2014/11/07

紅葉の発生メカニズム

カレンダーがまた1枚めくれて、11月になりました。あと2枚と薄くなったカレンダーに今年もあと僅かになったことを感じます。時間が経過するのって早いですね。焦るなぁ~(^^;

つい最近まで日中の最高気温が25℃以上の夏日が続いていたと言うのに、さすがに11月に入るとそういう日もなくなり、めっきり秋めいてきました。

「天高く馬肥ゆる秋」という言葉がありますが、秋になるとつい最近までの夏の暑さから一変してめっきり涼しくなってきて、食欲も旺盛になるし、空を見上げればなんといっても雲の位置が高くなっていることに気づきます。


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夏の雲の代表といえば、積雲や積乱雲(入道雲)ですが、積雲というのはだいたい高度が2千メートルくらいのところにできる雲(下層雲)です。積乱雲(入道雲)はその積雲がモクモクと上空に立ち上がった雲のことで、てっぺんのあたりは高度が1万メートル以上にまで達します。このように夏は湿度が高いので低い位置に雲ができやすく、これが夕方には雨雲になって夕立を降らせたりします。夏に多い雨雲は乱層雲と呼ばれる雲で、これもやはり高度2千メートルくらいのところにできる低い雲です。

ところがこれが秋になると空気が乾燥してきて、雲のできる位置がぐっと高くなります。秋の雲といえば、巻雲、巻積雲などが代表ですが、こちらは高度が1万3千メートルくらいという非常に高いところでできる雲(上層雲)です。ジェット旅客機の巡航高度が高度1万メートルくらいですので、秋の雲はそれよりもさらに高いところにできるというわけです。

秋の雲の代表である巻雲は、雲の仲間の中でも一番高いところにできる雲で、“すじ雲”とも呼ばれます。ハケで掃いたみたいなスジになっている雲です。また夕焼け雲になるのが巻積雲です。巻層雲は見え方によって、“うろこ雲”“いわし雲”“さば雲”などと呼ばれます。“うろこ雲”は、空一面に巻積雲がひろがって、まるで空全体が魚のウロコみたいになった雲です。“いわし雲”は、よく水族館などの水槽内でイワシの大群がまるで巨大なモニュメントみたいに見えたりしますが、あのような感じで空に見える雲。“さば雲”は、まるでサバの背中のように巻積雲が波打っている形をした雲のことです。巻層雲はできる位置が高いので、それだけ日没後も長く夕陽を浴び続けます。これが秋の美しい夕焼け雲になります。


雲の種類

このように日本は四季折々、それぞれ特徴のある美しい風景が楽しめる自然豊かな国です。特に秋。広葉樹の多い日本では、美しく色づく紅葉を見ることも秋の楽しみの一つです。

先日、日本災害情報学会に参加するため新潟県の長岡市に出張してきたのですが、既に新潟県中越地方の山々の標高の高いところでは既に紅葉が始まっていました。その紅葉もこれから今月末にかけて徐々に南下、そして里のほうに下りて来て、見事な彩りで私達の目を楽しませてくれることでしょう。

“紅葉”、すなわち、木々の葉の色が緑色から黄色や赤色に変化するのはどうしてかご存知ですか?

紅葉が発生するメカニズムは以下の通りです。

植物の葉の色は、主に緑色のクロロフィル(葉緑素)、黄色のカロチノイド、赤色のアントシアニンの3つの成分からなっています。

光合成が盛んな春から夏にかけては、葉の表面はほとんどがクロロフィルで占められていて、葉は緑色をしています。秋になって気温が下がってくると、葉と枝の間に離層と呼ばれるコルク状の物質が出来るようになり、光合成で葉の中に作られていた糖分が、幹や根に移動せず葉の中に溜まっていきます。

こうなると、緑色のクロロフィルが徐々に破壊されていき、夏の間はクロロフィルの影に隠れて潜んでいた赤色のアントシアニンや黄色のカロチノイドが表面に見えてくるようになり、葉が色づきはじめるのです。

紅葉が始まるのは日平均気温が12℃~10℃、または明け方の最低気温が8℃以下になる頃です。8℃以下といえば、私達人間にとっては部屋で暖房が欲しくなるくらいの寒さの頃です。私達にとっても、木々にとっても冬支度をはじめる目安の気温ってことですね。

そして、紅葉が見頃となる所では、朝晩は5℃前後の冷え込みになります。このようにして、紅葉は高い山から麓へ標高差500メートルを10日ほどかけて南下してきます。

また、美しく紅葉する主な気象条件は、次の3つです。


①夏は高温、秋は一気に冷え込む
②夏から秋にかけて穏やかに晴れて、日照時間が長い(適度な雨は必要)
③朝晩は冷え込み、日中との寒暖の差が大きい!

