解できていれば実技はむしろ慣れとテクニックで合格できると思います。
学科・実技ともに基本は過去問を3回以上繰り返しやったことと、過去問で間違えた事項を一般・専門、実技に分けて全てノートに書き出し何回も復習をしたことです。
以下、学科と実技に分けて説明をします。
学科のスタートはユーキャンの通信講座でした。基礎的な事項の把握には十分でした。これと「一般気象学」(東京大学出版会)を使いました。1回目の試験で、一般、専門ともの受かったのですがこの時点では「一般気象学」は難しいと感じ、あまり使わず、ほとんどはユーキャンのテキスト(4冊)と過去問ノートでやっておりました。しかし、前述したとおり、実技が受からなかったのはテクニックもさることながら、本当に学科(理論)が、記憶は出来ていても理解は出来ていなかったためだと考えます。免除有効期間が過ぎて再び学科の勉強を始めたときに役に立ったのが「一般気象学」です。これは、大学生向けの教科書の位置付けですが本当にいい本だと思いました。
また、学生時代数学は好きではあったのですが何しろ30年以上遠ざかっていましたので、補強するために「気象がわかる数式入門」(オーム社)と、息子に頼んで高校時代の数学、物理、地学の教科書を探してもらいよく参考にしました。
過去問については、ナツメ社の「らくらく合格塾」や新星出版社の過去の問題集を20冊ほど買い、やってみて間違ったところはノートに書き出す作業を続けたことが効果的でした。
その他、学科で使った参考図書は「面白いほどよくわかる微分積分(日本文芸社)」「ハレックス試験対策スクーリングテキスト」「ニュートン別冊 見る見る理解できる天気と気象」「気象予報士試験 関連法規のポイント(天気予報技術研究会 東京堂出版)」 実技は確かに難しいのですが、前述したように理論(学科)が理解できていることが前提条件だと思います。暗記ではなく、あくまでも理解です。その前提が出来上がった後は、一言で言えば1問75分という時間との勝負です。私も受験した5回のうち4回までは時間が足りませんでした。時間をかければ全て出来るのですが何しろ75分というのは短い時間です。それを解決するためには題意をすぐ理解し、キーワードを想定して短時間でいかに書くかに尽きると思います。2ヶ所以上考え込むところがあれば、もう時間は足りません。当初はユーキャンの添削問題とか過去問で自分なりにやってみたのですがやはり限界でした。そこで2年目にはハレックスの通信講座の実技演習課題を受けました。ハレックスの通信講座では、題意の掴み方や解答の書き方について大変丁寧な添削をしていただきました。
そして最も良かったと思うのがハレックス主催の実技試験に向けた直前対策スクーリングでした。これは、確か3泊4日で気象庁の元予報官の方々が直近の生のデータを使って解説をしてくれて、直接質問も出来るスクーリングですがわざわざ大阪からホテル代を使って東京まで行った甲斐があったと思っています。受験の後、なぜもっと早く受けなかったかと後悔をしたほどでした。また、5回受けたことにより20冊の過去問はほとんど述べ3回程度繰り返しやったことになります。そのような過程を経て、多くの問題をこなすことにより、75分の中で回答を書けるようになり、5回目の実技では、見直しの時間まで取れるようになりました。
その他、実技で使った参考図書は、「合格の法則気象予報士試験実技編(オーム社)」「気象予報のための天気図の見方(下山紀夫 東京堂出版)」「地上天気図について、高層天気図について、実技のための基礎的理論と記号等の解説(気象業務支援センター)」「本番前の腕試し 模擬試験問題(天気予報技術研究会 朝倉書店)」
おわりに、今回の試験では、225人中60歳以上の合格者が5人いました。結構おじさんたちも頑張っています。私の場合、仕事の立場上、平日の夜は飲む機会も多く夜はほとんど勉強の時間は取れないので、勉強に当てる時間帯は平日の朝1~2時間と土日でした。理想的には1日2~3時間が必要ですが、仕事をしながらでは物理的に無理でした。したがって学生等の若い人に比べれば、役1.5倍の日数が必要です。また、年をとると記憶力の減退は否めませんので、人一倍繰り返しが必要で、その分、余計に時間がかかりました。しかし、もっとも大切なのは「合格したい」とどれだけ思うかだと思います。「念ずれば通ず」です。おかげで合格の後のあの開放感を大学受験以来40年ぶりに味わうことが出来ました。皆さんのご健闘を祈ります。
(8)M.A さん(公務員)による体験談:
気象予報士試験に望むにあたっては、模擬試験も行われておらず、独自の問題集も少ないため、限られた素材の中で出来るだけの問題をこなすことが重要だと思います。
