2018/04/02
2018年度スタート!!
今年もまた同じ光景が見られる日となりました。
弊社ハレックスの本社のある東京・五反田界隈を流れる目黒川の河岸の桜も見事に咲き誇っています。今朝は通勤電車の車内にも明らかに社会人1年生と思われるピッカピカのスーツに身を包んだ(まだ着慣れていない)どこかの会社の新入社員さんの一団が乗り込んでいました。見事に咲き誇る桜とピッカピカの社会人1年生の集団…、この光景を目にすると、「あぁ~、また今年も今日から新しい事業年度が始まるんだな…」ということを実感しちゃいます。
今日4月2日は、官公庁をはじめ、日本の多くの会社で新しい事業年度(会計年度)が始まる区切りの“営業日”です。正確には(カレンダー上は)4月1日から始まっているのですが、今年は4月1日が日曜日なので、営業日としてはこの4月2日(月)がスタートです。この新しい事業年度(会計年度)初日は、言ってみれば、ビジネス上のお正月のようなものです。
前の年度である2017年度(平成29年度)は3月31日まででお仕舞い。日付が替わって4月1日からは新しい2018年度(平成30年度)が始まりました。会計年度が替わるということで、昨年度1年間をかけて必死の思いで積み上げてきた事業成果は無情にもゼロクリア。今日から、また新たな事業成果の積み上げが始まります。ふぅ~~~~(正直な気持ち・笑)。
弊社ハレックスの昨年度(2017年度)は、引き続き気象予報士派遣事業をはじめとした従来からの既存事業が大きく売上を落としたものの、弊社独自の気象予報サービス『HalexDream!』を核としたソリューション提供ビジネスが引き続きビジネス規模を拡大し、ありがたいことに、速報値ではありますが、売上は残念ながら計画値に届かなかったものの、営業利益はなんとか計画を達成し、黒字で事業年度を着地することができました。これで13期連続のキャッシュフロー黒字です。ご支持、ご支援をいただいた皆さま方には、心より御礼申し上げます。加えて、温かく見守って下さった株主企業の皆様、パートナー企業の皆様、さらには私が自慢とする明るく元気で前向きな社員達の頑張りにも、心からありがとう…と感謝するところが大きいです。
私が9年前に弊社ハレックスの“専任”の代表取締役社長に就任させていただいて最初にぶち上げたのが、「ハレックスはこれから9年間でガラッと生まれ変わるぞ!」という事業内容の大変革宣言で、『メタモルフォーゼ (生物学でいうところの“変態”・“変身”)』と題した3ヶ年計画×3本(第1章、第2章、最終章)の9ヶ年計画でした。昨年度(2017年度)がその「最終章の“最終年”」。まさに総仕上げの1年でした。
9年前に弊社の専任社長に就任する以前から、私は兼務で弊社ハレックスの(非常勤)社長を務めていたのですが、前の会社を卒業してハレックス社の専任社長になる直前の2007年に、情報通信&情報処理技術(ICT)業界と気象業界で同時に起きようとしていた劇的な変化を感じていました。ICTの世界では、コンピュータの性能が年々目覚ましい勢いで向上していき、それまで不可能と思われてきた処理が安価かつ容易に実現できるようになってきていました。加えて、AppleがiPhoneを発売したのがこの年で、Googleが携帯用OS「Android」を発表したのもこの年です。FacebookやTwitter等のSNSの躍進が始まり、クラウド・コンピューティングという新しいソフト流通の仕組みも本格的に立ち上がり始めました。このように、ICTの仕組み自体が根本から変わりつつあるのを感じたのが2007年でした。
一方で気象の世界でも、2007年の前後で大きな変化が起きていました。その前年の2006年に気象庁のスーパーコンピュータの更新が行われ、メソ数値予報モデル(MSM)の水平解像度が10kmから5kmに高解像度化されるとともに予報回数が1日4回から1日8回に倍増し、2007年にはGSM全球大気モデルが20km分解能になりました。また、緊急地震速報の本格提供が開始されたのも2007年です。その少し前の2004年には降水ナウキャスト情報の提供も始まり、2009年には国土交通省のXバンドMPレーダ整備が開始されました。今までの天気予報とはまるで違う次元のものが次々と提供されるようになってきたわけです。
ICTの世界も、気象の世界も、いろいろ新しいものがこの2007年前後を境にどんどん世に出始めました。この大きな時代の変化を感じた瞬間に、これからの10年、すなわち2017年度までで気象情報提供を取り巻く世界はこれまでと大きく様変わりするな…と直感しました。これは大きかったです。新しいビジネスモデルはこのような大きな時代の変化の中で起きるものですからね。私は自分のビジネスキャリアの最後を賭けるに相応しい仕事を見つけた感じがして、2009年6月に前の会社を卒業して、弊社ハレックスの専任社長に就任させていただきました。それで立ち上げたのが『メタモルフォーゼ』計画という事業の形態の一大変革プロジェクトでした。
『メタモルフォーゼ』の目指すところは弊社HPのトップ画面にも記させていただいておりますが、単なる気象情報の提供会社から、情報の活用ノウハウをベースとしたソリューション提供企業への脱皮でした。私は情報そのものにはほとんど価値がない、その情報をもとに人々が何らかの判断をしたり、行動を起こしたりすることで初めて価値が産むものだ…という考え方でいます。なので、気象情報は様々な業務システムや制御システムに“変数”として組み込まれるようなものでなくてはならないという信念でいます。そういう世界がきっとすぐにやって来る。そういう時代に相応しい気象情報会社に業界内のどこよりも早く変貌を遂げるぞ!…というのが『メタモルフォーゼ』計画の本質でした。
