気象予報士の資格を取る「気象予報士通信講座」

第34回(平成22年度第1回)気象予報士試験合格者による体験談

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合格体験記

第34回(平成22年度第1回)気象予報士試験合格者による体験談

(1)新保 修 さん(会社員) による体験談:

 現在65歳、気象予報士試験に初めて挑戦したのは61歳の秋で、合格までには実に4年を要した。
 最初は興味半分で軽い気持ちで受験したが、専門用語もあり全く歯がたたなかった。ただ、折角受験して1回で諦めることは勿体ないと感じ、その後も勉強を重ねなんとか学科には合格することができた。しかし、実技が全然だめで、問題を考えているとすぐに時間がなくなり回答も十分でないという状況が続いた。独学では限界があると感じ、参考書に載っていた合格体験記でハレックス通信講座が有効であることを知り受講することとした。

 通信講座では最初、教科書にある問題に対し回答を簡単に考え、それを送付し、添削を受けていたが指導の先生方からは「問題の題意が把握できていない、基礎的な知識を理解していない」といった厳しい意見を頂いた。確かに問題をよく読まずにその意味も深く考えていなかったと反省した。その後、学科も本腰を入れて勉強をし直した。また、実技の新しい例題については、問題の意味を考えるようにし、問題の作成者がどのような回答を求めているのかを考えるようにした。また、これまでの例題も何回も見直し、回答は実際に文章にする勉強を続けた。
 試験も何回か重ねるうちになんとか手応えを感じるようになり、もう少しで手が届きそうであるがなかなかその一線が越えられないでいた。それまで、前線や等温線、等圧線、等降雨量線を実際に図に記入する問題についてはあまり力を入れて勉強してこなかった。そのため、微妙なところを見逃したり、記入に不正確なところがあった。しかし、試験の解答例を見るとその配点は結構大きいことに気付き、これらについても重点的に勉強した。また、回答文の文章構成についても考えるようにした。

 このようにして勉強した結果、4年目にしてなんとか合格することができた。合格通知を見たときは、何か胸にジンとくるものがあった。「継続は力なり」途中で諦めずほんとうに良かったと思っている。

 

(2)川村 浩 さん(会社員)による体験談:

 平成22年10月8日、会社から自宅へ帰ると机の上に気象業務支援センターから合否通知のはがきが届いていました。恐る恐る開いてみたら合格証明書だったので、妻と一緒に喜び合いました。受験5回目での合格でした。
 私は登山が趣味で、特に雪山に登る機会が多く、学生の頃から天気図を書いていました。冬山登山では天候の判断を誤ると生死に関わります。しかし、地上天気図だけでは限界があり高層天気図を見るようになってから、気象や天気図についてもっと専門的に学びたいと思い、気象予報士を目指すことにしました。
私の試験に向けての勉強方法ですが会社の業務の関係で電気主任技術者の資格取得が優先となったため、並行して勉強せざるをえない状況となりました。平日は帰宅後ビールを飲む前に少しの時間でも過去問題を解き、朝は最寄の駅まで車で通っているため、電車に乗る前に駐車場で過去問題、電車の中でも過去問題、この方法で電気と気象を交互に勉強しました。平成21年10月20日電気主任技術者の資格を得ることができ、それからは気象に専念して勉強を始めました。

 1回目、2回目の試験は、学科一般、専門ともに不合格。3回目の試験で学科専門に合格し、4回目の試験で学科一般に合格し、専門は免除でしたが実技試験は不合格でした。5回目の試験で学科2科目は免除、実技試験に合格しました。学科試験はなんとか独学で合格できましたが実技試験は独学では無理と判断し、また学科専門の免除もこの夏で切れることからハレックスの夏期実技試験対策スクーリングを申し込みました。教材で非常に良かったのは、演習問題に沿って詳細に解説していただけたこと、解らなかった部分は個別に質問が出来たことです。特に私は、天気図解析の添削指導において前線を解析する場合の着眼点が甘かったことに気付かされました。CD-ROMによる教材も復習する時に何度も使用しました。そして、何よりも参考になったのは、記述式問題への対処方法の講義と合格者の方の合格体験談でした。私も試験前には十分注意していたのですが、実際の試験となると文脈に惑わされ基本中の基本を忘れてしまい、試験後の帰宅途中で単純なミスを2箇所見つけ、悔しい思いをしました。時間を気にして問題文を十分に読んでいなかったと反省しています。
私の勉強方法については
1.学科一般・専門
 ・過去5年間の過去問題を繰り返し復習しました。
 ・出来なかった問題は参考書で調べ、単語帳で通勤時に勉強しました。全問正解となるまでこれを繰り返しました。
2.実技
 ・ハレックスの夏期実技試験対策スクーリングまでは、過去5年間の過去問題を繰り返し復習しました。
 ・学科同様に出来なかった問題は参考書で調べ、単語帳で全問正解になるまで繰り返しました。
 ・スクーリング直後は、スクーリングの演習問題を復習し、出来なかった問題を重点的に繰り返し復習しました。
 ・試験4週間前からもう一度過去問題を復習しました。
 ・試験1週間前にスクーリングで行った実力テストを再受験し、理解度を確認しました。
 ・試験前1週間は、過去の不正解部分を重点的に復習しました。

 試験後の自己採点では、合格ラインぎりぎりでしたが、単純なミスもあり合格は難しいだろうと思い、科目免除の切れる学科専門の勉強を始めていました。今回の合格は、私にとって気象の世界を広く知る出発点と考えています。気象予報士を目指している方、目標に向かって地道な努力をすれば必ず合格できます。どうぞ諦めないで頑張ってください。ハレックスの通信講座の先生方、本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

 

(3)木村 修治 さん による体験談:

 この度、第34回気象予報士試験に合格し、晴れて気象予報士になることができました。この5月からハレックスの通信講座の諸先生方には、大変お世話になり、誠にありがとうございました。
 現在61歳の私が何故受験したのか、その動機から述べたいと思います。昨年6月、60歳で定年退職してより、趣味の百名山完登(現在76座)を目指して過ごしておりましたが、何時も出発前に3~5日先の天気が気がかりで予定通り決行するかどうかの判断を迫られていました。この判断をもっと的確にするために山岳気象をもっと知ろうと思い、昨年11月末より気象予報士の受験勉強を始めた次第です。在職中は一級建築士として建築設計に従事しており、気象学に関しては全くの素人です。ただ、高校時代の物理好きが幸いして数式や単位に抵抗がなかったくらいです。このような状況のもと気象予報に関しては全く独学で、暗中模索の中、今年の1月の試験は準備不足もあって、学科専門に合格しただけで敗退しました。4月になって気を取り直して、御社の実技の通信講座を受けることにし、この間百名山も控え目にして勉強をした次第です。以下に私の勉強方法を記します。特に独学の方に参考になれば幸いです。

 1.先ずは基礎からだと思い、「一般気象学」を何度も熟読しました。恥ずかしながら最初の試験で読んでいませんでした。この本は、図が大変多く、数式も分かりやすく説明されており、疑問があれば先ずこの本から調べるといった具合で、本当に気象学のバイブルだと感じました。

 2.次が御社の「実技の基礎」と「実技の事例による解説」の熟読です。この間、重要事項をノートに書き出し、また参考書の関連事項を付記したりしました。最終的にはノートが4冊、今見ると隙間なく埋めていて、書いて覚えることの重要性を再認識しています。

 3.また、疑問があれば徹底的に調べる、先送りにしないというスタンスで近くに市立図書館があるのも幸いして、とにかく納得するまで調べました。

 4.ただ、独学での問題点は独善的に理解してしまう点とどんなに調べても基礎不足から理解が及ばない点です。この解決には質疑回答が大変有効でした。質疑は常に「○○について当方はこの様に理解していますがこの考えで良いですか」としました。独善的な理解を避けるためでこれに対して、例えば「理論的な概念と実際の観測事実が多少ごっちゃになっている」などのご指摘を受け、目先が開けた思いをした事もあります。質疑回答による正確な理解は他の理解をも大いに助けてくれました。

