2014/10/08
ひまわり8号 打ち上げ成功
昨日(7日)は今年のノーベル物理学賞の受賞者に青色発光ダイオードの開発に成功した名城大学教授の赤崎勇さんと、名古屋大学大学院教授の天野浩さん、カリフォルニア大学教授の中村修二さんの3人の日本人研究者が選ばれたというニュースで世の中が沸き立っていて、すっかり影に隠れてしまった感じになっていますが、昨日(7日)はもう1つ、嬉しいニュースがありました。
それがこれ!(^^)d
次世代の気象観測衛星「ひまわり8号」の打ち上げ成功のニュースです。
観測や予報の精度の向上に繋がると期待されている次世代の気象観測衛星「ひまわり8号」を載せたH2Aロケット25号機が、昨日(7日)午後2時16分、鹿児島県の種子島宇宙センターから轟音とともに打ち上げられ、打ち上げから27分57秒後、搭載された「ひまわり8号」を当初の予定どおり高度およそ260kmで地球を回る周回軌道に投入し、打ち上げに成功しました。
(ちなみに、H2Aロケットの打ち上げ成功は、これで19機連続となり、成功率は96%に上がりました。素晴らしい!)
新しい気象観測衛星「ひまわり8号」は、現在の気象衛星よりも観測技術やデータの処理能力が格段に上がり、台風や集中豪雨をもたらす積乱雲が急速に発達する様子を詳細に把握できるようになるなど、観測や予報の精度の向上に繋がると期待されています。
「ひまわり8号」はこれから地球の周りを周回しながら徐々に地球から離れていき、今月16日頃には高度3万6,000kmの静止軌道に入り、観測機器や画像を地上に送るシステムの試験を経て、現在運用中の「ひまわり7号」が役割を終える来年の夏頃に、実運用を始める予定だそうです。
今回、打ち上げが成功した気象観測衛星「ひまわり8号」は、大雨がどこで降るかを予測する際などに大変重要となる大気中に含まれる水蒸気の量を立体的に観測できることから、予報の精度の向上に繋がると期待されています。
大気中の水蒸気は台風や積乱雲などが発達するかどうかに大きく影響する要因の一つで、現在の「ひまわり7号」では、大気中の水蒸気が出す赤外線を観測して、水蒸気が多い場所を白く、少ない場所を黒く表示し、「水蒸気画像」として公表しています。しかし、捉えることのできる赤外線の波長は1種類のみで、観測できるのは高度7,000メートルから8,000メートル付近と比較的高層の水蒸気に限られていました。
一方、新しい「ひまわり8号」では、撮影できる赤外線の波長が3種類に増えるため、高度3,000メートル前後の大気中の水蒸気の量なども新たに観測することができるようになるということです。これによって大気中の水蒸気の分布を立体的に把握することができるようになるとみられ、それにより「大雨がどこで降るか」等の予報の精度の向上に繋がると期待されているわけです。
現在、台風の進路の予測は台風を取り巻く雲の様子を見ることにより行われる風向きや風速の観測を基にして行われているのですが、台風が海上にある場合には地上の観測網が使えないため、衛星による観測データが重要な情報となっています。この20年で精度は大幅に向上しましたが、依然として誤差の範囲は大きく、24時間後の予報ではおよそ90km、48時間後ではおよそ150km、72時間後では200km以上となっています。この予測精度向上の最大の壁となっていたのが観測衛星に搭載されるセンサーの感度と、観測頻度でした。
「ひまわり8号」では「ひまわり7号」と比べてセンサーの感度が格段に上がり、これまで1km四方だった衛星画像の解像度が500メートル四方とより細かくなります。加えて、現在30分に1回行っている観測は10分に1回となるとともに、日本付近や台風等の観測においては2分半に1回と頻度が格段と増えることになるそうです。
