2018/04/03
大人の修学旅行2018 in鹿児島(その1)
私が卒業した香川県立丸亀高校のクラスメイト達と毎年楽しんでいる『大人の修学旅行』ですが、これまで、①2010年4月の桜満開の京都を皮切りに、②冬の北陸加賀温泉、③混浴露天風呂まであった奥飛騨温泉、④河津桜で有名な伊豆稲取、⑤遷宮なったばかりの伊勢神宮、⑥私達の世代には懐かしい漫画「土佐の一本釣り」の舞台・土佐久礼、⑦昭和初期の風情が漂う城崎温泉、そして⑧懐かしいTVドラマ「俺たちの旅」の舞台・湘南鎌倉…と毎年開催してきて、今回が第9回目です (番外編として『大人のお泊まり遠足in京都祇園祭』というのもありました)。毎回、全国各地から同級生が15名ほどが集まります。
大人の修学旅行2015 in 土佐の一本釣り(その1)…(その13)まである長編です。
大人の修学旅行2016 in城崎温泉(その1)…(その14)まである長編です。
大人のお泊まり遠足2016 in 京都祇園祭 (その1)…(その10)まである長編です。
大人の修学旅行2017ロケハン編(その1)…(その3)まであります。
第9回目(番外編の『大人のお泊まり遠足at 京都祇園祭』を含めれば10回目)となる今回は3月3日(土)と4日(日)、これまでで一番遠い九州の鹿児島市での開催でした。昨年の第8回は私にとっては近場の湘南鎌倉での開催だったのですが (関西地方在住者や地元香川県在住者の皆さんにとって湘南鎌倉は「行けそうに思えて、個人ではなかなか行けないところ」なんだそうです)、その場で次回は九州に行きたい…ということになり、じゃあ鹿児島で…ということになったのでした。どうも多数派の関西地方在住組や地元香川県在住組が九州新幹線の終着駅である鹿児島(中央駅)まで行ってみたいというのがその最大の選定理由だったようです。私はそれまでの議論から一転、それまでまったく話題にも上っていなかった鹿児島に決定したタイミングはトイレに立っていて居合わせていなかったのですが、トイレから部屋に帰ってみると「開催場所、この場に居合わせた全員一致で決まったよ」と告げられ、私が「へぇ〜、で、どこ?」って訊くと、「九州の鹿児島! そして幹事はエッチャン(私)!」、「エッ!! お、俺!!」(◎_◎;)
第8回が湘南鎌倉ということで幹事が関東在住組だったので、次回第9回は関西在住組、もしくは地元香川県在住組が担当する順番の筈。なので、まったく油断していました。「なんで俺なの? 次は関西組か地元香川在住組の筈だろう!」、「エッチャン、奥さん鹿児島の出身だろう。鹿児島に詳しいと思ってさ」、「ちょ、ちょっと待て! 確かにウチの奥さんは鹿児島県の出身だけど、鹿児島県は鹿児島県でも大隈半島(東側)のほう。なので、俺、鹿児島市をはじめとする薩摩半島側(西側)のほうはほとんど知らないよ」…という抵抗は示してみたものの、多勢に無勢。誰も援護してくれないので、仕方なく私が幹事になって鹿児島市で開催することになったのでした。
考えてみれば鹿児島県曽於郡出身の家内と結婚して34年。鹿児島県に強いご縁はできたのですが、私達が結婚後ほどなくして家内の両親が相次いで他界したものですから、現在では鹿児島県とは縁遠くなっていました。数年に一度くらいは訪れるのですが、大抵は法事か墓参り。その際に親戚まわりをするものの家内の親戚は曽於郡や肝属郡、鹿屋市といった大隈半島側ばかりなので、薩摩半島側にある鹿児島市にはほとんど行ったことがなくて、それこそ鹿児島市には仕事の出張で行ったことがある程度。その際も、せっかくなので墓参りに行こうと仕事が終わればさっさとフェリーに乗って錦江湾を渡り、大隈半島側(垂水港)に移動してしまったので、これまで鹿児島市をゆっくり観光したことがなかったのでした。そういう意味で私にとって鹿児島市は盲点ではありました。
