2015/05/15
おそるべき讃岐うどん(その3)
で、話を『池上製麺所』に戻します。『ばあちゃん系』で『生活うどん』で『製麺所型店』で『田舎うどん』の代表格のような『池上製麺所』ですが、ここの『うどん』は一度口に入れると、それこそ腰を抜かすくらいに美味しいんです。我が家ではこのところ5年間ほど通信販売で年間12店分取り寄せて、いろいろと食しているのですが、一番の人気はこの『池上製麺所』です。その美味しさは、我が家に限っては、他をまったく寄せ付けないって感じです。
http://www.sanuki-ikegami.co.jp/
(看板女将・瑠美ばあちゃんが認めた唯一の公式HPらしいです)
『おそるべき讃岐うどん』の『麺通団』の田尾和俊教授(団長)が“偶然”に発見して腰を抜かして以来、その怪しげな佇まいも相まって、人気が急上昇。常に長い行列ができるようになり、若いお兄ちゃんの弟子も数人雇い、1杯100円から食べられる『うどん』を売りに売って、2年前に高松空港のすぐそばに新店舗を開業して、移りました。(あまりにお客さんが殺到して、周囲の道路は大渋滞が発生。ご近所迷惑だと言うことで、移転したとも言われています。まぁ~、狭い生活道路しかない住宅街の中にポツンとあった店ですから。)
http://www.netwave.or.jp/~koki/udon/ikegami.htm
(移転前の怪しげな佇まいの頃の旧店舗を紹介したHPです)
あまりの人気に最近ではジモティ(地元民)もなかなか口にすることが出来なくなったと言われていましたが、新店舗に移って、店も広くなりましたし、弟子の数も増えて、少しは食べられやすくなりました。私も出張などで高松に行く際には、必ず使う飛行機は午前11時頃に高松空港に着く飛行機にしています。ANAさんもJALさんも薄々需要を分かっているのか11時ちょうど前後に高松空港に到着する便を設定していただいているので、嬉しい限りです。この11時ちょうど前後に到着する便で高松空港に降り立つと、そのままターミナルビルの前からタクシーに乗って『池上製麺所』に直行します。ものの5分ほどで『池上製麺所』に到着します。ですから午前11時半前には『池上製麺所』に到着できるわけです。
この午前11時半というのが、なんとも微妙で『池上製麺所』のような超が付くほどの有名店で『うどん』を食するにはちょうどいい時間帯なのです。各製麺所では前日に捏ねて一晩寝かしておいた小麦粉の塊を朝から延ばし、麺の形に切って、最終形としての『うどん』に加工するわけですが、最初に作るのは、学校や病院の食堂、一般のうどん屋等、契約してくれているところに卸すための『うどん』です(これが製麺所の本来の仕事です)。それが一段落してから、自分のところの店で客に出す『うどん』を作り始めるのですが、これがだいたい午前10時半頃から。したがって、店が開くのは午前11時頃からになります。
12時を過ぎるとお昼を食べに大勢のジモティが集まってきますから大混雑になっちゃいますし、打ち手も大量の客に『うどん』を出す必要があるためにどうしても仕事が雑になってきて、その雑さが『うどん』の出来に微妙に影響を与えることも正直あります(ここが機械で作っていない、あくまでも職人の技に頼る『讃岐うどん』の特徴でもあるのですが…)。ですから、この午前11時半頃というのが一番いい時間帯なのです。ちなみに、『池上製麺所』のある高松空港周辺は高松市の中心部からはクルマで30分ほどかかるところなのですが、ジモティ達は会社を抜け出し、わざわざその距離をクルマを運転して食べにやってきます。
先ほど、『ばあちゃん系のうどん』と書きましたが、これは文字通り、婆ちゃん(年配の女性)が打っている『うどん』のことです。昔からある『讃岐うどん』の一つのジャンルとも言えるもので、ふつう、この『ばあちゃん系のうどん』は食感が柔らかく、優しい感じがするものなのです。ですが、この『池上製麺所』のうどん、ふつうの『ばあちゃん系のうどん』だと思って口に入れると、腰を抜かしそうになっちゃうんです。「なんじゃ、このコシの強さは!?」 コシが強いだけではなく、コシが強い中に、なんとも優しい食感があるんです。あの前歯がほとんど抜けて(失礼)、腰が曲がった現在80歳(確か…)の婆さんが、いったいぜんたいどうやってこんな力強い『うどん』が打てるのか!?
