2016/11/25

日本農業法人協会「気象情報システム利用経営研究会」設立

音楽バンドの遠征ライブのことを“ツアー”と呼びます。海外ツアーや日本縦断ツアー、東京ドームや大阪ドームといったドーム式球場を制覇する全国6大ドームツアー等々。私の大阪、米国ネバダ州ラスベガス、北海道札幌を巡る一連の連続出張もその“ツアー”のようなもので、その“ツアー”の最後は本拠地東京に戻ってきての講演でした。

11月2日(水)の午後、東京大手町のJAビル32階にある会議室で、公益社団法人・日本農業法人協会主催の自主研究会「気象情報システム利用経営研究会」の設立会と設立セミナーが開催され、その場に招かれて『気象ビッグデータの活用で農業を元気に!』と題して講演をさせていただきました。

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公益社団法人・日本農業法人協会は農業経営の先駆者である農業生産法人をはじめその他農業を営む法人(以下、「農業法人」という)の経営確立・発展のための調査研究、提案・提言、情報提供等の活動を進めることにより、日本の農業・農村の発展と国民生活の向上に寄与することを目的に平成11年(1999年)6月に設立された団体です。現在の会員数は全国1,877法人等(2016年7月現在)。北は北海道から南は九州沖縄まで全国47都道府県にそれぞれ都道府県レベルでの農業法人協会を展開しています。また、農業に関心をもつ企業等が「農業法人の応援団」として情報発信をする機会や、企業等と当協会会員の交流促進の場を提供することを目的として「アグリサポート倶楽部(ASC)」なる関連組織を設けていて、現在約50社の企業等が加盟されています。

公益社団法人日本農業法人協会
  
日本農業法人協会ではテーマに沿った自主的なグループ研究活動を幾つか行っていて、この日設立された自主研究会「気象情報システム利用経営研究会」もその一つです。

この日、総会で承認された設立主旨書には、設立目的として以下のことが書かれています。

①先端技術を活用した農業での経営効率化、労働力不足解消に向けた動きが出ている。
②今回、農業経営での気象情報システム利用に着目。既存の他事業で取り扱われている米麦、果樹に加え、露地野菜等についても対象とし、気象情報サービスを活用した天候リスク回避、コスト削減等による経営強化等を目的として、気象情報システム利用経営研究会(以下、「本研究会」という)を設立するものとする。
③本研究会の取組みを通して、気象情報サービスの利用を農業経営に反映・実践すること、会員および関係団体等に発信すること等により、会員の経営強化、農業経営の成長の契機になるものと思料される。

平たく言えば、今年(2016年)3月11日に愛媛県内の農業者とIT企業等が設立した『特定非営利活動法人(NPO法人)坂の上のクラウド利用研究会』の全国版がこの日発足したと思っていただければよろしいかと思います。

「NPO法人 坂の上のクラウド利用研究会 設立!」

発起人(設立メンバー)となられたのは、日本農業法人協会の会員企業の代表者の中でも各地域を代表される以下の8人の論客の方々です。北から……

株式会社もち米の里ふうれん特産館(北海道名寄市)の堀江英一代表取締役
株式会社もち米の里ふうれん特産館

有限会社アグリ山﨑(茨城県坂東市)の山﨑正志代表取締役
有限会社アグリ山﨑

株式会社野菜くらぶ(群馬県昭和村)の澤浦彰治代表取締役(小林啓子取締役が代理出席)
株式会社野菜くらぶ

有限会社農園星ノ環(群馬県昭和村)の星野高章代表取締役
有限会社農園星ノ環

株式会社関東地区昔がえりの会(埼玉県児玉郡上里町)の小暮郁夫代表取締役
株式会社関東地区昔がえりの会

有限会社ぶどうばたけ(山梨県甲州市勝沼町)の三森斉代表取締役
有限会社ぶどうばたけ

株式会社鈴生(静岡県静岡市葵区)の鈴木貴博代表取締役
株式会社鈴生

有限会社ジェイ・ウイングファーム(愛媛県東温市)の牧秀宣代表取締役
有限会社ジェイ・ウイングファーム

北は北海道から南は四国愛媛県まで、生産されている作物も米麦から野菜、果樹(ブドウ)と多岐に渡っておられます。上記に各社のHPとリンクを張らせていただきましたが、各社のHPを見ると先進的な素晴らしい取り組みをいろいろとなさっていて、農業向け気象情報の活用に向けて検討するにあたり、素晴らしい方々が集まられたのだということを実感しちゃいます。

