気象予報士の資格を取る「気象予報士通信講座」

第33回(平成21年度第2回)気象予報士試験合格者による体験談

合格者の声へ戻る

合格体験記

第33回(平成21年度第2回)気象予報士試験合格者による体験談

(1)匿名希望 による体験談:

 私は幼い頃から天文分野に興味があり、気象についてはそれまでほとんど興味がなかったのですが大学時代に関心を持ち始め、市販の易しい本から読み始めていました。
 そんな時期に気象予報士という資格があるということを知り、せっかくなら資格取得を目標にしてみようと思い、某社Aの通信講座を申し込み、勉強し始めました。確かに気象学の知識を深める点では有益でしたが、教材の内容が初心者にはやや難しく、添削問題も少なくて、試験対策としては今一つでした。

 次に、某社Bの通信講座を申し込みました。初心者には非常に分かり易い内容で、添削問題もわりと多く、よい印象を受けました。これを終了した時点で、試験を連続で2回受けたのですが結局、学科は一般・専門ともに合格しましたが実技は不合格でした。その頃、大学の勉強も忙しくなってきたので気象の試験勉強は放ったらかしになってしまいました。

 それから何年も経ち、仕事が落ち着いてきた頃に、一度諦めていた気象予報士の資格を取ろうと決心しました。そこで出会ったのがハレックス社の通信講座でした。合格者が多い実績を持つということで選んだのですが、実際、教材(特に添削問題)の内容がとても充実していました。私が気象学の勉強をこれまでしてきたのもあると思いますが、非常に説明が納得できるもので、今まで知らなかったことも理解でき、気象学の奥の深さを感じました。(今思えば通信講座Bは内容が安易すぎて試験対策には不十分でしょう。)

 こうして受講開始2ヶ月後の試験で、学科(一般・専門)に合格し、その次の回の試験で晴れて実技に合格しました。

 

(2)T.F さん(学生)による体験談:

 2回目(第33回)の試験での合格だった。これから気象予報士を目指す方に参考になればと思い、私が大切だと感じられたことを中心に書いていきたいと思う。

 1回目は、学科のみ合格。実技は、問題1.2ともに問題全体で何が言いたいのかがよく分からず、図のどこに着目するといいかも必然的に分からず、うまくまとめることができなかった。自分の今までやってきた勉強方法のどこがいけなかったのだろうかをよく考え直してみると同時にハレックスの答案分析に出してみることにした。
 答案分析結果に書かれていたことに「解答の記述の仕方が冗長で丁寧すぎる。大事なのは問題で何を問うているのか問題文をよく読んで題意の把握をしっかりすること。」自分は“題意の把握”ということができていなかったのだ。もっと大きく言えば、問題のストーリーやその主なテーマを掴むことなんだということに気がついた。
 前回の試験までの勉強では、こういったことを全く考えずにただ単に問題の設問に答えていただけで、設問間の関連性といったことなんて考えさえもしなかった。自分にとっては高度なことのように思えたが、これからはただ単に問題を解くのではなく、その問題で何が焦点になっているか、何を答えてほしいのかを常に意識することに努めた。そのために、基礎的なことの復習を再度繰り返した。具体的にには、フェーン現象や飽和といった術後(気象用語)の定義をしっかり理解した上で、積極的に記述問題に活用していった。また、図や資料の見方を覚え直し、問題では何を読み取らせたいのかを意識して解いていった。

 さらに勉強方法や問題の取り組み方を工夫してもっと効果的にできないかをいつも考えていた。過去問に取り組むときには、解答用紙を用意して、時間を計り、できるだけ問題1と2を続けて解くようにした。できるだけ本番に近いようなやり方でやった方がよいと思ったからだ。試験開始時に問題冊子を広げて最初に使われている図と解答用紙の形式をみるよう心掛けた。そこから、どのような設問が予想されるかや問題の流れをつかみやすくなり、題意の把握に結びつくのではないかと思ったからだ。図や表にメモを書いたり、線を引いたり、領域を塗ったり、読み取る対象、時刻などに印を積極的につけるようにした。私は不注意でちょっとミスをしてしまうことが多く、できるだけミスを減らしていこうと思ってのことだ。

 今まで使っていた問題集を二通り、ハレックスの添削問題を二通り、過去問は5年分を三通りしかできなかったが、私の場合は、回数をこなすよりは自分がしっかり理解しているかを重視して丁寧に問題をこなしていった。試験1ヶ月前からは暗記事項を覚えることを重点的にやってみた。単語カードに台風の勢力とか、海上警報の種類とか、雲記号といったものを書いて何度も何度も見返した。穴埋め問題で出題されたときにぱっと頭に浮かぶくらい覚えるようにした。これは便利だった。持ち運びができるので外出先でちょっと時間がある時にでも見られる。それでもカードのスペースは狭く少ししか書けないので、たくさん書きたい時や知識をまとめたい時はノートにまとめた。項目を関連づけて整理したいときには、ノートの方が適しているように思う。
 今回の試験で暗記した内容が出題されたときは嬉しかった。やはり暗記を侮ってはいけないと思う。こういった地道なことも大切だと身にしみて感じられた。問題1.2ともにかなり時間が余って見直しする時間が十分とれたのは、思ってもいなかったことで、その上、問題自体も近年の中でも易しく感じられ、合格ラインが大幅に上がるだろうと思い、手ごたえはあったが安心はできなかったがそれでも合格できた。

