2014/11/25

大麻が日本を救う?

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は7月27日の社説で、大麻の所持や使用を禁止する米国の連邦法を撤廃し、禁止するかどうかは州に委ねるべきだと主張する一文を掲載しました。同社説では、かつて、米国で制定された禁酒法と大麻を禁止する法律を比較し、「アルコールよりずっと危険性が低い物質を禁止するために、社会に大きな損失をもたらしている」と述べています。

米国では大麻合法化の支持が近年増えており、世論調査でも過半数が大麻解禁を支持をしています。既に多くの州が医療用大麻を認めたり、少量の所持について刑罰をなくしたりしているほか、コロラド、ワシントンの2州は娯楽目的の使用さえも認めています。既に医療大麻とは名ばかりで、多くの人が飲酒同様の遊びの感覚で使用しており、カルフォルニア州あたりではスターバックスより大麻販売のお店のほうが多くなっているそうです。しかし、連邦法では大麻は禁止されているため、法律的には不安定な状況が続いています。

現在の日本では、皆さん御存知のように、大麻取締法により大麻の成分を医療目的であっても使用・輸入・所持することは禁止されていて、大変に危険な植物のように捉えられています。

しかしながら、神道において大麻(“たいま”ではなく“おおあさ”と呼びますが…)は罪穢れを祓う神聖なものとされています。例えば、伊勢神宮の神札のことを「神宮大麻」と言い、大麻(おおあさ)とは天照大御神の御印とされているくらいで、大麻は神道とも歴史的な深い関わりを持っている植物のようです。

実は第二次世界大戦の終戦前までは、日本では米(コメ)と並んで作付け量を国から指定されて盛んに栽培されていた主要農作物だったことをご存知でしょうか。もっとも、古来から日本で栽培されてきた品種は麻薬成分が比較的少ないものだったようですが…。

大麻は中央アジア原産とされるアサ科アサ属の一年生の草本のことで、一般に日本で麻と呼ばれるものは、この大麻のことで、大麻草(たいまそう)とも呼ばれます。大麻は4ヶ月で4メートルほどの背丈になるほど成長が早く、茎などから繊維が得られ、実は食用となるほか、油も取れるなど、棄てるところがないほど利用価値が高い植物です。大豆に匹敵するほど高い栄養価を持つ実を食用として料理に使うことは違法ではないのですが、現在、国内では許可なく育てることができないため、食用の種子は100%輸入に頼っているのが現状です。

ちなみに、この植物のなかでも麻薬成分(陶酔成分)を多く含む品種の葉及び花冠を乾燥または樹脂化、液体化させたものを「マリファナ」と呼びます。この「マリファナ」は鎮静剤や鎮痛剤、睡眠薬として医療用に広く使われているのですが、それを嗜好品として常用しない限り、大変に有益なもののようです。最近ではそれらの使い方に加えて、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥行動障害(ADHD)といった精神疾患や、緑内障、喘息、ガン患者の緩和ケアなど様々な医療分野での活用が期待されているそうです。

ちなみに、麻(アサ)は広義には麻繊維を採るための植物の総称のように使われていることがあり、アマ科の亜麻やイラクサ科の苧麻(カラムシ)、シナノキ科の黄麻(ジュート)、バショウ科のマニラ麻、リュウゼツラン科のサイザル麻も総称として麻(アサ)と呼ばれることがありますが、実は植物学的には麻(アサ)とは全く別の種類の植物なんだそうです。

話を戻して…、大麻は精神的にも物質的にも、日本人のシンボルともいえる植物であり、桜が日本の国花とするならば、大麻草は日本の国草であると言ってもいいくらいの植物だったようです。(これに関しては追記1と2で触れます。)

大麻が棄てるところがないほど利用価値が高い植物だということは、先に書いた通りです。繊維は耐久性の高い紙や、衣類、建材に使うことができ、土に還元するバイオプラスチックの原料にもなります。また、その油はバイオエタノールとしてクルマの燃料にすることができます。

東日本大震災で福島第1原発の事故以来、再生可能エネルギーの問題がクローズアップされていますが、この大麻から採れるバイオエタノールの活用も有効な解決策になりうると私は考えるのですが、皆さん、いかがでしょうか?

