2015/03/12

キット、ずっとプロジェクト

会社の私の机の上には、三陸鉄道「キット、ずっと号」のNゲージの模型が飾られています。

写真1

三陸鉄道は1984年に開業した第三セクターの鉄道会社で、2013年度(平成25年度)上半期にNHK総合テレビで放送された朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の中で北三陸鉄道の名前で出てくるまさにあの鉄道です(オープニングの画面で出てくる車両が、この三陸鉄道です)。特にこのオープニングに登場する三陸鉄道36形105号は東日本大震災の発生時、トンネル内を走行中で、そのままトンネル内に緊急停止し、奇跡的に津波の難を逃れた車両で、『奇跡の車両』と呼ばれています。ドラマ『あまちゃん』の中では、大震災当日、東京に向かうユイちゃんと大吉さんを乗せてトンネル内で停車した車両がありましたが、まさにそのモデルになった車両です。

写真2

私が持っているミニチュア模型は、『あまちゃん』に登場する白地に青と赤のストライプの通常塗装ではなく、白地にサクラの花模様をイメージしたラッピング塗装になっています。このラッピング塗装は、2012年3月に「キットカット」を販売するネスレ日本が中心となり三陸鉄道を応援する「キット、ずっとプロジェクト」が立ち上がった際に、そのシンボルとして施されたものです。私は三陸鉄道とこの「キット、ずっとプロジェクト」を応援する目的で購入しました。

岩手県の三陸海岸沿いを走るこの鉄道は4年前の東日本大震災で壊滅的な打撃を受けたものの、「地元の足をなくしてはいけない」という思いで社員と地元の皆さんが一丸となって運転再開に向けて涙ぐましい努力を重ね、震災から僅か5日後に、北リアス線の一部区間(小本─宮古間)で運転を再開。津波で車を失った住民にとって、貴重な移動手段となりました。

その後、北リアス線、南リアス線とも一部区間で運転再開に漕ぎ着け、さらにその後の懸命な復旧工事により徐々に運転再開区間を伸ばし、ついに昨年(2014年)4月には北リアス線(宮古駅~久慈駅間71.0km)と南リアス線(盛駅~釜石駅間36.6km)の全線での運転再開されました。その復旧に向けての話は涙なくしては聞けません。

被災地の復興にあたっては交通インフラの復旧は不可欠なものなので、その三陸鉄道を応援するために様々な復興支援が行われていて、先述のように、2012年にはネスレ日本様が中心となって、同社のチョコレート「キットカット」を使用して三陸鉄道の応援を呼び掛ける「キット、ずっとプロジェクト」が立ち上がったわけです。

そのシンボルとも言える「キット、ずっと号」は、初代が2012年4月から運行されていて、現在は3代目の「キット、ずっと 3号」が2013年12月24日から北リアス線宮古―小本間で運行されています。私が机の上に飾っているのは、初代の「キット、ずっと号」の模型で、「キット、ずっと号」のラストランを記念して模型が発売されたので、鉄道ファンとしてはいてもたってもいられずに購入したわけです。この三陸鉄道「キット、ずっと号」には運行期間中に是非乗りに行きたかったのですが、行けなかったので、その代わりのようなものです。

三陸鉄道HP

三陸鉄道「キット、ずっとプロジェクト」HP

(最近は草野球日本一を目指して野球チームを結成するなど、その活動は今も引き続き行われているようです。球団のGMはシアトル・マリナーズの岩隈久志投手ですか。凄い! 他にもいろいろな有名人が応援されているようです。)

地震や津波と言った情報も扱っている気象情報会社の社長として、また鉄道ファンとして、この車両は特別な思いを持って毎日眺めています。

前述のように三陸鉄道は昨年(2014年)4月に北リアス線、南リアス線とも全線で運転が再開されていますが、その両線を結ぶJR山田線の区間(宮古駅~釜石駅間55.4km)の被害の程度は大きく、復旧はいまだ手つかずのままで、岩手県北バス、岩手県交通という2つの民間バス会社による振替輸送が続いています。そのIR山田線の宮古駅~釜石駅間の区間について、昨年、三陸鉄道への移管が事実上決まったという報道も流れていました。これが実現すると、久慈駅から盛駅までが一本の線路で繋がり、地域住民の悲願である「三陸縦貫鉄道」が実現するのですが、膨大な復旧費用や運行再開後の赤字補填の問題(この区間はJR東日本でもワースト3に入る赤字区間でした)の問題もあり、問題が山積されているようです。

とにかく、頑張れ!三陸鉄道o(^o^)o

弊社ハレックスは、その三陸鉄道向けの「キット、ずっとプロジェクト」ではなく、「気仙沼元気プロジェクト」という別の被災地応援プロジェクト(NHK様、JR東日本コンサルティング様が主体)に参加させていただいていて、『BRT(Bus Rapid Transit)』と呼ばれる元々は鉄道の線路が敷かれていた道床にバスを走らせることによって復旧したJR気仙沼線とJR大船渡線(三陸鉄道南リアス線とは盛駅で接続します)を走行中のバスに対して、緊急地震速報や津波警報を送信する仕組みの提供を行っています。

津波で流された線路があったところにバスを走らせるわけですから、乗客の安全確保のために…と求められたわけです。車内では、液晶ディスプレイで次の停車駅(バス停)が表示されているのですが、そこに停車駅に加えて、各停車駅ごとの天気予報や文字ニュースが流れていて、地震発生時には緊急地震速報や津波警報が割り込まれて流るという仕組みです。

ハレックス社導入事例より

写真3

執筆者

株式会社ハレックス前代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
前代表取締役社長

越智正昭

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