気象庁OB
市澤成介

日本の空を見つめ続け半世紀。
教え子達に伝える言葉は「学びの姿勢はいつも“知・好・楽”」。趣味は草花の撮影。
2014年6月の記事
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2014.06.30
沖縄地方の梅雨明け
6月26日、沖縄気象台が「梅雨の時期に関する沖縄地方気象情報 第2号」を発表した。いわゆる「梅雨明けを宣言した」と報道される情報である。 この情報文を初めて見た方は、なんと歯切れの悪い表現だと思うかもしれない。 昔の梅雨…
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2014.06.27
平成11年(1999年)6月29日 広島で土砂災害頻発
前回取り上げた福岡の水害事例と同じ日に起こった事例を取り上げる。 この日の朝、福岡市に浸水被害をもたらした低気圧と前線は、午後には中国地方に進んで局所的な大雨により大きな被害が発生した。広島市北西部の安佐北区、佐伯区、呉…
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2014.06.25
東京都三鷹市で激しくひょうが降った(平成26年6月24日)
昨日(平成26年6月24日)、東京都三鷹市を中心に降ひょうがあった。テレビでの現場を捕えた映像を見ると激しい雨とひょうが同時に降っている様子が見られた。ひょうは水より軽いため、溜まった雨水の水面に浮き、路面を流れ下り、低…
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2014.06.23
平成11年(1999年)6月29日 博多駅前水没
福岡市では7時から10時の3時間に126㎜、9時までの1時間に77㎜の非常に激しい雨となった。この激しい雨で博多駅周辺のビルや地下街を初めとして、博多区を中心に3000棟の家屋や事務所が浸水する被害が発生した。 この浸水…
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2014.06.20
昭和36年梅雨前線豪雨 (36.6伊那谷大水害)
梅雨末期の大雨と言われるが、末期にばかり大雨が集中するわけではない。過去の記録を見ても6月中の豪雨災害事例は多くある。 今回は、私が経験した36.6伊那谷大水害を紹介する。 私は伊那谷の生まれで普段はわずかな流れしかない…
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2014.06.18
ひまわり7号の画像で夏至を見る
今年は6月21日が夏至である。 北半球では夏至の日には日の出・日の入りの方角が最も北寄りになり、この太陽が最も北に位置する線を北回帰線といい、北緯23度26分22秒である。 日本列島で住民が住む一番南の島は沖縄県八重山諸…
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2014.06.16
ひまわりが見た富士山の冠雪と雲海
関東地方は、梅雨入り後1週間ほど雨が続いたが、週末からは晴天が広がっている。今年の梅雨は、極端な天気変化が表れている。原因は日本付近の偏西風の流れが大きく蛇行したことにある。これからも天気変化のリズムが遅くなることがあり…
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2014.06.13
雷雲の発達を追って見る (6月13日東京を雷雲発達通過)
この日の東京は、梅雨入り後の長雨が終わり久々に晴天が広がった。しかし、日本海に中心を持つ上空の寒気渦の影響が残ったことと、昇温が重なり雷雲の発達しやすい状況で、早朝の天気予報から、激しい雷雨についての注意喚起を呼び掛けて…
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2014.06.11
日雨量の日本記録1317㎜
伊豆諸島の南海上をゆっくり西進した平成16年台風第10号は7月31日に高知県西部に上陸してから北北西に進み、山口県西部から日本海に進んだ。その後もゆっくり日本海を北上した。台風の上陸時の勢力は強いものではなかったが、徳島…
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2014.06.09
航跡雲
一般に航跡雲と言えば「飛行機雲」を思い出すが、今日は船舶が作り出す航跡雲についてである。 船舶の動力源は主に、蒸気タービン、ガスタービン、ディーゼル機関などだが、このエンジンを動かすことで放出する排気ガス中には微粒子が含…
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2014.06.06
梅雨入り直後の豪雨 平成26年6月4日
6月3日に梅雨入りが発表されたばかりの四国では、高知県四万十川窪川で24時間雨量が528.5mmとこれまでの記録を更新する記録的な大雨が降った。 3日夜から5日夜までの48時間の降雨の経過を図に示す。これを見ると4日は朝…
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2014.06.04
北海道で真夏日出現 平成26年5月29日
まだ5月なのに、北海道で最高気温30度を超える真夏日となったところがある。その中で特に顕著に表れたのがオホーツク海側の地方で、最も高かったのは紋別郡遠軽町東町と生田原の33.7℃であった。共に5月としては、観測史上最高気…
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2014.06.02
千島の霧が見せる風の向き
5月26日15時の可視画像を見ると、千島列島に沿って霧または低い雲が発生していることがわかる。これからの時期にはよく見られる海霧であり、特に珍しい現象ではない。 しかし、この画像を詳しく見ると面白い特徴が見られる。 衛星…
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