 5.実技は、繰り返し考え、通信講座を5月下旬から6月下旬にかけて、先ず一通り12課題を提出しました。回答は自分で作成したあと、解き方のしおりを見て訂正し、提出した次第で本番演習とは全くかけ離れています。添削が返ってくると赤ペン部分を反省し、再度自分なりに演習しました。繰り返し、繰り返しすると着目ポイントが見えてくる思いがしました。

 6.学科の専門は合格していましたが、一般・専門・実技は分け隔てなく学習しました。全て関連があり、総合的な理解のためには全て必要であるとの考えで特に専門は実技とは同じ内容であるとの判断で、実技の試験には出ないであろうガイダンスの作られ方や的中率なども決して疎かにはしませんでした。特に専門の問題演習は実技の理解を深めるためにも大いに役立ったと思っています。

 以上が私の勉強方法ですが、やはり良い先生が必要です。今回、添削の諸先生方にはとても感謝しております。回答の一つ一つに記述があり、本当に親切に添削していただきました。また、当方の質問に大変詳細に回答していただき、独学での理解不足を大いに助けていただきました。諸先生のコメントも「なお、一層の努力が必要です」と書かれて奮起したり、「この調子で頑張って下さい」と書いていただいて自信を持ったりしてコメントに強弱があってとてもバランスが良かったです。諸先生には改めて御礼申し上げます。
 これからが本当の勉強の始まりだと思っています。日々、高層天気図を見たり、雲の形状、推移を観察して実技力が向上するよう頑張りたいと思います。これらが百名山完登の助けになれば、これ以上ない喜びです。

 

(4)匿名 さん(会社員) による体験談:

 私はもともと学生時代に気象予報士の制度が導入されたニュースを聞いて、とても難易度が高い国家試験だということでとても憧れをもっていました。しかし、高校・大学と文系の道へ進み、その頃は気象学を勉強しようという思いもなく社会人になっても気象とは全く関係のない分野で仕事をしていました。
 去年頃、仕事も落ち着いているし、何か始めようと思い立ち、気象を真っ先に思い出し、志すようになりました。ただ、全く一からの勉強となるため、何かの力をかりないと続けられないと思い、民間の気象予報士スクールに一年間通うことにしました。カリキュラムは、半年で一般の勉強、残りの半年で専門と実技という内容で一年で予報士を取るのが目標でした。一般の勉強は、範囲が広いこと、数式などの計算や公式があることに苦戦しましたがとにかく理屈を覚えて、法律は常識を意識して勉強しました。専門は、覚えることと、過去問をたくさん解くことをお勧めします。実技は、私にとっては一番楽しく勉強できる科目でした。一番難しいとは思いますがまず過去問で慣れること、そして、スクールや通信教育などを活用して先生方の説明を聞けば、全く解らないことや不明なことはなくなると思います。

 私は、ハレックスの実技試験直前対策スクーリングに3日間通いましたがハレックスの先生方は、本当に気象を知り尽くしたプロであると同時に気象に関する思い入れや関心がすごく強いと感じました。もちろん試験対策という観点から講義をしていただけます。専門性が強くて難しく感じこともありましたが気象が好きな人に対してはとてもいいスクールだと思いました。

 

(5)匿名 さん(会社員) による体験談:

 第33回試験で一般、専門試験をパスし、ハレックスの実技講座を受講し、第34回試験で合格しました。私が気象予報士試験を受ける動機となったのは子供の頃から自然や科学に興味があったことと予報という未来を予測する事に興味があったからです。
 勉強方法は、気象学の難しい内容の本は軽く触れる程度で、参考書は分からない所があったら見るようにして、ハレックスの添削問題と過去3年分の問題集を最低2回繰り返し解き、自己採点をしました。ただし、2回目からは制限時間を短く設定して、間違えた問題は特に注意して見直すようにしました。勉強の進め方についてはインターネットでダウンロードしたスケジュール表を使って、毎日の勉強計画を立てていき、これにより、勉強の進み具合がよくわかり、試験までにどのくらい勉強をしないといけないかがよく分かりました。また、私はあまり集中力がある方ではないので、息抜きや休息をする事を忘れないようにもし、趣味のテニスはなるべく欠かさず行い、テニスを通じて試験本番での緊張した中でも実力が発揮できるようにメンタル面のトレーニングも行いました。

 ハレックスが行うスクーリングについてもとても良い経験となりました。夏の実技試験対策スクーリングを受講しましたが、受講された方の多くは学科試験に合格し、後は実技試験だけという方だったのでしょう、試験直前ということもあり、緊張感がひしひしと伝わってきました。3日間行われ、講師の方は気象はもちろん試験対策についてもプロで、合格するためのテクニックについても教えていただけました。直接質問する時間もたくさんあり、気象のプロの方に直接質問するのは緊張しましたが、丁寧に教えて頂き、とても勉強になりました。最後の3日目に実力テストがあったのですが緊張して力が発揮できす点数はなんと46点(笑)でした(100点満点にて合格ライン75点)。今となっては、よくこんな点数で合格できたなぁと思いますがこれが逆に良かったと思います。試験までの残りの1ヶ月間は本当に集中して勉強ができたと思います。

 合格した今は試験勉強で流し読みした一般気象学などの専門書をじっくりと勉強し、天気図を用いて自分で週間予報を立てています。
 最後に合格までの道を作ってくださったハレックスの方と講師の方には本当に感謝しております。そして、受験される皆様が試験に合格されることを心から祈っております。

 

(6)藤田 紳一 さん(通信社勤務) による体験談:

[合格までの経緯]
 2009年3月から勉強を始めた。全くの独学で2010年1月に初めて受験、学科は合格したが実技は不合格だった。実力不足を痛感し、2月からハレックスの実技通信講座を受講した。ハレックスにしたのは、講師陣に市澤先生がいたからだ。社会部記者として気象庁記者クラブにいた1998~99年、市澤先生は気象庁主任予報官だった。大きな災害が予想されるとクラブに来て説明下さるのだが、先生は迷走台風の進路予想などもピタリと当て、その職人技にはいつも脱帽した。ハレックスを選ぶにあたり何の迷いもなかった。
 通信講座の課題は、1ヶ月に2回のペースでこなし、7月に終え、同月ハレックスの夏期実技直前対策スクーリングを受講。8月の試験に臨んだ。

[受講の効果]
 通信講座では出だしからつまづいた。例えば、寒冷渦について300hPaの強風軸と500hPaの気温場の関係を問う問題で「強風軸が南に大きく蛇行している所で寒気が南下し、等温線の閉じた寒気場となっている。強風軸は上空の前線帯に相当し、気温傾度が大きくなっている」と一般論を解答。「本番では解析しないで答えを出しても評価されない」と添削された。頭をガツンと殴られた思いがした。それからは、たとえ間違ってもいいから自分なりの解析を心掛けるようにした。3回目まではいずれも60点台と苦しんだが、以降はコンスタントに80点以上取れるようになった。
 直前スクーリングでは、低気圧中心の位置決めなど実地でしかできないことが天気図解析で学べたほか、南岸低気圧で羽田空港が雪になって成田空港で雨になる理由などローカル気象の理解にも役立った。

