2015/01/30

大人の修学旅行2015 in 土佐の一本釣り(その1)

大人の修学旅行・旅程図


今年も行ってきました、『大人の修学旅行』(^^)d

5年前に香川県立丸亀高校時代のクラスメート連中で始めた『大人の修学旅行』も今年が第6回。5年前に「面白そうだから、やろうやろう!」ってノリで第1回目を2010年4月に「桜爛漫の京都」で開催し、第2回は「冬の日本海・加賀温泉」で蟹づくしのお料理を堪能、第3回は「雪の奥飛騨混浴露天風呂」でギリギリに挑戦し(女性陣も一緒に入浴しましたが、ご心配なく)、第4回は「河津桜の伊豆半島」で金目鯛の煮付けに舌鼓、第5回は「遷宮なった伊勢神宮」に恭しく参拝してきて…と毎年開催してきて、2015年の今回が第6回目。

大人の修学旅行・開催地の推移


私は早生まれだから来年ですが、同級生のほとんどが人生の一回り“還暦”を迎えた今年は故郷・四国で盛大にやろう!…ということになり、地元香川県に残っている同級生が幹事となっての開催でしたが、「行けそうに思えて、なかなか自分一人では行けないところ」が我々の『大人の修学旅行』の企画における開催場所選定のコンセプト。で、幹事達が散々悩みに悩んだ挙げ句に選んだ開催場所が、同じ四国でも高知県の高岡郡中土佐町。合併前の町名を土佐久礼と言います!

土佐久礼と言えば、私達の世代にとっては漫画『土佐の一本釣り』の舞台となったところです。この『土佐の一本釣り』は高知県出身の漫画家・青柳裕介さんが描いて、1975年から1986年まで漫画雑誌「ビッグコミック」(小学館)にて10年以上の長きにわたって連載された長編漫画です。1975年と言うと、私が大学2年生の時。「ビッグコミック」は「ビッグコミック・オリジナル」と併せて隔週で発行される漫画雑誌で、私は若い頃、通勤途中に電車の車内でこの両誌を読むのを楽しみにしていました。中でも、純平と八千代という若い二人の主人公を主軸に、大海原を舞台にしたカツオの一本釣りの場面と、高知県にある小さな漁師町・土佐久礼の人々の生活を通して古きよき時代の日本の「男と女」のあり方を骨太に描いてた『土佐の一本釣り』は毎回一番好きな漫画で、「ビッグコミック」が発売されるのを楽しみにしていました。

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(ちなみにこの『土佐の一本釣り』は1980年に同名で映画化されたのですが、その時、主人公の一人、八千代役を演じたのが亡くなった元キャンディーズの田中好子さん(スーチャン)。田中好子さんにとってはキャンディーズ解散後、本格的に女優業に転身した際の映画デビュー作でした。)

そういう世代ですから、ほとんど全員が土佐久礼で開催と聞いた瞬間に、純平と八千代という若い2人の主人公の顔が脳裡に浮かべ、「“土佐の一本釣り”かい!」って納得しちゃったのではないでしょうか(^^)d

この『大人の修学旅行』、みんなが集まってからがスタートではなくて、自宅を出たとこれからがスタート。開催地までは自己責任で辿り着かないといけないので、どういうルートで開催地まで行こうか事前にあれこれ考えることが、実は楽しいのです。今回は高知県での開催ということで、関東地方に住む私にとっては高知空港まで往復飛行機利用で高知空港からJR高知駅にリムジンバスで出て、そこからJR土讃線で行くというのがふつう考えられるコースなのですが、それじゃあ当たり前すぎてつまらない!…ということで、今回、私が選んだコースは、前日(1月10日)のうちに同じ四国でも愛媛県松山市にある私の実家に飛行機を使って戻り、当日(1月11日)は早朝に松山を出発して、宇和島経由の西周りの鉄道ルートで土佐久礼に向かうというコースでした。

鉄道マニア(乗り鉄)の私も最近はいささか“鉄分”が不足していて貧血気味なところもありましたので、ここで一気に“鉄分”の補給をしちゃおう!…ってことにしちゃいました。いつもは同じ関東地方に住む友人と一緒に行ったり、他の地方に住む友人達とも途中で合流してワイワイガヤガヤ…しながら行くのですが、今回は開催場所までまったくの単独行動。まっ、それも楽しみです。

