2017/04/03
メタモルフォーゼ最終章最終年(2017年度) スタート!
今年もまた同じ光景が見られる日となりました。
弊社ハレックスの本社のある東京・五反田界隈を流れる目黒川の河岸の桜も見事に咲き誇っています。今朝は通勤電車の車内にも明らかに社会人1年生と思われるピッカピカのスーツに身を包んだ(まだ着慣れていない)どこかの会社の新入社員さんの一団が乗り込んでいました。見事に咲き誇る桜とピッカピカの社会人1年生の集団…、この光景を目にすると、「あぁ~、また今年も今日から新しい事業年度が始まるんだな…」ということを実感しちゃいます。
今日4月3日は、官公庁をはじめ、日本の多くの会社で新しい事業年度(会計年度)が始まる区切りの“営業日”です。正確には(カレンダー上は)4月1日から始まっているのですが、今年は4月1日が土曜日なので、営業日としてはこの4月3日(月)がスタートです。この新しい事業年度(会計年度)初日は、言ってみれば、ビジネス上のお正月のようなものです。
前の年度である2016年度(平成28年度)は3月31日まででお仕舞い。日付が替わって4月1日からは新しい2017年度(平成29年度)が始まりました。会計年度が替わるということで、昨年度1年間をかけて必死の思いで積み上げてきた事業成果は無情にもゼロクリア。今日から、また新たな事業成果の積み上げが始まります。ふぅ~~~~(正直な気持ち・笑)。
弊社ハレックスの昨年度(2016年度)は、引き続き気象予報士派遣事業をはじめとした従来からの既存事業が大きく売上を落としたものの、弊社独自の気象予報サービス『HalexDream!』を核としたソリューション提供ビジネスが引き続きビジネス規模を拡大し、ありがたいことに、速報値ではありますが、昨年度(2016年度)もなんとか前年度(2015年度)と同等の売上げを計上することができ、黒字で事業年度を着地することができました。ご支持、ご支援いただいた皆さま方には、心より御礼申し上げます。加えて、温かく見守って下さった株主企業の皆様、パートナー企業の皆様、さらには私が自慢とする明るく元気で前向きな社員達の頑張りにも、ありがとう…と感謝するところが大きいです。
昨年度は、私が8年前に弊社ハレックスの“専任”の代表取締役社長に就任させていただいて以来、『メタモルフォーゼ(生物学でいうところの“変態”・“変身”)』のスローガンのもとに取り組んできました事業内容の大変革の『最終章の“2年目”』と位置付けた1年でした。8年前、私が専任社長として着任して最初にぶち上げたのが、「ハレックスはこれから9年間でガラッと生まれ変わるぞ!」という宣言で、『メタモルフォーゼ』と題した3ヶ年計画×3本(第1章、第2章、最終章)の9ヶ年計画を立てました。昨年度(2016年度)がその「最終章の2年目」、今日からの2017年度が「最終章の最終年」になります。
8年前に弊社の専任社長に就任する以前から、私は兼務で弊社ハレックスの(非常勤)社長を務めていたのですが、前の会社を卒業してハレックス社の専任社長になる直前に、情報通信&情報処理技術(ICT)業界と気象業界で同時に起きようとしていた劇的な変化を感じていました。ICTの世界では、コンピュータの性能が年々目覚ましい勢いで向上していき、それまで不可能と思われてきた処理が安価かつ容易に実現できるようになってきていました。加えて、AppleがiPhoneを発売したのがこの年で、Googleが携帯用OS「Android」を発表したのもこの年です。FacebookやTwitter等のSNSの躍進が始まり、クラウド・コンピューティングという新しいソフト流通の仕組みも本格的に立ち上がり始めました。このように、ICTの仕組み自体が根本から変わりつつあるのを感じたのが2007年でした。
一方で気象の世界でも、2007年の前後で大きな変化が起きていました。その前年の2006年に気象庁のスーパーコンピュータの更新が行われ、メソ数値予報モデル(MSM)の水平解像度が10kmから5kmに高解像度化されるとともに予報回数が1日4回から1日8回に倍増し、2007年にはGSM全球大気モデルが20km分解能になりました。また、緊急地震速報の本格提供が開始されたのも2007年です。その少し前の2004年には降水ナウキャスト情報の提供も始まり、2009年には国土交通省のXバンドMPレーダ整備が開始されました。今までの天気予報とはまるで違う次元のものが次々と提供されるようになってきたわけです。
ICTの世界も、気象の世界も、いろいろ新しいものがこの2007年前後を境にどんどん世に出始めました。この大きな時代の変化を感じた瞬間に、これは気象情報提供を取り巻く世界がこれまでと大きく様変わりするな…と直感しました。これは大きかったです。新しいビジネスモデルはこのような大きな時代の変化の中で起きるものですからね。私は自分のビジネスキャリアの最後を賭けるに相応しい仕事を見つけた感じがして、2009年6月に前の会社を卒業して、弊社ハレックスの専任社長に就任させていただきました。