[その他の勉強法]
 とにかく過去問題をひたすら解いた。あとは、気象庁HPの「気象等の知識」の基本的な事項を全部覚えた。この中からは必ず実技問題が出題され、8月の試験でも午前9-12時の時間帯の予報用語を問う問題(答えは昼前)が出た。「気象等の知識」では最新の予報動向も網羅され、次回の試験で出る可能性が高い雷ナウキャストや竜巻発生確度ナウキャストに関する事項も載っている。気象庁HPの天気資料も毎日読んだ。まず、地上天気図を見てどこで雨が降っているかなどを予想、レーダー合成図や衛星画像で確かめるようにした。日本気象協会とウェザーニューズ社のHPも毎日チェックした。気象協会HPは特に「日直予報士」のコメント欄が勉強になった。例えば、山のない種子島で豪雨になったことがあったが、原因について日直予報士は「屋久島で風が分流、種子島上空で収束したため」と分析、目からウロコが落ちる思いがした。こうした解析の積み重ねは、自分の引き出しの数を増やすことにつながり、試験だけでなく合格後の実際の場でも大いに役立つと思う。同様の点でウェザーニューズ社HPの「今日のポイント解説」も参考になった。

[アドバイス]
 2010年8月の試験後も、合格発表までの間、また不合格だと思っていたので勉強を続けた。新たに採り入れた手法が2つあった。1つはNHKラジオの気象通報を聞いての地上天気図作成。出来上がったらすぐ気象庁HPで同時刻の天気図と照らし合わせた。「この等圧線はこう引けばいいのか」と日々新たな発見があり、等圧線の微妙なくぼみから新たな低気圧の発生地点も予測できるようになった。これは非常にためになった。もう1つは、過去問題を改めて解く際に試験と同じ1時間15分の時間制限を設けたことだ。例えば全部で6問なら30分で前半3問、30分で後半3問を解き、残り15分で答案を見直すようにした。これに慣れれば本番でも慌てないですむと思う。

 

(7)山本 裕 さん(会社員) による体験談:

何のために?
 私は一年のうちに何か一つ、自分の仕事や生活に役立つものを自己啓発で身につけようと、毎年正月に目標を立てます。今年は「気象予報士試験に合格すること」を目標にしたのですが、その目的は自分の勤める会社の事業に新たな収益をもたらすのではないかと考えたからです。「気象予報士」というと「お天気キャスター」のイメージが強いようで誰と話しても「テレビで天気予報の解説をしたいのか?」と聞かれます。気象予報士試験に合格した人はこれまで約8,000人ですが実際に気象関連のビジネスに携わる人はそれほど多くないのではないかと思っています。気象庁のHPには気象予報業務の許可を得た事業者の一覧が掲載されていますが、気象事業を専ら行う企業はまだ少ないように見えます。この業界に参入することはそう簡単ではないだろうとは思いますが「自分の勤める会社の事業の一つとして認められる道を作りたい」というのが私の取り組みの目的でした。合格率の低い難関ですが、目的意識が明確であることが諦めずに取り組む心の拠りどころとなります。「資格を取ること」だけを目的にすると、勉強が辛くなると思います。気象予報士に求められる知識は多岐に亘りますので、単に「気象のことが好き」というだけでは「苦手分野」で壁にぶつかると思います。実はかく言う私も、小学生の頃に夏休みの自由研究のテーマでNHKラジオの気象情報を聞いて天気図を書いていたこともある「お天気マニア」でしたが、大気の運動や熱力学など高校時代に勉強したはずのことがきちんと身についておらず、とても苦労しました。そんな時にも気象予報士試験に合格して、自分の勤める会社に新規事業を提案してみたい、という思いが心の支えになりました。つまり、気象予報士試験に合格した後、何をしたいのか、という「明確な目的意識を持つ」ことが試験合格に向けた学習プロセスにはとても重要だということです。

学習手段
 学習手段については、独学、通信講座、専門学校を含む通学講座があると思います。私は継続的かつ計画的に学習できる通信講座をまず選び、追加で書籍をいくつか買い求めて読み込む方式で習得しようと考えました。通信講座については、ハレックスとユーキャンを比較しましたが、そもそも学習が必要な深さ・レベルがわからないので、HPや資料請求レベルでは甲乙がつけられず「合格者を多数輩出している」というキーワードでハレックスを選択しました。その一方で実際にどんな問題が過去に出題されているのかをイメージすることが重要とも考え、書店へ足を運び過去問題集を買い求めました。一回の試験で合格することは困難だろうと考えていたこともあり、まずは学科のみの合格を目指すため、「一般知識」「専門知識」それぞれの過去問題集を1冊ずつ買って通信講座と並行して勉強しようと計画しました。個々に学習のレベル感やウイークポイントは異なりますので、自分に合った書籍に出会うために書店に足繁く通うことをお勧めします。なお、私が試験当日までに精読した書籍の中には2、3、初歩的なものや制度・観測方法などが変わって情報が古くなっているものもありましたので一度通読したのみでやめてしまいました。次に通信講座の落とし穴についてですがよく、「期日までに課題が提出できない」といって挫折してしまう方がおられると思います。私の場合は通信講座の資料が難しすぎて答案の提出を3回ほどで投げ出してしまいました。本当に続けられるのだろうか?という悩みを持った時、書店で見つけた「気象学のキホンがよ~くわかる本」という初歩的な参考書が私には救いになりました。この本を読んでこれならいけるかも・・と自信を取り戻した経緯があります。このような挫折は独学にはつきものですが私の場合は「読む・書く」だけでは足りない、「聞く」という場に参加することで、考え方・着眼点を見つけることが必要だと考え、スクーリングに参加しました。「実技試験対策」の講座はもちろんですが「学科試験対策」についても、疑問点の整理をするには非常に役に立ちました。特にスクーリングで講師の方から聞く解説はとてもわかりやすく、本や資料を読むだけでは十分腹に落ちていなかった疑問を一気に解消できました。「読む・書く」とともに「聞く」をフル活用して、「考える」ことが知識の習得には重要だと思います。ちなみに学習の過程を丁寧にノートにまとめておられる方がよくいらっしゃいます。参考書かと見紛うほど美しい文字や彩色で整理されたノートはとてもすばらしいものですが、私はまとめる時間が惜しくて作成しませんでした。通信講座の資料には学習すべきポイントが書かれているのでさらにノートに整理し直す時間があれば、資料に直接書き込んで疑問点に吹き出しをつける、過去問で間違えた箇所にはマーカーする、などで私の場合は十分だと感じました。それから過去問はどこまでやればいいのか、という話をよく耳にしますが私の場合は学習時間と効果を見比べて、学科試験については精選された問題集2冊と、学科と実技を通しで答える練習用に購入した過去2年・4回分の問題集だけに絞って学習し、間違った箇所を繰り返し読み返すことで弱点を潰し込む方針にしました。

学習環境
 勉強したくても時間がない、というのは社会人や主婦の方の悩みだろうと思います。私の場合、解決手段として片道1時間の通勤時間を学習時間として活用し、以前より15分家を早く出て、通勤経路途中の始発駅から座って通える電車を選び、車中では専ら通信講座の資料やスクーリングの講義資料、過去問の読み込みに充てました。学科試験の本番では1問につき4分弱で回答することが求められますが、回答に付された解説の読み込みも含め10分あれば1問理解できる、と考えると1時間の通勤時間はとても有意義でした。また、休日や早朝・深夜に無理やり勉強時間を作らない、というのが私のポリシーです。眠い目をこすって夜中まで頑張ったり、奥さんや子供から白い目で見られながら本にかじり付くのでは、私の場合決して長続きしないと考えていました。家族の理解が得られることを大事にした結果、7月の3連休にスクーリングに参加することなど、試験合格に向けた頑張りを快く応援してもらうことができました。こういったことも成果につながった重要な要素だと考えています。