この『池上製麺所』の看板女将・瑠美ばあちゃん、数年前に某民放テレビの「どっちの料理ショー」なる番組に出演して、全国の並みいる名物店の「ラーメン王」と対戦し、ことごとく打ち破って一躍有名になっちゃいました。そもそも、スープだ具だ…とゴチャゴチャゴチャゴチャ複雑な味を作り出す「ラーメン」と、小麦と塩と水、極めてシンプルに素材の味だけで勝負する『うどん』のどっちが美味しいかを戦わせようとするテレビの企画自体、いかがなものか…と思うところがあるのですが、ことごとく打ち破り、日本一美味しい麺は『讃岐うどん』である!を証明してみせたその腕前は大したものです。“がいな (香川弁で「負けん気の強い」の意味)”の精神、ここにあり!!って感じがして、スカッとしました。
(そもそも素材の味を楽しむ日本人の味覚には『うどん』か『蕎麦』が一番ということなのでしょう。)
その後も時々テレビに露出して、今では「ディープ香川」の代表、まさに『おそるべき讃岐うどん』の代表格のような存在になっています。いつ見ても、笑顔が素敵です。
あぁ~~~~~~、ここまで『讃岐うどん』について書いてくると、近いうちに地元香川に戻って、美味しい『讃岐うどん』が食べたいなぁ~~!! って気になってきます。
私も四国に帰省するたびに必ず『うどん屋巡り(これを『うどん巡礼』と言います)』をしていますが、どうしても訪れた店の数はなかなか伸びません。通信販売もいいのですが、それだと店の雰囲気や作り手の顔までもは伝わって来ないので、イマイチ消化不良です。そろそろ禁断症状が出てきそうです。
最近は高速道路料金が割安になったこともあり、瀬戸大橋や明石海峡大橋を渡って、遠く四国外から『讃岐うどん』を食べにくる観光客が非常に多くなりました。中には『讃岐うどんツアー』と称して、飛行機や列車、観光バスを使って香川県までやって来て『おそるべき讃岐うどん』で紹介された各店を食べ歩くツアーまであるそうです。そのあまりの人気のおかげで、ジモティ(地元民)が美味しい『うどん』を食することがなかなか出来なくなったという一面も出始めているそうです。
また、そもそもが『讃岐うどん』は地元に根差した地元民のための料理で、製麺所は地元民が生活する生活区のど真ん中にあることが多いのですが、そこに多くの観光客が自家用車や観光バスで押し寄せるようになって、店の前の道路(すなわち生活道路)が大渋滞を引き起こすなど、予期せぬ問題も起きているようです。
(その1)で紹介した『熱熱(あつあつ)』、『熱冷(あつひや)』、『冷熱(ひやあつ)』、『冷冷(ひやひや)』の発祥の地と言われる老舗の一つ『宮武製麺所』も、既に数年前に閉店(廃業)しちゃいましたが、閉店にあたり『宮武製麺所』の大将は「もう歳やし、毎日そんなにようけは打てん(作れない)…」と言ったそうです。ですが、本当のところはご近所への迷惑も考えてのことだと想像します。
一玉100円ほどの『うどん』です。それと、機械による均一品質の大量生産ではなく、あくまでも職人による手生産が『讃岐うどん』の魅力になっていますから、生産量にも限界というものがあります。そんなに大量に観光客が押し寄せられても地元に落ちるお金は僅かなものです。
まぁ~、そうは言うものの、今回のブログ『おそるべき讃岐うどん』を読んで、私の故郷、四国の香川に『うどん』を食べに行こうと思い立った方へのワンポイント・アドバイスを最後に書いておきます。