 勉強を始めた当初は知らないことだらけで(当たり前ではあるが・・)時間をかけてもまだ理解できないことがあると自分に対して不満が募ることもあった。でも、自分が好きでやっていることだから、めげなかったし、今まで分からなかったことが理解できたときは素直に楽しいと思えた。やっぱり楽しんでやることが一番だと思うし、その方が勉強もはかどると思う。それから日々、問題の取り組み方ややり方を工夫することが大事だと思った。周りの方を参考にしながら、自分にあったやり方を見つけていくこと。誰かからアドバイスをもらえるなら、尚更よい。

 晴れた日には雲を眺めて、あの雲は何雲だろうかと考えながら、身近な草花や現象などに興味を持って接することをこれからも心掛けていきたいと思う。

 

(3)Y.K さん(地方公務員)による体験談:

(受験の動機)
 地方自治体の職員として、大気汚染対策などを所管しているが特に夏場の光化学スモッグ注意報の発令には、気象の解析が極めて重要である。そこで気象の学習を進める動機付けとして、平成21年2月~本格的に受験のための学習を始めた。就職後25年以上事務職を続けてきたが、もともとは工学部の出身であり、気象の事象全般に関する基礎知識はあると思っていた。

(第1回受験まで)
  当初の3ヶ月は、書店で購入した問題集で学科の○×問題を解いていたが実技には、ほとんど手をつけていなかった。平成21年4月に過去問を3年分購入し、実際に解いてみたところ、学科は何とか70%位はできたが実技は、短時間に解析すべき資料と問題数の多さに驚くとともに、気象事象の広さからどのように勉強したらよいか会得できなかった。また、書店では、実技向けの参考書で適当なものが見つからなかった。
 その後、第1回~第31回までの試験問題を全て購入し、平成21年8月の受験までに一通りは目を通した。かなり知識は身についたと思っていたが、主な気象事象について、体系的にまとまった知識が得られたという状況にはなかった。特に、筆記の字数の指定には手こずった。解答を書いてみると字数が多すぎたり少なかったりとばらばらであった。この時点では、どちらかというと、気象事象の内容を理解したというよりは、事象のパターン別に過去の試験問題の標準的な解答例をそのまま暗記しているといった状況で受験に望んでいたと思う。

(第1回目の受験当日と発表)
 このような中で、平成21年8月に第1回目の受験の日を迎えた。午前中の学科は不安であったが実際にはかなり手ごたえがあった。午後の実技では、試験時間が短いという意識からはじめにどんな気象事象を扱った問題かを概観することなく、問1からいきなり解答に入っていった。初めの躓きは、実技1の前半にあった前線解析問題で相当な時間(20分以上)を使ってしまったことで、しかも後で標準解答をみたところ、前線は実線で書くべきところを、前線記号を付けてしまうといった致命的な誤りもあった。また、その後の問題は時間がなくなった焦りから、例えば高層の1,500mの気温から地上の気温を出す過程で、当然9℃足さなければいけないところ、逆に引いてしまい、「移流霧」の現象として答えるべきところを、「放射霧」の現象を取り違えて答えてしまった。
 実技2は、自分では比較的知識があると考えていた台風問題で、かなり出来たという感触はあったが、後日標準解答をみたところ、むしろ実技1よりも出来はよくなかった。まず、台風の移動速度の計算で誤りがあり、また雲画像解析で可視画像だけ見て答えるべきところを、可視と赤外画像の両方から解答するなどの根本的なミスがあった。
 受験後に感じたことは、実技試験に関する事前準備不足であった。それは、気象事象の理解が不十分であったことがあげられる。また、些細なことだが持参品にも問題があった。例えば、ペーパークリップを持参しなかったことから、解析作業を進めるうえで問題の資料の順番がバラバラになり、解答にあって参照すべき資料を見つけるのに時間を要することなどの失敗もあった。

(通信講座に受講)
 結果発表まで1ヶ月。標準解答を見て、実技は不合格と思っていたが案の定、通知をみると学科のみ合格であった。次回は、学科免除で実技だけの受験となったが、今後どのように学習を進めればよいか、独学での学習のみでは実技試験の合格は難しいと感じた。そこで、問題集の巻末に出ていたハレックスの通信講座を受けることにした。申し込み後、12回分の添削問題が送られてきたが、次回の受験は約4ヶ月後の平成22年1月で準備期間は短く、とにかく、全ての問題を解くことに専念するとこにした。目標は1週間に1問題を作成し、送ることとしたが、解き始めてみると、思った以上に短時間に解答の作成を進めることができ、目標より早く11月末までの2ヶ月で全て終えることができた。

 この通信講座の添削を通じて感じたことは、
 ・気象事象の理解度が、事象によって相当な差があること。特に寒冷渦やメソスケールの事象などの問題は苦手であること。
 ・解答の添削で度々、指摘されたが問題文をよく読まないで過去問の解答パターンであまり題意を考えず解答を作成していること。
 ・相変わらず、ミスが多く、解答作成後に再確認が必要であること。(中には、枠の中だけで等値線を引くべきところを枠外まで書いてしまったといったミスもあった)
 ・また、添削で分かったこととして、工学系出身としては恥ずかしいことだが、パスカルの記号のPを小文字としており、paと書く癖があること。
 などが分かった。

(冬期スクーリングの受講)
 その後、通信講座で誤った箇所の見直しや添削のコメントに基づく確認を行うと共に、過去問を適宜やり直してみた。気象事象ごとの理解は進んだように感じていたが、合格できるという自信を得るまでには至らなかった。
 そのとき、ハレックスの冬期スクーリングが開催されることを知った。是非とも受講したかったが、結局仕事の関係で受講は断念した。しかし、講習資料を購入し、その内容について正月休みに集中して学習することができた。特にパワーポイントの資料がよくできており、毎日のように何回も見直した。また、直前模試試験も購入し、本番を想定して実施し、自己採点しながら相当な手ごたえを得た。その後、更にもう1度、近年10年分の試験問題を1時間以内で解いて、15分間見直すという形でやり直してみた。ようやく解答の字数が指定された文字数に無理なく合ってきたように感じたが、恐らく無駄なことを書かず、キーワードやポイントがつかめるようになったからだと思う。自分としては、これ以上の受験対策は無理と思えるレベルまでは準備ができたと思った。