学科一般知識対策
 まず、一般知識についてですがここでは毎回4問前後は出題される関連法規の問題に取りこぼしがないように気象庁HPの所管法令を印刷して日々携行し、過去問題の演習と合わせて、繰り返し読み込んで理解しました。次に、私の場合には苦手な分野である、大気の熱力学など数学や物理の知識が必要な問題をどう学習するか考えました。苦手だからと投げ捨ててしまうわけにはいきませんので、言葉では覚えにくい概念を図表で理解することに努めました。混合比や露点温度、温位などはエマグラムを見ると、温度・気圧・高度の関係が一目でわかりますので「飽和した空気が断熱変化した場合に保存されるのは?」といった問いにもすぐに反応できるようになりました。また、シャルル・ボイルの公式など基礎的な公式・数式もなかなか身につかない項目の一つでしたが公式・数式そのものを覚えるよりも、数値を表現する単位を覚えることに専念してみました。密度や熱量、圧力などの単位を正確に覚えることで数式の分母・分子の関係が少しずつ理解できるようになりました。

学科専門知識対策
 専門知識については、文字通り予報や災害に関する専門的な知識が問われる分野です。この分野をきちんと押さえることが実技試験対策にもなるので、丁寧に学習しました。私の学習のキーワードは大きく2つです。一つは、用語の理解です。「夜のはじめ頃」といった時間の表現や「真夏日、真冬日」などの気温の定義、「強い雨、激しい雨」といった風や雨の強さの区分を正しく覚えるため、気象庁HPの「天気予報等で用いる用語」を繰り返し参照しました。もう一つは、気象観測技術、方法に対する理解です。気象レーダーやアメダスなどの気象観測技術が何を捉え、どんな数値が測定され、どのように生かされているのか、を理解しました。学科試験対策のスクーリングではわかりやすく解説いただけたので、頂いた資料を繰り返し読んで理解に努めました。また、学科・実技それぞれのスクーリングで講師より解説されていましたが、雷や竜巻発生確度ナウキャストなど、予報技術革新情報、法令や制度・運用の改定には目を配って理解に努める必要があると思います。過去問題をご覧になって気付いておられる方は多いと思いますが、近年は最新動向に関連した問題が必ず1問出題されています。必ず出題されるということを裏返すと新しいことをきちんと理解してほしいという出題者の意図の表れだと思います。是非、漏らさず理解されることをお勧めします。

実技対策
 実技については、私は「習うより慣れよ」ということではないかと考えています。習うことを否定しているのではなく、解答要領を正しく身につけた上で、そのやり方に慣れることが早道だということです。実技試験対策のスクーリングは、解答要領を確認する場として私にとって非常に重要でしたので、その際に体得したポイントを2点紹介します。まず一つは、天気図を読む時の段取りについてですが、色鉛筆やマーカー、定規、コンパス、トレーシングペーパーを十分に活用することがポイントになると思います。試験では、一つの設問に対して、地上・高層の天気図や予想図、解析図が何枚も添付されます。これらの図表で時系列の変化や大気の上下間の対応を比較しながら解答を導き出しますので、検討過程を整理して漏れなく解答に盛り込むために、トレーシングペーパーで天気図を重ね合わせたり、色鉛筆で前線の位置を書き込んだり、コンパスと定規で二点間の距離を測ったりする作業に慣れる必要があります。もう一つは、設問に対して要点を外さず、指定文字数で収めて解答する、ということです。問われたことに対して的を得た解答を書くのはなかなか難しいものです。実技試験対策スクーリングで実施された実力テストで私は62点しか取れず、記述レベルの低さを痛感しましたので、スクーリング後の残り1ヶ月は自力で過去問題を解いた後に模範解答と比較して、題意と解答にずれがあった箇所を暗記するイメージで何度も読み直し、適切な解答が暗唱できるようにしました。仮に全く違う種類の問題が出されても、シンプルに題意に沿った解答ができる、という自信につながりました。

結果は?
 さて、結果はどうだったかということですが、スクーリングの実力テストでは合格ラインにはまだ学習が不足しているという講師からの指摘をいただき、残り1ヶ月間、演習問題等でつまづいた箇所を復習した結果、試験当日は時間内に余すことなく答案を埋めることができました。ただ、学科1コマ60分・実技1コマ75分の試験時間には全く余裕はなく、残り5分で受験番号・名前と誤字・脱字のチェック程度でほぼ一杯いっぱいの状態でした。試験を終えて手ごたえはある程度感じていましたが、その後仕事が多忙な日々が続き、気象業務支援センターのHPに模範解答が掲載されてからも全く手つかずの状態で合否発表日を迎えました。合否発表当日に合否通知が郵送されましたが、シンプルなシークレットハガキでしたので、受け取ってぱっと見たところ不合格の通知ではないか、と思えるほとでした。中を開けたところ「合格証明書」と記載されていたので会社から帰宅したのは深夜でしたがとてもうれしくなって問題用紙と模範解答を引っ張り出して自己採点してみました。学科は一般・専門ともに合格ラインの11問正解に対して、12問の正解。実技は辛目に評価して70点~75点ほどの出来と評価しました。

これからの私
 勤務先の事業として気象関連業務を取り上げてもらえるか、ということについては現時点では全く答えがありません。私としては「まず隗より始めよ」の気持ちで試験合格を果たしましたので、精力的にアピールをしていきたいと考えています。プライベートなところでは趣味のマラソンに関連して、一緒に大会に参加する仲間が多数いますので、気象に関する情報発信をしていけるようにしたいと思います。今はまだ現役の会社員ですが、いずれリタイアした時にはボランティアでも良いので、子供たちに気象の楽しさや気象予報の重要性を語る場に立ちたい、という夢も生まれてきました。いずれにしても試験合格はこれらのスタートラインに過ぎないので、これからも自己研鑽・技術向上に取り組んでいきたいと思います。これから受験される皆様のご健闘をお祈りいたします。

 

(8)杉田 幸平 さん(地方公務員) による体験談:

はじめに
 この度、第34回気象予報士試験に合格し、晴れて気象予報士となることができました。私が気象予報士資格に初めて興味を抱いたのは大学生の時です。初めて気象学の扉を開いたきっかけは本当に「なんとなく」でした。生活に欠かせない天気予報は人に与える影響が大きく、その予報業務にあたる気象予報士に大変魅力を感じました。いつしか、自分も天気予報に挑戦してみたいと思うようになりました。合格までの失敗の連続でしたがなんとか目標を達成したことで自信になりました。本体験記がこれから受験を志す方へのほんの一助になれば幸いです。

挫折の繰り返し
 さて、資格に興味を抱きそれ以降「一般気象学(小倉義光著)」を手に取り勉強を始めました。しかし、勉強を始めてから気象学の高い壁にぶつかり、専門用語や数式が非常に多い熱力学の分野でさっそく嫌になってしまいました。(実は何度か勉強を挫折しては再開するということを繰り返した結果、熱力学、大気力学、メソスケールの分野で挫折しました)理解できないところがあると読むのが嫌になる性格でしたので、一通り読むことすら出来ませんでした。今思えば、一般気象学から入ってしまったことが失敗だったなと思います。一般気象学は、合格できた今でも高度な内容と感じる部分があります。初めは「よくわかる気象学(中島俊夫著)」や「気象学のキホンがよ~くわかる本(岩槻秀明著)」などの読みやすい本から入るのがベターだと思います。

合格までの道のり
 挫折を繰り返し、結局、大学生時代には資格取得を諦めてしまいました。しかし、社会人になってから「また気象の勉強がしたい!」と強く思うようになりました。大学のときに比べて上記のようなわかりやすい参考書が増えていたのもその追い風になったと思います。さて、久しぶりに(約5年ぶりでしょうか)気象予報士試験の勉強を再開したわけです。上記の参考書は一般気象学に比べてかなり読みやすいこともあり、2冊とも読み終えることができました。読み終えると不思議なことに気象学の基礎学力がついたような感じがしました。学科専門分野もその勢いのまま難なく勉強が進みました。学科専門は気象庁のHP(気象等の知識)と「よくわかる気象学予報技術編(中島俊夫著)」を参考にしました。余談になりますが学科一般がクリアできる知識と基礎学力があれば学科専門の勉強は難なくいけると思います。その後、学科専門の勉強と同時進行で過去問を解き始めました。初めてでも解ける問題も多く、益々勉強が楽しく感じられるようになっていました。

