2015/10/02

爆弾低気圧

昨夜の日本列島は東日本から北日本にかけて広い範囲で暴風が吹き荒れる大荒れの天気でした。

昨日(1日)の12時に朝鮮半島にあった段階では中心気圧が996hPaだった低気圧が、それから21時間後の今日(2日)午前9時の段階では北海道の西の海上で強い台風並みの946hPaまで急速に発達しちゃいました。この急速に発達した低気圧が日本海を通過した影響で、昨日から今朝にかけての日本列島は東日本から北日本にかけて広い範囲で暴風が吹き荒れ、神奈川県の川崎市高津区の中学校では校舎の解体工事用に設置された高さ6~7メートルの足場が倒れ、近くの電柱を押し倒したりしたほか、各地で風に煽られての転倒により怪我をされる方が続出しました。

一般に中心気圧が24時間で24hPa以上、急速に低下する温帯低気圧のことは“爆弾低気圧”と呼ばれていますが、この低気圧は21時間でなんとなんと50hPaも急激に気圧が低下したわけで、爆弾と言っても破壊力抜群のメガトン級の大型爆弾のような低気圧でした。

この爆弾低気圧、今日(2日)もまだ北海道の北西の海上にあって、明日(3日)にかけて北日本は荒れた天気が続きそうです。次のような報道が流れています。

『北海道で大荒れの天気 暴風・高波に厳重警戒』

気象庁によりますと、急速に発達した低気圧の影響で北日本を中心に風が強まり、北海道では暴風が吹き、大荒れの天気となっています。

北海道の利尻空港では午前6時半すぎに43.7メートル/秒、広尾町では午前9時半ごろに40.2メートル/秒、釧路市では午前9時すぎに36.8/秒、青森空港では午前9時20分ごろに28.3メートル/秒の最大瞬間風速をそれぞれ観測しました。

低気圧はゆっくりと北上するため、北日本を中心にこのあとも風の強い状態が続き、低気圧に近い北海道では3日にかけて非常に強い風が吹く見込みです。2日の最大風速は、北海道の陸上で28メートル/秒、海上で30メートル/秒、東北の陸上で18メートル/秒、海上で25メートル/秒と予想され、最大瞬間風速は北海道で45メートル/秒、東北で35メートル/秒に達する見込みです。

また、北海道の沿岸では、2日夕方にかけて波の高さが9メートルの猛烈なしけが続くほか、東北でも大しけが続く見込みです。北海道の日本海側北部や太平洋側東部では、2日夕方にかけて海岸や川の河口近くで高波や高潮による浸水のおそれがあります。また、北海道では2日夕方から3日の明け方にかけて、上空に寒気が流れ込むため大気の状態が不安定になり、1時間に30ミリの激しい雨が降るおそれがあります。

気象庁は北海道では暴風や高波に厳重に警戒し、不要な外出は控えるとともに、高潮にも警戒し、落雷や竜巻などの突風に十分注意するよう呼びかけています。 (NHKニュース&スポーツ 10/02 12:07)


この様子を弊社の気象ビッグデータ可視化ツール『Weatherview2』の見てみます。左の図は今日(2日)午前9時に気象庁から発表された実況天気図です。また、右の図は同時刻に発表されたGSM全球数値予報モデルの風の流れを『Weatherview2』で可視化した画面をキャプチャーした図です。ここでは海面更正気圧と重畳させています。図中、青い部分が気圧の低いところ(概ね980hPa以下)、赤い部分が気圧の高いところ(概ね1015hPa以上)を示しています。

2015年10月2日9時発表の天気図

2015年10月2日9時発表のGSM全球データ2


この図を見ると、太平洋にある高気圧から、北海道の北、樺太(サハリン)にある強い勢力の低気圧に向かって、物凄い勢いで大気が流れているのが分かります。また、日本列島のすぐ東の太平洋上で南の太平洋から流れてくる大気の流れと、西の大陸から流れてくる大気の流れと言う異なる性質の大気の流れがぶつかり合い、そこが線上になっているのが見て取れます。これが“前線”で、ここまで性質の異なる大気の流れが激しくぶつかり合うと、その部分では大気の状態が不安定になって積乱雲が発生し、激しい風雨になっているのだな…ということが容易に想像できます。わかりやすいでしょ(^^)d

報道にもありますように、北海道では、この先もしばらくは暴風や高波に厳重に警戒し、不要な外出は控えるとともに、高潮にも警戒し、落雷や竜巻などの突風に十分注意が必要なようです。お気をつけ下さい。

執筆者

株式会社ハレックス前代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
前代表取締役社長

越智正昭

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