私は、一般知識・専門知識には通学制の講座を受講しながら、過去問と「一般気象学」を通読することを繰り返しました。通学制講座は授業方式なのでわかりやすく、ペースメーカーにもなりますし、気象学の基礎を学ぶには有効だと思いますが、費用や開講校の地理的な条件があるのが難点だと思います。しかし、講座が有効だといっても、私の受講した講座は、一般知識から実技までの幅広い範囲を網羅してはいませんでした。特に専門知識は決定的によい参考書がないこと、実技対策については別メニューとなっていたことから、講座は基礎の習得と一般知識試験のインプットと割り切り、アウトプットは「一般気象学」の通読と過去問を繰り返しました。初めは難解すぎて理解できませんでしたが、わからないところは飛ばしてとにかく通読することです。そして2回ほど通読したところで、過去問を解き、「一般気象学」の中で過去問に出たところにマーカーを引き、載っていないことは本の関係箇所の余白にどんどん書き込んでいき、プラスアルファの本にして通読しながら書き込みを見ることで、知識を定着させていきました。これを繰り返すことで難解だった「一般気象学」が繋がって理解でき、開眼するときが必ずやってくると思います。公式は丸暗記すればよいので、公式に至る複雑な数式は理解できなくても構いません。
実技試験にあたっては、ハレックスの実技講座を受講し、同時に第21回~29回までの過去問を繰り返し解きました。実技講座は、1週間に1題のペースで解き進め、問題を解くにあたっては、分からないところはしおりを見ながら解いて、とにかく空欄のないように提出し、添削が返ってきたら復習しながらもう一度解くというオーソドックスな方法でした。ハレックスの教材はレベルが高く、設問数も多いので実際の問題が比較的、楽に解けるようになると思います。また、添削してくださる先生のコメントも丁寧でわかりやすいものでした。しかし、私の感想では、問題が古く、今の試験問題の傾向と合っておらず、図も見づらいものが多いと感じたところが難点だったように思います。とは言っても、実技試験対策としては、過去問くらいしか有効な教材がないため、ハレックスの実技講座は問題数をこなす上で貴重なものでした。
とにかく時間がありませんので、日頃から試験本番の時間配分を意識しながら過去問を解く練習をする必要があると思います。 実技試験については、開始と同時に皆一斉に図を問題用紙から切り離しますが私はその時間も惜しかったですし、切り離すと、時間がなくて焦っている中で図がどこにいったか混乱してしまうため、切り離しはしませんでした。そして、私個人の感想では、決して空欄を作らなかったことが合格できたポイントだと信じています。それは全て理解できたということではなく、全て分からなくても、字数が少なくてもよいので、分かったことだけでも書くということです。
私もそうでしたが、気象予報士を目指す方のほとんどは気象学に対して初心者ばかりですし、気象学は馴染みが薄く、奥深いため、正直に言って、わからなくて当然だと思います。そのため、過去問やハレックスの問題を何度も繰り返し解いて、まず試験で何が、どの程度まで問われるかを知ることが重要なのです。
最後に、気象予報士試験では独学で勉強している方も多いと思いますし、周りに教えてもらえる方や教材も少ないため、困難も多いと思いますが、とにかく問題を解く練習をして前へ進むことが大切だと思います。
(9)T.I さん(高校教員)による体験談:
私がハレックスの通信講座を受けたのはかなり前で残念ながら当時は時間もなく添削のレポートもほとんど提出することなく受講期間が終了してしまいました。当然、「気象予報士試験」も受けませんでした。試験を実際に受験するようになったのは最近のことです。以下、中高年者の「気象予報士試験」受験記として書いてみました。
教材、勉強方法としては受講時代のハレックスの教材と実技試験に役立ちそうな気象関係の本以外に以下のようにしました。
「一般知識」「専門知識」の対策は受験対策の解説書と過去問、何年分かを用いました。また、測器や気象観測方法については気象庁のHPの「気象等の知識」でも勉強しました。気象庁のサイトからはいろいろな基礎的知識を得ることができます。また、ここ何年かはいろいろ変わったり、新しい知識が登場したりしているので気象庁HPのチェックは必要だと思います。「実技試験」で一番の問題は文章で解答する問題で、「何が求められ」、「何をどう答える」を短時間で判断するのは慣れるしかないので過去問を何年分かやってみました。また、意外な落とし穴?で単純な記号等の名称で普段分かったつもりで過ごし、試験のときに意味は分かるのに名称は出てこないことがあり、普段から天気図に記入されている記号、略号が何を表すのかを紙に書いて確認するか、言葉に出してみるようにしました。よく、「大気の立体的な構造の理解」と言われますが、地上・高層天気図、降水分布図、気象衛星画像、エマグラム、AXJP140等ともにウインドプロファイラの時間―高度断面図を使うとより理解できました。また、大気状態の現状および予想、注意すべき気象災害については、短期予報解説資料が参考になりました。中高年者にとってはこの試験に合格するのは、結構大変なものがあるのではないかと思います。学習時の記憶力も衰えているうえに、解答時、特に実技では短時間で、各種資料の理解、設問内容の理解、解答文の組み立てと多くの処理を要求されます。これらには普段から各種資料を眺め、それぞれの資料から何が得られるのか、何を物語っているのかを頭の中だけで理解した気になることなく、実際に自分の言葉で書き、話してみるのが練習になりました。ハレックスの講座を受講している方はしっかりした教材と丁寧な添削も受けていますからしっかりこなせば問題ないでしょう。