(第2回目の受験当日)
 第2回目の受験では、ディバイダーやペーパークリップなども揃え、気分的にも落ち着いて受験日を迎えることができた。試験開始後、答案の作成前に気象事象の概要を理解し、問題文のキーワードにマーカーペンでざっと印を付けた。これに基づいて問題文で聞いていることだけを答えるように努めた。下書きはしなかったが字数はうまく収まった。また、トレーシングペーパーの使用方法も覚え、前線解析などはスムーズに行えた。実技試験中の時間配分としては、練習していた通り、1時間で一通りの解答を行い、15分間で見直した。この見直し過程で、単位の抜けなど何箇所か誤りを訂正することができた。
 試験直後は、かなりの手ごたえであったが、後日、標準解答を見て、やはり何箇所か間違えがあることが分かった。例えば、気温の等温線を引く問題では、圏界面の上の方まで引かなかったことと、積雪の問題で雨量1mmあたりの積雪量の換算を間違えたこと、降水短時間予報と書くべきところを短時間降水予報と書いてしまったこと、図中の数値に単位を記載していなかったこと(ただし、これは設問的には単位を書くかどうかは疑問もあると感じたが・・)などの誤りに気がついた。

(今後の方向)
 合否の通知がくるまで相当日数があり、疑心暗鬼であった。何かの本で、合格の場合は大きな封筒が届くと読んだ覚えがあったが、3月5日の発表の日、郵便受けを見ると1枚のハガキが届いており、またもや不合格かと思ったが、開封してみると結果は合格であった。
 試験には合格したものの、積雪量の予想を間違えているようでは実務レベルではまだまだ知識が不十分と率直に感じた。今後とも、気象学の深淵に挑んで学習を進め、気象予報士のネットワークのなかで研鑽し、実際の仕事に役立てていきたいと思う。

 

(4)永井 麻代 さん による体験談:

 私が気象予報士試験の勉強を始めたのは、ちょうど3年前の3月でした。学生の時に、物理学を習った記憶はなく、理系の科目や法律系の科目は大の苦手でした。とりあえず、学科2科目に合格することを目標に学科試験の勉強を始めました。参考書に使うお金は惜しまず、簡単な数式の本から過去問まで、あらゆるテキストを購入しました。数えてはいませんが、40冊以上はありそうです。中には、私にはあわない参考書もいくつかありましたが、良い参考書はボロボロになるまで繰り返し使い、改訂版がでたら購入して、改訂版で勉強するようにしました。また、参考書の一部のページだけを切り取って持ち歩き、電車の中で勉強したりしました。
 半年ほど、独学で勉強し、その後、友人のすすめで学校に通いました。学校では、独学ではわからなかったところがわかり、また、先生に直接質問できたことも良かったです。そして、それまで全く解けなかった実技試験の過去問が、学校に通ったことで、少しずつ解けるようになりました。

 1回目の試験で、学科専門に合格。2回目の試験では、合格科目はなく、3回目の試験で学科一般に合格しました。4回目の試験の時は、免除期間が切れてしまった、学科専門にもう一度合格しましたが、実技試験は不合格でした。
 この頃、私はどうしたら実技試験に合格できるのか、わからず悩んでいました。過去問は、過去15、16回分、暗記するほど繰り返し解きましたし、通っていた学校の演習問題や模擬試験も、もう答えを覚えてしまうほどでしたが、いったいどう勉強したらいいのか、わからなくなっていたのです。
 そんな時、友人に「誰かに答案を添削してもらう事」をすすめられました。新たに学校に申し込むことは迷いましたが、前から気になっていたハレックスのHPを見て、答案分析に申し込みをしました。その分析結果には、私の回答のどこが悪いのか、どう書くべきなのかが細かく書かれており、また、先生の「必ずや道は開けると確信します。諦めずに頑張ることが大切です。」などのコメントに励まされました。
 その後、すぐに実技講座にも申し込みました。答案分析をしていただいて、ピンとくるものがあったからです。添削問題は、1ヶ月間で全て提出しました。いつも、解答用紙は真っ赤に添削していただき、講評は何度も何度も、繰り返し読みました。1人の講師の先生に添削していただくのではなく、問題ごとに添削して下さる先生が違っていたのも、様々なご意見がいただけて良かったです。また、質問票は一度も提出しませんでした。先生のコメントの中に、私の疑問に対する回答が含まれていたので、質問票に記入したいことがなかったのです。

 そして、5回目の試験。学科試験2科目は、免除になっていたので、実技試験のみの受験でした。試験が終わってすぐ帰りの電車の中で、自分のミスに気が付き、家に帰ってから、試験問題を見直すと、更にたくさんのミスをしてしまったことに気が付き、愕然としました。
 試験の翌日にすぐ答案分析に申し込み、その結果は、合格ライン前後・・・。でも、前回の答案分析結果と比較した講評を下さり、ちゃんと見て下さっていることを嬉しく思いました。
 試験の結果発表の日まで何度も不合格になる夢をみたり、ミスをしたことを後悔し続けました。結果発表の日は、仕事をお休みし、ネットで結果を確認したら、私の受験番号がありましたが、まだ信じられず、ハガキが届くのを待ちました。合格証明書が届いてすごく嬉しかったです。ホッとしました。