第33回試験~学科の克服~
 第33回は学科合格に的を絞り、対策として気象予報士過去問徹底攻略を3~5回「気象予報士試験模範解答と解説」を過去7年分解きました。解けない問題は解けるまでやったので問題によっては5回以上解いたものもありました。解けない問題もありましたが他の問題集に別の角度から書いてある解説がないか探したりしました。(それでも無理な問題は諦めたものもありました)また、問題演習の中で少しでも疑問に感じたところや自信のないところは全てノートに箇条書きでまとめ、試験1週間前にはそのノートを徹底的に見直しました。個人的には、最初からノートまとめをせず参考書を読みきってから問題を解いていく中でまとめていく方法が合っていたのだと思います。

第34回試験~高かった実技の壁~
 実技試験の勉強を本格的に始めるにあたっては独学では厳しいという合格者の声もありましたので実績の高さから貴社の実技講座を受けることにしました。なるべく早く問題を解き、2回繰り返しました。また、添削に関しては客観的に誰かに見ていただくほうがいいと思います。私は周りに受験生がいなかったので自分の解答を見てもらうことで不安払拭にもなりました。私の場合、たまたまそれが貴社講師の方々だったわけですが、貴社の講師の方々は1問1問が非常に丁寧な添削で、大変良心的だと感じました。また、貴社の演習問題は過去問よりややレベルが高いと感じましたが非常に過去問をよく分析された良問ばかりだという印象があります。特に印象に残っていることとして私は過去にもよく問われている雲画像からその特徴を記述する問題を苦手としていましたが、貴社の解説によって自分の解答の癖に気付き克服することができました。実技試験は記述問題がやや高い配点とされています。最初は自分の頭でイメージをしていることをなかなか記述することができませんでしたが「気象予報士試験キーワードで学ぶ受験対策(古川武彦著)」を使い、過去問の解答によく使われる表現や使えそうな表現を全てノートに書き出しテーマ別に整理しました。そうすることでキーワードを盛り込んだ解答を時間をかけずに書けるようになりました。

試験を終えて
 第34回試験を終えた直後は全く手ごたえを感じず、自己採点では落ちたなとも思いました。それでも結果は合格でした。最後の最後まで不安がなくなることはありませんでした(番号を見つけても通知が来るまでは疑心暗鬼でした)が、努力をすれば結果が出る試験だと思います。しかし、私自身まだまだ勉強不足であり合格したとは言っても私より知識の深い受験生の方は多くいらっしゃると思います。自分も負けないように気象予報士会等を通じて知識を深め、地域の防災や啓発などに少しでも貢献できたら幸いだと思います。最後になりますが、天気予報は最初に書いたように多くの人の生活に影響を与えるだけでなく「災害の予防」「交通安全の確保」という気象業務法の目的にもなっているように人の命にも関わる大変な業務だと思います。私も公の立場で職務にあたる者としてこれからは防災の知識も併せてしっかり勉強していきたいと思います。長文になってしまいましたが私の合格体験談を読んでいただきありがとうございました。

 

(9)H.S さん(会社員) による体験談:

 気象予報士試験を目指したきっかけは、私がまだ気象予報士試験の存在を意識していなかった頃、ある書店で何気なく手に取った気象予報士試験問題集を数問解いてみたところ、全て正解してしまい、「これならいける」と勘違いしたのが今思えば、苦難の始まりでした。この体験記を寄せられる方々の多くは、受験回数がそんなに多くない段階で合格されているようですが、私の場合、受験回数は相当あります。(回数は伏せておきますが・・)
 最初の数回は、独学で勉強をしていたのですが、学科試験(一般・専門)を含め、全く手が出ない状況でした。いろんな参考書を買いあさり、準備を進めましたが「無理だ」と判断して、最初は他社の通信講座を受講しました。なんとか学科試験には合格できるまでにはなりましたが実技試験については相変わらず「歯が立たない」状況が続いていました。気象業務支援センターの講習会や過去問題を何度も繰り返して受験するのですがどうしても実技試験の壁を打ち破ることができませんでした。
 そんな折、参考書などに記載されていた貴社の通信講座・スクーリングがとても有効だとの情報を得、藁をもつかむ思いで受講することとしました。スクーリングでは、私がこれまで学習してきた参考書には載っていないことがあったり、実習での天気図解析や、気象庁の最新の動向など、独学であまり吸収できないことが学べ、とても有意義な時間を過ごせたと思っております。通信講座やスクーリングを通じて、今まであまり実感していなかった自信がついてきたように思います。私の学習方法は、いろんな方が言っておられるように「ノートにまとめる」ことはせずに、ひたすら問題を解くという方法を貫きました。休日は、とりあえず数時間の実技問題の復習、外出時の参考書の持ち歩き、通勤時間は電車での学習というのを反復し、暗記するくらいまで学習しました。ここ3回の試験では、これまでやっていなかった解答時間を本番試験と同じに設定した解答の練習を繰り返し、過去問を徹底して勉強していました。そうしたことによって、実力がついてきたのだと思います。実際、ここ数回の本番試験では時間的に余裕があり、ゆとりを持って見直しができるようになっていました。(今回の学習方法が自分であっていたのかもしれません)

 現在、気象予報士試験を受験しようとされている方々に対しましては「学習方法はこれが良い」といったような固定概念にとらわれないで、自分に合った学習方法を見つけ出し、最後まで諦めず、「気象予報士になりたい」という強い気持ちと堅い意思で目標に向かって頑張っていただけたらと思います。

 

(10)岡村 進 さん(無職) による体験談:

1.受験の動機
 日常の生活の中で天気予報は欠かせない存在であるが、予報は何故当たるのだろう、そして時に何故外れるのだろう、予報はどのように作られるのだろうと気になっていた事が思えばこの資格を目指した動機だったのかも知れません。それまで全く気象には関わりがありませんでしたが、定年退職後に勉強を始めて2年、3回目の試験で合格することができました。勉強にあてられる自由な時間があったとはいえ、年齢とか、記憶力の衰えを考えると、よく短時間で合格できたなと思います。

2.勉強開始
 気象予報士試験を受けることを決めてから、まずは学科試験への対応のために週2日ほど市立図書館の学習室に通い勉強を始めました。(これは合格するまで2年間続きました)手始めに図書館の気象に関する本を数冊借りて通読しながら、インターネットで情報を集め、「一般気象学」が基本であると知り、早速購入しました。地球大気の成り立ちから論ずる気象学は奥が深いと感じましたが、この辺りは以前勉強したeco検定の内容と共通するところがあり、比較的入りやすかったのかもしれません。「一般気象学」は一読しただけでは到底理解できず、その後何度も読み返すことになります。基礎知識を学びながら、学科試験用のテキストを購入して、試験対策を始めました。最初はざっと目を通し、2度目からはテーマ毎に大学ノート見開き2ページまたは4ページに要点を書き入れ、自分なりにまとめた参考書を作りました。これは書くことで覚えると同時に、試験直前の復習に大いに役立ちました。
 勉強がある程度進んだところで、テキストとセットの問題集を購入して過去問題を解く練習を始めました。この問題集も4~5回繰り返して練習しました。回を重ねるごとに正答率が高くなり進歩が実感できましたが、何度やっても間違える問題もあり、これが自分の弱点であると自覚できました。勉強を始めて約1年で、第32回試験を東京で受験しました。怖いもの知らずで受けた1回目、テキストに載っていない用語が出たりして慌てましたが、なんとか学科2科目とも合格することができました。(その後、書店で立ち読みした参考書には、その用語が載っていました。早く見ておけば余裕ができたのに・・)合格できたのは、何度もテキストと問題集を見直した成果だと思います。実技はあまり勉強する時間がなく、「最新天気予報の技術」の例題を一通り見た程度だったので、あわよくばという考えでしたが当然それほど甘くなく、解答用紙を全て埋めることが出来ない状態でした。