それから、自宅での学習では机の上に各種資料を並べてみることができますが、試験会場の狭い机の上で資料をどう扱えばよいのか、極端にいえば、資料を留めるクリップの使い方までが残り数分での解答に大きく影響するときがあります。視力も衰えているためにイライラすることもあります。冷静に対応できるようになるのも重要です。
試験会場でも多くの中高年の方を見かけます。一人でも多くの方が合格できるよう参考にして頂ければ幸いです。
(10)Y.H さん(会社員)による体験談:
試験合格を振り返って効果のあったと思われる勉強法は2つあります。
一つ目は、問題を解いた後、解説を読んだり参考書などを見てどうしても理解できない部分はきちんとノートに整理して書きとめておき、気持ちを切りかえてすぐに次の問題に取りかかるということです。問題を解いていくと必ず理解出来ない部分が出てきます。そのとき、解答の解説を読んだりしても理解できないと、モヤモヤが残って次の問題にとりかかれなかったり、学習意欲が低下したりします。実力を付けるにはやはりどれだけ多くの問題を解くかにかかっているので、一つの問題に気をとられるとあまり次の問題に進めないのは効率がよくありません。頭の中のモヤモヤを消すためにまず問題のどの部分の何が理解できないのかをきちんと整理し、ノートに書き留めておきます。その後、自分なりに勉強に区切りがついたとき、ノートを見返し、新しい参考書を探しに行ったり、ネットで検索したり、有知識を聞くなどしてまとめて問題解決を図ります。
理解できない問題に出会う度に足踏みするのではなく、整理してまとめておいて次の問題に進むことがポイントです。
二つ目は、本番の1週間くらい前に「自己分析シート」を作成することです。これは、特に実技用ですが今まで問題を解いてきて、自分が間違えやすい問題や何度も犯してしまうミス、その他本番の限られた時間で解かなければならない自分の姿をとにかくじっくりイメージして、試験本番での注意するポイント、気持ちの持ちようなどを箇条書きにしていくのです。自分の場合は「問題をよく見ろ」「単位を間違えるな」「解答文は、時間、方向、高さ、物理量の情報を入れろ」「残り時間を何度も確認しながら問題を解け」などです。自分なりに勉強してきて感じたことを試験本番中の自分にアドバイスするイメージです。
最後に、試験日まで勉強を諦めない。更に、試験終了時間まで諦めない。という気持ちが大切です。私は試験本番中の分からない問題を試験終了の最後の最後まで考え抜き回答しました。
(11)K.S さん(会社員)による体験談:
私は計測器メーカーに勤務するサラリーマンで、普段の仕事は気象予報業務とは全く関係がなく、予報業務の経験もありません。子供の頃から気象に興味があり、一昨年、気象予報士の試験を目指して勉強を始めました。そして47歳の今年、3度目の受験で気象予報士試験に合格することができました。
通信講座で基礎から一通り学んだ後の1度目の受験では、学科試験には合格したものの実技試験で不合格となり、実技の通信講座で学んだ後の2度目の受験ではやはり実技試験で不合格でした。これまで一通りの知識を身につければ合格できるのではないかと思い、通信講座で力をつけたつもりでしたが合格まで届かず、何が足らないのだろうと思い悩みました。そうした中、まずハレックスの答案分析を受けてみました。すると様々な角度からの分析で力不足を指摘され、自分の足りないところ、弱点を認識することができ、3度目の受験に向けて何をすべきかが明確となりました。そして、試験の約1ヶ月前に行われた実技対策直前スクーリングでは自分の身に付けた知識の整理ができ、より理解が深まりました。
試験の対策ということでは、相手を知り、自分の実力を知り、そのギャップを埋めることが最良の対策なのではないかと思います。相手を知るということでは「気象予報士試験 実技演習」(天気予報技術会 編:オーム社)が役に立ちました。試験はどのようなものか、どのような力が必要なのか、どのように勉強していったらよいのかが書かれており、非常に参考になりました。また、自分の実力を知るということでは上述したようにハレックスの答案分析が非常に有効でした。
試験当日の対策として、ある合格体験記に試験では耳栓がお勧めと書かれていたので3度目の受験で自分も試してみました。試験中は複数の試料を見るため、常に周囲から紙のガサガサする音がしていて気になっていたのですが、耳栓をすることでこのような音をカットでき、解答作成に集中できました。私にとっては非常に有効でした。
