2015/07/27

熱中症は立派な自然災害です(^^)d

全国的に梅雨が明けて、夏本番真っ盛りです。ここ数日、暑い日が続いていますが、皆さん、お元気に過ごされていますか?

暑い夏と言えば、必ず話題にのぼるのが『熱中症』です(^^)d

7月22日の新聞各紙の報道によりますと、総務省消防庁は22日、7月13日~19日の1週間に、全国の6,165人が熱中症の症状で救急搬送され、うち14人が搬送時に死亡したとの速報値を発表したのだそうです。前週の3,190人からほぼ倍増。各地で猛暑日となった週の前半に搬送者が集中したようです。また、5月19日からの搬送者は計1万4,401人で、昨年同期間の計1万2,347人を上回っているそうです。

7月13日~19日の内訳を都道府県別で見ると、埼玉が605人で最も多く、東京の578人、大阪の340人と続き、死亡は埼玉が6人、岩手が3人、福島、栃木、群馬、東京、兵庫が各1人。13日に気温が上昇したところが多く、消防庁は「急激な変化に体が順応できなかったのではないか」と分析しているそうです。

近畿や関東甲信などで梅雨が明け、今後も暑い日が続くとみられるため、消防庁は小まめな水分補給や適度の休憩といった熱中症予防策を呼び掛けています。集計によると、3週間以上の入院が必要な重症者は178人、短期の入院が必要な中等症は2,200人だった。65歳以上の高齢者が54%を占めているそうです。

私が改めて申し上げることもないと思いますが、『熱中症』とは、高温多湿の条件下での運動や作業により体内の水分や塩分のバランスを崩し、体温の調節機能に異常をきたすことにより身体の中に熱が溜まり起きる症状の総称のことです。『熱中症』にかかると体温の上昇とそれに伴う目眩(めまい)、痙攣(けいれん)、嘔吐(おうと)、頭痛、意識障害などの症状が表れます。

この『熱中症』、台風や梅雨時期の大雨、大雪といった自然災害と比べて見た目の派手さはまったくありませんが、死者の数から言うと、毎年、そうした見た目が派手な自然災害以上のものがあり、立派な自然災害と言うことができます。しかも、地球温暖化が進み、近年、マスコミでも毎年のように問題が取り上げられるようになってきました。

日本で夏の平均気温が1℃上下すると、熱中症で死亡する人の割合が40~60%も増減することを、気象庁気象研究所の藤部文昭研究室長が過去のデータの解析により解明し、気象学会で発表した論文を読んだことがあります。統計が始まった1909年からの熱中症による年間死者数と、明治時代から気候監視に使われてきた国内14地点の7月と8月の平均気温のデータを統計的手法で分析したのだそうです。それによると、熱中症による死者数は戦前はずっと100人~400人台で推移し、戦後は1947年の440人からしばらく減少傾向にありました。ところが記録的猛暑で前年比18倍強の586人に激増した1994年を境に急増に転じ、夏の平均気温が平年値より約1.5℃高かった2010には過去最悪の死者1,731人に達しました。この間、夏の気温は過去100年間で約0.8℃上昇しています。

実際、近年、真夏日や熱帯夜となる日数が増えています。気象庁によると、長期間の統計があり都市化の影響を受けにくい全国13地点の平均で、1日の最高気温が30℃以上となる真夏日の日数は、1931年~1940年は年36.6日だったのが、2004年~2013年までの10年では44.1日に増えています。2007年に新設された1日の最高気温が35℃以上となる猛暑日は、1930年代はほとんどなかったのが、近年は年に数日はあるようになりました。

さらに、夜の最低気温が25℃を下回らない熱帯夜は、1940年までの10年間は年11.2日だったが、昨年までの10年間は24.7日に倍増。コンクリート製の建物などに熱が溜まり、夜になっても気温が下がりにくい「ヒートアイランド現象」が起きやすくなっている都市部では、さらに深刻になっています。加えて、福島第一原子力発電所の事故以来、猛暑に加えて世の中に広がる必要以上の節電モードの影響も無視できないように思えます。

現在、NHK総合テレビ深夜に放送の「NEWS WEB」(全国) に気象キャスターとして出演中の気象予報士・斉田季実治クンが出版した図書『いのちを守る気象情報』(NHK出版)の第6章にも、「熱中症は最も死亡者が多い災害」ということが書かれています。その本の中では斉田クン自身が熱中症にかかってしまった時の経験が書かれていますが、恥ずかしながら、私も不覚にもかかってしまいました。それも就寝中に。いわゆる『夜間熱中症』というやつです(^_^;)

