2015/08/19

桜島、噴火警戒レベル4(@_@)!

鹿児島県の桜島では南岳の直下付近を震源とする火山性地震が増加し、山体の膨張を示す地殻変動が続いています。気象庁は桜島では規模の大きな噴火が発生する可能性が高まっているとして、噴火警戒レベルを(5段階の上から2番目の)住民の避難の準備が必要なレベル4に引き上げる噴火警報を発表し、昭和火口と南岳山頂火口から3キロメートルの範囲では避難の準備が必要だとして厳重な警戒を呼びかけています。

気象庁によりますと、桜島では15日(土)の朝から南岳の直下付近を震源とする火山性の地震が多発し、15日は1,000回を超えたほか、島内で震度2や1の揺れを観測する地震も合わせて4回発生しました。また、島内に設置している傾斜計や伸縮計では山体が膨張していることを示す急激な地殻変動が観測されました。

火山性地震は16日(日)は71回と15日からは減ったものの、引き続き多い状態で、17日(月)になっても発生しているほか、山体の膨張を示す地殻変動も観測されています。一方、16日に地上から行った現地調査では、地表の熱が高まっている場所は火口付近以外では確認されなかったということです。

桜島の火山活動について、気象庁の北川貞之火山課長が記者会見し、「桜島では島内を震源とする火山性地震が多発しており、傾斜計でも山体膨張を示す急激な地殻変動が観測され、一段と大きくなっている。桜島では重大な影響を及ぼす噴火が切迫していると考えられ、厳重な警戒が必要だ。昭和火口および南岳山頂火口から3キロメートル以内の鹿児島市有村町および古里町では、大きな噴石や火砕流に厳重に警戒し、避難などの対応をとってほしい」と呼びかけました。そのうえで、これまでのところ考えられる噴火の規模について、北川課長は「火山性地震の震源は浅くなっているようにみられ、地下のマグマが上昇している可能性もある。桜島では昭和61年に、火口からおよそ3キロメートル離れた集落に噴石が落ちる被害が発生しているが、それと同規模の噴火が起きるおそれがあり警戒してほしい」と述べました。一方で、「これまでの地震の震源は昭和火口や南岳の直下に限られているのに加え、地殻変動の量などからみると、山腹などから噴火が起きたり、大規模噴火が発生したりする可能性は今のところ低いと考えている」と話しています。 (記事引用: NHKニュース&スポーツ。引用の上、加筆)

鹿児島県の錦江湾に浮かぶ桜島は、鹿児島のシンボルといわれています。面積約8平方キロメートル、周囲約52キロメートルの島状の地形で、北岳・南岳の2つの主峰から成る複合火山です(最高峰は高さ1,117ⅿの北岳)。霧島錦江湾国立公園に指定されています。

桜島は、約26,000年前の誕生以来17回の大噴火を繰り返してきました。その噴火活動は、大きく2つの時期に分かれています。最初は北岳(御岳)の活動が中心でした。誕生以来たびたび噴火し、約5,000年前に活動を休止しました。なかでも、約12,800年前の噴火は規模が大きく、鹿児島市街地で約1メートル、鹿児島県のほぼ全域で約10センチメートルの軽石が降り積もりました。その後、約4,500年前からは南岳の活動がはじまります。あとから誕生した南岳は、北岳に覆いかぶさるように成長し、現在まで活発な活動を続けています。

有史以降は、天平(西暦764年)、文明(西暦1471年)、安永(西暦1779年)、大正(西暦1914年)と4回の大噴火を起こし、そのたびに島は形を変えてきました。大正時代の噴火では大量の溶岩が流れ、海峡が埋め立てられ、それまでその名の通り“島”だった桜島と大隅半島は陸続きとなりました。終戦直後の昭和21年(西暦1946年)に起きた大きな噴火は、溶岩を流した最後の大きな噴火ですが、爆発的な噴火を伴わなかったため、前述の17回の大噴火には含まれておりません。その後、1955年からは火山灰の噴出を繰り返す噴火活動がはじまり、今日まで活動が続いています。現在は、南岳の山頂火口もしくは南岳東側斜面の8合目付近(海抜約800メートル)にある昭和火口(1939年(昭和14年)10月の噴火において形成された新たな噴火口です。1946年以降は主にこの噴火口で連続的に噴火が起こるようになりました)のどちらかが活発に爆発を繰り返しています。

2009年あたりから噴火の回数が急激に増え、2008年が1年間で29回だった噴火は、2009年は548回と急増。その後も2010年896回、2011年996回、2012年885回、2013年835回と1日2回以上のペースで継続して噴火を繰り返し、2014年は450回と少し噴火の回数は減ったものの、今年2015年は今月(8月)までに既に680回を超え、昭和30年(1955年)の観測開始から過去最高のペースで噴火を繰り返しています。(鹿児島地方気象台資料より。桜島では噴火活動が活発なため、噴火のうち、爆発的な噴火もしくは一定規模以上の噴火の回数を計数しています。)

鹿児島地方気象台HPより

この鹿児島地方気象台のHPに掲載された資料を観ると、特に2009年頃から目に見えて噴火の回数が増えているのが分かります。どう考えてみても、以前と比べて桜島の噴火活動は活発化してきていると捉えていいと思います。その噴火のほとんどすべてが昭和火口からの噴火。若い(新しい)噴火口なので、活動が活発なのでしょう。最近の大きな噴火としては記憶に新しい2013年8月18日の夕方に起きた噴火では、その昭和火口から観測史上最高と言われる15万トンもの火山灰が噴出され、噴煙の高さは5,000メートルにまで達したとされています。

桜島の地下には、相当の量のマグマが蓄積され、かなりの量の“マグマ溜まり”になっているように推測されます。これだけ頻繁に噴火を繰り返しても、十分なガス抜きにはなっていないようで、火山性地震の多発や山体膨張に繋がっているように思えます。

桜島には現在約4,600人の住民が暮らしています(2015年1月現在)。古くは縄文時代から、人々はこの地での生活を始めていたそうです。大噴火や土石流など、火山災害を受けながらもこの地に住み続けるのは、ここには火山のもたらす“恵み”があるからです。桜島大根、桜島小みかんといったおいしい農作物、日々の疲れを癒す豊かな温泉、山や集落の美しい景観は、火山の恵みといっていいでしょう。噴火も日常生活の一部のようになっていて、桜島に住む人々は、火山と共に暮らしていると言っても過言ではないのです。

私は妻が大隅半島にある志布志の出身なので、志布志に帰省した折に何度か桜島を訪れたことがあります。鹿児島市内に遊びに行く時も、大隅半島と桜島との付け根にあたる垂水から桜島の雄大な景色を眺めながらの船旅で鹿児島市内に向かうことが一般的なので、私にとっては一番馴染みの深い火山でもあります。馴染みの深い火山だけに、大いに気掛かりです。

また、南米のエクアドルの首都キトの近郊にある活火山「コトパクシ」で、先週、噴煙が上空8,000メートルにも達する大規模な噴火が確認されたという報道も流れています。このコトパクシ火山は標高が6,000メートル近くもあり、活火山としては世界でも有数の高さの火山で、今回の噴火によって広い範囲に火山灰が降り、エクアドル政府は、15日(土)、非常事態を宣言して警戒を呼びかけています。

このような報道に接すると、地球の内部で誰も知らないとてつもなく大きな地殻変動が起きているのではないか…と不安になりますね。火山のニュースに関しては、しばらく、敏感になっていないといけないようです。

執筆者

株式会社ハレックス前代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
前代表取締役社長

越智正昭

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