これらの条件が揃うと、紅葉のメカニズムが強引に促進されわけです。冷え込みが弱かったり、日照時間が短い(日射が少ない)と紅葉はうまい具合に進みません。もちろん大雨や台風は大敵です! 台風による風雨で葉や枝が傷ついたり、木が痛んだりしたら、紅葉の色付きは著しく悪くなります。

このように紅葉は気象条件に大きく左右されるため、気象情報会社にとっては紅葉情報も大事な大事なサービス品目の1つとなっています。弊社ハレックスも10月に入ってからNHKグローバルメディア様のケータイサイト『NHKニュース&スポーツ』をはじめ、お客様への提供を開始しています(北海道の紅葉情報に関しては既に9月から開始しています)。

“紅葉前線”という言葉があります。これは、各地のモミジなどが日本列島の北から南へと色づいていく様子を天気図の“前線”にたとえた言い方です。まぁ、“桜前線”と同じようなものですが、紅葉は桜のように一斉に咲いてパッと散るというわけではないので、楽しめる時期が長くて嬉しいですね。

紅葉前線の動き方は年によって微妙に違いますが、平均して10月初旬に北海道の大雪山周辺から出発し、徐々に南下して12月初旬に鹿児島市に到着します。(沖縄は冬でも最低気温が10℃を下回らない日が多いため、紅葉は見られません。)

なお、気象庁さんの定義では、各地方の気象台エリアに標準木を定め、その木の葉の約8割が紅葉した最初の日を「紅葉日」、約8割が散った日を「落葉日」としています。

で、気になる今年の紅葉の見頃の時期ですが、関東地方を例にすると、例年と比べ5日以上早い「やや早い」見込みです。「紅葉の見頃」とは、紅葉樹や黄葉樹が全体に紅(黄)葉した頃とされており、これは9月の平均気温から予想します。今年は、9月の気温が例年に比べると低かったこともあり、「紅葉の見頃」は例年と比べ5日以上早い「やや早い」という予想になっています。

ところが、気象庁地球環境・海洋部さんが先月の末に出した向こう1ヶ月(10月25日~11月24日)間の天気の予報によると、次のような気になることもおっしゃっておられます。

「北日本から西日本にかけては、暖かい空気におおわれるため、期間の前半を中心に気温が高く、かなり高くなるところもあるでしょう。東・西日本では向こう1ヶ月の気温も高い見込みです。東・西日本の日本海側では、寒気の影響が弱く、日照時間は平年並か多いでしょう。降水量は平年並か少ないでしょう。」

ん!? 11月は気温が高めだと!?(^^; おやおや、そうなると紅葉にどのように影響がでるのでしょうね。

前述の「美しく紅葉する主な気象条件」のうち、「②夏から秋にかけて穏やかに晴れて、日照時間が長い」は十分に満足しそうですが、問題は気温。「①夏は高温、秋は一気に冷え込む」という条件は微妙なところです。まぁ、気温は日中は例年より高めでもいいのですが、「③朝晩が冷え込み、日中との寒暖の差が大きい」ければいいだけのことです。

このところの朝晩の気温は低めで、日中との寒暖の差が大きいので、こりゃあ期待していいのかもしれません。もしかしたら、今年は上記の紅葉が美しくなる主な気象条件から、例年以上に美しい紅葉が楽しめるかもしれません(^^)d

ただ、紅葉のシーズンである11月に入ると、昼間は気温は高めでも、夜に入ると一気に気温が下がることがあり、1日の寒暖差が非常に大きくなります。また、山は天気も変わりやすいので、紅葉狩りには天気予報をこまめにチェックし、念のため雨具を持って、暖かい服装でお出掛けください。

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上記の写真は昨年(2013年)12月1日に埼玉県新座市にある平林寺で撮影したものです。わざわざ遠くまで出掛けなくても見事な紅葉が楽しめるスポットが首都圏にもいっぱいあります。


【追記】
この朝晩と日中との寒暖の差で風邪をひき、体調を崩している人が、私の周囲でも続出しています。季節の変わり目は体調を崩しやすいので、皆さん、体調管理にはくれぐれもご注意くださいね(^^)d

妻も娘も極端な寒がりですので、我が家は既に炬燵(コタツ)を出しました。「まだ11月の上旬だろう。早すぎないか?」…と呆れたように言いながら私も脚を突っ込んだのですが、あまりに気持ちよすぎて、今では私も愛用しています(^^;

夜、駅前のコンビニで肉マンを買って、帰り道にそのアツアツの肉マンを頬張りながら帰る…そんなことが楽しみに思える季節になってきました(^.^)

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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越智正昭

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