ちょうど総務省消防庁が7月13日~19日の1週間に、全国の6,165人が熱中症の症状で救急搬送され、うち14人が搬送時に死亡したという速報値を発表した7月22日の朝、妻に起こされて目覚めようとしたのですが、どうにも身体が熱っぽくて重く、動かないのです。頭もボヤァ~として、意識がかすれている感じがしました。無理して立ち上がったのですが、今度は目眩が…。こりゃあいかん!どうしちゃったんだろう!?(*_*)…って思いました。前夜、寝るまではこういうことはまったくなかったのに、朝、目覚めるとこういう状態になっていたのです\(__)

翌日の23日(木)に九州の宮崎市で農業気象関連の講演を依頼されていて、この日は夕方に宮崎市に移動して前泊の予定にしていました。こんなに体調を崩してしまって大丈夫なんだろうか…って不安にも襲われました( ̄□ ̄;)!!

そんな私の様子を見ていた妻が一言、「それって“夜間熱中症”じゃあないの? 寝る前に水分をいっぱい摂った?」 あっ! 前夜、寝る前に缶ビールは1缶飲んだのですが、水は…。

妻は保育園の看護師として勤務しているので、この時期は熱中症に敏感になっているので、私の様子を見て、ピンと来たようなのです(医療職が身近にいると、こういう時、本当に助かります)。まだ意識がはっきりしているので(朦朧とはしていましたが…)、とりあえず冷たい水を大量に飲んで、様子をみることにしました。水を飲んでしばらくすると、意識がかなり戻ってきたので、冷たい水のシャワーを浴びて汗を流し、なんとか午後からは出勤することができ、夕方には宮崎に空路移動することができました。

皆さん、ご存知ですか? 熱中症は就寝時にも起きるってことを。熱中症って強い太陽の日差しが降り注いでいる日中に起こること…って思っている人も少なくなのではないでしょうか。しかし、昨年の熱中症で亡くなった人の約4割は、なんと夕方5時~早朝5時までに時間に亡くなられているのです。しかも、東京都福祉保健局が2013年(7月・8月)の熱中症死亡者の状況を取りまとめたところ、約90%が屋内で死亡したのだそうです。

これは、気密性が高い住宅では夜になっても室温が下がりにくいうえ、睡眠中も、汗で体内の水分とミネラルが多量に失われることなどが原因と考えられています。くわえて、最近はヒートアイランド現象の影響で夜の気温が上昇していることが原因で、1日の最低気温が25℃以上となる熱帯夜の日が増えていることも大きな原因と言われています。

『夜間熱中症』は、睡眠中に起こる脱水症状が大きな原因となります。睡眠中は、水分を摂取することが出来ないうえ、熱帯夜になると睡眠時に失われる水分量は500mリットルになるとも言われていて、体内の水分が不足し、脱水症状となってしまいます。特に、高齢者の方は、感覚機能が低下していることと、もともと体内水分量が少なくなっていることで、夜間熱中症には気をつけなくてはいけません。

また、夏の時期にはお風呂上がりに冷たいビールをクビッと一杯…というシーンも多くなりがちですが、寝る前にアルコールを飲むと脱水症状になることがあるので注意が必要です。この日の私も、おそらくこのパターンでした。

『夜間熱中症』にならないようにするためには、睡眠をしっかり取れる環境を整える事が重要になります。

就寝の1時間前までにはお風呂に入っておくようにすることも重要です。人は、高い体温が下がる時に急激に眠くなるので、寝る前に体温を下げてしまうと眠気がなくなってしまいます。なので、お風呂は40℃程度の暑すぎないお湯にゆっくり浸って身体を温めたほうが、良い睡眠をとることができるのだそうです。また、就寝時までに汗をかいてしまった時には、水で濡れたタイルで身体を拭いた後、乾いたタイルでしっかり身体を拭いてあげましょう。皮膚に余分な水分の層があると水蒸気になりにくく熱が逃げにくくなります。