大麻はもともと雑草なので生命力が強く、また一年草ですが、わずか4ヶ月で4メートルほどの背丈にも伸びるというほど極めて成長が早いという特徴があるのは前述のとおりです。生育の際に多量の二酸化炭素を消費し(吸収し)、その繊維質からは様々な物が作れるため、地球規模での環境保護になるという意見もあるようです。

また、これも前述のように大麻はバイオ燃料としても大いに期待されています。バイオ燃料は有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素が排出されます。しかしこれに含まれる炭素は、その植物が成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来するわけで、バイオ燃料を使用しても、全体として見れば大気中の二酸化炭素量を増加させていないと考えてよいとされています。この性質を『カーボンニュートラル』と呼ぶようです。

ちなみに、石油などのいわゆる化石燃料に含まれる炭素も、かつての大気中の二酸化炭素が固定されたものであると考えられていますが、それらが生産されたのは数億年も昔のことであり、現在に限って言えば、それらを使用することは大気中の二酸化炭素を増加させることに繋がります。従って、化石燃料については『カーボンニュートラル』であるとは言えません。

また、バイオ燃料の源は、元をただせば植物によって取り込まれた太陽光エネルギーであるとも言えます。このため、正味でエネルギーが獲得できれば立派な「再生可能エネルギー」であると言えます。生育が極めて速い一年草である大麻は太陽光エネルギーの吸収効率が高いとも言え、種を撒けば勝手に成長するため極めて安価で効率的な「再生可能エネルギー」であるという見方もできます。

実際に大麻に関してはバイオエネルギーの原料植物として各国で研究・実用化が始まっているようです。かつて、我が国では大麻が“国の草”とも言えるほど全国各地で大量に栽培されていたわけで、ここで遅れをとるわけにいきません。

このように大麻は極めて成長が早いので、その特徴を活かして耕作放棄地の土壌改良にも使えそうです。農業の収益性の低さと農業従事者の高齢化に伴い、日本各地で耕作放棄地の急激な増加が問題になっています。その面積は日本全国で埼玉県1県ぶんとも2県ぶんとも言われ、もうこれは単に農業という産業の問題というよりも、日本の美しい景観を著しく破壊する等の一大環境問題であり、国家としての大問題の1つとして捉えるべき時代になってきていると私は思っています。

耕作放棄された田畑は誰かの手に渡れば、そのまますぐに農業を行うことができるかというと、そんなに単純なものではありません。それまで耕作を行っていた方がどんな農薬や肥料を施していたかほとんど記録が残っていないのが実態で、そこで農業を続けようとすると、まずその田畑の土壌の成分を詳しく調査し、場合によっては栽培しようとする作物に合わせて土壌の改良から手を付けないといけません。最近は食の安心安全ということが世の中から(市場から)強く求められるようになってきていることもありますが、それ以前に、土壌改良をするにあたっても、これまで長年に渡り大量に使用してきて今も土壌に残留している農薬や化学肥料を取り除くことから始めないといけません。

通常は、5~6年ほどまったくの野放しの状態にして、雨で土壌深くまで洗浄させるとともに、ボウボウと生い茂る雑草に余分な残留農薬や残留化学肥料を吸い上げさせるという方法が採られるとお聞きしました。そうであるならば、勝手に生えてくる雑草と言うよりも、麻(大麻)を栽培するほうが手軽で効果的だとは思いませんか? もちろん、国の管理下のもとで…ですが。

勝手に生えてくるただの雑草なら見苦しいだけで(周囲に迷惑をかけるだけで)、1円の収入にもなりませんが、麻ならバイオエタノールも採取できますし、昔のようにいろいろな分野での活用も行えます。まぁ、原子力発電所の停止で不足した電力をこの大麻から採れるバイオエタノールだけで賄うことまではさすがにできないと思いますが、ガソリン代わりに自動車の燃料に使うことで、二次的な効果は十分に期待できると思うのですが…。