私達の『大人の修学旅行』の基本コンセプトは「行けそうに思えて、個人ではなかなか行けないところを訪ねてみる」というもの。そういう意味では、私にとって鹿児島市はまさに「行けそうに思えて、個人ではなかなか行けないところ」という『大人の修学旅行』の基本コンセプトにピッタリと合致したところなのかもしれません。こういう機会でもないと、鹿児島市をゆっくり観光するなんて、考えもしませんものね(個人で行くと、墓参りもあり、どうしてもすぐに大隈半島側に行ってしまいますからね)。折しも、今年(2018年)は明治維新から150年ということで、NHKの大河ドラマは鹿児島が生んだ明治維新の英雄、西郷隆盛が主人公の『西郷どん(せごどん)』。世の中的にも鹿児島に関心が集まっているということで、そのNHK大河ドラマ『西郷どん』の舞台を訪ねるというのは実にタイムリーなことでもありました。
それと幹事に関しても私が主幹事となるのは第2回の北陸加賀温泉の時以来2度目。これまでも主に関東在住組が幹事を務める時は常に“アドバイザー”として補佐してきたつもりなんですが、自分自身が主幹事を務めるのは7年ぶりのことです。まぁ~、そろそろ主幹事の役が回ってくる頃だな…と思っていたので、順当と言えば順当なのかもしれません (私はその次の第10回で主幹事だと勝手に思っていましたが…)。
で、幹事としてコース設計に手をつけたのですが、これがちょっと難問でした。『大人の修学旅行』は基本1泊2日。その制約の中で、温泉、旨い地酒と、美味しい地元の料理という3つの“大人の旅の定番”が楽しめるところを宿泊場所に選ばないといけません。しかも1日目の午後と2日目の午前中に私達の好奇心を満足させるような観光コースを組み込まないといけません。鹿児島の場合、芋焼酎の本場なので旨い地酒はまったく問題なし。美味しい地元の料理というのも、黒牛、黒豚、黒鶏、薩摩揚げ、キビナゴ…って揃っているので全く問題なし。頭を悩ましたのは実は温泉でした。
鹿児島県は幾つもの活火山が今も活発に活動を続けているところなので、霧島温泉や指宿温泉と言った有名な温泉地もあるのですが、どこも鹿児島市内からちょっと距離があるので、1日目と2日目の観光コースのことを考えるとちょっと悩ましいところなのです。鹿児島市内にも“源泉かけ流し”の文字が付いた“ホテル”は幾つかあるのですが、どこも洋室主体の“ホテル”なので、ダメなんです。必要なのはいわゆる“旅館”。すなわち、『大人の修学旅行』では15名前後の大人が泊まれる和室の部屋(5名×3部屋or4名×4部屋)が最低限必要となるのです。それは、小学生や中学生の修学旅行の定番である“枕投げ”をしたいわけではなくって、宴会終了後も場所を変えて夜遅くまでワイワイ部屋飲みをしたいから(時々、話の流れで枕が飛ぶこともあって、これが“大人の枕投げ”です)。そしてその後もみんなで枕を並べて寝たいから。和室で泊まれる温泉旅館となると、実は結構候補地が限られてしまうんです。
さぁ〜て、どうしよう…と思っているところで恐る恐る鹿児島県出身の家内に相談してみると…、すぐに「いっそのこと桜島に泊まったら」という返事が返ってきました。エッ! アッ! そうか、その手があったか! さすがは“カゴシマーナ(鹿児島の女性)”。適切過ぎるくらいに適切なアドバイスです。で、桜島は活火山なので絶対に温泉がある筈だ…と思って調べてみると、ありました!温泉が! それも国民宿舎が!! その名も『桜島マグマ温泉 国民宿舎レインボー桜島』!! 桜島には鹿児島の桜島フェリー港からフェリーボートを使うと僅か15分で渡れます。しかも『桜島マグマ温泉 国民宿舎レインボー桜島』はフェリーボートが着く桜島港のすぐ近くにあります。こんな絶好の位置にある温泉宿はほかにありません。しかも和室が主体。もうここしかない! ここを逃してなるものか!…と思い、見つけてすぐに予約を入れました (本来は半年前からしか予約を入れないのだそうですが、国民宿舎のご厚意で1年前に仮予約、半年前に本予約と言うことで予約を受け付けていただきました)。
宿泊場所が決まったので、次は観光コースの設計なのですが、ここは短時間のうちにいろいろなところを効率的に見て回れる手段として、1日目も2日目も定期観光バスを利用することにしました。鹿児島市内では鹿児島市交通局とJR九州バスの2社が定期観光バスを運行していて、私が選んだのは鹿児島市交通局のほう。こちらは『かごしま歴史探訪コース(市内定期観光コース)』と『桜島自然遊覧コース(桜島定期観光コース)』の2コースが用意されていて、どちらも午前と午後に1便ずつの1日2便あり、まさに私達のニーズにピッタリ! 私達のために用意してくれていたのか…と思えるように都合が良かったからです。