 半年前、友人が「誰かに答案を添削してもらう事」をすすめてくれなかったら、また、ハレックスの講座を受講していなかったら、合格できなかったと思います。お世話になった先生方、本当にありがとうございました。

 

(5)西口 貴司 さん(医師) による体験談:

 第33回気象予報士試験に合格し、晴れて気象予報士になることができました。ハレックスの通信講座の講師の皆様、スタッフの皆様、大変お世話になり、ありがとうございました。
 気象予報士を目指すきっかけは、昨今の異常気象や地球温暖化に興味があり、書店でそれらに関する本を探していたときに気象予報士に関するテキストを見つけたことでした。テキストを手にとって見てみると、地球規模の大気の運動や気象現象、天気予報の仕組みが詳細に記載されていました。それはまさに自分の知りたかった分野であり、気象について詳しく勉強をしたい気持ちになりました。しかし、私は勉強をするといっても目標がないと続かない性格なので国家資格である気象予報士の取得を目標に勉強を開始することにしました。

 私が気象予報士の受験を決めたのは昨年の5月であり、医師というハードな仕事をこなしながら約10ヶ月で資格を取得できたのは、細切れの時間を活用し、効率よく勉強することができたからだと思います。いつもバッグにテキストや問題集を入れて持ち歩き、空いた時間には必ずといっていいほど、テキストを読んだり問題を解いていました。また、まとまった時間がないため通学しての講座受講はしませんでした。以下に私の勉強法を紹介します。今後、資格取得を目指す方々の参考になれば幸いです。

 気象予報士に限らず資格試験は勉強する範囲が広いので、できるだけ短時間で全体像を把握することが肝心だと思います。学科試験と実技試験はほぼ同じ内容なので学科試験の勉強から開始することにしました。先ずはじめに読書をする感覚で2日間かけて学科試験のテキストを流し読みしました。一般知識の分野では、中学校で習う気象の分野や高校で習う物理と範囲が重なっていることもあり、それらを思い出しながら楽しく読み進めましたが、専門知識の分野や法律の分野は、専門用語が多く、テキストの内容の理解が必要な範囲と暗記しなければならない範囲があり、勉強を進めていくのは困難な印象でした。そのため、専門用語に慣れ、テキストのどこにどんなことが書いてあるのかが分からなければならないと考え、繰り返しテキストを読むことにしました。5~6月で学科試験に関するテキストの流し読みを10回ほど繰り返し、学科試験の全体像が把握でき内容がある程度理解できたところで、過去問を解き、理解不足の箇所をつぶしていきました。
 学科試験の理解が進んだところで実技試験の勉強を開始しましたが、大量の資料を与えた上で文章や作図での解答を求めるといった問題構成と試験問題のボリュームの多さに圧倒されました。また、実技試験の過去問の解答例を読んでもしっくりくるものがなく、出題者が要求している解答を私自身が書ける自信もなかったので通信講座の受講を決め、ハレックスの通信講座は多数の合格者を輩出していることを知り、受講することにしました。7月に受講を開始したので8月の試験に間に合わせるためには短時間で答案を作成しなければならず、大急ぎで解答し提出しましたが、理解不足の感が否めず、仕事も忙しく復習する時間がないまま試験となりました。

 勉強不足で挑んだ試験は予報業務に関する一般知識のみの合格にとどまり悔しい思いをしました。しかし、10月から実技講座の演習問題がリニューアルされたことを知り、これも受講することにし、1月の試験に向けて再度勉強を開始しました。旧版の演習問題の復習を全くしていなかったので、リニューアル版の演習問題を解きながら旧版の演習問題を復習するという方法で問題に取り組みました。演習問題は良問が多く、1つの気象現象に対してかなり掘り下げたところまで考えさせる問題構成になっていたので、気象現象に対する理解も深くなりました。添削されて返ってくる演習問題のコメントは内容が濃く、私の答案の弱点を鋭く指摘されており、復習を効率よく進めることができました。また、点数が旧版のときよりもアップしていたことは大変励みになりました。12月~1月にかけて再度、テキストの流し読み、過去問、ハレックスの実技演習問題の復習をしました。理解が深くなっているのが実感でき、復習のスピードが速くなり短時間で繰り返し勉強することができるようになりました。

 1月の試験では、実技試験も落ち着いて解答でき、実技1、2ともに10分ほど解答を見直す時間を作ることができました。しかし、予報業務に関する専門知識では見慣れない問題が出題されており、合格には不安がありました。
 気象予報士試験の最大のヤマ場はやはり実技試験でしょう。試験時間が限られているので、問題で与えられた資料の読解、短時間での作図、指定字数での文章の作成といった作業を短時間で次々に処理していかなければ制限時間内に解答を終了することができません。私はまず実技試験独特の問題形式に慣れることから始め、設問に対して反射的に解答できるぐらいまで何回も繰り返して問題を解き、頻出問題である温帯低気圧の発達のメカニズムに関しては文章を暗記して試験に挑みました。勉強で最も大事なことは繰り返すことであり、テキストの内容を理解し、それを知識として脳に蓄え、その知識を自由に使いこなせるまで繰り返して勉強すれば合格できると思います。最後に私が勉強に使った図書を列挙しておきます。1)~6)までは最もよく繰り返し使用したテキストであり、7)、8)は気象予報士の試験範囲とほぼ一致しており、その他の本も図表を用いて気象を解説しているので気象現象を立体的に把握するのに大変役立ちました。