『メタモルフォーゼ』の目指すところは弊社HPのトップ画面にも記させていただいておりますが、単なる情報提供会社から、情報の活用ノウハウをベースとしたソリューション提供企業への脱皮でした。昨年度(2016年度)、新たに受注させていただいたり、お引き合いをいただいたお客様案件を分析してみると、従来のようなただ単に気象情報を提供するだけのビジネスから、一歩踏み込んで、その気象情報を活用して、お客様が抱えるそれぞれの問題や課題を解決させようというソリューション型のビジネスへの転換がこれまで以上に進展してきているように思えます。
加えて、年度末も押し詰まった3月7日にはIoT・AI 技術等の最新技術を駆使し、多様な産業界において気象データを高度利用する「気象ビジネス」を一層推進するため、気象庁様が中心となって『気象ビジネス推進コンソーシアム』の設立総会が開催されました。これは、私が8年前に弊社ハレックスの“専任”の代表取締役社長に就任させていただいた時に思い描いた気象情報会社としての将来あるべき姿が、単に弊社1社のみならず、業界全体の大きな流れとして認知されてきた証しのように感じています。
このように、この1年間を振り返り、弊社ハレックスが取り組んでいる事業内容の大変革が、弊社ハレックスの社内のみならず、市場のお客様の間にも徐々に浸透してきたのではないか…と、大きな手応えを感じているところです。
弊社ビジネスの主力商品である『HalexDream!』に関しては、具体的なお客様のソリューション案件を幾つも取り組まさせていただいている中で、徐々に商品としての機能アップや商品ラインナップの拡充が図られ、今年度も、さらなる飛躍が十分に期待できるようになってきています。今年度は「○○だったらハレックスが一番!」と皆様から迷わず言っていただけるような事業領域の確立に努め、皆様からのご期待にお応えできる信頼感のある会社へとさらに成長していきたいと考えています。そのための社内体制の再編と強化も行っていきたいと考えております。
昨年度(2016年度)の施策の最大の目玉として立ち上げました弊社独自開発の最新のICTを活用した新しいタイプの『気象情報センター』も、手探りのヨチヨチ歩きの段階を経て、今年度(2017年度)は2年目として弊社事業の一つの大きな柱になれるように成長させていきたいと考えています。そのためには、単に気象だけではなく防災やエネルギー、農業といった様々な社会のニーズにお応えでき得るだけのコンサルティング機能の強化・付加が鍵を握ると考えています。
そのためには、営業力の強化や開発力の強化、人財の育成等々、解決していかないといけない課題はまだまだ山積しています。しかし、今年度(2017年度)は私がICTの業界と気象の業界で同時に起きようとしていた劇的な変化を感じた2007年からちょうど10年の区切りの年になります。その年度に弊社ハレックスは前述の企業変革の9ヶ年計画『メタモルフォーゼ』の「最終章の最終年」を迎えます。そういう意味で、今年度(2017年度)は、私が8年前に思い描いた弊社事業の大変革の成果が本当の意味で求められる1年になると思っています。なんとしてもこの大変革をやり遂げたいと、2017年度を迎えるにあたって不退転の決意で臨みたい…との思いでいます。また、それを世の中も(市場も)求めている…と私は思っていますから。
最後に、弊社ハレックスは今年度、創業25年目を迎えました。国税庁が調査した「中小企業が設立から倒産するまでの期間」をまとめたデータ、いわゆる「会社生存率」(=「企業存続率」)によりますと、会社設立から5年以上続く確率は約15%、10年以上存続する確率は約6%、20年以上存続する会社は僅かに0.3%だと言われています。そういう中にあって、弊社ハレックスが今年度、創業25年目を迎えられるということは本当にありがたいことだと心から思っております。これもひとえに弊社ハレックスを支えていただきましたお客様、パートナー会社の皆様、株主企業の皆様、社員の皆様等のおかげだと心より感謝いたしております。本当に本当にありがとうございます。
まだまだ厳しい経営環境にあることに変わりはありませんが、社員・経営陣一丸となって皆様のご期待にお応えできるように邁進していく覚悟でおりますので、引き続き今年度2017年度も、よろしく、よろしく、お願い申し上げますm(__)m
【追記】
サクラではなくて『サクラソウ』です。サクラソウは埼玉県の県の花、また、私が住む埼玉県さいたま市の市の花に指定されています。さいたま市桜区には「田島ヶ原サクラソウ自生地」と呼ばれる国の特別天然記念物に指定されている貴重なサクラソウの群生地があります(桜区の区名も樹木のサクラではなくサクラソウに因んで命名されました)。荒川流域のこの一帯は、下流の戸田ヶ原、浮間ヶ原などとともに、江戸時代からサクラソウの名勝地として人々に親しまれてきました。我が家では栽培種をプランターで育てています。ビニールシートを被せて温室栽培したこともあり、サクラに先立ち、半月ほど前から見事に咲き誇っています。春ですね。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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