昨年度(2017年度)、新たに受注させていただいたり、お引き合いをいただいたお客様案件を分析してみると、従来のようなただ単に気象情報を提供するだけのビジネスから、一歩踏み込んで、その気象情報を活用して、お客様が抱えるそれぞれの問題や課題を解決させようというソリューション型のビジネスへの転換がこれまで以上に進展してきているように思えます。また、ビッグデータ処理やAI(人工知能)技術の進展により、お客様企業等が保有する各種データと過去の気象データを紐付けて分析しようとするニーズが明らかに立ち上がり始めています。
加えて、昨年3月7日にはIoT・AI 技術等の最新技術を駆使し、多様な産業界において気象データを高度利用する「気象ビジネス」を一層推進するため、気象庁様が中心となって『気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC)』が設立されました。これは、私が9年前に弊社ハレックスの“専任”の代表取締役社長に就任させていただいた時に思い描き変革に取り組んできた「気象情報会社としての将来あるべき姿」が、単に弊社1社のみならず、業界全体、いや、世の中全体の大きな“流れ”として認知されてきた証しのように感じています。
弊社ビジネスの主力商品である『HalexDream!』に関しては、具体的なお客様のソリューション案件を幾つも取り組まさせていただいている中で、徐々に商品としての機能アップや商品ラインナップの拡充が図られ、今年度も、さらなる飛躍が十分に期待できるようになってきています。
『メタモルフォーゼ』の成果は年度ごとの決算数値に如実に現れてきています。9年前、弊社の売上の7割以上を占めていた気象予報士の派遣事業の売上は、昨年度(2017年度)はついに1割を切り、約8%にまで減少しました。事業の構造は明らかに変わることができました。会社全体の売上は若干下がったものの、この事業構造の大変革を一度も赤字決算に転落することなく成し遂げられたことは、私が誇りにするところです。また、前述のように、昨年度(2017年度)は、気象予報士派遣事業をはじめとした従来からの既存事業が大きく売上を落としたことで、残念ながら年間の売上は計画値に届かなかったものの、営業利益は計画値を達成することができたのですが、これはこれまで9年間の様々な取り組みにより、弊社の事業が高付加価値型ビジネスへと転換が進んできた証しではないか…と分析し、嬉しく思っているところです。
ですが、弊社HPのトップ画面にも描かせていただいておりますように、この『HalexDream!』は弊社が持つ「気象情報の活用ノウハウ」を最大限に活かせて、お客様のサービスに導入しやすい基盤となる仕組みに過ぎません。弊社が『メタモルフォーゼ』計画で目指した本当の目標は「気象情報の活用ノウハウ」、すなわち、情報の“付加価値”でビジネスが出来る会社への変革でした。そのため、一昨年度(2016年度)から弊社独自開発の最新のICTを活用した新しいタイプの『気象情報センター』を立ち上げたりもしました。昨年度(2017年度)、『メタモルフォーゼ』計画の「最終章の“最終年”」という総仕上げの1年であったにも関わらず、年間売上が計画値を達成できなかったのは謙虚に反省しないといけないと思っています。達成できなかった原因は主として人的、組織的課題の克服が十分ではなかったことと私は捉えています。営業力の強化や開発力の強化、人財の育成等々、解決していかないといけない事業変革に向けての課題はまだまだ山積していて、志はまだまだ途半ばってところにあります。
とは言え、『メタモルフォーゼ』計画は一昨日3月31日で終了しました。今年度(2018年度)から、新たな事業の目標、会社としての目指すべき姿を見据えて、新しい3年間の中期事業計画が始まります。そのスローガンというかキャッチコピーにつきましては、日を改めて発表させていただきます。
これからも「○○だったらハレックスが一番!」と皆様から迷わず言っていただけるような事業領域の確立に努め、皆様からのご期待にお応えできる信頼感のある会社へとさらに成長していきたいと考えています。そのための社内体制の再編と強化も行っていきたいと考えております。
最後に、弊社ハレックスは4月1日で創業25年を迎えました。国税庁が調査した「中小企業が設立から倒産するまでの期間」をまとめたデータ、いわゆる「会社生存率」(=「企業存続率」)によりますと、会社設立から5年以上続く確率は約15%、10年以上存続する確率は約6%、20年以上存続する会社は僅かに0.3%だと言われています。そういう中にあって、弊社ハレックスが創業から25年を迎えられたということは本当にありがたいことだと心から思っております。これもひとえに弊社ハレックスを支えていただきましたお客様、パートナー会社の皆様、株主企業の皆様、社員の皆様等のおかげだと心より感謝いたしております。本当に、本当にありがとうございます。
まだまだ厳しい経営環境にあることに変わりはありませんが、社員・経営陣一丸となって皆様のご期待にお応えできるように邁進していく覚悟でおりますので、引き続き今年度2018年度も、よろしく、よろしく、お願い申し上げますm(__)m
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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