2018/01/26

邪馬台国は四国にあった…が確信に!(その2)

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徳島阿波おどり空港からリムジンバスでJR徳島駅へ。徳島駅前のホテルのロビーで今回同行する5名が集合しました。最初に向かったのは徳島駅前にあるアミコシビックセンター3階ギャラリーA。そこで、今年(2017年)、サントリー地域文化賞受賞を受賞した『阿波木偶箱まわし保存会』の「~サントリー地域文化賞受賞記念~阿波木偶箱まわし保存会20年の歩み展」というイベントが11月22日、23日の2日間開催されているというので、まずそこに顔を出しました。

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阿波木偶(でこ)箱まわしは人形を箱に入れて担ぎ、家や人の多く集まる場所などで演じられてきた徳島県に古くから伝わる人形芝居のことです。演目は年明けに家々を回って門口に立ち、家内安全や商売繁盛などを祈る、門付け芸の「三番叟(さんばそう)まわし」と、人が多く集まる場所で「傾城(けいせい)阿波の鳴門」などを演じる娯楽の芸「箱廻(まわ)し」などがあります。「三番叟まわし」とは、三番叟と恵比寿(えびす)が「五穀豊穣」、「無病息災」、「家内安全」などを予祝し、新しい年を迎えた人々に明るい展望と生きる勇気を与える演目です。明治時代には徳島県内に約200人の人形遣いがいたそうなのですが、徐々に減少。一時は絶滅の危機を迎えていました。姿を消してしまう寸前だったこの貴重な伝統芸能を継承し、調査・研究と普及活動に努め、伝統行事も引き継ぐために、現在保存会の顧問を務められている辻本一英さんが22年前の1995年に「阿波木偶箱まわしを復活する会」を結成しました。

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その時、メンバーだった中内正子さん(現会長)が当時徳島県内で1人だけ「三番叟まわし」を行っていた人形遣いに弟子入りし、3年間門付けに同行して芸を学びました。2002年から師匠の門付け先を受け継ぎ、主に徳島県内で門付けを行っていて、現在1,000軒ほどの家々を回っているそうです。また、「三番叟まわし」「箱廻し」「えびすまわし」「大黒まわし」等の調査・伝承活動にとりくみながら、国内外で精力的に講演・公演を行っておられます。その後、会の名前を「阿波木偶箱まわし保存会」に変更、現在は28人が所属しています。

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この『阿波木偶箱まわし保存会』ですが、牧さんが代表を務められている東温市の農業生産法人ジェイ・ウィングファームが毎年5月中旬に開催している麦の収穫感謝祭『麦うらし』に毎年ゲストとして招待されて、「三番叟まわし」などを演じられています。特に、ジェイ・ウィングファームの『麦うらし』では、愛媛県内に古くから伝わる田植え前に行う儀式「ノバセワラの春神楽」を見事に復活させていただきました。“ノバセワラ”とは藁を円錐状に結わえたもののことです。「ノバセワラの春神楽」は、そのノバセワラを村々を訪ねて来る『阿波木偶箱廻し』の恵比寿様に神楽を舞いながら踏んでもらうと、その年は豊作になると語り継がれていた習俗です。

麦うらし2016(その2)

私達が徳島を訪れた23日にその『阿波木偶箱まわし保存会』の「~サントリー地域文化賞受賞記念~阿波木偶箱まわし保存会20年の歩み展」というイベントが開催されたというのも、偶然とは言え、不思議な因縁を感じます。会場内はギッシリ満員です。

「サントリー地域文化賞」は全国各地で展開されている芸術、文学、伝統の保存・継承、衣食住での文化創出、環境美化、国際交流などの活動を通じて、地域の文化向上と活性化に貢献した個人、団体に対し、昭和54年(1979年)の創設以来、公益財団法人サントリー文化財団により毎年贈呈されている賞です。平成29年(2017年)のサントリー地域文化賞選考委員会では、『阿波木偶箱まわし保存会』の活動に対して「これこそ地域文化だ」とか「本来の芸能が息づいている」との声が上がり、全会一致で授賞が決まったのだそうです。素晴らしい!!