3.実技試験の対応
 1回目の試験は、とにかく学科に合格しようという目的であり、達成できたので、その後は実技に集中できました。この段階では、まだ独学でしたので「実技演習問題」と「合格の法則 実技編」を入手して勉強を始めました。「合格の法則」は項目ごとに簡潔にまとめてあり、またデバイダーを使った移動速度の求め方など実践的な説明があり、非常に勉強になりました。ここでも、学科と同じようにテーマ毎に要点を抜き出して、自分なりにノートにまとめていきました。このノートは次の試験で会場に向かう新幹線の中で読み返して、直前の復習に役立ちました。この頃から、インターネットで入手できる地上天気図・高層天気図・衛星画像を毎日プリントし、気象の資料を読むことに慣れるための作業を始めました。ただ、プリントすると紙が膨大な量になってしまうので、途中からパソコン内にデータを保存するようにし、合格まで続けました。実技試験では、「○○について○字程度で述べよ」という問題が数多く出題されます。キーワードを含めて簡潔にまとめればよいのですが、慣れていないと難しい技術です。また、字数をいちいち数えるのも面倒です。そこで、実際の試験と同じ様に15マスの解答用紙をパソコンで作り、演習問題に使用しました。答えを書く前にまず指定字数のところに 』で印してから書き始めます。始めのうちは字数が足りなかったり、大幅に超過したりと惨たんたるものでしたが、常にこれで練習していると不思議なもので段々と文字数が合ってきます。ぴったり合った時は気分が良いものです。また、文章解では、気象独特の表現に慣れるために模範解答例を読み、真似して書くことを繰り返して行ったり、そうこうしているうちに2回目の試験になりました。それなりに実力はついてきたとは思いますが、まだ合格できる自信もないので今回も腕試しという位置づけでの受験です。結果は不合格でしたが、解答用紙を全て埋めることができ、1回目より進歩していると実感できました。過去2回の試験を振り返ってみると、試験の内容は決して難しい高度な事柄を問われているのではない、基本的なことをしっかり理解していれば解ける問題であると改めて感じました。ただし、試験問題は、短時間で大量の資料を使うので、とにかく時間が足りない。そこで焦ってしまい、通常ならできる問題を落としてしまう。時間をかけて冷静に考えれば解るのに。とにかく解析を短時間で行い、すぐに結論が出せるスキルが必要だというのが結論です。

4.3回目に向かって
 実技は学科の延長であるという見解がいくつかの参考書に書かれており、自分自身も納得できるところがあり、「一般気象学」とテキストをもう一度読み直して学科の復習からスタートです。ところで勉強を始めた頃は、独学で進もうと考えていましたが、2回目の受験の頃から、今度合格できなかったら外部の講座を受講しようと考えるようになりました。独学で合格するのが決して無理とは思いませんが、このまま続けてもまだまだ時間がかかりそうである。また、自分の答えを客観的に評価してもらえると、短所がわかり、成長が早いであろうという考えになり、ハレックスの通信講座を申込みました。講座の内容は、天気記号の読み方からで、基本中の基本からです。2週間に1課題を解くという過程を12回繰り返します。ハレックスの課題は本番の問題より難しいという評判でしたが確かにその通りで、どう考えても答えが出てこない問題があります。答案を空欄で提出するのも悔しいので、いろいろなテキストを参照しながら2~3日考え続け、なんとか答えを書いたが、結果的に的外れな答えになってしまったことがあります。今思えば冷や汗もので、このような答案を添削して下さった講師の皆様には感謝の念が絶えませんが、考え抜いて自分なりに答えを出したことで知識が身に付いていったと思います。

5.3回目の試験に臨む
 3回目の試験に臨むにあたり、いくつかの心得を考えました。過去の試験の反省として
 ・試験中は焦る気持ちから頭の働きが正常ではない。周りの事も時間の経過も気にならないほど集中しているが、その分、視野が狭くなり通常なら簡単にわかる事に気付かないことがある。とにかく落ち着いて広い視野で考えることが大事。
 ・指定された図を丁寧に読み取り、当たり前のことを素直に解答することに徹する。(時には、こんな簡単な答えでいいのかと不安になり、余計なことを書きたくなるが・・)
 その他実務的には
 ・トレーシングペーパーを有効に使う。(特に時系列の問には)
 ・計算結果に符合を忘れるな!有効数字に注意する。
 ・マーカーや色鉛筆は1~2本でよい。(ゆっくり色塗りしている時間はない)
 ・消しゴムは2~3個用意する。(机から落ちて遠くにいってしまったら大変)
 ・後の問題文にヒントがある。
 また、過去2回の実技試験の経験から、いきなり試験に臨むと1問目はなかなかエンジンがかからず、スローペースになってしまったので、昼休みを有効に使うことにしました。過去問題の文章解答例を自作の解答用紙に筆写したものを10枚ほど用意し、試験開始1時間前に会場に着いたら軽く昼食を済ませた後、ひたすら解答例を読んで開始を待ちました。これにより気持ちを試験モードに入れることが出来て、最初からペースを上げることができたと思います。試験中の75分間は最近、他では経験したことがないほど集中することができ、試験官の経過時間のお知らせにも気付かないほであり、試験後は心地よい疲労感に浸ることができました。

6.試験を終えて
 気象業務支援センターの解答例を確認したところ、やはり冷静に判断すればすぐに正解できたはずの明らかな勘違いがあり、今回もだめかなと諦めかけました。次回は免除がなくなるので、学科の過去問題の復習を再開して、結果発表を待ちました。結果発表日、外出先に家人から合格したとの連絡があった時は最初は信じられない思いでしたが、その後じわじわと喜びが湧いてきて、心が落ち着かなくなったのを覚えています。今回は合格基準が下がったので合格できたのかなとも考えられますが、気象予報士登録通知書を手にした今、これまで努力してきたことが実を結んだのだと実感でき、感慨無量です。残念ながら、今後気象関係の仕事に就くことはないと思いますが、いつまでも気象に関心を持ち続けていきたいと思います。

7.最後に
 このたび、私が合格できましたのは、貴社の通信講座に負うところが大であり、ここに改めまして稚拙な答案を丁寧に添削して下さった講師の皆様及びスタッフの皆様に厚く御礼申し上げます。

 

(11)田中 専匠 さん(高校生) による体験談:

<受験動機>
 小学校の卒業文集に、将来の夢は気象予報士と書いた5年度、僕は気象予報士になった。気象予報士試験の勉強を始める前から、気象の本は趣味程度にわずかながら読んでおり、いつかは気象予報士試験を受けようと思っていた。そんな中、僕が委員長を務めた体育祭は、天気が雨の見込みであったために前日に中止が決定した。しかし、次の日は予報が一変して快晴。この時ほど悔しいことはなかったし、天気予報の重大さを改めて感じ、2009年11月、受験を決意した。