自主研究会「気象情報システム利用経営研究会」の設立総会には、こういった農業法人の代表者の方々だけでなく、アグリサポート倶楽部(ASC)の会員企業として、損害保険ジャパン日本興亜株式会社様、イーサポートリンク株式会社様、日本ユニシス株式会社様が、また、協力企業(賛助会員企業等)として弊社ハレックスのほか、全国農業協同組合連合会(JA全農)様、農林中央金庫様が参加しました。

設立総会では代表に株式会社鈴生の鈴木貴博代表取締役、副代表に有限会社ジェイ・ウイングファームの牧秀宣代表取締役を選出し、セミナーに移りました。

セミナーの第1弾は私の基調講演として、前述のように『気象ビッグデータの活用で農業を元気に!』と題した講演をさせていただきました。ジェイ・ウイングファームの牧秀宣代表や野菜くらぶの小林啓子取締役など旧知の方々も含まれていましたが、基調講演として農業向け気象情報の活用に向けて皆様のイメージが膨らむことをいつも以上に意識してお話させていただきました。

私の基調講演の後はJA全農様と農林中央金庫様からの情報提供。両者とも最近は農業生産現場向けの情報提供に力を注がれていて、JA全農様からはJAグループの会員制総合営農情報サービス『アピネス/アグリインフォ』に関して、農林中央金庫様からは農業支援ポータルサイト『アグリウェブ』のご紹介がありました。

アピネス/アグリインフォ
アグリウェブ

ちなみに、この両サービスとも気象情報は弊社の1kmメッシュ気象情報『HalexDream!』をご利用いただいています(農林中央金庫様が提供する「アグリウェブ」はJA全農様が提供されている「アピネス/アグリインフォ」にリンクが張られていて、弊社の1kmメッシュ気象情報は「アピネス/アグリインフォ」経由での提供となります)。

農業経営の先駆者である農業生産法人をはじめその他農業を営む法人の集まりである日本農業法人協会様に加えて、JA全農様、さらには農林中央金庫様が一堂に会して農業向け気象情報の活用を考える…、まさに農業界における“All JAPAN”の取組みがついに生まれたって感じです。素晴らしい!!

今後この日本農業法人協会様の自主研究会「気象情報システム利用経営研究会」は既存の会議体等に合わせて東京で開催される年数回の勉強会に加え、現地視察やテーマを絞った月次レポートの提出を主要な活動として運用されていくとしています。弊社ハレックスも協力企業としてこの活動に積極的に関与していきたいと考えています。

設立会とセミナー終了後には交流会が開催されたのですが、皆さん論客揃いなので昼間の部では十分に話し足りなかった感じで、活発な意見交換がなされました。全国各地から様々な農産品を実際に生産されている現場農業者の方々がお集まりになられたこともあり、参考になることもいっぱい聴くことができ、本当に有意義でした。


【追記】
今年も12月10日(土)、11日(日)の2日間、東京の日比谷公園を会場にして『第7回ファーマーズ&キッズフェスタ2016』というイベントが開催されます。このイベントは日本全国のプロ農業者が集い「子どもと農業をつなぐ架け橋」として都会の子供たちに元気なニッポン農業を発信するイベントです。 こだわりの新鮮な農産物を東京のど真ん中にお届けするとともに、楽しいステージや食育・農育ワークショップを催したり、超大型農業機械の試乗、動物との触れ合いの場を作ったり…と、様々な形で農業の魅力と楽しさを紹介します。主催は日本農業法人協会内のファーマーズ&キッズフェスタ実行委員会。農林中央金庫様が特別協賛し、JA全農様がメインスポンサーを務められます。

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NHK Eテレで放送中の番組「いないいないばあっ!」の人気キャラクター・ワンワンも登場します。私もそのワンワンが大好きな今年3歳になった孫娘を連れて参加しようと思っています。皆様も、是非、ご家族連れで参加なさってはいかがでしょうか。

第7回ファーマーズ&キッズフェスタ2016 公式HP