若い頃から旅行好きだった私ですが、正直、旅行会社が企画するパッケージツアーや定期観光バスの利用なんて…ケッと思っていたようなところがありました。なぁ〜んか軟弱な感じがしましてね。でも、最近の趣味となっている街道歩きや妻との旅行もそうですが、このところの私の旅行はたいていは旅行会社が企画するパッケージツアーの利用に変わってきています。なんと言っても、コース設計は楽ですし、見どころを短時間のうちにくまなく効率的に回ってくれますし、おまけにガイドさんによる説明も付いているので分かりやすく楽しい。今までなんで格好つけて毛嫌いしてきたんだろう…と後悔しているほどなんです。なので、今回の『大人の修学旅行2018 in鹿児島』では、遠方過ぎて事前のロケハンに行くこともままならないこともあり、定期観光バスを大いに活用しようとしたわけです。定期観光バスを活用するのは、実は『大人の修学旅行』では9回目にして初めてのことです。今後の参考になれば…と、自分が主幹事を務める時にこういう冒険もやってみるのもいいかなと思ったわけです。これが好評ですと、次回以降、私達の『大人の修学旅行』も土地勘のない比較的遠いところへも平気で行けるようになり、可能性が一気に広がりますし、幹事をやるのも段違いに楽になりますからね。鹿児島入門編のようなコースではありますが、鹿児島に行くのは初めてという人がほとんどなので、なかなかいいコースではないか…と思っています。なんと言っても桜島での宿泊というのが『大人の修学旅行』っぽくて、ちょっとマニアックですし。
で、当初1日目に『桜島自然遊覧コース(桜島定期観光コース)』、2日目に『かごしま歴史探訪コース(市内定期観光コース)』を選んで予約を入れて、やれやれ、これでだいたいの準備はできたかな…と思っていたのですが、3ヶ月前になって鹿児島市交通局から私宛てに急に電話が入り、なんと2日目の3月4日(日)に鹿児島市内を舞台に毎年1万人以上のランナーが参加する鹿児島マラソンが開催され、市内は大規模な交通規制が敷かれるので、その日は『かごしま歴史探訪コース(市内定期観光コース)』を運休するとのこと。エッ!? でも、鹿児島市交通局の方のアドバイスもあって、1日目と2日目のコースを逆転。1日目の3月3日(土)に『かごしま歴史探訪コース(市内定期観光コース)』、2日目の3月4日(日)に『桜島自然遊覧コース(桜島定期観光コース)』としました。結果的にこのスケジュールの逆転の選択が当日に功を奏することになるのですが、その時は2日目の3月4日(日)の鹿児島マラソンによる大規模な市内交通規制というのがなにより気掛かりでした。仕事の都合でその日の夕方に自宅に帰り着くため、13時45分発の九州新幹線で鹿児島中央駅を出ないといけない方がいらっしゃって、それに間に合わせないといけませんでしたから。私が住む埼玉県さいたま市でも「さいたまマラソン」という1万人以上が参加する大きなマラソン大会が毎年開催されていて、その当日は市内には大々的な交通規制が敷かれて、周辺の道路交通にも大きな支障が出ることは知っていますからね。
こうして準備した今年の『大人の修学旅行2018 in鹿児島』ですが、参加を募ったところ、すぐに12名の方から参加の表明があり、私も含め13名。ほぼ例年並みの規模になりました。今年の開催は鹿児島と遠いところでの開催なので、少しは減るかもしれないな…と予想していたのですが、この反応の良さ、そして人数。私達のクラスは39名が卒業したクラスでしたので、13名というのはちょうどクラスの3分の1です。そして毎年ほぼ参加している常連さんの数が13名。もうクラスメイトの間では毎年の恒例行事になっている感じもします。みんな、この『大人の修学旅行』を楽しみにしているのでしょう。今年は常連さんのうち1名の方が脚の怪我で無念の欠席ということになりましたが、反対に初参加の方が1名いらっしゃいます。なんとその初参加の彼と会うのは卒業以来ですから44年ぶりということになります。毎年の恒例行事として長く続けていると、こういうことがあったりするので嬉しいものですね。長く続けるものです。大いに期待が膨らみます。
