2014/12/24

ひまわり8号の初画像

ひまわり8号の初画像
気象庁から、今年10月7日に打ち上げられたひまわり8号による最初の観測画像が公開された。ひまわり8号については、これからも衛星の機能試験や地上システム結合試験などが行われ、実際に活用が始まるのは来年(平成27年)夏頃からの予定である。

今回公表された、ひまわり8号の初画像は、以下の気象庁ホームページから見ることができるので、興味ある方はどのような画像が取得できたか見てください。

http://www.jma-net.go.jp/sat/data/web89/himawari8_first_image.html

このページに入ると、可視3バンド合成カラー画像と、バンド1からバンド16までの16枚の円形の画像が並んでいる。ここには、公開されたカラー画像から日本付近を切り出して示すことにする(画像の解像度を落としたものによる)。この画像によると、北海道の東にある猛烈に発達した低気圧が大陸から真冬並みの寒気を呼び込み、日本列島は冬型の天気分布となっている。

ひまわり8号の初画像_2


ところで、新しいひまわり8号は、これまでの衛星に比べいくつかの観測機能の拡充が図られている。 一つ目は、観測波長帯の大幅な拡充である。これまでは5バンドであったが、16バンドに増やした。様々な特徴をもつ波長帯での観測により、地球表面と表面を覆う大気の状態を観測できることになる。例えば、これまでのひまわりシリーズでは可視バンドは1つだけであったが、ひまわり8号は可視光帯を3つのバンドで観測する。この3バンドは光の3原色の波長帯を観測するため、3つのバンドの観測を合成するとカラー画像で見ることができる。今でも気象庁HPでは衛星画像のカラー表示があるが、これは地図をカラー表示し観測画像に重ねたもので、真のカラー画像ではない。
公開した画像でオーストラリア大陸を見ると、緑の少ない大陸が赤みを帯びていた。日本付近は寒気が氾濫した状況で寒気に伴う筋状の雲が日本海側に掛かっているが、関東平野は雲一つない状況で地表面が観測されており、平野部と山地での色の違いが分かる。また、この日は日本海側だけでなく名古屋でも大雪となったが、若狭湾から琵琶湖付近を経て名古屋付近に延びる雪雲の帯がかかっている様子も捉えている。一方で、日本海の北側の大陸(沿海州)では雲がないはずであるが、白い部分が見られる。これは、山岳地帯に積雪があることを示している。

赤外波長帯のセンサーが多くなっているが、その利用の一例が下表のように示されているが、最近話題になっている大気汚染物質の広がり等の監視などへの活用も期待したいところである。

ひまわり8号の初画像_3


二つ目は、水平解像度の向上である。公表されている水平解像度は製紙衛星直下の赤道上で、可視画像は1kmから0.5km(1バンドのみ)、赤外画像は4kmから2kmと倍の解像度となる。これまでぼんやり見えていたものが鮮明に見えるようになるので、発生初期の積雲や積乱雲の成長の様子などが見られると期待している。気象現象の観測だけでなく、黄沙の監視、火山噴火活動の監視にも効果が上がると期待される。

三つ目は、観測間隔が飛躍的に短縮される点である。全球観測はこれまで30分に一度であったがこれが10分間隔となる。これだけではなく、日本付近や台風周辺を切り取り観測できる機能を備えており、その観測間隔は2.5分間隔となる。気象庁レーダーは5分間隔で雨雲の動きを観測しているが、これより密な観測を行う計画である。

観測間隔が短縮されるとどのようなものが見えるであろうか。気象衛星センターがひまわり7号などで特別に観測間隔を短縮した観測を行ったものをホームページに載せている。
例えば、次のアドレスでは、1分間隔で台風の中心付近を連続観測した動画が示されている。

http://www.jma-net.go.jp/msc/gallery/index2008_j.html

台風の周囲で発達する積乱雲の変化が手に取るように見える。より詳細に台風周辺の構造の把握ができることで、台風の発達の動向がより正確になり、台風の進路予報や強度予報が向上することが期待される。

また、新しい静止気象衛星ひまわり8号に関しては、気象庁HPで機能紹介などをしているリーフレットを得ることができるので、これも参考にすると良い。

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/himawari/2014_Himawari89.pdf

執筆者

気象庁OB 市澤成介

気象庁OB
市澤成介

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