ご紹介した『池上製麺所』のように、『麺通団』の『おそるべき讃岐うどん』で紹介されたようなディープな店は、機械類はいっさい導入しておりません。特に婆ちゃんや爺ちゃんが一人で切り盛りしているようなディープかつチープな店(地元香川の『製麺所型店』は、基本的に麺の代金だけで食べられますので、とにかく安いです。ワンコイン(100円)で食べられるお店もあったりします)は、どうしても婆ちゃんや爺ちゃんの体力の問題から生産量に限界というものがあるため、1日100食か200食限定といった感じの店が多く、すぐに売り切れてしまいます。そういう店には平日の午前10時から遅くとも午前11時までに行ってください。既に長い行列が出来ているとは思いますが……。昼の12時から並んだのでは、たぶん売り切れて、残念ながら食することはできません。
そういうことですので、どんなに期待して行っても、初心者ではまず何店もは食することは出来ません。ディープな店巡りをしようと思ったら、何日間も香川に滞在しないといけなくなると覚悟しておいたほうがよろしいようです。
まぁ~、そういう場合のために、ちゃあ~んと『観光うどん』と称せられる初心者向けのコースが用意されておりますので、そちらのほうを選ばれるほうが無難かと思います。初心者向けコースでも、十分に感動し、ご堪能いただけると思います。
香川県は日本の47都道府県の中で面積が一番狭い県で、人口も約100万人弱(人口流出が激しく、数年前に100万人を割り込みました)という小さな県です。現在私が住む埼玉県さいたま市(人口120万人)よりも小さな県です。その小さな県の香川県ですが、うどんを食することが出来る飲食店は約900あると言われています。人口100万人に対してうどん屋が900。1店舗あたり約1,000人強の住人の腹を満たしているってことになります。これはなんとも異常な数字です。東京都内におけるハンバーガーショップでこういうマーケット分析を行ってみてもこんな数字は出てきません。
マーケット的に見ると、ビジネスとしては絶対に成り立たない数です。では、何故成り立つのか? それは県民皆うどんが大好きで、1日3食うどんで大丈夫…って輩ばかりが住んでいるからです(私もそうです。関東に住んでいると、時々美味し~い讃岐うどんの禁断症状が出てきていけません)。
これだけうどんが大好きな県民ですので、うどんに関しては相当に舌が肥えています。900店もあるのですから、美味しくないと商売は成り立ちません。選択肢はメチャメチャ多く(そもそも面積が狭いので、すぐ近くに別の店がありますし)、客に一度でも美味しくないと思われたら即廃業に追い込まれてしまいます(日本で一番狭い県なので、悪い噂は瞬時に広がりますから)。
そういう厳しい市場環境の中でもしっかり生き残っているわけですから、香川県ではどのうどん屋に入ってもまずハズレに当たることはありません。基本的にどこも美味しい。しかも、同じ讃岐うどんと言ってもどの店のうどんもみぃ~んな一緒かと言うと、決してそんなことはありません。どの店のうどんも微妙に歯応えなり喉越しなりが違っていて、うどん通のジモティにとってはその違いを楽しむようなところがあります。その日その時の気分や体調によって店を選ぶこともあります。
『観光うどん』の店にしてもほとんどが手打ちで、機械を導入しているところはほとんどありません。ただ、大量に捌くため職人の数が大勢いるだけです。しかも、先述のように『うどん』は生もので、打ってから30分以上時間が経過すると急激に鮮度が落ちて美味しくなくなりますが、たいていの『観光うどん』の店は30分以上時間が経過した『うどん』を廃棄してしまうそうなので、どこの店でも美味しい筈です。
まぁ~いっぺん、食べにきぃまい! ほんま、うまいけん! ……これ、讃岐弁です。
また、香川県に『うどん巡礼』に訪れる際には、くれぐれも公共交通機関のご利用を、よろしくお願いいたします。何度も書きますが、なにせ、日本一面積の狭い都道府県、狭い狭い香川県ですので(^^)d
……(その4:完結)に続きます。
http://www.sanuki-ikegami.co.jp/