今年の『大人の修学旅行2018in鹿児島』は3月3日(土)、4日(日)の開催だったのですが、幹事の私は1日前の3月2日(金)に休みを取って先乗りすることにしました。3月に入るとやっと冬が過ぎ去って暖かく穏やかな春が到来…ってイメージが強いのですが、この季節の変わり目にあたる3月から5月にかけての時期って、日本列島付近に北から入り込んでくる冷たい空気と南から流れ込む暖かい空気がぶつかりあって上昇気流が生まれることで、温帯低気圧が急速に発達することがよくあるのです。この日本列島付近で急速に発達する低気圧が通過することによって「春の嵐」や「メイストーム(5月の嵐)」と呼ばれる激しい気象現象が発生し、台風並みの暴風や猛吹雪、海岸では高波となることがあったりするので、気象的には要注意の時期なのです。
なので、万が一のことを考えて鹿児島に先乗りすることにしたのですが、もう1つ理由があって、それは遅ればせながらの“ロケハン”でした(^_^;) 集合場所や、その集合場所までの行き方、遅れて鹿児島に着いて桜島の国民宿舎まで直接行かないといけなくなってしまった人のために道案内しないといけませんからね。
3月2日(金)、この日の東京の天気は穏やかに晴れて、気温もちょこっと高め! でも、鹿児島の天気予報はと言うと、前線を伴った低気圧が西から接近してくる影響で、これから下り坂。困ったことに3月3日(土)は「曇りのち雨」、3月4日(日)は「雨のち曇り」。弊社オリジナル気象予報サービスの『HalexDream!』を見ても、気象データ可視化ツールの『Weatherview2』を見てもそれは変わりません。「晴れ男のレジェンド」の神通力もこれまでか…。よりによって私が幹事の時に…。弊社の気象予報士の見解を聞きたくて会社に電話してみると「社長、明日(3日)は残念ながら雨です。ただ、もしかすると低気圧が予想よりも早く通り過ぎて、明日(3日)の夜には雨はあがるかもしれません。そうなると明後日(4日)は晴れてメッチャ暑くなると思います。でもそれから再び前線の通過により荒た天気になります」とのこと。もうこうなると、一縷の望みにすがるしかありません。明日(3日)は諦めるとして、前線を伴った低気圧が予想よりも早く通り過ぎていって明後日(4日)が朝から晴れることを…。明後日(4日)雨だと、せっかくの雄大な桜島の風景も台無しですからね。
このところ仕事の関係で気持ちの上で余裕がなく、幹事であるにも関わらずなかなか『大人の修学旅行モード』にスイッチが切り替わっていなかったのですが、さすがに鹿児島空港行きの飛行機に搭乗して眼下の景色を眺めているうちに『大人の修学旅行モード』スイッチが“ON”に切り替わってきました。よしっ!! さぁ〜て、ここから“エッチャン(高校時代の私の愛称)”モードに切り替わります (以下、登場人物は全て高校時代の愛称で呼びます)。
ANAボーイング767型機は順調にフライトを続け、徐々に鹿児島空港に近づいていきます。鹿児島空港まではしばらく太平洋の上空を通るルートで飛行するのですが、太平洋上に出たところあたりから眼下が雲に覆われていました。鹿児島空港が近づいてきて、徐々に高度を落としていって雲の下に出たところで最初に目に飛び込んできたのは錦江湾(鹿児島湾)に浮かぶ桜島の光景でした。おおっ!! 微かに噴煙を上げている様子が分かります。明日はあそこに泊まります。
鹿児島空港に着陸しました。明日は天気が崩れる予報が出ているのですが、この日の天気はまずまずです。このままの天気であってくれるといいのですが…。旅行ってお天気次第で印象が随分と変わるものなので、幹事をやるとお天気のことばかりが気になります。参加してくれる仲間達には鹿児島に好印象を持って帰っていただきたいものですからね。