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『阿波木偶箱まわし保存会』の「~サントリー地域文化賞受賞記念~阿波木偶箱まわし保存会20年の歩み展」では、保存会が所有されている箱まわしの木偶(でこ)の頭のうち一部が展示されていたのですが、どれも見事なものでした。その頭群の前で、保存会の顧問を務められておられる辻本一英さんがいろいろと解説をしていただきました。

テレビや映画などの娯楽がなかった昭和の初期、正月明けに人形を箱に入れて担ぎ、家々を回って門口に立ち、家内安全や商売繁盛などを祈る、門付け芸の「三番叟まわし」を演じる阿波木偶箱まわしはどの家々からも縁起物として重宝がられ、どの家々も貧しい生活の中から御祝儀のお金やおコメを提供しました。その額は約1ヶ月間で公務員の初任給のおよそ1年分になったのだそうです。それだけ阿波木偶箱まわしが地域の人達から大事にされていたということなのでしょう。

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続いて辻本さんからは木偶(でこ)の操作の仕方について説明を受けました。複数の人間で1つの人形を操る人形浄瑠璃と異なり、阿波木偶箱まわしの人形は基本1人の演じ手(人形遣い)が操ります。演じ手は両手の指や腕、両脚を巧みに使って、人形の両手両脚を動かし、さらには喜怒哀楽の顔の表情を作ります。見事です。それを実現するのが人形に組み込まれた様々な仕組み、まるでロボットのようなメカニズムです。こうした技術がここ徳島には古くからあったわけで、それにも驚きました。

加えて、辻本さんは会場に愛媛県東温市からジェイ・ウイングファームの牧代表が来ていることを場内に紹介し、牧さんとの出会いや、前述の「ノバセワラの春神楽」の復活の話などをしていただきました。その話を聞いて、牧さんと今回同行している私達も、そんな牧さんと親しい友人であることが誇らしく思えました。

このイベントでも、阿波木偶箱まわしの代名詞とも言える縁起物の「三番叟まわし」を保存会会長の中内正子さんと副会長の南公代さんのお二人が演じてくださいました。また、阿波木偶箱まわし保存会はこの徳島県ならではの伝統芸能を残すため新しい取り組みにもチャレンジされていて、この日は地元徳島県鳴門市出身でスイスにも国費で留学していた経験を持つフルート奏者・岩崎由佳さんのフルートの演奏をバックに箱まわしの人形芝居を演じるということを本邦初公演ということでご披露していただきました。演奏されたのは2006年に行われたトリノ冬季オリンピックのフィギュアスケート女子シングルで荒川静香選手が演じて金メダルを獲得したことで一躍有名になったプッチーニ作曲のオペラ『トゥーランドット』中のアリア「誰も寝てはならぬ」。いわゆる和と洋の共演ってやつですが、なかなか曲の感じにあった見事な演技でした。意外と合います。

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阿波木偶箱まわし保存会の皆さんには、これからもこの徳島県独自の貴重な伝統芸能を継承していっていただきたいと願っています。

ちなみに、徳島県鳴門市出身のフルート奏者・岩崎由佳さんは高校時代、阿波踊りのお囃子をなさっていたそうで、阿波踊りのお囃子をフルートとピッコロで演奏していただけました。彼女のフルート奏者としての原点は阿波踊りにあったようで、実に素晴らしい演奏でした。

阿波木偶箱まわしのイベント会場を後にして、徳島名物のご当地ラーメンである「徳島ラーメン」で遅い昼食を摂りました。徳島ラーメンには大きく分けて「茶系」「黄系」「白系」の3系統があります。戦後まもなく白系が誕生し、後に黄系・茶系の順番で登場したといわれています。茶系は「黒系」とも呼ばれ、豚骨スープに濃口醤油やたまり醤油で味付けし中細麺を用い、トッピングには豚のバラ肉・ネギ・もやしなどを使い、生卵を乗せるのが特徴です。黄系は鶏がらや野菜などを使い薄口醤油を加えた薄い色のスープを用いており、ネギやもやし・チャーシューなどを用います。白系は豚骨スープに薄口醤油や白醤油などで味付けした、いわゆるとんこつラーメンに近いものです。いずれもスープの味は濃く、やや強めの甘味があるのが特徴です。徳島で豚骨醤油のラーメンが主流になったひとつの理由として、県内にハム工場(徳島食肉加工場、後の日本ハム)があり、そこで大量の豚骨が出たため、安く簡単に手に入れることができたからだと言われています。私達が入ったお店は徳島駅前にある茶系の徳島ラーメンが売りのお店で、私は迷うことなくその茶系の徳島ラーメンを注文しました。うっかりして写真を撮るのを忘れてしまいましたが、なかなか美味しかったです。これ、私の好みです。



……(その3)に続きます。

執筆者

株式会社ハレックス代表取締役社長 越智正昭

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越智正昭

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