(看板女将・瑠美ばあちゃんが認めた唯一の公式HPらしいです)
『おそるべき讃岐うどん』の『麺通団』の田尾和俊教授(団長)が“偶然”に発見して腰を抜かして以来、その怪しげな佇まいも相まって、人気が急上昇。常に長い行列ができるようになり、若いお兄ちゃんの弟子も数人雇い、1杯100円から食べられる『うどん』を売りに売って、2年前に高松空港のすぐそばに新店舗を開業して、移りました。(あまりにお客さんが殺到して、周囲の道路は大渋滞が発生。ご近所迷惑だと言うことで、移転したとも言われています。まぁ~、狭い生活道路しかない住宅街の中にポツンとあった店ですから。)
http://www.netwave.or.jp/~koki/udon/ikegami.htm
(移転前の怪しげな佇まいの頃の旧店舗を紹介したHPです)
あまりの人気に最近ではジモティ(地元民)もなかなか口にすることが出来なくなったと言われていましたが、新店舗に移って、店も広くなりましたし、弟子の数も増えて、少しは食べられやすくなりました。私も出張などで高松に行く際には、必ず使う飛行機は午前11時頃に高松空港に着く飛行機にしています。ANAさんもJALさんも薄々需要を分かっているのか11時ちょうど前後に高松空港に到着する便を設定していただいているので、嬉しい限りです。この11時ちょうど前後に到着する便で高松空港に降り立つと、そのままターミナルビルの前からタクシーに乗って『池上製麺所』に直行します。ものの5分ほどで『池上製麺所』に到着します。ですから午前11時半前には『池上製麺所』に到着できるわけです。
この午前11時半というのが、なんとも微妙で『池上製麺所』のような超が付くほどの有名店で『うどん』を食するにはちょうどいい時間帯なのです。各製麺所では前日に捏ねて一晩寝かしておいた小麦粉の塊を朝から延ばし、麺の形に切って、最終形としての『うどん』に加工するわけですが、最初に作るのは、学校や病院の食堂、一般のうどん屋等、契約してくれているところに卸すための『うどん』です(これが製麺所の本来の仕事です)。それが一段落してから、自分のところの店で客に出す『うどん』を作り始めるのですが、これがだいたい午前10時半頃から。したがって、店が開くのは午前11時頃からになります。
12時を過ぎるとお昼を食べに大勢のジモティが集まってきますから大混雑になっちゃいますし、打ち手も大量の客に『うどん』を出す必要があるためにどうしても仕事が雑になってきて、その雑さが『うどん』の出来に微妙に影響を与えることも正直あります(ここが機械で作っていない、あくまでも職人の技に頼る『讃岐うどん』の特徴でもあるのですが…)。ですから、この午前11時半頃というのが一番いい時間帯なのです。ちなみに、『池上製麺所』のある高松空港周辺は高松市の中心部からはクルマで30分ほどかかるところなのですが、ジモティ達は会社を抜け出し、わざわざその距離をクルマを運転して食べにやってきます。
先ほど、『ばあちゃん系のうどん』と書きましたが、これは文字通り、婆ちゃん(年配の女性)が打っている『うどん』のことです。昔からある『讃岐うどん』の一つのジャンルとも言えるもので、ふつう、この『ばあちゃん系のうどん』は食感が柔らかく、優しい感じがするものなのです。ですが、この『池上製麺所』のうどん、ふつうの『ばあちゃん系のうどん』だと思って口に入れると、腰を抜かしそうになっちゃうんです。「なんじゃ、このコシの強さは!?」 コシが強いだけではなく、コシが強い中に、なんとも優しい食感があるんです。あの前歯がほとんど抜けて(失礼)、腰が曲がった現在80歳(確か…)の婆さんが、いったいぜんたいどうやってこんな力強い『うどん』が打てるのか!?