霧島市の溝辺町から隼人町に広がる鹿児島空港は主に日本エアコミューター(JAC)がハブ空港として運用している空港で、その他にも日本航空、全日空、ピーチアビエーション、ジェットスター・ジャパン、ソラシドエア、フジドリームエアラインズ、スカイマークなど多くのエアラインが就航し、全国17の空港との間を結んでいます。国際線も日本航空、チャイナエアライン、中国東方航空、大韓航空、イースター航空、チェジュ航空、香港航空、香港エクスプレス航空といったエアラインが就航し、台湾(台北)、中国(上海)、韓国(ソウル)、香港との間を結んでいます。年間利用客数は国内5,041,011人、国際130,665人の計5,171,676人(2014年度)。鹿児島空港は多くの離島路線を抱えていることもあり、年間利用客数は九州内では福岡空港に次いで第2位、国内でも有数の規模を誇る空港です。
前述のようにこの鹿児島空港をハブとしている日本エアコミューター(JAC)は鹿児島県に数多くある離島へのアクセス改善のため、日本航空(当時の東亜国内航空)と鹿児島県奄美群島の14市町村(合併により12市町村に減少)が出資して発足したコミューター航空会社です。離島アクセスの改善を主目的に発足した航空会社だけにJACは会社設立以来、ターボプロップ双発旅客機(プロペラ機)のみで運航しているのが特徴です。全機材が普通席のみで、JALグループでありながらクラスJ等の上級クラスは設定されておらず、また、ストレッチャーを座席に固定することで患者の搬送ができる仕様になっています。第二次世界大戦後に初めて日本のメーカーが開発した旅客機として知られるYS-11、このYS-11が日本のエアラインにおける定期路線での運航を終了したのが平成18年(2006年)9月30日のことで、日本エアコミューター(JAC)の沖永良部〜鹿児島便。最後に着陸したのがこの鹿児島空港でした。私も一番最後にYS-11に乗ったのは鹿児島空港発→松山空港行きの日本エアコミューター便でした。現在は、カナダのデ・ハビランド・カナダ社が開発したDHC-8-Q400型機とスウェーデンのサーブ社とアメリカのフェアチャイルド社が共同開発したSaab340型機の2機種の双発ターボプロップ旅客機が主力機材ですが、今後、フランスのアエロスパシアル社とイタリアのアエリタリア社という2つの航空機メーカーが合弁事業で興したATR社製のターボプロップ双発旅客機ATR42-600型機に機材更新していく方針のようです。この日も2017年4月から運行を開始したATR42-600型機が離陸していく姿を見ることができました。日本国内では熊本県の天草エアラインと日本エアコミューターだけが導入している機材で、乗り物(飛行機)マニアとしては嬉しくなっちゃいます。
このように、いろいろなエアラインのいろいろな機材の飛行機に逢えるというので、実はこの鹿児島空港は私の大好きな空港の1つなんです。乗り物(飛行機)マニアとしてはもっと眺めていたいのですが、現地のロケハンという幹事の大事なお仕事があるので、諦めて先を急ぐことにしました。
鹿児島空港のターミナルビルを出たところに足湯があります。さすがに火山県、温泉県です。「おやっとさぁ」の文字が出迎えてくれます。「おやっとさぁ」とは鹿児島弁で、「お疲れさま」という意味の言葉です。
鹿児島空港からJR鹿児島中央駅まではリムジンバスで向かいました。私は家内の実家に向かう時は現地での移動の便利さを考えて、たいていは空港でレンタカーを借りることにしているので、リムジンバスを利用するのは以前仕事の出張で来た時以来です。ちょっと新鮮な感じがします。
ふと左手の車窓を見ると、遠くに噴煙が見えます。霧島連山の新燃岳(しんもえだけ)の噴煙です。新燃岳は、霧島連山の中央部に位置し、有史以降も噴火を繰り返している標高1,421メートルの活火山です。この日の前日の3月1日(木)にも新たな噴火が確認されました。山頂付近から黒い噴煙がたなびいています。新燃岳は平成23年(2011年)に大きな噴火を起こしたのが記憶に新しいところです。そういう噴火にならないことを祈るばかりです。
……(その2)に続きます。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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