羽田空港発松山空港行きのANA便の機内では、ANAの女性空港職員の方が方言まるだしで地元の良さを紹介する「SKY EYE ~空からのメッセージ~」と題するANAオリジナルのビデオプログラムが上映されているのですが、この1月は「うどん★巡礼★香川編」と題して私の地元、四国の香川県が取り上げられていました。香川県は“うどん”だけじゃない!…と言うことで、『一生に一度はこんぴら参り』と謳われた琴平の金比羅宮や、今や現代アートの聖地となった直島などが紹介されていたのですが、私にとって香川県は多感な中学高校時代を過ごした想い出の地。大事な大事な一生の友人達と出逢った土地ですし、なんと言っても今回の旅行はそうした香川県の高校で一緒に机を並べて学んだ(そんなに勉強はしなかったけど…)友人達と年に一回、逢うための旅行。そんな旅行の最初にその香川県を紹介するビデオプログラムが上映されていたので、思わず見ちゃいました。これもなにか見えない力が働いたのかなぁ~…。よく知った馴染みの場所が紹介されていましたが、しばらく地元には行っていないだけに、懐かしかったです。それにしてもANAの高松空港の女性職員さんの話す讃岐弁(香川県の方言)。そんなに極端に話す人って、最近では滅多にいないよね…って、観ていて心の中で笑っちゃってました(^o^)

航空路上はずっと薄い雲が覆っていて、眼下の景色はほとんど楽しめなかったのですが、徐々に高度を落として、車輪を出し、着陸態勢に入った頃、眼下に美しい瀬戸内海の島々の光景が飛び込んできました。凪いで鏡のように穏やかな海面には、松山観光港に向かうのであろう一艘のフェリーの姿があり、フェリーの走った跡に残る白い航跡が長く綺麗に描かれていました。降り立った松山空港は晴れていて、気温は東京より若干高め。実家に向かう道路脇では、既に菜の花やスイセンの花が咲いていました。さすがは温暖な瀬戸内海気候です(^-^)v

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「坂の上のクラウドコンソーシアム」の関係で最近はちょくちょく帰省しているとはいえ、今年は松山の実家に帰省するのはこれが初めて。長男として離れて暮らす両親と直接顔をあわせて年始の挨拶を交わすのは何十年ぶりのことでしょうか。もちろん両親も喜んでくれたのですが、私が「翌日は朝の7時に家を出る」と告げると、「なんでそんなに早く出かけんと、いかんの?」と、ちょっと不満そうな母。「宇和島経由で予土線に乗って土佐久礼に行きたいから。せっかくだから、土佐くろしお鉄道に乗って、終点の宿毛にまで乗りに行ってこようと思ってる」と私が告げると、「孫がおるというのに、まだそんなこと(鉄ちゃん)をやっとるんかね」と母はいささか呆れ顔。私が子供の頃から鉄道が大好きだということは、十分すぎるくらいに知っている筈なのですが…(^^; 幾つになっても、孫がいようとも、好きなものは誰からなんと言われようともやめられません(^-^)v

私の実家のある愛媛県の松山市と、今回の『大人の修学旅行』の開催地である高知県の土佐久礼との間は地図上の直線距離にすると僅かに約70kmほどの距離しかありません。しかしこの両地点の間には標高1500mを越えるような高い高い四国山地が屏風のように並んで立ちはだかっているため、この間を鉄道で行こうとすると、どうしても遠回りしないといけません。

ふつうに考えると、松山から予讃線の上り(高松・岡山方面)特急列車に乗って香川県の多度津に行き、そこで今度は土讃線の下り(高知・中村行き)特急列車に乗り換えて土佐久礼に向かうのが一般的です。所要時間は4時間ほどかかりますが、特急列車を乗り継いで行くコースですので、車両も新しく、乗り心地も快適です。

一方、私が今回選んだコースは距離的にはその多度津経由のコースよりも短く、所要時間も約4時間と前述のコースと変わらないのですが、途中に予土線という各駅停車しか走らないローカル線の区間があり、しかも、予土線は宇和島(愛媛県)~窪川(高知県)という全線を直通する列車の本数が限られるので、なかなか利用しようとは思い付かないようなコースです。しかし、この予土線、日本最後の清流と言われる四万十川に沿って線路が走り、風光明媚な車窓で知られ、鉄道マニア的にもメチャメチャ魅力的な路線なんです。このところ不足気味の“鉄分”の補給にはバッチリです(^^)d



……(その2)に続きます。全部で13回の長編です。

執筆者

株式会社ハレックス前代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
前代表取締役社長

越智正昭

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