これにより、台風の中心付近の風向きや風速をこれまでより詳しく捉えることができるようになるため、進路の予報の精度も向上すると期待されています。気象庁によると、「ひまわり8号」によって台風の進路の予報の精度が向上し、誤差の範囲は24時間後の予報ではこれまでよりおよそ10キロ、72時間後では20キロ程度改善することができそうだということです。
また、局地的に発生して集中豪雨をもたらす積乱雲に対しても急速に発達する様子を詳細に把握できるようになり、観測や予報の精度の向上に繋がると期待されています。
さらには、「ひまわり8号」は、これまで白黒だった衛星画像をカラーで表示することができるようになります。
現在運用されている「ひまわり7号」では衛星画像を白黒でしか表示できないため、黄砂は雲と同じように白く写り区別が難しいほか、火山ガスは画像では捉えられないのが現状でした。これに対して「ひまわり8号」は、搭載するセンサーの能力が大幅に向上し、赤と青それに緑の光を認識でき、画像をカラーで表示できるようになります。
このため黄砂は雲などと区別して茶色っぽく表示できるようになり、観測や予報に役立てられるということです。また大規模な噴火の際には、拡散する火山ガスも観測できるということで、火山噴火の影響が出る範囲を予測して早めに注意を呼びかけるのに役立てることができると期待されています。
この次世代の気象観測衛星「ひまわり8号」は来年の夏には実運用が開始されるということで、そうなると気象庁の発表する予報の精度はさらに向上することが期待できます。人々の生命と財産を自然の脅威の来襲からお守りするための情報を提供することを使命とする気象に関わる者としては、大変に喜ばしいことだと思っています。
そうなると、私達民間気象情報会社としては、ますます「情報の活用」のほうに軸足を移していく必要があると思っています。気象庁さんから提供される情報の量はこれまで以上に飛躍的に増え、更新の頻度も高まります。それこそ“ビッグデータ”中の“ビッグデータ”。膨大な量の情報が扱えるようになります。こうなると、お客様のニーズも大きく変化していくであろうと私は予測しています。
そうした膨大な量の情報の中から、“しっかり守りたい”“もっと儲けたい”“無駄を省きたい”といった個々のお客様の抱えていらっしゃる課題を解決するために真に有効となる情報を見つけ出し、それをいかに分かりやすい形で“ソリューション(課題の解決方法)”としてご提供することが、今後は民間気象情報会社の役割としてこれまで以上に求められるようになる…と、私は捉えています。
そうした時代の変化、技術の変化、社会の変化、そしてなによりお客様のニーズの変化に対応するため、弊社ハレックスは、日々邁進していきたいと思っています。
それがこれ!(^^)d
次世代の気象観測衛星「ひまわり8号」の打ち上げ成功のニュースです。
観測や予報の精度の向上に繋がると期待されている次世代の気象観測衛星「ひまわり8号」を載せたH2Aロケット25号機が、昨日(7日)午後2時16分、鹿児島県の種子島宇宙センターから轟音とともに打ち上げられ、打ち上げから27分57秒後、搭載された「ひまわり8号」を当初の予定どおり高度およそ260kmで地球を回る周回軌道に投入し、打ち上げに成功しました。
(ちなみに、H2Aロケットの打ち上げ成功は、これで19機連続となり、成功率は96%に上がりました。素晴らしい!)