この『池上製麺所』の看板女将・瑠美ばあちゃん、数年前に某民放テレビの「どっちの料理ショー」なる番組に出演して、全国の並みいる名物店の「ラーメン王」と対戦し、ことごとく打ち破って一躍有名になっちゃいました。そもそも、スープだ具だ…とゴチャゴチャゴチャゴチャ複雑な味を作り出す「ラーメン」と、小麦と塩と水、極めてシンプルに素材の味だけで勝負する『うどん』のどっちが美味しいかを戦わせようとするテレビの企画自体、いかがなものか…と思うところがあるのですが、ことごとく打ち破り、日本一美味しい麺は『讃岐うどん』である!を証明してみせたその腕前は大したものです。“がいな (香川弁で「負けん気の強い」の意味)”の精神、ここにあり!!って感じがして、スカッとしました。
(そもそも素材の味を楽しむ日本人の味覚には『うどん』か『蕎麦』が一番ということなのでしょう。)
その後も時々テレビに露出して、今では「ディープ香川」の代表、まさに『おそるべき讃岐うどん』の代表格のような存在になっています。いつ見ても、笑顔が素敵です。
あぁ~~~~~~、ここまで『讃岐うどん』について書いてくると、近いうちに地元香川に戻って、美味しい『讃岐うどん』が食べたいなぁ~~!! って気になってきます。
私も四国に帰省するたびに必ず『うどん屋巡り(これを『うどん巡礼』と言います)』をしていますが、どうしても訪れた店の数はなかなか伸びません。通信販売もいいのですが、それだと店の雰囲気や作り手の顔までもは伝わって来ないので、イマイチ消化不良です。そろそろ禁断症状が出てきそうです。
最近は高速道路料金が割安になったこともあり、瀬戸大橋や明石海峡大橋を渡って、遠く四国外から『讃岐うどん』を食べにくる観光客が非常に多くなりました。中には『讃岐うどんツアー』と称して、飛行機や列車、観光バスを使って香川県までやって来て『おそるべき讃岐うどん』で紹介された各店を食べ歩くツアーまであるそうです。そのあまりの人気のおかげで、ジモティ(地元民)が美味しい『うどん』を食することがなかなか出来なくなったという一面も出始めているそうです。
また、そもそもが『讃岐うどん』は地元に根差した地元民のための料理で、製麺所は地元民が生活する生活区のど真ん中にあることが多いのですが、そこに多くの観光客が自家用車や観光バスで押し寄せるようになって、店の前の道路(すなわち生活道路)が大渋滞を引き起こすなど、予期せぬ問題も起きているようです。
(その1)で紹介した『熱熱(あつあつ)』、『熱冷(あつひや)』、『冷熱(ひやあつ)』、『冷冷(ひやひや)』の発祥の地と言われる老舗の一つ『宮武製麺所』も、既に数年前に閉店(廃業)しちゃいましたが、閉店にあたり『宮武製麺所』の大将は「もう歳やし、毎日そんなにようけは打てん(作れない)…」と言ったそうです。ですが、本当のところはご近所への迷惑も考えてのことだと想像します。
一玉100円ほどの『うどん』です。それと、機械による均一品質の大量生産ではなく、あくまでも職人による手生産が『讃岐うどん』の魅力になっていますから、生産量にも限界というものがあります。そんなに大量に観光客が押し寄せられても地元に落ちるお金は僅かなものです。
まぁ~、そうは言うものの、今回のブログ『おそるべき讃岐うどん』を読んで、私の故郷、四国の香川に『うどん』を食べに行こうと思い立った方へのワンポイント・アドバイスを最後に書いておきます。
ご紹介した『池上製麺所』のように、『麺通団』の『おそるべき讃岐うどん』で紹介されたようなディープな店は、機械類はいっさい導入しておりません。特に婆ちゃんや爺ちゃんが一人で切り盛りしているようなディープかつチープな店(地元香川の『製麺所型店』は、基本的に麺の代金だけで食べられますので、とにかく安いです。ワンコイン(100円)で食べられるお店もあったりします)は、どうしても婆ちゃんや爺ちゃんの体力の問題から生産量に限界というものがあるため、1日100食か200食限定といった感じの店が多く、すぐに売り切れてしまいます。そういう店には平日の午前10時から遅くとも午前11時までに行ってください。既に長い行列が出来ているとは思いますが……。昼の12時から並んだのでは、たぶん売り切れて、残念ながら食することはできません。