<合格までの道のり>
 実は、同じ高校で気象予報士を目指している友達がいて、その友達が別の通信講座をとっていたので、その教材を借りて12月上旬から学科試験2科目の勉強を始めた。試験は1月下旬、本を軽く読んでいたとはいえ、試験内容に関連するものではなかったので、ほぼゼロからのスタート。しかし、大学受験の事も考えると、試験までの1ヶ月半で学科2科目に受からないと厳しい。ということで、冬休みは部活以外の時間のほとんどをその勉強に回し、1日約10時間の勉強時間を確保した。冬休みが明けても放課後は部活とその勉強に集中し、ギリギリ全範囲を勉強し終えて試験に臨んだ。自己採点の結果はどちらも合格。それでは、実技の勉強をどうやっていこうかと悩んでいた所、ある本でハレックスの通信講座と直前スクーリングが良いと書いてあり、HPで見ても良さそうであった。また、他と比べて安いこともあり、結果通知が届いた日に早速、申込んだ。そして、5ヶ月ほど通信講座とスクーリングの勉強を続け、無事実技試験にも合格した。合格基準点は64点であったが、自己採点では75点ほどと、余裕を持って合格することができた。

<勉強法>
 学科試験は、始めの1ヶ月で約300頁分のテキストを4冊のノートにまとめ、赤シートなどを使って電車内等で暗記した。図表は、テキストをコピーしてノートに貼った。その後はタイロスのCD-ROMの過去問をひたすら解き、間違えた所や問題傾向を1冊のノートにまとめた。最後の5日で、以上5冊のまとめノートから定着していない部分を抽出し、10頁ほどにまとめるという作業をした。また、法規については、ネットで気象業務法をダウンロードしてwordに貼り付け、問われそうな部分の字をオレンジ色に設定し印刷することで、赤シートで気軽に暗記できるようにした。実技試験に関しては、テキストを1冊のノートにまとめて、添削問題を試験3ヶ月前から解いた。返却されたら左頁に問題や図表を、右頁にその解説を自分なりに書いたノートを計4冊作った。スクーリングのテキストも同様にして1冊にまとめた。1ヶ月前からは過去問をやって手応えををつかみつつ、これも同様に4冊にまとめた。以上9冊は、全てA4サイズのノートを使用した。そして1週間前から、学科の時と同様に最重要部分を抽出して1冊にまとめた。2日前には、本番の開始時間や休憩時間を真似て、つまり本番を想定して過去問を解いたりもした。

<最後に>
 ハレックスには本当にお世話になった。何と言っても、直前スクーリングに参加しなかったら8ヶ月で合格することなど出来なかったであろう。スクーリングでは、講義は非常に解り易く、断片的だった知識をまとめることが出来た。さらに、講義内容で解らなかったことだけでなく、通信講座の内容の質問や勉強法についても丁寧に答えてくださった。本当にありがとうございました。今後は、気象予報士会に入って気象に関する知識をどんどん増やしていきたいし、地球温暖化の現状を伝えるボランティア講演なども積極的にやっていきたい。

 

(12)片山 文彦 さん(医師) による体験談:

 私は小児科と内科の開業医をしてきていますが、50歳を過ぎて仕事に余裕がでてきたころの数年前の年末の休みに、たまたまテレビで気象予報士という資格の方が天気予報をやっているのをみて、結構むずかしいともきいていたので、負けず嫌いの性格もあって、よし、この資格をとろうと、ひらめいたのがきっかけです。受験の動機は他の方も様々でしょうが、私の場合は、単純にこれだけでした。早速、本屋さんで読みやすそうな参考書を何冊か買ってきましたが買った安心感からいつかは始めようとは思いつつ、勉強はほとんどしないまま二年余り過ぎていきました。
 平成21年3月頃、買った本がもったいないと感じて突然勉強を始めました。このときは何冊か本を読めばいいかなと甘く考えていました。全くの独学で相談する人もなく、まず何をどう勉強したらよいかわかりませんでしたが、基本を身につけるのが大切と考え、入門書的なものとしてまず読み始めたのが
 ①「気象予報士試験 徹底攻略テキスト」で、このあと、知識の整理をするため
 ②「気象予報士学科試験 徹底攻略問題集」を解くことをし、この2冊を理解、暗記することで基礎知識をつけるようにしました。また、いろいろな地名が出てくるので
 ③「高校生用の地図帳」を参考としました。さらに
 ④「最近の過去問(約3年分/6回分)」を解き、何をどう勉強していけばよいのか、自分なりに感覚をつけていきました。また、知識を広げるため
 ⑤「天気図と気象の本」⑥「気象・天気のしくみがわかる事典」⑦「一般気象学(第2版)」⑧「図解 気象の基礎知識」を平行して読みました。⑤と⑥は平易で読み易く、気象の常識的な知識をつけるのには大変役立ちました。⑦と⑧は難しいところが多く、理解は半分程度でした。7月初めまではこれだけでしたが、過去問を解いてみてまず学科、特に専門知識が15問中10問解けるかどうかのレベルとわかり、
 ⑨「気象予報士試験 速習テキスト 学科編」⑩「気象予報士試験 速習テキスト 実技編」を①と②の繰り返しとともに、必死に勉強し、記憶すべきことは記憶することを徹底しました。⑨と⑩は基礎レベルの知識の整理にはよいものでした。8月のお盆休みには1日12時間ぐらい、土日も仕事以外はすべて勉強時間としました。また、法令関係も比重が大きいので重点的に取り組みました。この詰めこみで勉強で、過去問の正解率がやや上がり、実技試験も少し解けるという自信がつき、初めての本番(第32回試験)に臨みました。手ごたえは学科は十分にあり、自己採点で一般は12/15、専門は11/15で、結果的にともに合格しました。が、実技の壁は厚く感覚としては5割に届くかというところで当然、不合格でした。
 10月初めに発表になった学科合格、実技不合格との結果を踏まえ、次回(第33回)の1月末までの4ヶ月弱、合格のためにどうするか、いったん考えました。実はこの平成21年10月からは新型インフルエンザの大流行の時期で、本業の診療が極めて多忙で毎日仕事が終わると疲労が強く、勉強どころではない状況でした。1月の試験は受けないということも考えましたが、せっかくの学科免除を活かそうと決め、やることにしました。通信教育や講習会は仕事の関係で困難で、また独学でしかなかったのですが、実技不合格の原因は、なんと言っても経験不足でした。地上天気図、高層天気図、衛星画像、レーダーアメダスなど、実技試験に出てくる図表を解釈を出来るようにする必要があり、勉強のベースは⑩を繰り返してやることとしました。また、できるだけこれらの実際の図表をみるようにするため、買い替えの時期のあったパソコンを新たに購入し、
 ⑪「気象庁のホームページ」を毎日見ていろいろな図表に慣れるようにしました。⑪は実に重宝で、図表だけでなく、ほぼあらゆる事項の解説が掲載されているので、疑問点があればここで調べました。他のテキストでは、
 ⑫「天気予報のつくりかた」を読み、少しは図表の解釈の仕方がわかりました。もちろん、基礎知識の復習のため、①、⑤、⑥もよく参考にしました。
 ⑬「気象予報のための天気図のみかた」⑭「気象衛星画像の見方と使い方」⑮「気象レーダーのみかた」は、天気図や図表の解釈でわからないところがあれば調べる事典的なものとして使用しました。さらに、過去問も当然できる限りやりましたが本番練習用に回答用紙をコピーして書き込むようにしました。時間がかなり限られてはいましたが、日曜日や年末年始の休みは再び1日12時間、勉強でつめこみました。子供もたまたま受験だったので一緒に勉強した感じでした。こうして、自分なりにかなり勉強はしたつもりで、平成22年1月末の2回目の本番(第33回)になりました。合格基準は70%程度ということもあり、手ごたえとしては、前回よりかなりあり、間違えたところもあるが結構できたと試験直後は感じました。が、3月初めの結果発表で不合格。発表後、自己採点してみましたが60~70%ぐらいで微妙なところでした。ここで、学科免除の最終回となる次回(第34回)に向けて対策を練りました。これまでかなりのテキストを買い込み独学でやってきたのですが、実技試験の壁を越えるには独学では無理と断念しました。また、合格基準が70%程度とはいえ、70点を目指してでは駄目、記述では点数がよみにくい、かつ本番での計算ミス、思い違いなど、無くすべきだがなかなか無くならないチョンボのことを考え、100点を目指して勉強すべきだと思い直し、
 ⑯「ハレックスの通信講座(実技講座)」をすぐ始めることにしました。これを選んだのは内容が良さそうだし、他に知らなかったからでもありました。12回の添削問題を復習を含め徹底的に理解し、暗記すべきことは、以前使ったテキストも含め、暗記に努め、一通りを約3ヶ月で終わらせました。また、時々過去問も解き、さらに
 ⑰「新聞朝刊の天気予報」の切り抜きを毎日やり、天気図に慣れるようにし、
 ⑱「NHKラジオの気象通報」を週に2~3回聞いて、自分で天気図を作成し、とにかく天気図が肌で感じられるようにしました。勉強時間は毎朝5時半頃起きて1時間程度の朝勉と、夜の仕事後の1~2時間でした。7月に入り、添削問題の再復習と過去問、疑問点は⑨、⑩を読み返しました。自分でも驚いたのは添削問題を重ねるうちに何となくしっかしとした記述解答が出来るようになったことでした。さらに、7月後半には
 ⑲「ハレックスの実技試験対策スクーリング」を受講しました。3日間がっちり勉強させてもらい、実力アップにはかなり役立ち、特に講師の先生へいろいろな質問ができるようにしておくと⑲は合格へ導いてくれると思いました。この講習後は、自分の理解力の向上を実感できました。また、スクーリング最終日の実力テストは、・時間が限られている本番ではある程度のスピードで解かなくてはならない、・本番では見たことのない図表が必ず出てくるので理論的に解答を導きだせるようなトレーニングが必要、・記述は国語の問題と言うより基礎の理論の理解が重要、・ケアレスミスにやはり注意が必要、・何より試験ではあがってしまうことがあり、落ち着くことが必要、ということを再確認でき、結果的に本番で限りなく助かりました。
 スクーリング後の一ヶ月余りは、仕事が比較的ひまだったのでとにかく必死で勉強しました。お盆休み4日間は一歩も外へ出ず、自宅にこもって勉強をしました。⑯の添削問題、⑲のスクーリングテキストの復習と、過去問4年分(計8回分)を時間がある限り繰り返しました。絶対に合格した、との手ごたえではなかったので発表までの一ヶ月間は落ち着きませんでしたが、合格通知がきて、年甲斐もなく飛び上がって喜んでしまいました。その後、数ヶ月経っても喜びをかみしめているところですが、今後はこの資格と本業の医療をどう結び付けていこうか、のんびり考えます。