 本業の仕事が忙しいのですが、気象予報士の仕事にも関わるように努力し、学会などにも参加してこれからも気象に関する理解を深めていきたいと思います。

1)らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト 学科・一般知識編(技術評論社)
2) らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト 学科・専門知識編(技術評論社)
3) ドンドン解ける気象予報士合格テキスト(成美堂出版)
4) 気象予報士試験速習テキスト 実技編(オーム社)
5) 気象予報士試験精選問題集 平成21年度版(成山堂)
6) 資格試験らくらく合格塾 気象予報士学科試験 徹底攻略問題集(ナツメ社)
7) イラスト図解 よくわかる気象学(ナツメ社)
8) イラスト図解 よくわかる気象学 予報技術編(ナツメ社)
9) 図解 気象・天気のしくみがわかる事典(成美堂出版)
10) 徹底図解 気象・天気のしくみ(新星堂出版社)
11) 最新 天気予報の技術 改訂版(東京堂出版)
12) 最新の観測技術と解析技法による天気予報のつくりかた(東京堂出版)
13) 大人の「科学」と「学習」 天気と気象(学習研究社)
14) ニューワイド学研の図鑑 増補改訂版 地球・気象(学習研究社)

 

(6)E.O さん(非常勤講師) による体験談:

 この度、第33回気象予報士試験に合格することができ、過日、登録通知書も手元に届きました。まるで各地の桜開花ニュースに合わせるかのように私もささやかですが確実に春が届いたと実感しております。
 小さい頃からボーッと空を眺めているのが好きな子でした。長じてもその癖は変わらず、悲しい時・嬉しい時、物思いに耽りたい時・・折につけ大空の雲の行方を目で追ってしばし佇んだりしていました。

 気象予報士制度ができ、テレビでもその活躍を目にするようになっても、まさか自分がその資格を手にすることができるとは、夢にも思っていませんでした。だって、その頃の私は4人の娘の子育てに追われる40過ぎのただのおばさんだったのですから・・。
 転機は3年前、生活のために働くことになり、資格だけは持っていた薬剤師免許を生かして、専門学校で化学系の講義を受け持たせていただくことになり、週に1科目だけでなく、もう1科目ぐらいは持たせてもらうために何か資格を取りたいと考えた時です。その学校には環境系のコースがあり、空を眺めるのが好き、という理由だけで特に受験資格を問わない気象予報士にチャレンジしようと思ったのです。早速、本屋に行って調べてみましたがその内容は難しく、やはり一人で勉強するには無理があると思い、ネットで検索して、評判のよいハレックスの通信講座を受講することにしたのです。しかし、ここで私の誤算が発覚しました。マイペースで進めることのできる点が通信講座の利点のはずなのに、専門学校の授業準備などの方が思った以上に大変で、通信講座の課題を勉強しても提出するまでの完成度には至らず、なかなか提出できないのです。何しろ20年近くも専業主婦をしていて、頭のほうは、錆びるにいいだけ錆びています。テキストの1ページが理解できず、諦めて別のページにワープしたことも数知れません。担当の方からは「全部できなくても、わからない箇所ははそのままで提出していいんですよ。」と言っていただいたのですがそんな生易しいレベルでないことは自分がよく承知しています。本を見て調べても解答の埋まっているところが全体の2~3割程度なのですから。さすがにこのままではだめだと思いながらもずるずると時間だけは過ぎていくものなのですね。働きながら何かの資格を得る事の困難さをつくづく感じた日々でした。
 そうこうしているうちに期限の1年はあっという間に過ぎてしまいました。ラインマーカーでカラフルに彩られたテキストと未提出の課題の山だけが残りました。その間、会場の雰囲気を感じるだけでも、と1度は受験しましたが、もちろん学科で門前払いです。とりあえず、最後に課題の解答例だけもいただいて後は自分でコツコツと時間を見つけてやっていくしかない、と思いました。ですからこれは本当に恥ずかしい話ですがせっかく通信講座を申し込んだのに結局、私は「通信」の利点を活かしきれないままだったということになります。しかし、いただいた解答例とつきあわせて問題を解いていくうちに独学になってしまったとはいえ、その深い解説を読んで気象学の面白さ、奥深さにすっかり虜になってしまいました。表現はおおげさかもしれませんが自然の森羅万象が人間が到達しえた理論で説明できるのだ!そして、その真理を自分はかじっているんだ!という感じです。興味のあることは頭の中にすんなりと入っていくことは確かで、当初はよく理解できなかった事柄も、細切れの時間ながら繰り返すことによって、自分のものになっていく実感を得ることができました。

 2回目の受験で一般知識、そしてその半年後の3回目で専門知識と実技が合格し、「気象予報士」と名乗ることができたのです。今はただ、通信講座の期限が終了した時点で諦めないでよかった、と思っています。例え、講師の方々の添削を受けることはできなくても、非常に良く練られた課題がそのまま問題集となって手元に残り、繰り返し活用できるからです。

 私も今年で50歳になりますのでTVのお天気キャスターもちょっと無理がありますね。そして、当初の目的だった、専門学校で気象関係の科目を教える、というのもこの少子化のご時世、入学希望者激減につき、あえなく環境コースは廃止ということになってしまいました。今は、日々の雲の動きを眺めることのほかにネットで高層天気図を眺めながら、翌日の天気に思いを巡らせたりしています。でも、こんなゼロからのスタートだったおばさんにも、諦めずに亀の歩みでも歩いていけば、いつかはゴールに到達するんだ、ということを教えてくれた3年間でした。
 いえ、未だゴールには到達していませんね。試験を離れて本屋で気象関係の本を探すと興味ある内容のものが次々と目の前に現れてきて、まだ私はスタートラインに立ったばっかりなんだ、ということが分かります。目の前に続く気象の道は、ずーっと果てしなく私の将来に繋がっています。ハレックスの通信講座の先生方、本当にありがとうございました。

