2016/06/08

産地マニア(その2)

「産地調べ」のついでに、私の故郷・愛媛県の特産である柑橘類について、もう少し書きますねφ(゜゜)ノ゜

上記で、愛媛県産の柑橘類で全国シェア第1位を誇っている種類は「イヨカン(伊予柑)」、「ポンカン」、「キヨミ(清見)」、「カワチバンカン(河内晩柑)」、「セトカ(せとか)」などがあると書きました。

まず、柑橘類の代表的な産地と言われるところの共通項はどこにあると思いますか?

それは海に面していること。甘くて美味しい柑橘類を育てるには十分な日照が必要なんです(^^)d

そのためには空からの太陽の光だけでは足りません。海からの太陽の照り返しも必要なんです。ですから柑橘類の代表的な産地は極力南側に海がないといけないのです。北側が海では甘い柑橘類は育ちません。静岡県がそうですし、和歌山県もそう。愛媛県も南予(愛媛県の南のほうの地方)の宇和海に面したあたりが一番の産地なんです。島で栽培されているのもそう。たいていは南側の斜面で栽培されています。アメリカだって海に面したカリフォルニアが一番の産地です。二番目はフロリダ。どちらも概ね南側が海です(^^)d

我が家の愛猫ピッケの額ほどの庭に植えてあるキンカンもこのところのシーズンは残念な結果に終わっていますが、思い切って昨年行ったバサバサッという剪定がバッチリうまくいったのか、今は新芽がいっぱいついています。この樹には南側に水を張った水槽を置いて、いっぱい太陽の光を当ててあげようと思っています(^^)d

次に、「まだまだ生産量が限られているので一般のスーパーマーケットなどでは販売されていませんが、甘平(カンペイ)、愛南ゴールド、紅マドンナなどは1個500円以上の贈答用の高級果物として首都圏でも販売され始めているようです」と書いた3つの品種に関して…。

まず「紅マドンナ」は先日ご案内した『果物ナビ』では「愛媛果試第28号」という名称で載っています。“試”という字が付いているように愛媛県の今から5年ほど前に愛媛県農林水産研究所て産み出された新品種なのです。収穫時期は12月~翌年の1月頃。果実は中型で、果皮は農橙色で薄く、皮が剥きにくい欠点があるため主にカットフルーツとして食します。糖度は12度とやや高く、香りがよく、果肉は柔軟多汁でゼリーのような食感と言われます。生産されはじめてから5年、果物ナビを見ると、それなりに出荷量も増えて、価格も下がり、広く流通するようになってきているようですね。

次に「甘平(カンペイ)」は「愛媛果試第34号」ですから、「紅マドンナ」よりも新しい生まれたてホヤホヤの品種です。13度以上の糖度と外観は扁平なことから“甘”くて“平”らということから「甘平」、安易と言えば安易なネーミングですが、愛嬌があってよろしいんじゃあないでしょうか。果皮の色は濃い橙色で、果皮の厚さは薄く、果肉の色も皮よりもさらに濃い橙色をしています。シャキッとした大粒のプチプチ果肉と食べごたえ満点の「甘平」は、驚異的な甘さで、あの「せとか」にひけを取らない最高傑作柑橘と地元愛媛では言われています。過日、松山の実家に戻った時、母から「これ、食べてみてみぃ(食べてごらん:東予(愛媛県の東のほう)の言葉です)」と言われてカットフルーツにしたのを手渡されて食べてみたのですが、あまりの美味しさにビックリしました(@_@) 地元で最高傑作品種だと言われているのがわかる気がしました。

このところ愛媛県が市場ニーズに合わせて開発し送り出している新しい品種には共通する特徴があって、それが「驚異的な甘さ」と「皮の薄さ」。その「皮の薄さ」のため育てるのが難しく、夏~秋にかけて雨が少ないと、皮が割れてしまいます。結実してからは雨にあたると果実の表面にキズがつきやすく、極力雨にあてないようにする管理が必要です。もちろん、糖度を上げるためには気温と十分な日照時間が鍵を握り、どこでも作れるというものではありません。そのため、甘平は、まだまだ出荷量や流通量もかなり少ないため、高価な品種になっています。もっと育成技術が向上して生産量が増えれば、お手軽に食べられる日も来るかも知れません。

「愛南ゴールド」は愛媛県南部の南宇和郡愛南町で生産されている「カワチバンカン(河内晩柑)」のことです。「カワチバンカン(河内晩柑)」とはザボンやブンタンの一品種で、元々は熊本県熊本市河内町で“発見”された自然雑種です。その地名の“河内”と、イヨカンなど晩生の柑橘類の総称である「晩柑」からつけられた名称です(河内と言っても河内音頭で有名な近畿地方の“河内”とは関係ありません)。外観から和製グレープフルーツと称されますが、グレープフルーツのような苦みや強い酸味はありません。果汁が豊富で、果肉が柔らかく、さっぱりとした甘みが特徴です。

名称にもあるように晩生であり、5月に開花してから翌年の8月や9月まで長く実がついているという特徴があります。また晩生で越冬する必要があるために、ハウス栽培や冬期も一定以上の気温で、ほとんど降霜することのない地域での栽培が必要となります。そのため、生産地は愛媛県愛南町や熊本県天草市などほんの少数に限られます。なかでも愛媛県の最南部、足摺岬に程近い南宇和郡愛南町は日本の生産量の約半数を占めており、日本一の産地です。そのため、ブランド化を目的として愛南町では2007年から「愛南ゴールド」という呼称を用いて出荷するようになったとのことです。まぁ~、「河内晩柑」ではネーミングがダッサイですからね(笑)

最近はいっぱい新しい品種が出ています。スーパーマーケットで並んでいるのを見掛けたら、ぜひいっぺん騙されたと思って愛媛県産柑橘を御賞味くださいね。

私も実家等から箱で送られてくるイヨカンやタンカン、紀州ミカン(小みかん)に少し飽きちゃったので、他の新しい品種もぜひ食べてみたいと思っています(^^;


【追記】
本文にも書いていますが、農業は自然環境に大きく左右される産業です。となれば…、そうです!(^^)d 我々民間気象情報会社の活躍の場です。

まずは過去の気象データからその地域の特性を知ることから始めないといけません。過去の気象データは宝の山です。これを眠らせていてはいけません! 大事な大事な日本国の宝です!!(^-^)v

さあて、やることいっぱい出てきたぞ!!
じゃあ、いつやるの!?
今でしょ!!(^^)d ……って、これ、まだまだ“死語”になっていませんよね。
頑張ろう!o(^o^)o

執筆者

株式会社ハレックス前代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
前代表取締役社長

越智正昭

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