ハレックス設立の日 平成5年(1993年)4月1日

 新たなブログのスタートに当たり何を書こうか迷ったが、新しいことの始まりに絡めて、弊社の設立の日の天気を話題にすることにした。

 設立の日、平成5年4月1日9時の地上天気図を示す。これは、テレビや新聞で見る天気図と違い、気象業界が使っている専門天気図で、気象庁作成のものである。ここでは気圧配置だけ見てほしい。

19930401天気図

 これによると低気圧が日本海にあって、これに伴う寒冷前線が関東地方に近づいている。春は寒冷前線の通過によって天気が急変することが多いので、荒れた空模様が頭に浮かぶ。天気図を詳細に見ると、輪島では雷があったとしているが、この雷が関東地方でも起こったかは、この天気図では見えない。

 そこで、気象庁HPに載っている過去の観測記録からどんな日であったか見ることにした。各地の気象台では、定時の気象観測だけでなく、どのような大気現象が起こったかを詳細に記録しており、これが「1時間毎の値を表示」の欄に載っている。

 この欄は、各時刻の気圧・気温・風など諸気象要素の観測値が並んでおり、この表の下には記事の欄がある。観測担当者が刻々と変化する空の様子を観測し記録したものである。 当日の記録を見ると下のような記事が載っている。

19930401気象庁日原簿


 主だった記号を説明しておく。F8A8は雨、 F8AEはしゅう雨、F8BAはもや(靄)、F8A3は煙霧、F8ACはひょう(雹)、F8ADは雷電を表している。一番下列のF8DBは前線通過を表している。また、4桁の数字は観測した時間を示しており、雷電については雷電の起こった方向と距離も示されている。

 この記事から、天気が急変した頃を読み解くと次のようになる。 「15時40分、寒冷前線の通過に合わせてしゅう雨があり、雷電とともに最大7mmのひょう(雹)が降り25分ほど続いた。雷電は北から近づき、16時5分には頭上で発雷し、東へと移動した。前線通過時には東風から北風に急変し突風を伴った。」

 気象会社の発足を歓迎したかのような鳴物入りの天気変化が起こったことが読み取れた。

 天気図1枚や一日分の観測資料には、こんなに多くの情報が入っているのです。気象に関する知識が豊富になれば、なんとなく見ていた資料が宝の山に変わるかもしれない。

 なお、弊社のサービスの一つに「思い出の天気図」がある。これは大切な方への誕生日や記念日の記録としての天気図のプレゼントをサポートするものです。

18830526_地上天気図