大麻は、病気や害虫に強く、それほど肥料も必要としないので栽培しやすく手間のかからない作物です。ヨーロッパでは、荒れ地に適した作物とされていて、土地改良目的に広く栽培されているようです。約100日ほどで急激に成長して収穫することが可能で、収穫期に入ると葉は枯れて落ち、落ちた葉は腐葉土となり土地を肥やします。大麻の根は地中深くにまで張っているので土地を柔らかくしてくれ、土中に空気が通りやすくなり、細菌が繁殖しやすくなります。また、収穫後の根はすぐに腐って有機肥料になります。

大麻は背の高さが4~5メートルにも成長するため、太陽が根本にあたらず、そのため周囲に雑草が生えません。当然除草剤などは必要としません。むしろ大麻が除草剤の役目をしてくれるほどです。大麻を収穫した後の土地は、腐葉土が行き渡った耕しやすい柔らかな土で、雑草がまったく生えていない土地となります。ですからすぐに耕して次の作物を植えることができます。

ヨーロッパでは、大麻は冬期に植えられることが多く、冬期に大麻を植えた土地に、夏には様々な穀物や野菜などが植えられます。特にマメ科の植物を植えると肥料をいっさい使わずに土地を肥やしていくことができると言われています。日本でも、かつては稲作が終わった後の田圃に、冬期、大麻が植えられていました。大麻は丈夫なので、ある程度成長すると少々の雪でも倒れることがなく、降雪地帯でも栽培することができました。通常は、密に輪作すると病気の発生が多くなったり、地力が衰えて収穫量が落ちたりしますが、大麻と輪作すると害虫や病気の発生が少なくなるとともに、地力が上がり収穫量も増えるとも言われています。

繰り返しになりますが、大麻のあの成長力の強さは残留農薬や残留化学肥料の吸収にはもってこいのものです。なにより、確実に現金収入が得られます。日本の農業の再生にはなんなかんや言っても農家にまっとうな労働の対価として現金収入が安定して入る仕組みを作り、農業が魅力ある仕事であると若い世代の人々に認知してもらわないといけません。その意味で、大麻の栽培は極めて手軽で有効な手段だと私は本気で思っています。また、(どこかでどなたかが秘かに実験してくれていることを期待していますが…)場合によっては、同じ理由で、福島第一原発事故で問題になっている周辺土壌に残る残留放射能の除去にも大麻栽培は有効な手段かもしれません。また、その技術を中国に輸出して、中国のクルマもバイオエタノールで動かすようにしたら、PM2.5の問題も抜本的に改善しそうですし…。まぁ~、あの広い大地は大麻の栽培に適していると思われますからね。

このように、大麻は、もしかしたら今の日本を救う可能性を大きく秘めた貴重な植物と言えるかもしれません。危険な考え方でしょうか…?

昨今は“脱法ハーブ”と称する違法の覚醒剤が原因となった事故・事件が相次ぎ、世の中的にはすぐには受け入れがたいとは思いますが、要は、なんでも使い方ひとつだと思うのですが…(^^)d ちなみに、大麻がマリファナになって流通するかどうかは、また別の手段で防げばいいだけのことです。と言うか、大麻の栽培が解禁になったとしても、マリファナを吸うような人間は、今でも既に様々な覚醒剤や脱法ハーブと呼ばれるものに手を染めている人達が大多数と思われますので、今からその取り締まりを強化し、流通ルートを根こそぎ絶つくらいにしておけばいいだけのことだ…と私は思うのですが、いかがでしょうか。

農業に関心を持ちはじめると、こんなことにまで興味がいくようになってしまいました(^^; 実に奥が深いです。

(大麻を原料としたバイオ燃料は、保存も利くため、太陽光パネルでの直接発電よりもよっぽど安価で扱いやすいと私は思うのですが…。どうして考えないのかなぁ~。)

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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越智正昭

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