ハレックスの実技講座、答案分析、実技対策直前スクーリングなどのお陰で試験に合格できたものと思います。どうもありがとうございました。
(12)匿名さんによる体験談:
8月の試験終了後、合格は諦めていた私にやってきた10月3日。ハガキを開封してみたところ・・・合格!!嬉しさと驚きが半々という感じでした。勉強する中で私が心掛けていたことを少し書いてみたいと思います。
学科:5つ位の文章についての正誤を問うものが多いですが、問題文1つ1つについて正しいのか?ということを確認しながら(ノートに書きながら)解くようにしました。これにより知識が蓄積できたと思います。社会人の方は勉強時間の確保が難しいと思います。私は会社の昼休みに学科の過去問をやりました。試験の過去問(15問)又は、テーマ別(熱力学etc)になっている過去問の一つのテーマを30分位でやり(何度かやっている過去問なので時間を短目に設定)、帰宅後や翌日以降の昼休みに解答やポイントを確認しました。時間は僅かですが有効だったと思います。
実技:“問われていることを素直に”、図を読取る問題では“見たままを単純に”ということを心掛けました。以前は解答をノートに書いていましたが途中から解答用紙をコピーしたものに書くようにしました。そして解答確認をする時、余白に設問内容と模範解答を書き込みました。
これは、
①問われている内容とそれに対応する解答が一目で分かるようにするため
②自分の解答と模範解答とを比較出来るようにするためです。
更に、ポイント等も書き込むようにしました。過去問2周目以降はこれを見て解答確認を行い、情報が不足している場合は1回目の解答用紙に追加して書き込むようにしました。 結果、過去問の解答用紙が“まとめノート”のような感じになり、時間のあるときに眺められて便利でした。
自分で実技の過去問をやっていて悩むのは、自分の解答が模範解答と比べてどの位できているか?ということです。この点は通信講座の添削がいいのではと思います。
私は予備校に通っていましたが毎週、講義を受けることはペースメーカーになるだけはなく、疑問点は講義の時に質問して解決することができて有意義でした。講義は目と耳から吸収できるのでとても効率的に勉強することができました。少々、難しくなると無理やり丸暗記し、結果すぐ忘れてしまうということがあったのですが、基本的な事から段階を踏んで教えて頂けたので理解しながら身に付けることができ忘れませんでした。通学講座は費用や地理的な面で難しい場合もありますが、可能であれば利用すると効率が良いと思います。
(13)S.F さんによる体験談:
ハレックスの通信講座を受講し、この度無事に気象予報士試験に合格することが出来ましたので、感謝の気持ちを込めて、合格体験談を書きたいと思います。
私が通信講座に申し込んだのは、3月のことでした。過去問題の範囲の広さに、さすがに自力では無理と思い、ハレックスの総合講座に申込みました。最初に届いた学科の資料は、量が膨大(に私には思えて)、ギョッとしましたが、読み進めていくうちに非常に充実していることが良く分かりました。ただ、全く知識無く読み進めていくのは、ちょっと骨が折れそうだと思い、百万人の天気教室など初心者向けの気象学の本を軽く一通り読んでから、再度学科教材を読み込むようにしました。
また、一つが終わる毎に、過去問を解いてみて、それで分からないところをまた教材で確認するという流れで勉強しました。
提出用の演習問題は、結構レベルが高かったように思います。今でも時々見直すと良くできた教材だなと思いますが、当時は本当に難しく感じられました。難しくても、とりあえず解いて提出してみると非常に充実した解説が送られてきて、なるほど~と目から鱗のことが多かったです。
実技の演習問題も非常に充実しています。難しいと思いましたし、量も試験より多いと思いましたが教材の解説が大変よく、とにかく何時間かけても解いてみるという形で挑戦しました。結果、結構力が付いたように思います。
試験直前には、別申込みの実技対策スクーリングに行きました。これは大変お勧めです。専門家の方々の授業で質も高く、ポイントが分かり易いこと、教材も最新の情報を反映して、分かりやすくできていること、また休憩時間に質問するとすぐに的確な答えが返ってくることなど良いことづくめでした。一気に合格に近づくことが出来たように思います。
あとは、過去問を繰り返し繰り返しやりました。確実な復習にも心がけました。
とてもやりがいのある試験だと思います。一度、体系的な基礎力が付くと日頃、テレビの天気予報を見てもインターネットで天気図を見ても、よく分かるのでとても面白くなりましたし、日々新たな発見、気付きがあります。
これからも気象の勉強を続けていこうと思います。
先生方、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。