安眠にはよい寝具を選ぶことも大切です。夏に選びたいかけ布団は、肌かけ布団のようなガーゼ生地の掛け布団、もしくはタオルケットのようなタオル生地の掛け布団を選ぶといいのですが、ガーゼ生地は綿が粗く編み込まれて通気性はいいのですが、吸収性は余りよくありません。逆にタオル生地は綿が詰った状態で編み込まれているため通気性はあまりよくありませんが、吸収性には優れています。なので、寝汗をたくさんかく人は、タオルケットの方が向いています。ご自分の体質によって使い分けるのが重要なようです。

次に、敷き布団の選び方ですが、敷き布団の場合は硬さが重要になってきます。柔らかい敷き布団は、身体にそってしまうため身体との接地面が大きくなります。いっぽう、硬い敷き布団のほうは身体との接地面が少なくなります。敷き布団と身体との接地面には熱が溜まり、汗が溜まる部分になるので、なるべく硬めの敷き布団を選ぶ方がいいでしょう。また、シーツをパリッと糊付けするだけでも、接地面を少なくすることが出来ます。

就寝時のエアコンの使い方についても注意が必要です。皆さんが就寝時にエアコンをつける時は、きっと1~2時間のタイマー設定をして寝る事が多いと思いますが、このエアコンの使い方は、少し間違っています。エアコンを1時間タイマーセットして寝たけれども、エアコンが途中で切れると部屋が暑くなって、途中で起きてしまい、またエアコンを1時間タイマーセットして…なぁ~んて経験はありませんか? もし、就寝時にエアコンをつけるのであれば、寝る1~2時間前にエアコンをつけて部屋や布団を冷やしておきます。その時に、タンスや押し入れを開けてエアコンをつけることで、昼の間に部屋が暑くなって、タンスの中や押し入れの中にこもった熱を外に出して空気を入れ替える事で、部屋を効率よく冷やすだけでなく、涼しさも持続することが出来ます。そして、実際に就寝する際にはエアコンを消して、ドアを開けたり扇風機をかけるなどして風の流れをよくします。寝室は温度を下げる事よりも風通しを良くする事が安眠のポイントになります。私たちの身体は、睡眠の準備をするために汗をかいて熱を逃し体温を下げます。温度や湿度が高いと汗が蒸発しずらくなり熱を逃がすことが出来なくなります。就寝時までに部屋を冷やしておき、その後風通りをよくすることで汗が蒸発しやすくなります。

……等々、『夜間熱中症』の予防は快適な睡眠を心掛けることが一番です。部屋に湿度計や温度計を設置し、環境をこまめに確認してください。気温が28℃を超えたら、エアコンを上手に使い、水分の摂取を心掛けてください。

猛暑の夏はこれからが本番です。ちょっとした工夫で、この猛暑の夏を乗り切りましょう!!(^^)v


【追記】
気象庁が24日に発表したむこう3ヶ月間の長期予報によりますと、太平洋の東側、南米ペルー沖の赤道付近の海面水温が平年より高くなる「エルニーニョ現象」の影響などで、日本付近では偏西風が平年よりやや弱く、南寄りを流れるため、太平洋高気圧の北への張り出しが弱くなると予想されているそうです。

このため来月(8月)は、北日本を中心に前線や低気圧の影響を受けやすくなり、雨量は北日本と東日本の日本海側では平年並みか多く、東日本の太平洋側と西日本ではほぼ平年並み、沖縄・奄美では平年並みか少ないと予想されています。

9月の雨量は北日本では平年並みか少なく、東日本と西日本、それに沖縄・奄美ではほぼ平年並みと予想されています。

10月は大陸からの移動性高気圧に覆われて、西日本を中心に晴れる日が多くなる見込みで、雨量は東日本の太平洋側と西日本、それに沖縄・奄美で平年並みか少なく、北日本と東日本の日本海側ではほぼ平年並みとなる予想です。

一方、気温は来月8月と9月は全国的にほぼ平年並みと予想され、厳しい暑さが続く見込みです。

また、10月は北日本と東日本ではほぼ平年並みか高く、西日本と沖縄・奄美ではほぼ平年並みと予想されています。

気象庁は、「日本周辺の大気の温度が全体的に高くなっているため、夏の時期は気温の予想が平年並みでも厳しい暑さとなる可能性がある。熱中症などにならないよう、最新の気象情報に注意してほしい」と話しています。

繰り返しになりますが、熱中症にはくれぐれもご注意願います。

熱中症は立派な自然災害です(^^)d