 

(7)M.S さん(無職) による体験談:

1.独学受験期(試験受験1年目~3年目)
 私は大学の理系で地球科学を専攻しており、その興味の延長線上で気象予報士試験受験にチャレンジした。

2.受験放棄期(試験受験4年目)
 自身の進路のことで手一杯となり、資格を取っても就職活動の時期に間に合わないこともあり、試験の受験を考えなかった。学科・専門の免除資格はあったがその有効期限は切れるに任せた。

3.ハレックス受講期(試験受験5年目)
 一応、自分の進路は決定したこともあり、余った期間を活かして気象予報士試験に再びチャレンジすることにした。独学受験期の反省は、記述問題を解いても解答が合っているかどうかの客観的基準がわからず、後の答え合わせが解答の暗記につながりやすいことだった。その反省を活かして講師の添削指導をしてもらえる通信講座の受講を考えた。どんな試験でもそうだと思うが合格の究極のコツは、相手の書いて欲しいことを書くこと=採点基準を理解すること。ここに尽きるように思う。ただ、気象予報士試験の場合、採点基準は非公表であり、講師の方も出題者である気象業務支援センターが考えそうなことを教えてくれるのみで、100%そうはいかないので、ここは「問題の題意をできるだけ正確に理解し、できるだけ正確に答える」ぐらいに考えた。つまり、与えられた問題に対して「こういうことを答えて欲しいんでしょ?」という出題者の題意が見えれば、その問題は合格点を取れたと考えていいように思う。

 以上のことをつかむために通信講座を選ぶ段階に入ったが、数ある講座の中からこのハレックスに出会えたのは、自分自身運がよかったというほかないように思う。選んだ理由は、インターネット上でハレックスの難しい課題もきちんと解けば力になると好評だったからである。
 さて、ハレックスに申込み、課題を解いていったが、まだ体系的・有機的な知識と正しい気象の専門用語の知識の蓄積がなかったようで1回目の夏の試験は、学科・専門のみ合格となり、あと一歩及ばす、失敗に終わった。そこで冬の試験に向けてスクーリングに参加することにした。参加に際して、とにかく予習を完璧にして、講師の方と1対1で自分の予習の成果について議論することを自分に課した。スクーリングの講義はおまけのようなものでその後の議論をするために私はここに来たんだ!というくらいのつもりで受講した。もちろん、議論というくらいだから、講師の方に一方的に教えてもらうだけでなく、自分の考えも恐れず述べることにしていた。生半可な知識とうろ覚えの専門用語で自分の考えを述べると、講師の方にはそれを即看破して指摘して頂けた。講師の方にとっては、とてもうるさい生徒であっただろうがこの方法で絶対合格して、後にハレックスの合格占有率と合格体験記に貢献して恩返しするつもりだった。

 この議論が試験合格に向けた最大の「あと一押し」になったように思う。議論の効果で自分の知識の穴になっていた部分、勘違い・混同して用いていた気象の専門用語などの弱点が一気に埋まり、正しい気象の専門用語で正しく現象を説明できるようになり、もとの目標「相手の書いて欲しいことを書くこと」に大きく近づくことができた。ここまで来れば試験も恐るるに足りないと思え、大きな自信につながった。
 試験本番では、単純ミス・時間配分ミスだけは避けるべく、慎重かつ手早く問題を処理することを心掛けた。今まで何度も挑戦した資格だったが、合格した暁には気象の知識のみならず大きな自信も手にすることができる。

 

(8)服部 謙一 さん(会社員) による体験談:

 まず始めに私のような者が合格体験談記を記すことを大変恐縮に思います。と、申しますのも、私はこれまで資格と称するものを何一つとして取ったことがなかったからです。ですので、気象予報士試験に合格したことにとても驚いております。
 私は、通信講座の実技コースを申込みましたが質問票と合わせて積極的に利用させて頂きました。独学で学んでいた私にとって添削のコメントは非常に新鮮で刺激的なもので、それまでの私の認識の甘さを痛感させられました。今回、幸運にも試験に合格することが出来ましたが今後も資格を取ったからといって慢心する事なく、気象予報の技術知識の鍛錬に臨んで参りたいと思います。

 最後になりますがこれから気象予報士試験を受験される皆様が充実した受験生活を送られて気象予報士になられることを切に願っております。

 

(9)Y.T さん(会社員) による体験談:

(1)資格取得に取り組んだ動機
 私は現在、電力会社に勤務しており、発電所(新潟、福島)と本店(東京)をほぼ定期的に異動するといった環境にあり、1年を通じて太平洋側と日本海側の気象変化を肌で実感しながら生活を送っている状況や、気象条件によって電力需要が左右される状況の中で、将来的には、気象知識を身に付けたいと思い「気象予報士」の取得を決意しました。また、最近は地球温暖化問題に関するいろいろな情報がありますが、温暖化と気象現象とは特に密接な関係があるため、温暖化問題に関する知識を身に付けるきっかけとしたかったからです。

(2)合格までのプロセスにおいて苦労した点・工夫した点
 まずは、私の合格までの遍歴は以下の通りです。
 * 第31回試験;学科:(一般・専門)合格、実技:不合格
 * 第32回試験;学科:免除、実技:不合格
 * 第33回試験;学科:免除、実技:合格