 

(13)和田 直人 さん(会社員) による体験談:

 実技試験の勉強をするにあたっての最大の問題は、自分の解答で何点ぐらいとれているのかが分からないということに尽きると思います。学科は択一式ということで、合っているか間違っているかが完璧に判断できますので、勉強する過程で自分のレベルがハッキリとわかります。しかし、実技はそうはいきません。一字一句模範解答とあう確率は、宝くじの1等当選よりも少ないのではないでしょうか?私は、以上の問題を解決するために、ハレックスの実技の通信講座を受講しました。北海道在住で、容易に東京で行われる講習等参加できないという地理的な不利を克服する最良の方法と考えたからです。料金設定から、内容的にはもっと簡素なものかと思っていましたが嬉しい誤算がありました。
 ①まず、教材が非常に優れていたこと。教材はおまけ程度にしか期待していなかったのですが、内容的によくまとまっており、特にオメガ方程式の記述には目からウロコが落ちました。
 ②次に、速やかに返送されること。おそらく1ヶ月程度はかかるだろうと思っていたのですが、2週間足らずで返送されました。これは、試験の直前(3ヶ月前)に受講を申し込んだ私としては非常に助かり、次回の試験で「勝負」をかけるつもりだった私が1回前に合格することができました。
 ③最後に、添削の内容が予想以上に凝った内容だったこと。返送される期間を考慮すると、まさに驚異的な内容の添削が返ってきました。これで自分の弱点と達成できている部分をほぼ正確に把握することができましたので自信をもって試験に臨むことができました。
 私が受講した実技講座は全12回で5万円強です。通信講座にしては安い方でしょう。しかし、この額だけ聞くと社会人でもちょっと躊躇してしまうかもしれません。しかし、内容的にはバーゲンプライスといえます。12回のうち、自分の達成度に合わせ、どこからやってもOKというシステムも、勉強時間がなかなか取れない私にとっては大いに評価できるポイントでした。学科はパスしたけど、どうしても実技が・・と悩んでいる方には、絶対的にお勧めできる講座です。

 

(14)N.S さん(会社員) による体験談:

 初回(2009年度第1回)は、一発合格を期待してはいましたが、「あわよくば」程度でしたので、実技不合格の通知を受けてもそれほど気落ちすることもなく、「まぁ学科が合格だからよしとする。次は、実技に専念できるし。」と考え、これまで通り、参考書、問題集を使った自力学習を続けました。
 2回目に実技不合格になったときには、これまでと同じやり方では同じ結果になると悟り、御社の通信教育を利用することを決意しました。参考書、問題集に追加するとしたら通信教育がベストと考え、何社かを比較しましたが、実績・知名度・安定感の点で迷うことなく御社を選びました。平日はほとんど時間がとれませんので、週末に12回分の回答と添削結果復習を12週間かけて行う予定を立てました。着実にこなせば、4月に始めても7月までには終わらせることができるはずで、実際、用事で手が回らないときもありましたが、逆に一度に複数回をこなしたりもして、予定通りに進ませることができました。試験の直前には、土日をあわせて12日間の夏休みをとり、すべて勉強にあてました。ほとんど一歩も外に出ず、ひたすら通信教育の問題全12回分を各3回ずつ、それと過去問を復習しました。返却された答案のコメントは毎回決まって「基礎知識はあるが実践に難がある」でしたし、点数も思ったほど伸びず、これで合格できるのだろうかと不安を感じることもありましたが、とにかく回数で補おうと考え、脇目もふらずに「愚直に」復習を続けました。文字通り汗だくになりながら勉強した2010年の暑い夏のことは、一生忘れないと思います。
 試験を終えたときには、あまりいい感触は持っていませんでした。空欄のまま出したところもあったりして、答え合わせをする気にもなれませんでした。が、できるだけのことはやったという充実感だけはあり、「これ以上やれることはないので、これで落ちたらもう受けない」と開き直っていました。それでも結果として合格通知を手にすることができ、やはりホッとしました。これも必要にして十分な内容が盛り込まれた教材、的確で丁寧なコメントと質問への御回答のおかげと改めて感謝する次第です。さすがに教材と同じ問題は出ませんでしたが、繰り返し学ぶうちに実践力が養成されたのだと思います。勉強の仕方で他の方の参考になることがあるとしたら、あらゆることをノートに書きとめるというやり方でしょうか。参考書でも問題集でも、重要と思ったこと、苦手と感じたことは、アンダーラインを引くだけでなく、1冊のノートに(図や表であっても)書きとめ、それを常に持ち歩き、電車の中でも歩きながらでも、気になったらその度に取り出して確かめました。コピーをとって貼り付けるのではなく、自分の手で書き写すという、少々古いやり方が頭だけでなく手まで使って覚えるという点で効果があったと考えています。
 教訓としては、第1章『実技試験の概要と勉強の仕方』の最後に記載されている「問題と喧嘩をしない」ことが最も重要と思いました。(これは『気象予報士試験速習テキスト実技編』の合格体験記にも、他の本の引用として記載されていました。)これのアレンジになりますが「自分がわかっていることは、わかっているということが採点者に伝わるように回答する。わかっていないことは、わかっていないということを採点者に悟られないように答えを書く」ことを心がけました。

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