2015/12/24

就業者の49%、将来、機械や人工知能で代替可能!(@_@)

先日(12月2日)、次のような驚くべき報道が流れていました。

『就業者の49% 将来、機械や人工知能で代替可能』

10年から20年後には、今、日本で働いている人の49%の職業が、機械や人工知能によって代替することが可能だとする分析を民間の調査研究機関がまとめました。技術の進歩によって近い将来なくなる仕事があるのか、関心を集めそうです。

この分析は、野村総合研究所がイギリスのオックスフォード大学の研究者と共同で行ったもので、601種類の職業について、技術の進歩によって将来、機械や人工知能が代替できる確率を計算しました。職業ごとに必要な知識や技能を数値化したデータを基にコンピューターで分析した結果、10年から20年後には235種類の職業が代替できる確率が高いと分析されました。具体的には、スーパーの店員や一般事務員、タクシー運転手、ホテル客室係、警備員などとなっていて、これらの仕事をしている人は合わせておよそ2,500万人に上り、今、日本で働いている人の49%に当たります。

一方、医師や教師、美容師、それに観光バスガイドなど、人とのコミュニケーションが重要な仕事や、映画監督、音楽家など創造性が特に必要とされる仕事は、機械が代わって行うのは難しいと分析されています。この分析では社会情勢の変化などは考慮されていませんが、技術が進歩し機械の導入が進むことで、近い将来なくなる仕事があるのか、関心を集めそうです。

野村総合研究所の寺田知太上級研究員は「今後、労働人口が減っていくなか、人手不足をテクノロジーで解決する可能性を示したもので、議論のきっかけにしてほしい。将来は、機械に多くの仕事を任せる一方、人は創造性やコミュニケーションがより求められる仕事を担うようになるのではないか」と話しています。
(NHKニュース&スポーツ 12/02 14:43)


この分析を行ったのは野村総合研究所さんですね。

野村総合研究所ニュースリリース

野村総合研究所さんと言えば、毎年「NRI未来年表」というものを発表しておられます。この「NRI未来年表」は、今後50年間で予定されている主な出来事を「政治・社会」「経済・産業」「国際」の軸で整理し、さらに、NRIが書籍やセミナーなどで発表している様々な予測を「NRI予測」として掲載している年表です。これを見ると、将来の社会の大きな動きが一覧できます。今発表している未来年表には、2016年~2065年までの未来予測を盛り込んでいます。

野村総合研究所 NRI未来年表2016-2065

私は2005年から2010年までの6年間、埼玉大学工学部の非常勤講師を務めさせていただいたのですが、その講義の中で、野村総合研究所さんの了解をとり、この「NRI未来年表」を教材として使っていました。この「NRI未来年表」を読ませて、学生さん達に10年後や50年後の自分達を取り巻く社会をイメージさせ、グループで討議させたわけです。中には「2050年、ドラえもんはまだ出来ていない」…なぁ~んて発表もあったりして、なかなか面白かったですよ。

エンジニアにとって(経営者にとっても)、ニーズとシーズ両面から未来を予想することは極めて重要なことであると私は思っています。その近未来予想の上で、自分達は何をしないといけないかを常に考え行動すること、これが必ずや成功に繋がると思っています。それが明確な予想でなくても、方向性だけでも掴んでおけば、様々な戦略的な意思決定の上で参考になります。

この職業に関する将来予測もその一つですね。

私の極々身近でも、私が大学を卒業して日本電信電話公社に入社した今から37年前(昭和53年)、まだ全国の電話局には「電話交換手」と呼ばれるおばさま方が大勢働いていらっしゃいました。その電話交換所のおばさま方から、入社間もない越智クンは可愛がっていただいたものです。電話の普及に伴って必要とされた「電話交換手」。かつては「電話交換手」を呼び出し、手動で電話を繋がなければ通話ができませんでした。昭和40年には16万人以上の電話交換手の方が働いていましたが、自動交換機が出来て、全国に普及していったことで、次第にその数は減っていき、私が入社した翌年の54年3月14日、東京都利島並びに沖縄県南大東島・北大東島における自動化を最後に、全国のダイヤル自動化が完了したことで、ほどなく絶滅してしまいました。

かつて働く女性の花形職業と言われたタイピストも、最近まるで聞かれなくなった仕事の1つです。昭和40年代には速記者を含めて9万人近くの方々がタイピストとして働いていらっしゃいましたが、多くの職場でパソコンなどが使われ始め、タイプライターが姿を消すと、タイピストという仕事もなくなりました。私が日本電信電話公社に入社した37年前は、コンピュータのシステム開発の現場でも、厚手の紙に穴をあけ、その位置や有無から情報を記録するパンチカードがコンピュータへのデータ入力の手段としては主力で、プログラマはコーディングシート(紙)に鉛筆などでプログラムを記入後、キーパンチャーと呼ばれる人間に渡し、専用のカード穿孔機でパンチカードを作成していただくのが一般的でした。私は字が下手くそな上に、コーディングシートに殴り書きでプロフラムを書くので、キーパンチャーのおねえさん方からはいつも苦言を呈せられていました。そのキーパンチャーもプログラマがパソコンを用いて磁気ディスク等の磁気媒体に直接入力するようになって、一気に姿を消してしまいました。

農業も同じです。国勢調査によりますと、昭和35年には1,454万人もいた農業就業者は平成22年には261万人まで減少し、今や絶滅の危機を迎えています。

その一方で、新しい職業も生まれてきています。医療・福祉施設の介護職員などは平成22年までの5年間で20万人以上増加しました。さらに、就業者が342万人に上る「分類ができない職業」の中には、これまでにない新しい仕事の従事者も数多く含まれています。こうした数字からは、多くの人々が社会の変化に合わせて新しい仕事に移っていることが窺えます。

これは極端な例ですが、今も残っている職業であっても、技術の進歩や社会的ニーズの変化によって、その業態が大きく様変わりした職業は少なくありません。ほとんどの職業がなんらかの様変わりをしているものと思われます。

今後は機械のさらなる自動化や人間並みの作業ができるロボットの普及が進み、製造業や小売業などでは人間が活躍する場面がドンドン減っていくことが予想されます。さらに情報の分野で進む人工知能処理やビッグデータ処理等の導入により、パターン化された仕事や身体を使うような仕事はどんどん機械化され、頭を使う部分しか人間には残らないようになるのではないか…と言われています。これらにより人間に求められる仕事の内容はドンドン高度化して、創造性とコミュニケーション能力の重要性が急速に高まってくると思われます。労働者は常に変化を認識することが重要で、機械化の波が来たときに波に乗れるよう対処することが求められる時代になってきたと思いますね。そして、その変化の速度は、今まで以上になることは容易に想像できます。

これは気象の世界でも同じですね。気象予報士という専門資格保有者でも今までと同じ考えでは、とても生き残っていけないと思っています。

執筆者

株式会社ハレックス前代表取締役社長 越智正昭

株式会社ハレックス
前代表取締役社長

越智正昭

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