①学科試験2科目(一般知識と専門知識)
 合格するためには、まずは学科試験である「一般知識」と「専門知識」の2科目をパスした人のみが午後の実技試験を採点してもらえる仕組みになっています。しかしながら、現実的には、合格者の実績値から、一発合格は非常に厳しく、合格者の殆どは、私のように学科試験のみをパスしてから、2回目または3回目の実技試験でようやく合格証を手にするといった現実があります。
したがって、1回目の試験については、まずは学科試験を確実にパスすることを目標に準備をすることをお勧めします。といっても学科をパスするまで実技試験の準備を全くしなくてもいいというのではなく、私の場合は学科試験の中身の具体的なイメージや裏付けをとるために実技試験の内容で確認をしていきました。例えば、雲の動きや見え方、今後の天気の移り変わり方、エマグラム等々。そして、偶然にも実技試験までパスして一発合格できたらラッキーと思えばいいと思います。
では、学科試験の具体的な勉強方法についてですが、学科試験は多肢選択式でありますがとにかく色々な角度から攻めてきます。悪く言えば、重箱の隅をつつくような問題も頻出しています。このため、とにかく過去10年分くらいの問題について完璧に正確に習得しなくてはなりません。私の場合、特に問題中の「誤」については、なぜ「誤」なのか、きちっと理解するために随時ノートに整理していきました。計算問題については、気象に関して全くの素人であったものの、理系の大学を出ているため気象学で用いる計算問題はさほど苦にはならなかったのが幸いでしたが、計算問題は基本的な内容しか出題されませんので、確実にマスターした方がいいと思います。勉強時間は平日であれば朝食前1時間と電車の通勤時間を利用しました。休日は午前中2~3時間と夕食前2時間くらいでした。ただし、夕食後はどうしてもお酒の魔力には勝てず、気持ちはあるものの毎日完敗(乾杯)でした。
 問題集や参考書は以下の通りですが、極一般的なものばかりです。
 「一般気象学(東京大学出版会)」「学科試験徹底攻略問題集(ナツメ社)百万人の気象学」
 「精選問題集(成山堂)」「合格の法則[実技試験](ohmsha)」特に専門知識に関しては実技試験への繋がりを強く意識し、手戻りを少なくすることを心掛けました。また、過去問集「模範解答と解説(東京堂出版)」を繰り返しました。

②実技試験
 実技試験については、出題者が求めている回答を指定字数で回答する必要があるため、過去問は当然でありますが、他に東京堂出版の「実技試験問題集」、「精選問題」をコピーして、とにかく実際に作文したり作図をする作業の毎日でした。学科試験をパスするまでは、実技の知識が学科試験にフィードバックされることを意識しながら勉強しました。そして、試験の本番直前まで、問題を見ただけで即座に必要なキーワードが思い浮かぶようになるまで反復し、それらを論理的な文章にまとめる練習を繰り返しました。さらに、実技の強化を図るために「ハレックス」の実技講座を受講し、添削して頂いた箇所は自分の弱点と思い何度もチェックしました。
 また余談になりますが、学科試験をパスし、あとは実技のみとなってからは、TVの天気予報を真剣に聞くようになりました。特に最近は気象予報士自身がお天気キャスターをしているケースが多く、使用している様々な用語は、気象庁の用語の定義に基づき忠実に発表されているように思います。したがって、実際の訓練として、キャスターが喋った後、頭の中で天気図をイメージしながら予報を繰り返し、用語の定義が思い出せない場合は、常にパソコンで気象庁のホームページ「予報用語」を開いておき、用語の定義をその都度チェックしていきました。

 最後に記述式の実技試験は暗記する項目はそれほど多くありませんが、設問に対して適切なキーワードを織り込んで指定された字数でまとめるという能力を要します。これは今後、気象情報を外向けに提供する業務を目指す我々にとって、気象学上の理論的な能力はもとより、ユーザーの様々なレベルやニーズに応じて的確に対応して情報を提供する能力を合わせて求められているからだろうと思います。繰り返しますが、実技対策として過去問等の模範解答を通じて、頭の中で気象の立体構造とキーワードを結びつけて、気象現象を短時間に言葉に表現できる訓練をすれば効率的だと思います。

 

(10)福島 英美里 さん(学生) による体験談:

 初めのうちは、独学で勉強しようと思い、市販の教科書を2冊とテキストと問題集を買い、さらに実技の問題集も1冊買いました。それを1度やって1回目の試験に臨みましたが、結果は学科のみ、しかも専門の方だけの合格でした。電車の中で軽く本を読んでいただけだったので勉強時間が全然足りていなかったと思い、次は勉強時間を増やしましたが学校が忙しくなかなか時間がとれなかったのでまずは学科両方合格を目指し、2回目で学科の一般も合格しました。冬に1回目、2回目も冬に受けたので専門の期限が近づいていました。今持っている教科書だけでは、自分の記述の何がいけないのかが全く分からないことに気付き、添削してもらうことが必要だとハレックスを申し込みました。ハレックスの教材では、今までの本には載っていなかったことを勉強し、初めて深い理解ができたと思いました。でも、次の試験でなぜか専門で落ちてしまいました。ハレックスの実技教材にも買った本にも載っていないことが出たのでこれは大変だと思い、気象に関する本を参考書として読みました。そのあとハレックスの実技をもう一度、復習し、そして合格しました。
 勉強した内容を私は一冊のノートにまとめていて、多少の勉強のブランクがあいても、それを見ればすぐに復習できるようにしていました。それがよかったと思います。

 

(11)錦織 弘典 さん による体験談:

 足掛け5年6度目の挑戦で晴れて気象予報士になりました。
 私の勉強方法を振り返ることにより、いま気象予報士に挑戦中の方のご参考になればと思います。そもそも定年退職をし、何かの資格に挑戦したいと思っていたところ気象予報士のことを知り興味を持ったのです。在職中は、エンジニアとして各種の技術職に必要な国家試験を取り仕事に生かしてきましたが、それに比べればたいした努力も要らないのではと勝手に思っていました。ところが受験勉強をするにつけ範囲も広く、奥も深く、当初の考えがいかに甘かったのかと反省しました。また、気象学の勉強が進むにつれ、日々の天気の推移と関連付けて理解でき、ますます魅力を感じたことが受験勉強を継続できた原動力になったのではと思います。