新しい気象観測衛星「ひまわり8号」は、現在の気象衛星よりも観測技術やデータの処理能力が格段に上がり、台風や集中豪雨をもたらす積乱雲が急速に発達する様子を詳細に把握できるようになるなど、観測や予報の精度の向上に繋がると期待されています。
「ひまわり8号」はこれから地球の周りを周回しながら徐々に地球から離れていき、今月16日頃には高度3万6,000kmの静止軌道に入り、観測機器や画像を地上に送るシステムの試験を経て、現在運用中の「ひまわり7号」が役割を終える来年の夏頃に、実運用を始める予定だそうです。
今回、打ち上げが成功した気象観測衛星「ひまわり8号」は、大雨がどこで降るかを予測する際などに大変重要となる大気中に含まれる水蒸気の量を立体的に観測できることから、予報の精度の向上に繋がると期待されています。
大気中の水蒸気は台風や積乱雲などが発達するかどうかに大きく影響する要因の一つで、現在の「ひまわり7号」では、大気中の水蒸気が出す赤外線を観測して、水蒸気が多い場所を白く、少ない場所を黒く表示し、「水蒸気画像」として公表しています。しかし、捉えることのできる赤外線の波長は1種類のみで、観測できるのは高度7,000メートルから8,000メートル付近と比較的高層の水蒸気に限られていました。
一方、新しい「ひまわり8号」では、撮影できる赤外線の波長が3種類に増えるため、高度3,000メートル前後の大気中の水蒸気の量なども新たに観測することができるようになるということです。これによって大気中の水蒸気の分布を立体的に把握することができるようになるとみられ、それにより「大雨がどこで降るか」等の予報の精度の向上に繋がると期待されているわけです。
現在、台風の進路の予測は台風を取り巻く雲の様子を見ることにより行われる風向きや風速の観測を基にして行われているのですが、台風が海上にある場合には地上の観測網が使えないため、衛星による観測データが重要な情報となっています。この20年で精度は大幅に向上しましたが、依然として誤差の範囲は大きく、24時間後の予報ではおよそ90km、48時間後ではおよそ150km、72時間後では200km以上となっています。この予測精度向上の最大の壁となっていたのが観測衛星に搭載されるセンサーの感度と、観測頻度でした。
「ひまわり8号」では「ひまわり7号」と比べてセンサーの感度が格段に上がり、これまで1km四方だった衛星画像の解像度が500メートル四方とより細かくなります。加えて、現在30分に1回行っている観測は10分に1回となるとともに、日本付近や台風等の観測においては2分半に1回と頻度が格段と増えることになるそうです。
これにより、台風の中心付近の風向きや風速をこれまでより詳しく捉えることができるようになるため、進路の予報の精度も向上すると期待されています。気象庁によると、「ひまわり8号」によって台風の進路の予報の精度が向上し、誤差の範囲は24時間後の予報ではこれまでよりおよそ10キロ、72時間後では20キロ程度改善することができそうだということです。
また、局地的に発生して集中豪雨をもたらす積乱雲に対しても急速に発達する様子を詳細に把握できるようになり、観測や予報の精度の向上に繋がると期待されています。
さらには、「ひまわり8号」は、これまで白黒だった衛星画像をカラーで表示することができるようになります。
現在運用されている「ひまわり7号」では衛星画像を白黒でしか表示できないため、黄砂は雲と同じように白く写り区別が難しいほか、火山ガスは画像では捉えられないのが現状でした。これに対して「ひまわり8号」は、搭載するセンサーの能力が大幅に向上し、赤と青それに緑の光を認識でき、画像をカラーで表示できるようになります。
このため黄砂は雲などと区別して茶色っぽく表示できるようになり、観測や予報に役立てられるということです。また大規模な噴火の際には、拡散する火山ガスも観測できるということで、火山噴火の影響が出る範囲を予測して早めに注意を呼びかけるのに役立てることができると期待されています。
この次世代の気象観測衛星「ひまわり8号」は来年の夏には実運用が開始されるということで、そうなると気象庁の発表する予報の精度はさらに向上することが期待できます。人々の生命と財産を自然の脅威の来襲からお守りするための情報を提供することを使命とする気象に関わる者としては、大変に喜ばしいことだと思っています。
そうなると、私達民間気象情報会社としては、ますます「情報の活用」のほうに軸足を移していく必要があると思っています。気象庁さんから提供される情報の量はこれまで以上に飛躍的に増え、更新の頻度も高まります。それこそ“ビッグデータ”中の“ビッグデータ”。膨大な量の情報が扱えるようになります。こうなると、お客様のニーズも大きく変化していくであろうと私は予測しています。
そうした膨大な量の情報の中から、“しっかり守りたい”“もっと儲けたい”“無駄を省きたい”といった個々のお客様の抱えていらっしゃる課題を解決するために真に有効となる情報を見つけ出し、それをいかに分かりやすい形で“ソリューション(課題の解決方法)”としてご提供することが、今後は民間気象情報会社の役割としてこれまで以上に求められるようになる…と、私は捉えています。
そうした時代の変化、技術の変化、社会の変化、そしてなによりお客様のニーズの変化に対応するため、弊社ハレックスは、日々邁進していきたいと思っています。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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