そういうことですので、どんなに期待して行っても、初心者ではまず何店もは食することは出来ません。ディープな店巡りをしようと思ったら、何日間も香川に滞在しないといけなくなると覚悟しておいたほうがよろしいようです。
まぁ~、そういう場合のために、ちゃあ~んと『観光うどん』と称せられる初心者向けのコースが用意されておりますので、そちらのほうを選ばれるほうが無難かと思います。初心者向けコースでも、十分に感動し、ご堪能いただけると思います。
香川県は日本の47都道府県の中で面積が一番狭い県で、人口も約100万人弱(人口流出が激しく、数年前に100万人を割り込みました)という小さな県です。現在私が住む埼玉県さいたま市(人口120万人)よりも小さな県です。その小さな県の香川県ですが、うどんを食することが出来る飲食店は約900あると言われています。人口100万人に対してうどん屋が900。1店舗あたり約1,000人強の住人の腹を満たしているってことになります。これはなんとも異常な数字です。東京都内におけるハンバーガーショップでこういうマーケット分析を行ってみてもこんな数字は出てきません。
マーケット的に見ると、ビジネスとしては絶対に成り立たない数です。では、何故成り立つのか? それは県民皆うどんが大好きで、1日3食うどんで大丈夫…って輩ばかりが住んでいるからです(私もそうです。関東に住んでいると、時々美味し~い讃岐うどんの禁断症状が出てきていけません)。
これだけうどんが大好きな県民ですので、うどんに関しては相当に舌が肥えています。900店もあるのですから、美味しくないと商売は成り立ちません。選択肢はメチャメチャ多く(そもそも面積が狭いので、すぐ近くに別の店がありますし)、客に一度でも美味しくないと思われたら即廃業に追い込まれてしまいます(日本で一番狭い県なので、悪い噂は瞬時に広がりますから)。
そういう厳しい市場環境の中でもしっかり生き残っているわけですから、香川県ではどのうどん屋に入ってもまずハズレに当たることはありません。基本的にどこも美味しい。しかも、同じ讃岐うどんと言ってもどの店のうどんもみぃ~んな一緒かと言うと、決してそんなことはありません。どの店のうどんも微妙に歯応えなり喉越しなりが違っていて、うどん通のジモティにとってはその違いを楽しむようなところがあります。その日その時の気分や体調によって店を選ぶこともあります。
『観光うどん』の店にしてもほとんどが手打ちで、機械を導入しているところはほとんどありません。ただ、大量に捌くため職人の数が大勢いるだけです。しかも、先述のように『うどん』は生もので、打ってから30分以上時間が経過すると急激に鮮度が落ちて美味しくなくなりますが、たいていの『観光うどん』の店は30分以上時間が経過した『うどん』を廃棄してしまうそうなので、どこの店でも美味しい筈です。
まぁ~いっぺん、食べにきぃまい! ほんま、うまいけん! ……これ、讃岐弁です。
また、香川県に『うどん巡礼』に訪れる際には、くれぐれも公共交通機関のご利用を、よろしくお願いいたします。何度も書きますが、なにせ、日本一面積の狭い都道府県、狭い狭い香川県ですので(^^)d
……(その4:完結)に続きます。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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