 さて、実際の受験勉強のことですが、午前の学科「予報業務に関する一般知識」についてはほぼ教科書的な存在の「小倉義光著:一般気象学」を繰り返し精読し、並行して過去問を徹底的にやったことです。過去問は「(財)気象業務支援センター発行:気象予報士試験問題と正解」を3年分、(試験回数にして6回分)本番と同じ時間で回答し、理解していないところは解説を徹底的に理解するように努めました。前述の“一般気象学”は最低3回、出来れば4~5回隅々まで精読することをお勧めします。特に計算式は繰り返し例題を解き、式の暗記に努めました。常に単位を意識して解く癖をつけたので解答中に式がうろ覚えでも単位合せをすることになりなんとか完全な式を思い出すことが出来たことが何度もありました。
また、15問中4問法規の問題が出るわけですが、暗記物なので4問確実に正解したいものです。「(財)気象業務支援センター発行:気象業務法」を入手し、2~3回精読しました。特に“誰が、誰に、何時、どのような方法で”と情報の伝達、指示・命令系統の流れは整理するようにし、“義務事項”であるのか“努力目標”であるのかは設問でよく引っ掛かり易いので正確に記憶しておくよう努めました。
次に、学科「予報業務に関する専門知識」ですが、教科書的な参考書「東京堂出版発行:最新天気予報の技術(改訂版)」を中心に受験対策をしたのですが、過去問を解く上ではやや不十分だと思います。私の場合は「(財)気象業務支援センター発行:高層気象観測業務の解説・地上天気図について・高層天気図について・気象衛星画像の見方と利用」等を取り寄せ、過去問に出てくる専門用語をこれら資料の助けを借りて理解に努めました。一般知識を同じく過去問を徹底してやり、また本をばらして問題とそれに対する解説をセットになるよう編集し直し、ジャンル別に整理しておきました。このことは試験直前の復習に随分効果的で、「一般知識」についても同じように編集整理しておきました。かくして1回目の試験で「一般知識」、2回目の試験で「専門知識」をクリアしたのですが、ここで私個人の一身上の都合により一時、“気象予報士への挑戦”は中断せざるを得ない状況となりました。

 2年後再挑戦に挑んだわけですが、2年間の空白は大きく殆ど振り出しから勉強するような感覚でしたが、資料の編集整理をしておいたので早く前回レベルまで戻ることが出来ました。かくして3回目「一般知識」、4回目「専門知識」をクリアでき、5回目は午前の学科が免除され、午後の実技のみ対象の状態となったわけですが、過去4回実技の試験を受けた感覚から今ひとつ独学では、情報・資料収集に限界があり、行き詰まりを感じていたところ、ある参考書の後書きの実技試験受験体験記を読み、ハレックスの通信講座「実技講座」の事を知った次第です。迷わず受講することにし、12ヶ月講座を4ヶ月に圧縮し、8月の試験に臨みました。残念ながら5回目は不合格でしたがハレックスよりリニューアル講座のお知らせがあり、6回目は最後のチャンスとばかり、リニューアル講座を受講することに決めました。6回目は「一般知識」の有効期限切れとなり工程的に厳しいものがありましたが、何とか1月の試験まで予定スケジュールをこなし、合格することが出来ました。

 さて、実技の勉強についてですが、独学の時は「天気予報技術研究会発行:テーマ別実技試験解答と解説」を①~④購入し、勉強したのですが今ひとつ理解できない部分があったのと、範囲が広いため系統だって整理することが難しく重要なポイントを絞り込めないとの悩みがありました。その点、ハレックスの通信講座は、系統的に整理され、重要ポイントは懇切丁寧に解説していただいたので自分なりに頭の整理が出来たようです。また、添削についてはかなり厳しいコメントが返ってきて少し自信喪失になるようなこともありましたが、これも私の欠点を指摘して頂いているのだと認識し、コメントには忠実に従い、また理解するよう努めました。
1.設問をよく読み問われたことは漏れなく解答に反映のこと
2.問われていないことは書かないように
3.与えられた図表から読み取れないことを推定で解答しないように
4.基礎事項はもう一度しっかりと理解しておくこと
 等等、厳しいコメントでしたが、4.の基礎事項については、6回目は幸か不幸か「一般知識」の再受験のため基礎事項の復習に時間を割いたので却ってこのことが実技を解答する上でも役に立ったと思います。また、実技の試験は時間との勝負です。過去5回の試験はいずれも解答に70分ぐらいかかり殆ど見直しが出来なかったことです。これを反省して6回目の試験に対しては解答のスピードアップを心掛けました。設問はよく読み、問われていることは漏らさず、また余分なことは書かず、簡潔に記述し、たとえ与えられた字数枠に空白があっても確実なことだけ書くよう心掛けました。6回目の試験では、実技1・2共、60分で解答を追え、残り15分間でじっくりと見直しをしました。その結果、設問を取り違えていたり、誤字脱字が何箇所かあったりで修正することができ、試験後十分実力を出し切れたとの実感が得られました。

 最後になりましたが、ここまで勉強が持続し、最後のゴールまで届いたのもひとえに気象というものの奥深さとその魅力に取り付かれたためといえます。“好きこそ物の上手なり”気象予報技術はこれからも益々進歩すると思いますが、それに遅れないようにこれからも折を見て新技術の理解に努めたいと思います。

合格者の声へ戻る